September 12 2006, No.264
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■
         *** http://scousehouse.net/ ***        


――――――――――――――――――――――――――――――
▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
―――――――――――――――――――――――――─ NLW □

「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

  ― 第60回 / 「マシュー・ストリート・フェスティバル 2006!」― 

マシュー・ストリート・フェスティバルが今年もやってきました。
去年のボランティアでガテンな誘導係&機材運びから一転して、今年
はプレスパスをもらっての余裕の鑑賞です。ステージ前のピットに入っ
て写真をバシバシ撮ってきました!

初っ端はなんと、ロイヤル・リヴァプール交響楽団 の野外コンサート。
新しいプリンシパル・コンダクターとして、弱冠29歳のロシア人指揮者
Vasily Petrenko を迎えて初めてのコンサートでした。
小雨の降る中スタートし、途中雨足が強まり一時中断、オーケストラの
数を減らして楽器が雨に濡れないようにステージの配置換えをすると
いうハプニングがありましたが(司会者によると、楽器によっては数千
万円を下らないとのことですから、仕方ないですね。。。)、音楽を身体
で感じて表現するダイナミックな指揮ぶりが印象的でした。

後半、オーケストラをバックに、女性シンガー Jennifer John と、ジャ
ズ・シンガー Thomas Lang (3345 Parr Street Studios を救ったメン
バーの一人でもあります!)のデュエットによる "You'll Never Walk
Alone"、元 Mighty Wah! (ニューウェーブ・ファンにはたま
りません!)の Pete Wylie の "Heart As Big As Liverpool" を聞いた
ときには、いきなりこのフェスティバル、もうクライマックスに入っちゃっ
たの? と思うほど感極まっていました。しかも最後には花火まで打ち
上げられて。
そのほか、フランク・シナトラのそっくりさんの Neville Skelly による
"Eleanor Rigby"(ストリングスの数はビートルズのオリジナルを上まわ
る?!) そして、Gary Christian のパフォーマンスもありました。

指揮者の Petrenko さんが、大のサッカー好きだったこともあって、今
年のリヴァプールのテーマ『Year of Performance』に合わせて、「リ
ヴァプール、ビートルズ、サッカー、ロック、ジャズ、クラッシック」がてん
こ盛りの夕べでした。


2日目。
私個人的にこのフェスティバルでのメインアトラクションであった、Dr. &
The Medics 。
ナンバーワン・ヒットの "Sprit in The Sky" からもうすぐ20年経つんで
すね!
最近『One Hit Wonder』(ヒットソングの一発屋「あの人はどこへ」系の
番組です)に出ていて、まだ活動しているときいてちょうど喜んでいたと
ころです。
曲はほとんどがカバーバージョンなのですが、ドクターの手にかかると
すべてがオリジナルになってしまうところが凄い。セキュリティーのおね
えちゃんも、若いファンの子達も大合唱のパーティーライブでした。


3日目。
Pier Head North のメインステージでは、ヘッドライン・アクトである The
Lightning Seeds 、そしてその後に Wonder Stuff と Shack という豪華な
ラインアップ。
The Lightning Seeds のラストの曲は、『ユーロ'96』のイングランド代表
の公式応援歌、"Three Lions" で盛り上がりました。歌詞中の、"30
years of hurt (30年の屈辱)" が「40年」になっていて、あれからもう10
年たつのかあ、としみじみ。

Pier Head South のステージでは、今年も新しいインディバンドを中心
としたショーケースが行われました。
John Smith Band を見ようと思っていったら、なぜかキャンセルになっ
ていて残念だったのですが、代わりに 元 Bandits のメンバーが結成し
たバンド The Pedantics が演奏していたので、これはこれで得した気
分でした!
The Pedantics :
http://profile.myspace.com/index.cfm?fuseaction=user.viewprofile&friendid=41676778

4日目の最終日。
メインステージでさえも、特にメジャーなバンドが登場するわけではな
いのですが、不思議と確実に4日間のなかでもっとも観客動員数が最
多といえる日でした。この日は、Pier Head の North 、South 、The
Strand 、Derby Square 、Dale Street の5ステージ構成。

メインの Pier Head North ステージでは、コピーバンドでも比較的名の
知れたバンドが登場。
U2 のトリビュートの Elevation による、本物もびっくりのパワフルなス
テージ、そして Coldplay のコピーバンドの Cold Place などは、去年は
The Strand の小さなステージで演奏していたのに、今年は大きなス
テージに昇格(?)。前日の The Lightning Seeds を圧倒的に上まる盛
り上がりでした。
Pier Head South ステージでは、28 Costumes 、Amsterdam 、
Alterkicks など、地元で根強い人気のインディバンドがプレイ。

Derby Square は、地元組に加え、カナダ、ブラジル、ノルウェー、ドイ
ツ、ベネズエラのビートルズのコピーバンド、The Strand と Dale
Street では、Oasis 、Madonna 、Frank Zappa 、Kiss 、Tom Petty 、
Eurhythmics などのトリビュート・バンドが続きました。


このバンクホリデー3連休は、この Mathew Street Festival のほかに、
International Beatle Week 、そして Creamfields といったイベントが
マージーサイドで展開されていました。
Creamfields も、これまではダンス系オンリーのイベントというイメージ
でしたが、今年は The Zutons や Goldflapp なども参加して、バンド好
きにも好評で大盛況だったようです。できれば一週間ずつずらしてもら
えたらちょっとウレシイのですが。。。
Creamfields :http://www.cream.co.uk/creamsite/?&s=creamfields 


【今週の Ye Cracke】

土曜日にダービー戦がスクリーンに映し出されて、昼の12時からかな
りの人が詰め掛けてみていました。
でもせっかく晴れ間がみえて暖かかったので、中庭で過ごすことにしま
した。BBQセットも隅に片付けられて、どことなく寂しげで、夏の終わり
を感じます。


来週からは、いよいよ 『Liverpool Biennial』がはじまります。ラインアッ
プを見ると、気絶しそうなくらい盛りだくさんで、特にスタート時は体力
勝負になりそうです。でも楽しみ♪

それではまた来週!

ミナコ・ジャクソン


(この連載に関連する写真は、ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュ
だより」ページに掲載しています。
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish60_photo.htm )


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
無断での転載を禁じます。  Copyright(C) 2001-2006 Scouse House