September 25 2007, No.313
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
       〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

  ― 第102号 / 「キスとホープとクイーンと」 ―
 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish102_photo.html ≫

こんにちは。
今週は、催し物だらけで浮ついた8月が終わり、落ち着きを取り戻した
9月のリヴァプールでの出来事をお伝えします。

9月8日、Tate Liverpoolに、「考える人」で有名な彫刻家ロダンの作品
「キス」(The Kiss 1901-4)がやってきました。
入り口を入って左手に座して、来客者などには目もくれずラブラブです。
これは、"The Twentieth Century: How it looked & how it felt" という、
20世紀の具象、抽象作品200点のコレクションの中の目玉で、通常は
撮影禁止のTateにしては珍しく、このロダンの「キス」に限っては、一般
客でも写真撮影OKだそうです。
この展示は、2009年4月1日まで続きます。

 < Tate Liverpool >
  住所: Albert Dock, Liverpool L3 4BB
  電話: 0151 702 7400
  オープン: 火〜日曜日 10:00〜17:50 
  入場料: この展覧会は無料です。
  http://www.tate.org.uk/liverpool/exhibitions/the-twentieth-century/default.shtm
  ※毎月最終木曜日は"Late at Tate" で、午後9時までオープンして
   います( http://www.tate.org.uk/liverpool/late/ )。

♪ ♪ ♪

9月16日(日)は、Hope Street Feast。去年好評だったフェスティヴァ
ルの第二弾です。
月イチですっかり定着したファーマーズ・マーケットと、去年も同様に行
われたクラフトマーケットに加え、"Liverpool Food Lovers' Festival" と
"The CAMRA Real Ale Pubs Festival" までが開催中ということもあり、
今年は1万8000人近くの人々が詰めかけ、大盛況でした。
Hope Street近辺のレストランが自慢の料理のサンプリングを並べた
ストールを出し、CAMRA(リアルエールのプロモーター)のリヴァプール
支部がご当地エールを振舞っていました。
また、Hope Streetの端に位置するEveryman Bistroではアイリッシュ・
ミュージックが心地よく流れ、日曜の昼下がりに一杯飲みながらノンビ
リと過ごす人たちが見られました。

Philharmonic Hallは新シーズンの開幕に合わせてオープン・デーを開
催。アニメ映画の上映からはじまり、リヴァプール・フィルをはじめとし
たクラッシック・コンサートを無料で一般公開。2階のバー・エリアでも
ローキーな演奏が行われていました。

ストリートに戻り、人混みの中を歩いていると、'Shiverpool Tour' のメン
バー達が向かってきました! 
Shiverpool Tourは、平たく言うとリヴァプール・ゴースト・ツアー。私は
怖がりなのでまだ参加したことはありませんが、単なるウォークツアー
ではなく、パフォーマンス性もたっぷりとのこと。Hope Streetとシティー
センターの2つのツアーを行っています。Hope Streetツアーは
Philharmonic Pub、シティーセンターのツアーはFenwick Streetのパブ
The Slaughter Houseにて集合。午後7時、8時半、10時の回があり、
料金は大人8.5ポンド、子供7.0ポンド、10名以上の団体は1人7.0ポン
ドです(要予約)。
Shiverpool Tour公式ホームページ: http://www.shiverpool.co.uk/

そろそろ家に帰ろうかなあと思っていると、突然、巨大なビートルズの
パペットがHope Streetに登場。若い人々に演劇やダンスなどパフォー
マンスや、映画、パペット、山車などの制作のトレーニングを提供する
団体 'Hope Street Limited' によるパフォーマンスでした。
このパぺットは、2004年のマシュー・ストリート・フェスティヴァル用に作
られ、2006年にはバルセロナのイベントにも遠征したそうです。
Sgt. Peppersに扮したパペットがAbbey RoadならぬHope Streetを渡る
図がなんとなく面白かったので写真に収めました。
Hope Street Ltd. ホームページ: http://www.hope-street.org/ 

一年に一度といわず、毎月あってもいいのに! と思える楽しい日曜
日でした!
Hope Street Feastホームページ: http://www.hopestreetfestival.com/ 

♪ ♪ ♪

今年もヨットレース 'Clipper Race' のシーズンがやってきました。
去年はリヴァプールでファイナルを迎えましたが、今年はリヴァプール
でスタート。
Hope Street Feastと同じ日だったので残念ながら見に行きませんでし
たが、数日前、11ヶ月にわたる大航海に臨むヨットの姿を撮りましたの
で、ご覧下さい。
現時点で、総合は2位、Race2のランクは7位ということですが、どうに
か挽回するといいですね。
Clipper Raceホームページ: http://www.clipperroundtheworld.com/

♪ ♪ ♪

9月21日(金)、'QE2' の愛称で親しまれている Queen Elizabeth 2号が
リヴァプールに寄港しました。
この日はQE2の生誕40周年という記念日でもあり、新しいクルーズ・ラ
イナー用のターミナルがエドワード王子によってオープンされるというト
リプル・セレブレーション。
QE2はCunard Line社が誇る豪華客船です。Cunard社は1839年にリ
ヴァプールで設立された会社で、以後130年間、リヴァプールに本社が
ありました(ピア・ヘッドの3つの建築物 'The Three Graces' のうちの1
つが 'The Cunard Building' です)。
40年前に誕生したということは、その当時は本部はまだリヴァプール。
QE2はリヴァプール生まれの客船なのです。地元の人々にとっては
「QE2が帰郷した!」という特別な思いがあったようです。

この日の午前中、私はアルバート・ドックのMaritime Museumにいたの
ですが、そこからも、その船の大きさが伺われました。雨のしぶきのつ
いたガラス越しに写真を撮りましたが、川沿いの茶色いCrown Plaza  
Hotelの建物が小さく見えるほどです。
せっかくなので、新しいターミナルのあるPrinces Dockまで歩いていき
ました。
大雨の降る中、多くの人々が訪れていました。船のことはよくわからな
いのですが、QE2の姿には、どこかエレガントさを感じます。

その晩、リヴァプールがQE2への別れを惜しむかのように、マージー
川で花火が打ち上げられました。
私は行きませんでしたが、自宅からも船の汽笛と花火の音が聞こえ、
ここは海洋都市なんだという実感しました。

この新しいターミナルができたことで、リヴァプールには再び、様々な
国の大型客船が訪れるようになるのでしょう。そう考えると、何だかワ
クワクしてきます。

残念ながら、Queen Elizabeth 2号は2009年には航海を終え、デュバイ
の埠頭で常設の水上ホテルとして生まれ変わるとのことです。
できればその前に、もう一度リヴァプールに戻ってきてほしいものです。

Cunard Line社ホームページ: http://www.cunard.com/ourships/default.asp?ship=QE2

♪ ♪ ♪

【今週の告知】
新潮社の月刊誌『旅』11月号(9月20日発売)より、リリー・フランキーさ
んのリヴァプール&ロンドン旅行記の連載がはじまりました。
私もまだ読んでいないのですが、6月にリヴァプールにいらっしゃった
ときにコーディネーターとして取材に同行させていただいたご縁もあっ
て、どんな内容か興味津々です。ビートルズゆかりの地を撮りつづけ
ているフォトグラファー、福岡耕造さんによる素敵な写真も見ものです
よ。是非是非読んでみてください!
http://www.shinchosha.co.jp/tabi/new/cont.html

それではまた来週!

ミナコ・ジャクソン♪

≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish102_photo.html ≫


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