February 13 2007, No.285
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     リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

  ― 第78号 / 「タイタニック号 & ピンクのリムジン」 ―
 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish78_photo.htm ≫

日本のキリンのラガービールのコマーシャルでYMOが再結成しました
ね。ネットでその映像を見、"Rydeen 79/07" を聞いて感激しました!
メンバーの衣装もお茶目ですし、音的にはトイピアノがたまらなく効果
的でミニマルで、まさに2000年代のいいバージョンです!
http://www.kirin.co.jp/brands/RL/cm/index.html

YMOは私にとって最初に意識して聞いたグループで、はとこからもらっ
たYMOやスネークマンショーのテープを聞いて過ごした小学生時代で
した。
「YMOって書いてなんて読むか知ってる? 知ってる? YMO、『イモ』」
などと爆笑したものです。「ポール・マッカートニー取調室」というサー・
ポールねたもありましたね。そのとき私はポール・マッカートニーさんが
何者だかいまひとつ把握してませんでしたけど。。。

97年に "YMO Personal Works" というメンバーそれぞれの個性を前面
に出した選曲のコンピレーションがリリースされて、私は特に細野晴臣
さんの曲に共鳴しました。
そのとき都内で仕事しながらどこかスタックしていた自分の中に、ユー
トピアを求める気持ちがあったのでしょう。このコンピの2曲目から4曲
目の「四面楚歌」、「ウォリービーズ」、「はらいそ」をセットで聞いて、曲
のラストで「この次はモアベターよ〜!」と小森のおばちゃま風に細野
氏に言われてしまうと、やっぱり旅に出よう! と思いたち、ロンドンま
で飛んで、初めてリヴァプールに足を踏み入れたのがその年の12月の
ある日の日没後。「四面楚歌」を聞くたびに不思議な気分になります。
この曲は春花、夏風、秋月、北鳥に分かれてて、北鳥の部分に、「夜
になったら ぼくは着くよ 北の島に 君の住む街で見かけた火の鳥
追って」のくだりがあるのですが、今も聴くたびに自分がリヴァプールに
着いたときのことを思い出してしまいます。
しかも翌朝、マージーフェリーでカラフルな朝焼けを見ながらピアヘッド
を見るとライヴァーバード(火の鳥?)はいるし、フェリーを降りてシ
ティーセンターに戻るとパラダイス・ストリート(はらいそ!)にぶつかる
し。。。
この辺の話は完全に私の思い込みなので軽〜く流してもらえるとあり
がたいのですが、とにかくこのコンピは私にとってもパーソナルなアル
バムです。

 ♪ ♪ ♪

前置きはこの辺にして、、、
今週は、アルバートドックの Merseyside Maritime Museum(マージーサ
イド海事博物館)で、新しい常設コレクションの展示が始まりました。
この博物館にタイタニック号の建造用模型が展示されているのをご存
知の方は多いと思いますが、今回は1912年に氷山に激突し1500名の
犠牲者を出したタイタニック号に加えて、同時期に沈没したルシタニア
号(1915年にアイルランド沖でドイツのUボートの雷撃に遭い、犠牲者
1201名を出す)、エンプレス・オブ・アイルランド号(1914年にカナダの
ケベック近郊セントローレンス川で濃霧の中、貨物船と衝突して1000
人以上の犠牲者を出す)を交えて、イギリス海洋史上における旅客船
の3大悲劇と、リヴァプールとのつながりに焦点を当てています。

皮肉にもこの3隻の船すべてリヴァプールで登録された船であったこ
と、乗組員の多くはリヴァプール出身だったこと(タイタニックにはリヴァ
プールのクルーが90名いたそうです)などから、犠牲者の遺品や、犠
牲者の娘さんが事故の前日にパパに宛てて書いたせつない手紙、生
存者が事故の起きた晩に着用していたと思われる綿のエプロンなどの
展示、「自称」3つの惨事を生き延びたクルーの話、船が沈没するとき
にも演奏を続けて命を落としたバイオリニストのことなど、パーソナル
な切り口からも事故を見つめたコレクションとなっています。

これまで壁際に寄せて展示されていたタイタニック号の模型は、展示
会場の中央のキャビネットケースに移動されましたので、360度からぐ
るっと眺めることができます。

ついでに、Maritime Museum のホームページから、模型をズームアッ
プして見れる画像がありますので、チェックしてみてください。
http://www.liverpoolmuseums.org.uk/maritime/collections/liners/titanic/titanic_zoom.aspx

 ♪ ♪ ♪

タイタニックからちょっとYMOに戻って、細野晴臣さんのお祖父さまであ
る Masabumi Hosono 氏が、タイタニック号に乗船していた唯一の日本
人だったという話はご存知ですか? ネットでいろいろ調べてみたとこ
ろ、無事に生還されたのはよかったのですが、人種差別的な他の乗客
が手記のなかで「人を押しのけて救助ボートに乗った」と述べたことで、
沢山の犠牲者が出た中で生き延びた卑怯な日本人というレッテルを
貼られて非難を浴び、官僚の職を失い、教科書にまで悪く書かれたそ
うです。それでも誇り高いニッポン男児であった細野氏は弁明すること
なく一生を終えました。本当に酷い話です(怒)。

でも、細野氏の死後に発見された手記が 1997年になってタイタニック
財団によって検証されてはじめて無実が明かされ、歴史の一部が書き
換えられたとのことで、安心しました。
ただほんの10年前の話なので、どこまでこの説が浸透してるのかが知
りたいです。今度キューレーターに会ったら聞いてみようと思います。
横浜のマリタイム・ミュージアムで過去に細野氏の手記の展示があっ
たそうですが、是非リヴァプールにも巡回してほしいものです。

 < Merseyside Maritime Museum (マージーサイド海事博物館)>
  住所:Albert Dock, Liverpool L3 4AQ
  電話: 0151 478 4499
  オープン:毎日 10:00〜17:00  入場無料
  ホームページ: http://www.liverpoolmuseums.org.uk/maritime/

 ♪ ♪ ♪

エンプレス・オブ・アイルランドがでてきたところで、偶然にも10日ほど
前でしょうか、ピアヘッドで天候不良(しかも霧)が原因で Isle of Man と
リヴァプールを行き来するの旅客船 Sea Cat とタンカーの衝突事故が
ありました。負傷者ゼロでよかったです。。。先週撮った写真を紹介し
ます。

 ♪ ♪ ♪

土曜日にマシュー・ストリートのショッピング・アーケード Cavern Walks
で、キュートなワンちゃんのウェディングがありました。
バカバカしいとは思いながらも見に行ってみると、店の外にはピンクの
リムジンが。ビートルズの銅像が飾られている吹き抜けエリアで、神父
さま役まで用意して本気モードでした。
肝心な式の部分は見損ねてしまったのですが、記念撮影のところを
キャッチしましたので笑ってやって下さい。。。

タキシードに身を包んだ新郎が Chicco 、白のウェディングドレス姿が
新婦の Jasmine ちゃん。 キャヴァーン・ウォークスにある犬猫用ブ
ティック Poochi Couture 企画のイベントで、一般のワンちゃんネコちゃ
んの結婚式やバースデーパーティーをオーガナイズしてるそうです。
ショップには、ペット用ファッション、アクセサリー、家具なども取り扱っ
ているので、愛犬、愛猫へのお土産さがしに覗いてみては?

 < Poochi Couture >
  住所:Cavern Walks, Mathew Street, Liverpool L2 6RE
  電話: 0151 258 1100

 ♪ ♪ ♪

【今週の告知】
その1;
2月17日(土)は、アルバート・ドックで『ストロベリー・フィールズ・デイ』!
ビートルズの 'Strawberry Fields Forever' のシングルリリースから40
周年を迎えるこの日は、アルバートドックの The Beatles Story を中心
に、イチゴにちなんだキャンペーンが展開されます。
The Beatles Story では、来館者にイチゴのステッカーとバッジとストロ
ベリーケーキのプレゼント。ミュージアム内にはサマーフルーツ(おそら
くベリー系?)の香りが散りばめられ、ストロベリーフィールズの展示の
脇にはスペシャルインフォメーションが置かれるとのことです。

Baby Cream や The Pan American Club 、HA! HA! Bar & Canteen 、
Liverpool Pictures 、Yellow Duck Tours でも割引や特典があります。
詳しくは、アルバート・ドック公式ホームページ:
http://www.albertdock.com/pages/index.php?page_id=1195 まで。

その2;
全然先のハナシになりますが、新しいミュージックフェスティバルの話
題です。
恒例のサマーポップスが今年はナシよ、という報道がされたばかりで
すが、その代わりではありませんけど、今年の6月23、24日の2日間、
リヴァプールから程近い Knowsley (ノーズリー)にて "Knowsley Hall
Music Festival" が開幕されます。
初日のメインは、去年のサマーポップスで大盛況だった The Who 、2
日目は Keane がトリを務めます。チケットは2日通しで70ポンド+予約
手数料、そして一日券も各種あります。

現時点で決定しているバンドは The Coral 、The Zutons 、Pete Wylie
& Mighty Wah などの地元チームに加えて、上昇株の The View など。
チケットは2月12日から発売になります。
詳しくは、公式ホームページ:
http://www.knowsleyhallmusicfestival.co.uk まで。

それではまた来週!

ミナコ・ジャクソン♪

追記:
Knowsley のミュージックフェスティヴァルですけど、今日(13日)の新聞
によると、初日で15000枚のチケットが売れたそうです! さすが The
Who エフェクト!! 


≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish78_photo.htm ≫


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