September 14 2010, No.430
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第182号 / Mathew Street Festival〜Beatle Week
                 & A half-day trip to Hilbre Island ―

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish182_photo.html ≫

こんにちは。
7月後半から8月中旬にかけて連日20℃を軽く割る肌寒くグズついた天候が続い
ていたのですが、8月の下旬には青空に恵まれました。
今年のマシュー・ストリート・フェスティバルおよびビートル・ウィークも、
「ひょっとして大雨にやられるのでは」との心配から一転、賑やかでハッピーな
夏のイベントとして大盛況に終わりました。

18回目を迎えたマシュー・ストリート・フェスティバルは、勢いを失うことなく、
新たなステージやフリンジ、そしてさらにバラエティーに富んだアクトを用意し
て、発表によると観客動員数も32万人を記録しました。

今年も世界各国から様々なトリビュートバンドが集結するとともに、地元の
ミュージシャンも負けじと技を披露しました。

メインステージであるTunnel Stageでは、生粋のスカウサーであるMike Nearyが、
たくさんのオーディエンスを前にElvis Costelloのトリビュート・パフォーマン
スを見せました。
さすがミュージシャン兼舞台俳優もこなしているだけあって、ちょっとした仕草
がとってもよく似ていて脱帽でした。

通常トリビュートバンドは、ビートルズや70年代から90年代のビッグネームが多
いのですが、今年はちょっと違った切り口のジャンルでのステージが構成されて
いました。
なかでもSuperlambanana Stageでは、今年の秋にリヴァプールで開催されるMOBO
アワードにちなんだラインアップで、モータウンからプリンス、そしてBlack
Eyes Peasのトリビュートバンドが登場し、このときにはティーンエイジャーが
もみくちゃになりながら大合唱して盛り上がっていました。

トリビュートバンド以外では、Williamson Squareに設置されたNew Band Stage
では、地元の新しいバンドが紹介されました。
私が観にいったときは、The Rialto Burnsがニューウェーブを彷彿させる音を披
露していました。

一方ベテランのオリジナルアクトでは、Bay City RollersのEric Faulknersが
Exchange Street Stageに登場しました。

ステージは市内中心地各所に点在していましたが、ステージとステージのあいだ
の通りも人でいっぱいで、ただただ音楽と太陽を楽しんでいる満足そうな表情が
あちこちでみられて、素晴らしい雰囲気でした。

今年のビートル・ウィークには、The Beatribes、The BlueMargarets、The
Chelsea がエントリー。それぞれ異なる持ち味をもった3バンドで、今年もリ
ヴァプールのクラウドを唸らせたことは間違いありません。
残念ながらBeatribesの演奏は見られませんでしたが、はっぴ姿でキャヴァーン
のステージを踏んだ初々しいChelsea、ますます実力と貫禄をつけてカムバック
したBlue Margaretsが素晴らしいステージを披露していました。

日本人のビートルズバンドの評判は非常に高く、私の周りの人達でも熱狂的な
ビートルマニアな人もそうでない人も、バンド名ごと覚えていました。
人々の記憶に残るパフォーマンス力やキャラクター性がものを言っているんです
ね。またのリヴァプールでの出演を楽しみにしています。

彼らの活躍ぶりや舞台裏のエピソードは、カズさんの「利物浦日記」でいずれ詳
しく明かされますので、ご期待ください!

Mathew Street Festival: http://www.mathewstreetfestival.org/
International Beatle Week: http://beatlesfestival.co.uk/

♪ ♪ ♪

今年の夏の締めくくりに、リヴァプールのシティーセンターからちょっと離れて、
半日ほどハイキングに出かけました。
6月のゴールドフィッシュだよりでご紹介したばかりのウェスト・カービーです
が、前回のマリーンレイクでは飽き足らず、もっと本格的な自然を楽しもうと、
今回は自然保護区に指定されているヒルブリー・アイランドに行ってきました。

ウェスト・カービー沖には、リトル・アイ(Little Eye)、リトル・ヒルブリー
(Little Hilbre)、ヒルブリー・アイランド(Hilbre Island)の3つの小さな島が
浮かんでいます。
干潮時になると、それまで海で分断されていた島は岸から陸続きとなり、なんと
歩いて渡れてしまうのです。

ウェスト・カービーの岸からリトル・アイまでは、砂地が続いているのですが、
思いのほか地面が湿っていたため、とても歩きやすいルートでした。
私達のほかにも、家族連れや犬の散歩をする人たちなどが歩いていました。

リトル・アイは、まるで草の生えた小高い丘のようで、丘を越えると島の周囲に
はのっぺりとした赤砂岩が広がっています。海底を歩いているんだな、と思いな
がら歩くと不思議な感じです。

カモメが水溜りで水浴びをする様子を見ながら、さらに砂地を進んでいくと、リ
トル・ヒルブリーに到着します。こちらは入り組んだ地形をしていて、砂岩層が
見事な模様を作り出しており、また洞穴もありました。
青々と茂る草地の丘を登っていくと、険しい断崖も見られ、劇的な風景を目の当
たりにしながら、もうヒルブリーまでいかなくても十分ここで楽しめるんじゃな
いかなどと思ったりもしました。

しかし、その先のヒルブリー・アイランドは、やっぱり凄かったです。
ダイナミックに隆起した砂岩、ハイキングルートから望めるキラキラとした河口、
そして何といっても見逃せないのが、アザラシ。
この島近辺には、推定200頭もの野生のハイイロアザラシが生息しているといわ
れています。
近寄ってみることはできませんが、ボランティアの方々が用意した望遠鏡越しに、
対岸の砂地に日向ぼっこをしているアザラシの大群が見られます。

さらに島の先端まで歩いていくと、苔が生えていて地面がツルツルしていて足元
を気をつけなければいけませんが、そこからの眺めがまた素晴らしかったです。
アザラシが砂地を離れてスイスイ泳いで、愛嬌たっぷりに頭を覗かせる様子も頻
繁に見られ、感激しました。
またここは野鳥の宝庫でもあり、バードウォッチャーにも人気のスポットとなっ
ています。双眼鏡を持参して是非足を伸ばしてみてください。

 <ヒルブリー・アイランド(Hilbre Island)>
  アクセス:リヴァプールのシティーセンター各駅からWirral LineでWest
       Kirby Station下車。
       プロムナードのDee Lane Slipwayからヒルブリー・アイランドま
       では片道約2マイルですので、所要時間は早足で45分、ゆっくり
       見ながら歩いて一時間が目安です。
  注意:潮の満ち引きは毎日異なります。潮汐表を確認の上お出かけください。

Friends of Hilbre: http://www.deeestuary.co.uk/hilbre/
Visit Wirral: http://www.visitwirral.com/site/coast-and-countryside/coast/hilbre-island

♪ ♪ ♪

【今週の告知】
芸術の秋到来で、イベントも目白押しです。
今年もLiverpool Biennial(リヴァプール・バイエニアル)が9月18日から11月
28日まで開催されます。
今年のテーマは《Touched》。
「触れる」あるいは「感動する」といった意味を含むこのキーワードがどのよう
に解釈され表現されるかが楽しみです。

メインの<International 10>、恒例の<John Moores Painting Prize>、
<Bloomberg New Contemporaries>に加え、今年は地元のアーティスト集団による
<The Cooperative>、空き店舗や公共スペースを乗っ取る<S.Q.U.A.T>、海外の都
市が参加する<City States>などの新しい部門が作られました。
また主に地元のアーティストによるフリンジ的イベント<Independents>も期間中
130もの展覧会を展開します。
Liverpool Biennial: http://www.biennial.com
Art in Liverpool: http://www.artinliverpool.com

9月には19日(日)に《Hope Street Feast》、26日(日)に《Bold Street
Festival》がそれぞれ開催されます。

それではまた次回!

ミナコ・ジャクソン♪


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