May 29 2007, No.299
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World  
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▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
       〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

  ― 第91号 / 「 CLファイナル・イン・リヴァプール2007」 ―
 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish91_photo.html ≫

こんにちは。
今週のニュースはなんといっても水曜日に行われた、リヴァプールFC
vs ACミランのUEFA Champions Leagueファイナル。
2年前と同じ対戦相手ということもあり誰もがあの奇跡を再び、と期待
していただけに、残念な結果に終わってしまいました。

この日のリヴァプールは、アテネがやってきたのかと思うほど気温が
高く、そのときはいい兆候かな? と思わせぶりでした。
午後にシティーセンターまで歩いていくと、街に近づくにつれて赤率が
高まっていきます。
午後3時半のコンサートスクエアは既に「真っ赤」でまさにレッズのメッ
カといえました。ユニフォームを着て、旗やマフラーを振りまわし、チャ
ントがあちこちで聞こえました。この人たちはいったい何時から飲んで
るのかと思うほどできあがりぶりです。サッカーボールも空高く蹴り上
げられていました。

コンサート・スクエアを離れ、チャーチ・ストリートを歩いていくと、どこか
らともなく、バナーを掲げてマーチをしている人たちも何組か見かけま
した。
LFC ショップは今年もクローズしていて、ウィリアムソン・スクエアは静
まり返っていました。

どこから入手したのか、スティーブン・ジェラードのお面があちこちで見
られ、ロード・ストリートのフレンチ・コネクションのマネキンもジェラード
顔。私も欲しかったです!

普段はビートルズ色の強いマシューストリートもこの日ばかりはフット
ボールが優先で、パブGrapesにはLFCの旗がたなびき、Cavern Club
やCavern Pubでは、本来は "International Pop Overthrow" という
1週間にわたって行われるミュージック・フェスティヴァルの最中ではあ
りましたが、もこの時間帯だけは「 *** Intermission *** (中断)」。
http://www.internationalpopoverthrow.com/schedule-liverpool-2007.htm

♪ ♪ ♪

一度家に帰ってスカーフを持って、Carlaさんと合流してから再び街へ
繰り出しました。
出足が遅かったため、コンサートスクエアは空き瓶やゴミのみを残して
サポーター達の姿は見られませんでした。今年は野外での放映は禁
止されたらしく、みなパブに消えていったようです。
当初行くつもりだったPogue Mahoneはすし詰めだったので諦め、他の
パブも6時半前には満員で入場制限をしていました。Carlaさんの 「ま
るでパブ難民ですね」というコメントに納得、苦笑しながら、最後の砦で
バー '3345' に滑り込みました。
まもなくしてここも扉を閉めたので、とりあえず場所を確保できただけ
よかったのかもしれません。
何とかフラットスクリーン近くに立ち位置を決め、観戦しました。

'You'll Never Walk Alone' の大合唱で始まり、試合開始。
サポーター達の熱気とタバコの煙に包まれながら、一瞬たりとも見逃
せない緊迫感。リヴァプールが優勢でスコアのチャンスもあったにもか
かわらず、決め手にはつながりませんでした。
そろそろハーフタイムに差し掛かる頃に、よりによって敵地のゴール前
でのまさかのミランによるフリーキック。ピルロが蹴ったボールが、イン
ザーギの体に当たって方向転換し、レイナの向かった方向から外れて
ゴール。何であそこでいるかなあ、インザーギ。。。

ハーフタイムの間は、バーから出てしまうと再入場できなそうでしたの
で、そのまま定位置で待機しました。

後半も引き続きリヴァプールがボールを支配しているようでしたし、
ジェラードのシュートのチャンスはありましたが、叶わず。
82分、再びインザーギの微妙なタイミングで蹴られたボールがレイナ
の着地直前にごろごろとゆっくりすり抜けて、ゴールまで転がっていき
ました。
あと数秒、そして位置が数センチずれていれば。。。
なんだか悪夢をスローモーションで見たような感覚でした。ついでに直
後のインザーギがフラッグを握って振るわせる勝利のびりびりポーズ
も。

ここまで来たらきっとリヴァプールが盛り返してくれると信じてか、観客
の応援も大きくなっていきました。
その声援に応えてか、89分でカイトがゴール!!!!!
祈るような思いでロスタイムのボールの動きを追いましたが、ホイッス
ルが鳴ってしまいました。
ベニテス監督が時計を指差して抗議していた姿は、あとちょっと時間
があれば同点に巻き返せたのに、というチーム、そしてサポーター達
の気持ちを代弁しているようにも見えました。とっても残念です。

ミランがカップを掲げるのが見るのもなんでしたので、バーを後にしま
した。
コンサートスクエアは、サポーターたちが肩を落として歩いていました。
中には前向きにチャントを歌ったりしている人たちもいましたが、まわ
りを巻き込むほどの力はありませんでした。目についたのは、気をとり
なおして腹ごしらえにチッピーに並ぶ人たちが沢山いたことくらいでしょ
うか。その後は、まっすぐ帰宅して一日を終えました。。。

♪ ♪ ♪

アテネまでの道のりは多くの人々にとって長く曲がりくねっていて障壁
も多かったようです。
もちろんチームが強豪を勝ち抜いて決勝まで登りつめるまでの経緯も
しかりですが、コアなサポーター達も苦労が多かったことでしょう。
まずはチケットの割り当ての問題。多くのチケットがスポンサーや関係
者に配布され、肝心のサポーターたちに十分回らなかったことから始
まり、バロットで当たってチケット購入の権利を受けたサポーターでさえ
もスタジアムのチケット売り場で3〜4時間並んでようやくゲットしまし
た。
当然チケットを入手できると信じてアテネ行きの手配をしていたけどバ
ロットに外れてチケットなしでアテネに飛んだサポーターもいれば、チ
ケットもフライトも手配したけど当日飛行機が欠航となってリヴァプール
の空港で涙を呑んだ人々も。
正規のチケットを持ってアテネに着いたけどスタジアムに入れなかった
人も少なくなく、その上、アテネの 警察から不当な扱いに遭った人たち
もいたとのことです。

そうしたストーリーや諸々の責任の擦り合いがメディアで多く取り上げ
られたのは、試合そのものの結果よりも残念で後味が悪かったです。
読者の方々でアテネに行った方が無事に観戦できたことを願っていま
す。

純粋にサポーターのチームに対する気持ちに関しては、優勝は逃しま
したが、誰にきいても、
「よく戦った、とても誇りに思っている。運がついてこなかっただけさ!」
とポジティブなコメントが多く、アテネのスタジアムで観戦した近所の
ニュースエージェントのお兄ちゃんは、
「アテネ、行ってよかったよ。素晴らしかったよ、試合の結果以外はね」
そして
「今からモスクワ資金を貯めるよ!」
と、来年に向けて目を輝かせていたのが印象に残りました。

カズさんのアテネ・レポートが楽しみです!!!

♪ ♪ ♪

【今週の告知】
その1;
Sudley House が、長期にわたる修復の後、土曜日に再オープンしまし
た。
ここはヴィクトリア朝時代の裕福な船商人、George Holt氏のお屋敷で、
ヴィクトリア時代の内装や調度品だけでなく、当時のドレス、多くの貴重
な絵画や彫刻も展示されています。お庭からはマージー川も遠目に見
えます。カフェでは、アフタヌーンティーも楽しめるとのことです。

 < Sudley House(サドリー・ハウス)>
  住所:Mossley Hill Road, Liverpool, L18 8BX
  アクセス:市内からバス80番又は80AでRose Lane下車、徒歩10分
  オープン:毎日 10:00〜17:00 入場無料
  ホームページ: www.liverpoolmuseums.org.uk/sudley

その2;
リヴァプール・ジョンレノン空港とニューヨークJFK空港の直行便が就
航しました。航空会社は Flygrobespan.com で、毎日一便ずつ出てい
ます。私も乗ってみたいです!
航空会社ホームページ: http://www.flyglobespan.com
空港ホームページ: http://www.liverpooljohnlennonairport.com

それではまた来週!

ミナコ・ジャクソン♪

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