「スカウス・ハウス」発行のメールマガジン
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    リヴァプール・ニュース News of the Liverpool World  No. 108
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◇◆INDEX◆◇

●フロム・エディター
●リヴァプール・ニュース <2003年7月7日〜7月12日>
●「ポール・マッカートニー・イリュージョン」 (後編)
●スカウスハウス・ニュース / 「留学生募集中」 「ビートルズ・ガイドツアー」
                                       「原稿募集中」

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●フロム・エディター
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先月のことですが、リヴァプールで、「フィルポッツ」というサンドウィッチ・ショップ
に行きました。
「フィルポッツ」、憶えていらっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんね。以前こ
のNLWで紹介したのですが、今年の5月に見事「英国No.1のサンドウィッチ・
バー」に選ばれたお店です。
あまりにも忙しいリヴァプール滞在だったので、もう最後の日の出発直前に
やっと訪ねることができました。
お店の外観も内装もピカピカしてとても綺麗でしたし、スタッフはフレンドリーで
した。そして肝心のサンドウィッチの味は…もう感動的なまでに美味しかったで
す。やはり無理してでも行ってよかったです。

時間がなかったので、僕が買ったのはパック入りのサンドウィッチでした。
野菜と一緒に小エビくらいの大きさのロブスターがたくさん入ったものがあった
ので珍しいなと思ってそれにしたのですが、ロンドンへ向かう列車の中で食べ
て、その美味しさに本当にびっくりしてしまいました。
出来合いのパックものでこれだけ美味しいのなら、オーダーメイドで作っても
らったらいったいどんなサンドウィッチが出来るのでしょうか。
どうしても期待してしまいます。今度行った時に、是非とも試してみなければい
けません。

そうそう、フィルポッツ・ブランドのスパークリング・ウォーターも一緒に買って飲
んだのですが、これも上品な味でとても美味しかったです。素晴らしいです。今
度行ったら1ダースくらい買って帰ろうかなと、結構本気で考えています。

                                Kaz  (15/07/'03)

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●リヴァプール・ニュース <2003年7月7日〜7月12日>
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7月7日(月) ------------------------------------------------------
【最安値】
エヴァトンFCは、イングランド・プレミアリーグ全20チームの中で、最もファン思
いのクラブかもしれません。
来シーズンのシーズン・チケット(スタンダード・大人)の平均価格を比較すると、
いちばん安いのがエヴァトンなのです。
エヴァトンのシーズン・チケット平均価格は、364.50ポンド(約7万3000円)
です。
平均価格が400ポンドを切るのは、他にボルトン、アストン・ヴィラ、チャールト
ンの3クラブしかありません。

リヴァプールのシーズン・チケット平均価格は、470ポンド(約9万5000円)で、
9位となっています。
毎年リーグ上位の成績を収めるレッズは、シーズン・チケットも毎年発売とほぼ
同時に完売となり、来シーズン分も、現在2万人がキャンセル待ちの状態です。
しかしその割には、シーズン・チケット価格は低めに設定されていて、ほとんど
のライヴァル・チームよりも安い価格となっています。

トップはアーセナルで、シーズン・チケット平均価格は、1222.50ポンド(約24
万5000円)と、リヴァプールの2倍以上、エヴァトンの3倍以上となっています
(ただしチャンピオンズ・リーグとFAカップ計7試合を含む)。

7月9日(水) ------------------------------------------------------
【ダンス・アゲイン】
片足を失いながらも、ダンサーを目指している少女の話です。

13歳の Laura Range は6週間前、オーレル・パーク駅の線路に落ちて列車に
轢かれ、左足の膝から下を切断しました。
しかしそれでも彼女は、ダンサーになる夢を捨てていません

Sugababe の Heidi Range をいとこに持つローラは、Sir Paul McCartney 夫人
の Heather Mills の生き方に勇気付けられたと話しています。
「足が1本無くなったからって、ダンスできないってわけじゃないと思うの。ヘ
ザーに出来るのなら、あたしにも出来るでしょう?」
「全然かわいそうなんかじゃないのよ。だって死んでてもおかしくなかったんだも
ん」

ローラは来週、義足のための寸法を取ることになっています。
「もう待ち遠しくって。作ってもらったらすぐダンス・クラスに戻るの」

このことを聞いたヘザーは、サイン入りの自伝 “A Single Step” を贈り、ローラ
と特別な絆を結びました。

ローラによると、アクシデントは、彼女の友だちが男の子と取っ組み合いをして
いる時に起こったのだそうです。
ローラは、喧嘩の仲裁に入ろうとして、線路に落ちてしまったのです。
列車のエンジンは、彼女を30ヤードほど引きずって走った後で止まりました。
駆けつけた医者たちは、その場で、麻酔もなしにローラの足を切断しなければ
ならなかったそうです。

ローラは Alder Hey Children's Hospital で集中治療を受けました。
ジャズ・ダンス・クラスで鍛えた体力のおかげで、ローラは2週間後には退院し、
松葉杖で歩く練習を始めました。

ヘザーの話です。
「とってもポジティヴなお嬢さんよね、ローラは。ちゃんと見守って行けば、あの
子ならきっとダンサーになる夢を叶えるはずよ」

7月10日(木) ------------------------------------------------------
【100歳のギャンブラー】
クラブムーア在住のおじいさん Charlie Atherton は、ギャンブルが日課です。
ある日いつものように近所の Ladbrokes に顔を出したチャーリーは、びっくりす
ることになりました。
そこでは、チャーリーのためのお祝いパーティーが用意されていたのです。この
日は、チャーリーの100歳の誕生日だったのです。

パーティーを企画した、ショップのマネージャー Dave Little の話です。
「チャーリーはもう何年もずっと欠かさずここに来てくれてるんですよ」
「だいたい1時半ごろから4時まで、好きな馬を応援してますね。馬の知識は驚
くほどです」
「そういう方ですから、何か店でお祝いをしようと決めたんです。特別な誕生日
ですしね」
「今日はチャーリーに無料で賭けてもらいました。他のお客さんはチップを払っ
てティー・パーティーに参加してくれました」
「でも正直言って、チャーリーが100だなんて信じられないですね。すごく元気
だし、いつも陽気で頭の回転も抜群ですからね」

チャーリーはこう話しています。
「ワンダフルじゃったよ。まったくあいつら、わしをびっくりさせよって」
「毎日あそこに行くのが楽しいんじゃ。じゃが全部当てようなんて欲張ったりは
せんよ」

チャーリーの娘 Colette の話です。
「ひとりで全然だいじょうぶなの。毎日この店に来て、スタッフやお客さんとワイ
ワイやるのが楽しいみたい」
「だからここでこんなお祝いをしてもらえるなんて、とっても幸せよね」

ブックメーカーでのパーティーが終わった後には、家族や友人を集めてのパー
ティーがありました。そして翌日にも、チャーリーの孫によるパーティーが開か
れたそうです。

7月11日(金) ------------------------------------------------------
【ジェームズ・ブラウン インタヴュー】
7月15日、Summer Pops に、「ソウル界のゴッドファーザー」 James Brown が
登場します。
このコンサートを前に、Joe Riley によるインタヴューが Liverpool Echo 紙に掲
載されています。

(一般的には、ジェームズ・ブラウンが生まれたのは1928年の5月だと信じら
れている。だが、彼自身は1933年生まれだと言う。どちらにせよ、70歳以上
の高齢だ)
「新しい地平線が見えてるんだよ、俺には。ずっと同じようなことを言ってきたが
な、だが今がまさにその時なんだよ」
「観に来た客をみんな熱狂させてるからな。俺たちが行くところはどこでも満員
だぜ。10万人だって集まるからな、このアメリカじゃあ」

(それに比べれば、4500席のサマー・ポップスは、随分とかわいらしい会場だ)
「ああ、だが俺は望んで行くんだ。俺はな、リヴァプール出のミュージシャンを尊
敬しとるんだよ。あいつら誰にも認められてないところからチャンスをつかんで、
のし上がって行ったからな」

(翌日のステージに上がる Paul Weller をはじめ、ミスター・ブラウンはミュージ
シャンたちにも人気がある。Paul McCartney も、個人的なトップ10リストで彼
の曲を挙げている)
「ポップにすると、何もかもうまく行くもんだ。だから Little Richard や Chuck
Berry や Jerry Lewis は元気な曲をやったってわけだ」
「だが俺は全然違う。俺のルーツはロックンロールじゃないからな。ゴスペルだ。
連中とはまるで違う次元なんだよ」
「俺がやったことは、それまで誰も知らなかったような、新しくて全然違うことだっ
たってわけだ」

(ミスター・ブラウンは50年にわたるキャリアの中で、それこそ何千ものギグを
やってきている。だから1964年の10月、サンタ・モニカで行われたショウ
Teen Age Music International のことは憶えてないでしょうねと訊いた。間違って
いた)
「ちゃんと憶えてるぜ。Gerry And the Pacemakers 、それと Billy J Kramer が
いたな。チャック・ベリーや The Beach Boys 、Marvin Gaye と一緒のショウだっ
た」
「俺はあいつらを気に入ったよ。いいダチになった。ジェリー&ペースメイカーズ
と俺はな、Elvis Presley のためのパーティーもやったんだ。The Animals も一緒
だった」
「リヴァプールの坊やたちはみんな、スペシャルなサウンドを追求するスペシャ
ルな奴らだった。俺はあいつらのことを考えると、いつも Bill Haley のことを思
い出す。これまでも、これからも、音楽の世界じゃ特別席に載せられる連中っ
てわけだ」

(この夏に行われるジェームズ・ブラウンの英国でのコンサートは、リヴァプール
とロンドンだけだ。ショウでは、ファンが求めるヒット曲がたくさん歌われる)
「ああ、“I Feel Good” 、“Please Please Please” 、“Sex Machine” 、それから
“It's A Man's World” 、みんなやるよ」
「ものすごく重要な歌だからな、客にとっても、それから俺にとっても。歌わんわ
けにはいかねえさ。だがな、あっと驚くような曲もちゃんとやるぜ」

(おそらくそのひとつは、George Harrison の “Something” になるはずだ)
「俺はリヴァプール・サウンズが大好きなんだよ。だから今でも歌う」
「聞いてくれ。ジョージ・ハリスンは俺の『サムシング』を聴いて、他の121のカ
ヴァー・ヴァージョンとはまるで違うって言ってくれたぜ。ぜーんぶ蹴散らしてるっ
てな。そりゃあいい気分だったぜ」

(レジェンドにもヒーローはいるのだろうか)
「ああ、俺がモデルにしたのは Louis Jordan だった」
「この頃の奴らってのはだな、みんな自分が何をやってるのか分かっちゃいね
えな。もちろんポール・マッカートニーとか Elton John とか BB King とかは例外
だがな」
「もっと自分たちのやってる音楽の歴史ってものをしっかり勉強しろってんだ。
昨日の歴史は、今日の歴史なんだからよ」
「今でも俺は、新しい次元を目指している。だからジェームズ・ブラウンは過去
の人にならずに済んでるんだよ」
「そりゃ長いことやってるってだけで人気は出るかも知らん。けどな、時間は確
実に流れて行く。例外なしに、何事にもだ。だから新しい入れ物を探して、いつ
もフレッシュにしておかにゃいかんのだよ」
「女王みたいに永く続けないとな。しかもスタイルを失わずにな」
「で、いいかいお前さん、俺たちゃいいショウをするぜ、リヴァプールでな」

(ミスター・ブラウンは最後にこう付け加えた)
「楽しいインタヴューだったぜ。お前さんがもし200年生きるなら、俺は200年
の1日前まで生きよう。お前さんみたいないい奴が死ぬのなんか見たくねえか
らな」

7月12日(土) ------------------------------------------------------
【迷子のジョーイ】
シティ・センターのオフィス・ビル Cotton Exchange に、突然珍しいゲストが現れ
て、オフィスで働く人々を驚かせました。
明るいイエローとグリーンとオレンジの羽を持つ、小さなトロピカル・ラヴ・バード
(ルリゴシボタンインコ)でした。
コットン・エクスチェンジのスタッフは、彼に Joey という名前をつけました。

ジョーイを見つけたのは、コットン・エクスチェンジの運営会社 Langleycourt Ltd
のスーパーヴァイザー John Marsh でした。
51歳のジョンの話です。
「中庭をバタバタ飛び回ってたんですよ。上は空なんですがね、ずいぶん弱って
ましたから自力では飛び出でなかったんでしょうね」
「それで、捕まえてかごに入れて、餌と水をやったんです。すぐに元気になりまし
たよ」
「美しい鳥だし、1日じゅうずっとかわいい声でさえずってるんでね、もうすっかり
人気者ですよ」
「ジョーイはルリゴシボタンインコです。一般的にはラヴ・バードと呼ばれていま
すね。タンザニア原産なんだそうですよ」

ラングレーコートのマネージャー David Chan (28歳)は、こう付け加えていま
す。
「本当の飼い主が現れたら、喜んでジョーイをお返ししますよ。もちろん」

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●「ポール・マッカートニー・イリュージョン」 (後編)
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「ポール・マッカートニー・イリュージョン」 / Kaz -----------------------

コンサートの中盤では、数曲毎にバンド・メンバーがひとりずつ自己紹介をす
る。
エイブは景気付けの雄叫びを上げ、ラスティはいつものようにオーディエンスの
写真を撮り、ウィックスはダブリンで買って来た巨大なギネス・ハットを被り、ブラ
イアンは照れながらリヴァプールにお礼を言う。
最後のブライアンが喋っている時、あの大きなエイブがドラム・セットに座ったま
ま泣き崩れているのが見えた。ブライアンもポールも気がついていない。横の
ウィックスが立ち上がってそっと歩み寄り、エイブを抱きかかえる。エイブはその
まま、ブライアンの話が終わるまでウィックスの胸で泣き続けた。とても、とても
いいシーンだった。

コンサートは、クライマックスの連続だった。いや、最初から最後までクライマッ
クスだったような感じもする。

「バンド・オン・ザ・ラン」には、カッコいいイントロがついていた。
「バック・イン・ザ・USSR」では、全員がシャウトした。
「メイビー・アイム・アメイズド」でのポールは、やはりアメイジングだった。
「レット・エム・イン」では、マッカートニー・ファミリーの名前が歌われた。
「バースディ」では、後のおばちゃんが僕の両肩を掴んで思い切り揺さ振りなが
ら、「今日はあたしのバースディなの!!」と叫んだ。
「ヘイ・ジュード」では、曲が終わってもオーディエンスの歌は延々と続いた。
アンコールの「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」あたりになると、僕はもう
ボーっとなっていた。

2回目のアンコールでポールは、「アイ・ロスト・マイ・リトル・ガール」を歌った。
これも「サプライズ」のひとつになるだろう。ポールが少年時代に初めて作った
曲だ。
10年前のワールド・ツアーでセット・リストに入っていた曲だが、その時はリヴァ
プールでのコンサートは行われなかった。
原点とも言える曲だからやっぱりリヴァプールで歌っておきたかったのかな、と
思った瞬間、別の考えが浮かんだ。
ポールは今、お母さんに向けて歌っているのではないのだろうか、ということだ。
14歳で母を亡くしたポールは、ギターを手に入れ、悲しさを紛らわすように音楽
に没頭するようになったという。そして出来た曲が、この歌なのだ。
ちょうどこの日の午前中に、ポールが少年時代を過ごしたフォースリン・ロード
の家を見学した。
40年以上前、あの狭い自分の部屋で一生懸命ギターを練習するポールの姿
を想像した。
「リトル・ガール」は、お母さんのことなのかもしれないな、と思う。

歓喜の渦と大きな花火とともに、コンサートは終わった。

コンサートの翌日、ロンドンのパブで呑んでいる時に出た話だ。
ポールはもうすぐ61で、でもあんなに元気だし声もすごく良く出るし、3時間近く
も何万人ものファンを熱狂させるコンサートを世界中を回ってやっている。特に
昨日のリヴァプールはものすごいコンサートだった。信じられない、これはいっ
たいどういうことなのだろう、という疑問がみんなの口から出て、ああでもないこ
うでもないと、その場は盛り上がった。

確かに、とても人間業とは思えない。
いや、あのステージの上のポールを、我々と同じ人間だと思ってはいけないの
だ、たぶん。
あれは、イリュージョンなのだ。
ポール本人に、ファンタスティックなポップ・ソングと、我々ファンの巨大な思い
入れを投影して創り出された、イリュージョンなのだ。
そして今回はもうひとつ、リヴァプールというマジカルなファクターが加わってい
たわけだから、もうほとんど奇跡と言っていいようなコンサートだったのかもしれ
ない。

ん?奇跡? 
奇跡かあ…ポールに大笑いされてしまいそうだな、こんなこと言ってると。

(おわり)

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