April 04 2006, No.245
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     リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ウエダミナコ
             〜 Goldfish Liverpool Update / minako ueda 〜

  ― 連載第46回  「 Mad in Liverpool & Made in Liverpool 」 ― 

こんにちは!
NLW先週号で、ゴールドフィッシュだよりが3月15日で一周年を迎えた
ときいて、ひとごとのようにびっくりしてしまいました。
この一年間が短かったか長かったかは判断しにくいところですが、と
にかく濃いい一年であったことは間違いありません。

3日坊主で整理整頓の苦手な私がこのレポートを続けられたのは、毎
週描ききれないほどのストーリーを創りだしているリヴァプールという
土地と人々からのエネルギーと、そして常に暴走している私の文章の
編集と写真のレイアウトに懲りずにつきあってくださっている、カズさん
のおかげです。

このレポートを始めてからというもの、私自身リヴァプールを200%満
喫してきた気がします。本当にありがとうございます。もっともっと沢山
の人達に見てもらって、そして実際にこの土地を訪れてもらえたらと、
ココロから願っています。
また、逆にリヴァプールでこんなことが見たい、したいということがあれ
ば、遠慮なくきいてください!

リヴァプールの人達に、『スカウスハウス』っていう日本のホームページ
にリヴァプールのことをレポートしてる、と説明するとたいていの人が
「スカウスハウス!?」とドッと笑って、「それ面白いね!」と興味を示し
ます。
見てくれる人たちは、写真と、異国語で書かれたリヴァプールについて
の文章を見て、意味は分からなくてもそれなりに楽しみにしてくれてい
るようです。
これからも、もっといろんな人たちに親しんでもらえるページにしていけ
たらいいなと思います。今後ともよろしくお願いします!

また偶然だかなんだか分かりませんが、このレポートを作成するにお
いて私の強力な相棒であるデジカメが、先々週にお休みしたころから
グズつきはじめ、ついにダウンしてしまいました。このカメラは一年半
前に2度目のリヴァプール滞在を始める前に日本で衝動買いしたもの
ですが、本当によく働いてくれました。
ほんとに何千枚の写真を撮ったか分かりません。この号が出る翌日に
一時帰国をする予定なので、第2号を探さなければ。。。ということで、
今週の写真は、イアンにカメラ担当をしてもらってのレポートです!

今週のホープ・ストリートは緊迫した空気に包まれていました。
木曜日、金曜日に、ライス米国国務省長官がリヴァプール入りしまし
た。昨年、ジャック・ストロー英外相がライス長官の故郷であるアラバマ
を訪問した返礼ということで、ストロー氏の出身地であるブラックバーン
を訪問したついでの滞在です。
どうやらホープ・ストリート・ホテルに宿泊したようで、近所に住む者に
とっては本当に最悪で、この晩は夜通しパトロールのヘリコプターが低
空飛行していてうるさくて寝られないし、 昼間はホープ・ストリート近辺
の道路が閉鎖されて家にまっすぐ帰れないしでさんざんでした。

金曜日にたまたまパブ、ピルグリムで人と待ち合わせをして、外に出よ
うとしたら、パブの前に立っていた警察官に止められ、「今、道路を閉
鎖しているので、もう一杯ビールでも飲んで待機してくれ」と言われて
ムカっ。
そしてやっとパブを出られたと思ったら、今度はハードマン・ストリートと
ホープ・ストリートの交差点が閉鎖。家が見えるところにあるのに通して
もらえず、仕方なく遠回りして帰宅。
その後は、ライス長官がフィルハーモニック・ホールでコンサート鑑賞
するのに合わせてイラク戦争反対デモ行進がはじまり、ストリートは太
鼓の音とプロテストの叫び声が響きわたり、その騒音もそうですが、怒
りの集団心理が凝縮された真っ只中にいて、気持ちが安らぎませんで
した。

本当にこの訪問はいったい誰のためになったんだろう、と考えてしまい
ました。
リヴァプールの市民の歓迎ムードは皆無だったどころか、むしろあった
のは顰蹙と怒りだった上、この要人一人の滞在のための厳戒態勢、
警備もちろんこれは市民の税金でまかなわれていたんだろうと思うと、
納得いかないでしょうね。
そういえば、普段ちんたら仕事をしている舗装工事ですが、このところ
土日もなくフィルハーモニック・ホール近辺の舗装工事が進んでいたの
で、おかしいなあと思っていたのですが、 このせいだったんですね。
ホント、よく分かりません。とにかく彼女が去ってホッとしています。


今週は水曜日に '3345' にて、The Artworks Print Club による、
"Capital of Culture Collection" のお披露目がありました。
このプリントクラブは(プリクラではありません!)、『モナ・レノン』を描い
た画家 Alex Corina により設立され、ジクレプリントという最新の版画
技術による原画に忠実な復刻版を限定販売するというもの。
その第一弾として Alex Corina の "Liverpool's Three Graces" 、そして
Chris Vine の "The Liverpool Carousel" がスタート。今後もさまざまな
アーティストをフィーチャーしていくそうです。

 < The Artworks Print Club >
  ホームページ:http://www.alexcorina.com/printclub.htm

 < 3345(サーティースリー・フォーティーファイブ)>
  住所:33-45 Parr Street Parr Street Studios Liverpool L1 4JN
  電話 : 0151 708 6345
  ホームページ:http://www.3345parrst.com


Alex Corina は、ジョン・レノンの顔をしたモナリザ、『モナ・レノン』で有
名なリヴァプール在住のアーティスト。リヴァプールをモチーフにした作
品を多く手掛け、クラッシックで洗練された画風のなかにユーモアが潜
んでいて、まさに Alex という人柄にも通じています。
この『モナ・レノン』は、North West Development Agency から、リヴァ
プールの過去、現在、未来とそのを表現する作品をテーマに委託を受
け制作されたものです。リヴァプールがキャピタル・オブ・カルチャーの
誘致キャンペーンの一環として、セント・ジョージズ・ホールの壁に、24
メートル×15メートル(使用されたインクは30ガロン!)の巨大な『モナ・
レノン』が飾られました。
そのほかにも、Wayne Rooney の顔をしたミケランジェロの『アダムの
創造』、"God Gave Us Wayne" という作品などがあります。

また、Alex は、リヴァプール郊外のガーストンに、'Slaughter House 73'
というギャラリーを構え( 73 St. Mary's Street, Garston, Liverpool )、地
域の文化的な再開発に力を入れています。コミュニティーに根ざしたア
クティビティーに積極的に取り組み、ワークショップを開催したり、定期
的に若手のリヴァプールのアーティストをアーティスト・イン・レジデンス
として招いたりしています。
5月には何かサプライズな企画を用意しているみたいなので、これも
楽しみです。

 < Alex Corina (アレックス・コリーナ) >
  電話:07763 388509
  ホームページ:http://www.alexcorina.com


さて、『今週のカフェ』は、以前何度かご紹介した Smithdown Road に
ある Urban Coffee Lounge です。
シティーセンターからペニー・レーンに向かう途中にあります。常に
アートワークが飾られていて、前回のビエンナーレにも参加しました。
現在は、Sue Lucine のキューレーションによる、"Relentless Forms"
という若手のアーティストのグループ展が開かれています。最近カフェ
の奥に、フェアトレード&自然派製品のショップもオープンしたのでそ
れもオススメです。以前ご紹介した「スカウス・ソープ」も売ってますよ。
とっても感じのいいカフェです、是非行ってみてください。

 < Urban Coffee Lounge >
  電話:0151 734 2624
  住所:349 Smithdown Rd, Liverpool
  営業時間:月〜金 10.30am - 10.00pm / 土・日 10.30am - 5.00pm
  アクセス:バス86番で、スーパーマーケット ASDA を越して下車。

それではまた!

ウエダミナコ


(この連載に関連する写真は、ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュ
だより」ページに掲載しています。
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish46_photo.htm )


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