April 28 2009, No.382
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第154号 /
     Liverpool Art Prize - SCCC@Rockscape - Ye Cracke ―

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish154_photo.html ≫

こんにちは。
4月前半は2年半ぶりの日本帰国で、ご無沙汰していました。
久しぶりに家族、親戚、友人と会い、桜、筍、タラの芽など春を目で舌で楽しみ、
アートフェアや展覧会、ライブを鑑賞し、バタバタしているうちに、ばっちり風
邪を引いてリヴァプールに戻ってきました。

今回は、ちょうどKLMがリヴァプール・ジョン・レノン空港から就航になったの
で、早速利用しましたが、旅が本当に楽になりました!
早めに予約をすればリーズナブルな値段のフライトがある時期もありますので、
是非是非チェックしてみてください。

KLMオランダ航空: http://www.klm.com/travel/jp_ja/index_default.html

♪ ♪ ♪

今週は、まずはサクッと《Liverpool Art Prize》の続報から。
4月22日(水)に授賞式を行いました。
当日の夕方に、審査員として昨年の受賞者のImogen StidworthyとSingh Twins、
BBC Radio MerseysideのClaire Hamiltonとスポンサーからの代表者が集まり、
ディスカッションの末、大賞Overall Prizeが決まりました。
来客者からの投票によるPeople's Choice Prize も集計が済み準備万端です。
今年は、1000を超える票が集まり、一般からの関心の高さが伺われました。

授賞式の会場は昨年より少しグレードアップして、センター内のWake Theatre
を借り切っての開催。
気になる結果は。。。

People's Choice(£1,000)は、インスタレーション・アーティストの
Elizabeth Willowに。
大賞(賞金£2,000)は、ビデオ・インスタレーションのAL & ALに決定。

あまりにもシャイなElizabethは、これまでラジオのインタビュー依頼があって
も拒否するほどでしたが、この日ばかりは頑張ってくれて、マイクに向かって短
いですが、言葉を選んで静かに、喜びと感謝の念を述べてくれました。

対照的にAL&ALは、スタンドアップ・コメディーかのようなユーモアたっぷり
なスピーチを長々と披露。
彼らが受賞したにもかかわらず、彼ら自身以上に、主催をした私達Art in
Liverpoolへの祝辞と化していて、嬉しいやら照れくさいやら。

授賞式当日は、BBC Radio Merseysideからの中継が入り、翌日のDaily Postに
は、AL & ALのインタビューが掲載されました。

今年も、去年と同様に素晴らしいアーティストに恵まれて、質の高い展覧会を開
催することができました。
来年のラインアップはいかに??

Liverpool Art Prize展覧会は、5月4日(月)まで続きます。
<Liverpool Art Prize 2009>
 会場:Novas CUC (Contemporary Urban Centre) 3F Aghafar Gallery 
 住所:41-51 Greenland Street, Liverpool L1 0BS
 電話:0151 706 6900
 オープン:水〜土 11.00〜18.00、日曜日 11.00〜16.00
   (月曜・火曜閉館。ただし、5月4日月曜日はオープン)
 ホームページ: http://www.liverpoolartprize.com 

♪ ♪ ♪

4月25日(土)、昨年のリヴァプール・バイエニアルのために日本のアトリエ・
ワンが設計した野外シアターが再オープンしました。
この日は、The Seal Cub Clubbing Club(以下SCCCと略します)という舌を噛
みそうな名前の5ピース・バンドのニュー・アルバム発表を引っ提げてのプロ
モーション・ギグ。

メンバーは自他共に認める本の虫で、曲のインスピレーションは読書からきてい
るそう。ステージ上にも何冊か転がっていて、ライブの合間や曲のイントロでも
一冊拾い上げて、ボソボソと朗読をしていました。
また、このイベントは、The Reader Organisationとタイアップをして、脚本家・
小説家のFrank Cotterell Boyce、ホラー作家のRamsey Campbell、短編小説作
家Zoe Lambertなどの作家を招いた朗読も行われ、このイベントは、バンドのア
ルバムのプロモーションのみならず、来た人々に読書や創作の楽しみにも親し
んでもらおうという趣旨も含まれています。

SCCCは、マージー川向こう岸のウィラルはウェスト・カービー出身で、結成から
わずか数年の間に、The Fall、British Sea Power、Field Music、Black Wire、
Idiot Pilotなどのサポーティング・アクトをこなし、昨年はグラストンベリー・
フェスティヴァルにも出演しています。

サウンドはRadioheadのようなポストロック色が強いかと思いきや、時には
Talking Headsを彷彿させるような神経質でシュールなひねくれ具合が炸裂して
います。
いわゆるマージービートなサウンドとはまた異なるタイプのバンドで、どこへ飛
んでいくか未知数なバンドだけに、今後が楽しみです。

新しいアルバム 'Super Science Fiction'は、ロンドンのレーベル<jack to
phono records>から5月4日発売予定。5月20日には<Liverpool Sound City>
の一環で、リヴァプール大学Victoria BuildingのLeggate Autopsy Theatreに
て、Clinicとともにライブを行う予定です。

SCCCマイスペース:www.myspace.com/thesealcubclubbingclub

♪ ♪ ♪

久々に今週のYe Cracke。
ここ10日ほど、からっと晴れた初夏のような陽気に恵まれました。
先週末、Ye Crackeのガーデンで新聞でも読みながら一杯飲もうか、と思いたっ
て行ってみると、友人たちがたまたまいて、サンデー・ローストを注文していた
ので、ついつい私達も便乗してしまいました。
悪天候の多いイギリスで屋外でこうやって食事をすることは最高な贅沢です。

友人のうちのひとりはCracke in the Summerという名前のエールを飲んでいま
した。味見をさせてもらったら、サマーエールらしく爽やかで、コクがあり美味
しかったので、次回はパイントでお願いしてみようと思います。

ガーデンは、相変わらず素朴ですが、新緑と花で生命力に溢れていて、頭上の枝
からは、ブラックバードのかわいらしい声がきこえました。今年こそは夏らしい
夏が長続きしてほしいものです。

それではまた次回。

ミナコ・ジャクソン♪

≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish154_photo.html ≫


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