May 26 2009, No.384
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第156号 /
     Mersey Sound - Imagine - 100% Genki! - Hub - Pier Head ―

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish156_photo.html ≫

こんにちは。
今週は、まずは前号で掲載できなかった "The Mersey Sound" 展から。
リヴァプール大学のVictoria Gallery & Museumにて開催されています。

'Mersey Sound' は、Adrian Henri、Roger McGough、Brian Pattenの3名の詩人
コレクティブ、The Liverpool Poetsによる詩集です。
1967年にペンギン・ブックスより出版されたこの本ですが、詩選集としては空前
の売り上げを記録しているベストセラーです。

率直で日常的な言葉で、ユーモアやウィット、愛、彼らの住むリヴァプールや当
時の時事ネタをテーマに詠っていたことで、読者は同世代感を共有し、これまで
地味だった詩という文学をポピュラーカルチャーへ押し上げました。
また、当時、朗読はパブやクラブで、音楽や絵画とクロスオーバーして行われ、
文学の域を超えたパフォーマンスで観客を魅了していたようです。

展覧会のオープニングには、Roger McGough、Brian Patten、Adrian Henriの
パートナーCatherine Marcangeliの3名が駆けつけ、Adrianの絵画の前で記念
写真を撮りました。

この展覧会では、Liverpool Soundの手書きの原稿や故Adrian Henriの絵画、そ
してメモラビリアが展示されています。9月13日まで。

 <Victoria Gallery & Museum (University of Liverpool)>
  住所:Brownlow Hill, Liverpool L69 3DR
  開館:火〜日曜日 10.00 - 17.00 入場無料
  ホームページ:
  http://www.liv.ac.uk/vgm/exhibitions/the-mersey-sound.htm

♪ ♪ ♪

5月16日(土)、リヴァプール大聖堂の鐘が、John Lennonの 'Imagine' を奏で
ました。
これは、マンチェスターのアーバン・フェスティヴァル "Futuresonic" の一環
で、アーティストCleo Evansと、リヴァプール出身の23歳のリングマスター
Sam Austinとのコラボレーションで行われたものです。

'Imagine' の歌詞には、「天国などないと想像してごらん」「宗教などもないと」
とのくだりがあることから、反宗教的ソングと捉えられかねず、大聖堂としても
歌詞の一部の内容には慎重にならざるを得ませんでしたが、最終的にはプロジェ
クトの全体の意図が、このような不安定な時勢に平和を願うものであり、このパ
フォーマンスを通じて、人々の気持ちにインスピレーションを与えるものである
とポジティブに受け止め、ゴーサインが出て実現しました。

大聖堂の脇の駐車場には、100人ほどの人が集まっていました。演奏は12時、
12時半と1時の3回の演奏が行われ、私達は1回目と2回目を聞きました。
ゆったりと単音の旋律から始まり、徐々にハーモニーが加わり音に厚みが増して
いきます。
感動しました。

旦那がビデオを撮影しました。こちらからご覧になれます。
http://www.youtube.com/watch?v=KH-EFo4ce3A 
このビデオは、"Imagine Peace" の公式ホームページにも掲載されました!
http://imaginepeace.com/news/archives/6150

この演奏は、いったいどうやって行われていたのか気になるところですが、その
演奏の様子がYoutubeにありましたので、こちらのリンクも。
http://www.youtube.com/watch?v=lp-ZGDDrn68 
重さ14トンの大きな鐘Great Georgeとそのまわりに置かれた13個のベルを、
ロープで引っ張っていたんですね。感服です。

概念的にも技術的にもチャレンジの多いプロジェクトだったことと思います。
それを乗り越えた、心が洗われる美しいパフォーマンスでした。
Futuresonic: http://www.futuresonic.com/evans

♪ ♪ ♪

今週は、アートの展覧会のオープニングが主なところで3つ。
Bluecoatにて、21日に "The End of the Line: Attitudes in Drawing" がス
タート。
The Bluecoat: http://www.thebluecoat.org.uk/content/view/209/15/ 

翌日22日には、Liverpool Hope Universityの卒展と、Liverpool John Moores
University(LJMU)の卒展がスタート。
私と旦那の運営するArtinliverpoolでは、毎年スポンサーとして2つの卒展を
サポートしています。
LJMUにはカタログ制作の資金のサポート、ホープ大には優秀な学生の作品を選ん
で表彰して購入する、"Artinliverpool.com Purchase Prize" を授与していて、
今年は、Dominic Fosterに決定しました。
Artinliverpool:
http://www.artinliverpool.com/blog/2009/05/artinliverpoolcom-purchase-prize-winner-announced/

LJMUの卒展は、メトロポリタン大聖堂のすぐ隣に新しく建てられたArt and
Design Academyにて行われました。
どこかの美術館かと思うようなスタイリッシュな建物で、広々としたスペースに
ファインアート、建築、グラフィックデザイン、インテリア、プロダクトデザイ
ン、テキスタイル、ファッションの学科の作品が展示されました。
JLMU Degree Show: http://www.ljmu.ac.uk/LSA/99078.htm 

♪ ♪ ♪

2つの卒展を回ったあと、"Liverpool Sound City" の一環で、日本の新しいバ
ンドを紹介するライブショーケース、"New Music From Japan 100% Genki!" の
ラスト2つのバンドのライブをかろうじてキャッチしました!
当初、会場はChameleonときいていましたが、道を渡った向こう側のBarflyに
変更されていました。

到着してすぐに、お目当てだったRiddim Saunterが登場。ボーカル、ギター、
ベース、フルート&トランペット、ドラムの5ピースバンド。
まさに100%ゲンキ。
マイスペースで聞いていた以上にパワフルで、はじけていて、ステージから飛び
出して跳ねまくり、思わず笑顔がこぼれる夏祭りのようなパフォーマンスでした。
Riddim Saunter: http://www.myspace.com/riddimsaunter 

トリは、エレクトロ・シーンをリードし、国内外で活躍中の紅一点の3ピース、
80kidz。
こちらも弾けたステージで、観客を踊らせました。ただ、ラストの曲でPAから
一方的に音を切られてしまい、中途半端なフィナーレとなってしまって可哀想で
した。
80kidz: www.myspace.com/80kidz 

5月20日から23日まで開催されたLiverpool Sound City。街中を歩いているだ
けでも、あちこちからライブの音が漏れてきて、活気が伝わってきました。
不況の真っ只中でありながら、前年よりも規模が拡大しているというから凄いで
す。

今年の11月には、ドバイで開催されるSound Cityにリヴァプールのバンドを引
き連れて、グローバルマーケットを相手に売り込みをかけるとの発表があったと
ころです。いつか、100%Genki! のリヴァプールバンド版が世界ツアーを敢行す
る日が来るかもしれませんね。

100%Genki!ツアー: http://www.newmusicfromjapan.com/ 
Liverpool Sound City: www.liverpoolsoundcity.co.uk 

♪ ♪ ♪

最後に、5月24日と25日に開催された "Hub Festival"。
近年は、Otterspoolで行われていましたが、今年はシティセンターから北の
Wellington Dockでの開催となりました。
ピアヘッドからフリーバスで会場へ。広々としすぎていて、イベント全体として
のまとまりが見えにくい感じもしましたが、20度を超す陽気と青空のもとで、
BMXやスケートボードのショーや、グラフィティーを楽しみました。
Hub Festival: http://hubfestival.co.uk/ 

♪ ♪ ♪

Hub Festivalの後、あまりに天気が良くてまっすぐ帰るのがもったいなかったの
で、ピアヘッドをぐるっと散歩してみると、新しいフェリーターミナルがオープ
ンしていました!
ターミナル・ビルには、Natasha HamiltonのH Pier Head Coffee & Bar 、そし
てThe Beatles Story Pier Head、お土産ショップのImagine Liverpoolも入っ
ています。

運河も開通し、ピアヘッドの前の芝生も青々と茂り、人々の憩いの場が戻ってき
ました。あとは、バーベキューサマーを待つだけです。

それではまた再来週!

ミナコ・ジャクソン♪

≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish156_photo.html ≫


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