June 13 2006, No.254
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     リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ウエダミナコ
             〜 Goldfish Liverpool Update / minako ueda 〜

  ― 第51回 / 「白熱、リヴァプール!」 ― 

みなさん、こんにちは。
今週はとにかく暑かった〜! 暑くて何もしなくても疲れてしまうような
カンカン照りが1週間以上続いて、もちろん素晴らしいことなんですけ
ど、逆に調子が狂ってしまいます。
今日ようやくひと雨降って、むしろホッとしたりして。

今週は、ねじの一本ゆるんだような、ことごとくツボから外れた一週間
でした。

まずは水曜日、閉鎖の危機にさらされている、Parr Street Studios の
上の 3345 にて、Sir Peter Blake の新作、"Liverpool Collection" のお
披露目パーティーがありました。
Sir Peter Blake といえば、ビートルズの サージェント・ペパーズのアル
バムカバーを手がけたことであまりにも有名なアーティスト。センセー
ショナルなコンセプチュアル・アーティスト、Tracy Emin も来るっていっ
たら当然行き!? と思っていたら、時を同じくして、Playhouse にて行
われた、Tricia Brown Company によるコンテンポラリー・ダンスの
ショーにお招きを頂いていたので、そちらに行っていました。

Tricia Brown のアフターパーティーも 3345 だし、ダンスが終わったら
Peter Blake のイベントもやってるからちょうどいいと思っていたら、甘
かった! お年を召した Peter さん、我々が到着した10時頃にはすで
にお帰りになっていました。。。残念!

このリヴァプール・コレクションは、2008年の European Capital of
Culture 年を祝って、リヴァプールにちなんだ風景を描いた全8作品の
シリーズ。
今回は、マージーフェリー&Three Graces 、そして、今年行われるホ
イレイクのブリティッシュオープンにちなんで、ゴルフ場のシーンの2枚
が発表されました。
好き嫌いは分かれますが、個人的には、続くシリーズにもうちょっとひ
ねりのきいた Peter 節がにじみでてるといいなと期待してます。
このコレクションについての詳細は、Art 2008 のホームページへ。
 http://www.art2008.co.uk/sir-peter-blake.html


翌朝、リヴァプール・バイエニアルの時期に行われる、"John Moores
Art Competition" というアートコンテストの審査会が、リヴァプールのと
ある秘密の場所で行われました。
ここにいました、Peter Blake 氏とTracy Emin さん。
第24回のこのコンペの審査員としてリヴァプール入りしていたんです
ね。丸2日かけて268作品の中から60作品に絞込み、大賞もここで決
定していたようです。

進行役に Julian Treuherz 、審査員は、Tracey Emin 、Sir Peter
Blake 、過去の John Moores 大賞受賞者 Jason Brooks 、ブリティッ
シュカウンシルのヴィジュアルアーツのディレクター Andrea Rose 、そ
して ウォーカー美術館のキューレーター Ann Bukantas 。

作品が一枚一枚運び込まれて、各審査員が白熱した議論を戦わせて
いると思えば、即 「コレ、クズだわ!」なんていう声が上がって、全員
揃って 「はい、つぎ〜!」といって流したりして、なかなか面白い風景を
見せてもらいました。
作品を直接写すことはできませんでしたが、中にはいいものがありまし
たよ。
9月16日にウォーカー美術館で入選作品が展示されますので、それま
でのお楽しみ。


土曜日は、言わずと知れた、ワールドカップのイングランド対パラグア
イ戦。
これも当然どこかしらで見るつもりではいたのですが、エンパイア・シア
ターでやっていた "Jerry Springer the Opera" の招待券をもらったの
で、そっちを見に行ってしまいました! これは、何万人もの人たちか
らの抗議の電話がBBCに殺到した、曰くつきのオペラというかミュージ
カル。
エンパイア・シアターという比較的格式高い会場で、それなりのスキル
をもったオーケストラと俳優たちが、すばらしい音楽と歌声の上にこれ
までにない下品な言葉を連発して載せて、社会的に物議を醸すような
内容に触れながら、ストーリーがおもしろおかしく進んでいくという、今
まで見たことのないショーでした。
入り口の外には、クリスチャンの人たちがリーフレットを配ってデモをし
ていて、一瞬ドッキリしましたが。


私たちがエンパイアでケタケタ笑っているときに、Clayton Square の
BBCのビッグスクリーンでワールドカップ戦の模様を映していたことは
知っていたので、ショーが終わってから様子を見に行ったら、警察の
テープであたりは包囲されていて、誰も入れない状態でした。
きっと掃除でもしてるんだろうな、と思いながらその場を立ち去ったの
ですが、後できいたら、とんでもないことになっていたようです。エキサ
イトした観客が、試合中に瓶などが投げ合いはじめたことから、上映を
ストップ。試合のラスト10分間を見損ねた一部のファンが激怒し、暴徒
化したとのことです。とくに負傷者は出なかったようですが、これがきっ
かけで今後のワールドカップ上映が中止なんてことにならず、同時に
安全に楽しく観戦できることを願いたいですね。


<今週の Ye Cracke >

今週も Ye Cracke に吸い込まれてしまいました。
野菜カレーとチップスとレモネード1パイントをオーダー。あなどれない
辛さで、ヒーヒーいいながらも平らげましたが、食べ終わったころには
食べ疲れてしまいました。次回は、バンガーズ&マッシュにしようかな。


それではまた来週!

ウエダミナコ


(この連載に関連する写真は、ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュ
だより」ページに掲載しています。
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish51_photo.htm )


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