July 31 2007, No.308
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■
         *** http://scousehouse.net/ ***        


――――――――――――――――――――――――――――――
▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
―――――――――――――――――――――――――─ NLW □

「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
       〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

  ― 第 99号 / 「国際交流 in Liverpool」 ―
 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish99_photo.html ≫

こんにちは。
先週、続報をお約束していた、カプリオールのリヴァプール・レポートで
す。
カプリオールはニッポンが誇るワールドクラスのダブルダッチ・チーム。
「ダブルダッチ」とは、2本の長縄を使ったスーパー縄跳びで、その昔、
アメリカはニューヨークでオランダ人が伝達した遊びとしてスタートした
そうです。
一時は衰退の途をたどったものの、70 年代に公式ルールが制定され、
正式なスポーツとして確立されました。

カプリオールは、2004 年オーストラリア、2006年カナダで行われたダブ
ルダッチの世界大会優勝を獲得した、名実ともに世界チャンピオンで
す。
メンバーは、ノブ(リーダー)、テル、Mon、マサに加えて今回残念なが
らリヴァ入りを果たせなかったYabiっちの5名。
日本のダブルダッチを引っ張る存在であるというプライドとカリスマ性、
そして世界にダブルダッチの魅力を多くの人たちに伝えたいという強
いミッションを持っています。
オフステージでは兄弟のように仲が良く、明るく笑いが絶えず、時には
厳しいツッコミを入れあいながらも、互いを理解しケアしあっています。
そして、さすが体育会系、とにかく礼儀正しい。今回は私は急遽彼らの
滞在中アテンド&通訳をすることになったのですが、毎回会うたびに
深々と感謝され、絶妙なタイミングで席やジュースが用意されたりと、
VIP待遇を受け恐縮しました。

"Brouhaha International Street Festival"が始まるその日まで、「ダブ
ルダッチって何?」「日本のカプリオーレって誰?」というところから始
まった人たちが殆どだったようです。
というのも、彼らがこのフェスティバルに招待されたのがイベント開始
の3週間前。東京の代々木公園でパフォーマンスをしているところを、
Brouhahaの運営に関わっているウルグアイ出身のVikkiからその場で
スカウトを受けたとのこと。
カプリオールはフェスティバルの趣旨や詳細も良く分からないまま、リ
ヴァプール行きを決定したそうです。人生、どこで誰が見ていて何が起
こるか分からないものです。

そんな前評判ゼロの状態で行われた先週金曜日のPhilharmonic Hall
でのオープニング。
巧みに回される2本の縄を、アクロバティックな動きやブレイクダンスを
取り入れて跳び舞うパフォーマンスは、多くの観客の度肝を抜きまし
た。お世辞抜きで、彼らへの拍手喝采の音量は他のどのチームよりも
大きかったです。

その他のショーは、悪天候で野外イベントが変更中止になったり変更
になるトラブルもありましたが、オフの日の月曜日に、シティーセンター
で敢行されたゲリラ・パフォーマンスは素晴らしかったです。
私はチャーチ・ストリートとホワイトチャペルの交差する場所での回を
見たのですが、お昼休みの時間帯、続々と観客が集まって来て彼らを
取り巻き、大盛況でした!
途中、警官やパトカーなども現れてヒンヤリしましたけれども、問題なく
続行。

英和辞書を引くと、'double Dutch' には「(俗語)ちんぷんかんぷん、理
解不可能」という意味もあるようです。
確かにカプリオールのレベルまできてしまうと、アスリートの域に入って
いて、普通の人には真似できない業という印象を受けますが、彼らは
自分たちのショーの合間に一般の観客にも
跳んでもらって、「君にもできるよ!」と人々に自信と親しみを持たらせ
ています。
日本では小中学校の生徒たちへの指導なども積極的に行ってきた経
験と、持ち前のフレンドリーなキャラクターで、大人から子供まで幅広
い観客へのコミュニケーションも抜群です。まさにダブルダッチ親善大
使!

私の住んでいる建物のすぐ近所の学生寮は、毎年、Brouhahaのパ
フォーマー村となります。
去年までは、ドラムの練習の音が聞こえてくるくらいの認識しかありま
せんでしたが、今年はアテンドとして私もここにお邪魔し、楽しい経験を
させてもらいました。
毎日各チームのリーダーが招集されてミーティングがあるのですが、
まずは国名で出席をとり、翌日のスケジュールの確認や注意事項が
伝達されます。英語のほかにスペイン語、フランス語、ドイツ語が飛び
交い、リヴァプールにいながら別世界のようで興味深かったです。

世界20カ国から集まって来たパフォーマー達はここで寝食をともにし、
オフの時間は練習をしたり、他国とパフォーマンスを通じて交流してい
ました。
カプリールのメンバー曰く、初対面で自己紹介をするより先にブレイク
ダンスのバトルで技を競い、B-ボーイ、B-ボーイと呼び合って親交を
深めたとのこと。
また、各国の料理を持ち寄るインターナショナル・パーティーなんかも
開催されていたのですが、ノリがラテンな人が多いから酒盛りになるか
と思いきや、飲むよりも踊るが優先だったのも印象的です。

今年のBrouhahaでカプリオール最後のパフォーマンスは、水曜日の日
中にWilliamson Squareで行われました。
その前には、なぜかカラオケ大会が催されていて、ランチタイムに会
社を抜け出したサラリーマンの歌う「マイ・ウェイ」や、思いっきり音程
のはずれている青年がいるかと思えば、小学生くらいの普通の男の子
がこぶしを握って、ジャクソン・ファイヴのナンバーを歌いだしたりで観
客を賑わせました。
そしてカプリオールが特に親交を深めたドイツのRoots & Rootsがブレ
イクダンスを披露したあと、カプリオールが登場。
その様子は、ショートビデオをYoutubeに載せましたので、ご覧下さい。
Capliore in Liverpool: http://www.youtube.com/watch?v=nKJRhq2FVtc

このパフォーマンスが終わると、メンバーは新しいファンに囲まれ、フェ
スティバルの最高責任者のGiles Agisからは満面の笑みで「来年もまた
来てほしい」とオファーを公言され、別の団体からは「リヴァプールのダ
ブルダッチ・チームをトレーニングしに来てくれないか?」との打診を受
けたりと、モテモテでした。

そして一息ついてミニ観光。マシュー・ストリートを歩きました。ビートル
ズ・ショップ、ジョン・レノンの銅像、Wall of Fameなどを回り、キャヴァー
ン・クラブで一杯飲んでゆっくりしてから地上に出てきたら、なんと、元
ビートルズのマネージャーAllan Williamsが!
せっかくなのでお願いして記念撮影しました。

その晩は、彼らの帰国前夜で、他の国のパフォーマー達が、カプリ
オールの送別会をするというので、私と旦那も招待されました。
パフォーマー村で夜遅くまで、多国籍ブレイクダンスのバトルとダブル
ダッチが繰り広げられました。別れ際には、メンバーから私たちに、心
のこもった感謝のメッセージを書いた特大T シャツが。
『I love Liverpool...I love duble-dutch! I love Jackson Family!!』
泣けます。
ありがとうはお互いさまで、本当にエキサイティングな数日間でした。ま
た次回、フルメンバー揃ってリヴァプール入りするのを楽しみにしてい
ます!

カプリオール公式ホームページ: http://www.capliore.com

そしてBrouhahaのクライマックス、インターナショナル・カーニバルは、
8月4日(土曜日)午後12 時スタートです。
Brouhaha International Street Festival: http://www.brouhaha.uk.com 

♪ ♪ ♪

今週後半のリヴァプールでは、"TrocaBrahma" というブラジルとイギリ
スのミュージシャンやアーティストが交流するフェスティバルが行われま
した。
そのうちの日曜日の晩に、ハードマン・ストリートBumper にて行われた
Open Field Church(ブラジル代表)とFour Tet(英国代表)のライブを
観にいきました。
日曜の晩とは思えないほど会場は満員。ライブの前には、リヴァプー
ルの電子音ムーブメントを支えるHive CollectiveのAlexのDJでウォーミ
ングアップ、続いてOpen Field Churchがステージに上がります。
クワイヤーと聞いていたので、てっきり筋金入りのゴスペル合唱団だと
期待していたら、歌はみんな地声で統一感もなく殆ど素人ばり。会場の
雰囲気からも浮いてはいますが、魂から力いっぱい熱唱される賛美歌
もある意味新鮮だったかもしれません。

続いては、別プロジェクトユニット 'Fridge' で最近新しいアルバムをリ
リースしたばかりのKieran HebdenことFour Tetのライブ。
こちらはうって代わってクールなフォークトロニカ。ギターを早弾きする
かのごとくデッキのつまみをぶりぶりと回して奏でるテクニックと演奏中
の鋭いまなざしを見ると、「鬼才」という愛称がぴったりです。アコース
ティックな音素材を使いながら、気持ちのいいビートを打ち出して、会
場はダンスフロアと化して盛り上がりました!

Four Tetホームページ: http://www.fourtet.net/site/site.php
Four Tetマイスペース: http://www.myspace.com/fourtetkieranhebden
TrocaBrahmaホームページ: http://www.trocabrahma.com
(ビール会社主催のサイトなので、アクセスに生年月日の入力が必要
 です。)

♪ ♪ ♪

【今週の告知】
前々回お伝えした、Mercyによる "Demolition" 展。
大盛況に終わりました…が、実はその開催を助成金でまかなわれると
期待していたところが、結果的に支援が得られず、急遽、資金集めの
ためのイベントを開くことになりました。

<'Help Us to Help You' by Mercy>
 8月4日(土曜日)夜 入場料5ポンド
 場所: Mello Mello, 40 Slater Street(Parr StreetとSlater Streetの
                        コーナー)
 ライブ: The Amnesiacs + Tom Brookes
 DJ: Dialogue Disco Supreme Team (Hive) + Doug Kerr
    / Tom Sheppard (Late Night Sessions)
 ホスト/ ポエトリー: The Fiction Massive
 ※この日Mello Melloの2階では、東京代々木公園のテント村からやっ
  てくるアーティスト市村美佐子さんの短編映画上映会もあります。

それではまた来週!

ミナコ・ジャクソン♪

≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish99_photo.html ≫


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
無断での転載を禁じます。  Copyright(C) 2001-2007 Scouse House