July 15 2008, No.350
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
       〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第134号 / 『SOUND...like !』 Beatles Day, Beat Goes On   
                              & You Are Sound ―

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish134_photo.html ≫

こんにちは。
今週は、サウンド・ネタの多い1週間でした。

7月10日のリヴァプールは、「ビートルズ・デー」。
ビートルズが全米制覇の後、輝かしく故郷リヴァプールへ凱旋した
1964年7月10日にちなんで、今年からはじまった新しい記念日です。

モップ・トップのかつら(£5)が市内各地のショップで販売され、ビート
ルズのトリビュートバンドがダブルデッカーバスでシティセンターや郊外
の学校、ビートルズゆかりの地を廻って募金活動をし、夜のEchoア
リーナやキャヴァーンでのコンサートで締めくくられたようです。

収益は、地元のチャリティ団体<イマジン・アピール>(アルダーヘイ小
児病院へのチャリティ)と<リヴァプール・ユナイツ>(EchoとDaily Postが
主催する、銃犯罪反対のチャリティー・イニシアチブ)へ寄付されるとの
こと。

朝にWorld Museum Liverpoolに行ったときに、バックビート・ビートルズ
がちょっとしたパフォーマンスをしているところに出くわしました。
通りかかりの駐車違反監視員を掴まえて記念撮影。
お昼時にはウィリアムソン・スクエアで別のビートルズバンド、ビートル
マニアックスのライブが行われていました。
募金活動をするボランティアやイベントを楽しむ観客の傍らで、厳しい
表情をしたセキュリティガードまでもがモップトップのカツラ姿なので、
可笑しく不思議な雰囲気でした。

この日の地元紙Echoでは、トップページのロゴのライヴァーバードにも
カツラをかぶせたり、徹底して紙面をモップトップ化されていたのも印
象的でした。
好きなビートルズ・ソングの一般投票の結果も発表され、ナンバー1が
ダントツで 'In My Life'。2位が 'Hey Jude'、3位に 'Penny Lane' と
'Strawberry Fields Forever' が並びます。
詳しくは、7月10日付けのEchoのページをどうぞ。
http://www.liverpoolecho.co.uk/liverpool-news/local-news/2008/07/10/beatles-day-in-my-life-we-love-them-all-100252-21317771/
(この日の新聞トップページの画像もこのページからダウンロードでき
ます↑)

土壇場でキャンセルになってしまったイベントなどがいくつかあったよう
ですし、思ったよりもローキーな記念日ではありましたが、まあ初回とし
てはいいスタートだったのではないかと思います。来年は一体、どんな
ビートルズ・デーに発展するのでしょうか?
Beatles Day: http://www.beatlesday.tv/

♪ ♪ ♪

リヴァプールは、最も多くのナンバーワン・ヒットを飛ばしたミュージシャ
ンを輩出した都市ということで、ギネスブックに世界の『シティ・オブ・
ポップ』と認定されています。
最近では、アーツ・カウンシルが主催して行われた『イングランドのモー
スト・ミュージカル・シティ』を決定する一般投票で、リヴァプールが堂々
トップの座を獲得。当初はリヴァプールとマンチェスターとの一騎打ち
か? と見られていましたが、2位にはダークホースのシェフィールドが
ランクイン、マンチェスターは3位に終わり、しかもリヴァプールへの投
票率が全体の49%(!)と文句なしの結果となりました。
http://www.artscouncil.org.uk/takeitaway/stories/news_story_music_liverpool.php

今週の土曜日にWorld Museum Liverpoolにてスタートした 『ビート・
ゴーズ・オン(Beat Goes On)』展。
リヴァプールがイングランドのみならず世界に誇る音楽都市としてどん
なにスゴイかを証明し、有無をいわさず納得させてしまう、圧倒的なボ
リュームの展覧会です。
一足先に木曜日のプライベート・ビューに行ってきました。

オープニングのあいさつには、OMDのアンディ・マクラスキーが登場、
会場には他にもミュージシャンの顔が見られました。
この日のDJは、ノーマン・キロン氏。ウォーカー美術館のスタッフとして
いつもにこやかに対応してくれるおじさまが、まさかEric'sのDJだったと
知って驚きました!

この展覧会は、ミュージアムとリヴァプール大学のInstitute of Popular  
Musicが共同で、2年がかりでまとめあげたとのこと。
ひとくくりで説明できない内容ですが、またそれがリヴァプールの音楽
の多様性を表しているかもしれません。

時系列的な音楽の歴史や時代背景(40年代〜現在のバンドや電子音
楽)、マージービート、音楽シーンを創りだす原点となった場所(市内の
ライブハウス/パンク・ニューウェーブのEric'sや90年代のダンスシーン
の拠点となったCreamなどのクラブ/セント・ピーターズ教会のステー
ジの再建など)、リヴァプールのレコ屋紹介、ミュージシャンシップ
(ミュージシャンになるには?/ミュージシャンによる歌詞の手書きメモ
/スチュアート・サトクリフ、コーラルのジェームス・スケリー、エコバニ
のウィル・サージェントなどの最初のギターやエレポップ・グループのシ
ンセの展示など)、テクノロジー(OMDの 'Electricity' をミキシングでき
ます)、イメージ&ファッション(ジャケ写の制作プロセス、プロモグッズ、
オリジナルの衣装の展示)、世界に及ぼしたインパクト(バスターが日
本でCM出演した森永チョコフレークの箱まで!)などなど、とても一回
では消化できないほどの情報量です。

このほか、膨大な音源をひたすら聴きこむもよし、カラオケ・コーナー
で歌いこむもよし、ダンスフロアで踊るもよし、一度と言わず何度も通っ
て楽しめそうです。
この展覧会は2009年11月1日まで続きます。

< World Museum Liverpool >
 William Brown Street, Liverpool L3 8EN
 Tel: 0151 478 4393
 開館時間:毎日午前10時〜午後5時まで 入場無料
 ホームページ:
  http://www.liverpoolmuseums.org.uk/wml/exhibitions/thebeatgoeson/index.aspx
 Beat Goes On マイスペース:
  http://www.myspace.com/thebeatgoesonliverpool

PS: 2005年4月にキャヴァーン・クラブで撮った電子音集団Hive  
Collectiveの写真(ゴールドフィッシュ7号参照)が、大きく引き伸ばされ
て展示されていました!
自分の写真がこの展覧会の一部となり(クレジットに名前もバッチリ
載っています)、とても感激です。

♪ ♪ ♪

Hive Collectiveが話題にあがったところで、土曜日に行われたHive主
催のイベント《Twilight City: Shopping remixed》を。
実験音楽ユニット<Noise Club>が、シティーセンターで最も庶民的な
ショッピングセンターSt Johns Shopping Centreに潜入し、ハプニング
《YOU ARE SOUND》を展開しました。
'WE ARE SOUND' と背に書かかれた白いつなぎを着たメンバーの一
人が、マントラを唱えるように繰り返します。

Are you looking for something special?
Are you looking for something special?
Are you looking for something special?....

そして赤いつなぎを着たメンバーが弱電流の流れる泡だて器やザル
やイヤホンを使って、物や買い物客に触れると、ビープ音を発します。
奇妙な光景を目にした、通行人の反応が見ていて興味深かったです。
触られる人や物、壁や什器によって異なる音域のノイズを発せられて、
ショッピングセンター全体が「ノイズマシーン」となった、シュールで面白
い試みだったと思います。
Hive Collective: http://www.thehivecollective.co.uk/

♪ ♪ ♪

【今週の告知】
今年も恒例のブルーハーハ(Brouhaha)のシーズン到来。日本からは
昨年出演したカプリオールが、今回はフルメンバーでやってきます!
7月18日にオープニング・パフォーマンスがNovas CUCにて開催、クラ
イマックスのストリートカーニバルは8月2日に行われます。
Brouhaha: http://www.brouhaha.uk.com

それではまた来週!

ミナコ・ジャクソン

≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish134_photo.html ≫


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