November 04 2008, No.363
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
       〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第142号 /
      BBC Electric Proms, Terminus & Liverpool One at night ―

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish142_photo.html ≫  

こんにちは!
芸術の秋、でも既に気温は冬並みのリヴァプールです。10月の終わり
から11月にかけてフル回転です!

駆け足でここ2週間ほどの出来事をお知らせします。
まずは、先週の水曜日に行われた《BBC Electric Proms》。毎年行わ
れているBBCの音楽プログラムです。
プロムといえば19世紀からイギリスで行われているクラッシック音楽の
フェスティバルですが、エレクトリック・プロムは、音楽の新しい体験を
テーマにして、ポップス&ロック・グループと異なるジャンルのミュージ
シャン(特にオーケストラや合唱団など)とのコラボレーション・ライブや、
インディーバンドの「今の音」をフィーチャーするライブを行い、放映して
いるものです。
通常はロンドンのみで行われるこの公開収録ライブですが、今年はリ
ヴァプールの欧州文化首都を祝って、一部リヴァプールでも行われま
した。

10月22日にレストラン<Simply Heathcotes>にて、そのオープニング
パーティーがありました。
ここでは、地元のバンドのリヴェンジ・トラジディーが演奏。いわゆる
マージービートとはまた一味違った新鮮なサウンドで、新しいいいバン
ドが見つかって嬉しかったです!
Revenge Tragedies: http://www.myspace.com/revengetragedies

実際のコンサートの模様は2つだけテレビで鑑賞しました。
アークティック・モンキーズのアレックス・ターナーとラスカルズのマイル
ス・ケインのユニットであるザ・ラスト・シャドー・パペッツがリヴァプール
のフィルハーモニック・ホールにて出演。
まだまだ若々しいデュオは16名のミニ・オーケストラを従えて、黒の
スーツ姿でクールな演奏を披露していました。
ビートルズの 'I Want You (She's So Heavy)' などは、忠実なコピーで
すが、なかなか渋くヘビーにムードたっぷりでしたよ。

シリーズのトリでは、ロンドンはカムデンで収録された大御所のオアシ
ス+クラウチ・エンド合唱団。
録音の関係か、バンドの音量が大きすぎて合唱団の歌が今ひとつ掻
き消されていて、ハーモニーが聴けなかったのが残念ですが、やはり
メガバンドであるだけの貫禄はありますね。
こちらもビートルズのカバーで、彼らのお約束ナンバーでもある 'I Am
The Walrus' も披露しました。

この他にも、リヴァプールではレーザーライト、地元バンドのウェイヴ・
マシーンやキャンディー・ハワード・エリオット・ペイン、そしてロンドンで
はバート・バカラック&BBCコンサート・オーケストラ、ゴールドフラップ、
ザ・ストリーツ、キーンなどが出演。来年はどんなラインアップになるの
でしょうか?
BBC Electric Proms 2008: http://www.bbc.co.uk/electricproms/2008/schedule/

♪ ♪ ♪

翌週の10月28日の晩は、リヴァプール在住アーティストのベン・パリー
による大型ビデオインスタレーション《Terminus》のオープニングがあり
ました。
かつてリヴァプールのウォーターフロント沿いには、19世紀終わりに作
られたリヴァプール・オーバーヘッド・レイルウェイズ(LOR)という世界
最初の高架鉄道が存在していたそうです。
残念ながら1957年に廃止され、高架橋も現在は取り壊されてしまいま
したが、その昔は、「ドッカーズ・アンブレラ」という愛称で、多くの港湾
労働者が雨宿りをしたときいています。

映画の父を呼ばれたアメリカのリュミエール兄弟が1897年にこの高架
鉄道を撮影した史実にインスピレーションを感じ、ベン・パリーはこの
映画を撮ることを決めたそうです。
高架鉄道と同じ地上8mの高さから南から北へ、北から南へと撮影し、
しかもすべて一発撮り。現在まだもしこの鉄道が残っていたら、車窓か
ら見えるだろう風景を再現しました。
撮影された時間も夕暮れから日の出までで、この映像はピア・ヘッドに
あるマージートンネルの通気孔の建物に、やはり夕暮れから日の出ま
で映し出されました。
街の記憶が甦った美しいプロジェクトでした。
Jump Ship Rat: http://www.jumpshiprat.org/pages/terminus/

♪ ♪ ♪

10月30日は《Long Night Biennial》(こちらは来週お伝えします!)、31
日には行けませんでしたがセフトン・パークにて恒例のランタン・フェス
ティバルが行われ、そして光のフェスティバル《Pool of Light》が市内各
地でスタート。
まだひとつも見に行けてませんが、《Liverpool Music Week》 、ゲイ・レ
ズビアン・フェスティバル《Homotopia》がスタートなどなど、めまぐるしい
季節です。
オンラインでは、私と旦那でオーガナイズしている《Digital Show》が今
年も開始( http://www.digitalshow.co.uk/ )となりました。

今週はとりあえずこれくらいにして、リヴァプールの新名所の夜景の写
真を送ります。
ここは一体どこ?!と思うような変貌ぶりをお楽しみ下さい。

♪ ♪ ♪

【今週の告知】
11月12日から<Novas CUC>にて、写真展「日本に向けられたヨーロッ
パ人の眼・ジャパントゥデイ」が行われます。
リヴァプール在住のジョン・デイヴィス、ドイツのマーコ・ボーア、ノル
ウェーのメッテ・トロンヴォル、オランダのカリー・マルケリングが、静岡、
長崎、茨城に滞在して撮影した写真が展示されます。
フォトプロジェクト詳細: http://www.eu-japanfest.org/program/photo_project.html
展覧会詳細: http://www.artinliverpool.com/index.php/maingalleries/cuc/885-cuc-eyesonjapan

それではまた来週!

ミナコ・ジャクソン♪

≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish142_photo.html ≫


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