「スカウス・ハウス」発行のメールマガジン
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    リヴァプール・ニュース News of the Liverpool World  No. 110
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                                 2003年7月29日発行
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◇◆INDEX◆◇

●フロム・エディター
●リヴァプール・ニュース <2003年7月23日〜7月26日>
●「メンディップス回想」 (前編)
●スカウスハウス・ニュース / 「スカウスハウス・ツアー」 「留学生募集中」
                      「ビートルズ・ガイドツアー」 「原稿募集中」

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●フロム・エディター
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先日リヴァプールを訪れた際に、ジョン・レノンのリヴァプールの家「メンディップ
ス」を見学しました。
この家にはこれまで何度も来ていますが、もちろんいつも外から眺めるだけでし
た。
まさかこの家の中に入ることが出来る日が来ようとは思っていなかったので、
中に案内された時は、「こんなにあっさり入っていいのだろうか」と、ちょっと申し
訳ないような気持ちになりました。

家の中は、思っていたよりもずっとこじんまりとしていて、とても質素でした。
さすがナショナル・トラストというべきか、ジョンが出て行ってから40年も経つと
いうのに、この家の中だけ別の時間が流れているような、いや、時間が止まっ
ているような、不思議な感じがしました。

玄関の上にあるジョンの部屋は、とても狭くて、今から考えると4畳半くらいだっ
たような気がします。ベッドの他にクローゼットがひとつあるきりでした。
ポールは、「ベッドに座って、ジョンと一緒にファッツ・ドミノとかジェリー・リー・ル
イスとかチャック・ベリーとか、いろんなレコードを聴いたなあ」とか、「ベッドの上
で並んでギターを構えるとネックがぶつかり合って難儀したなあ」と、懐かしそう
に回想しています。

「ああ、ここにジョンはいたんだなあ」と思いながら窓から外を見渡すと、そこに
は、夏の陽射しに照らされた、穏かなメンローヴ・アヴェニューの景色が広がっ
ていました。
門の影から、ひょっこりとポールが顔を出すんじゃないかという気がしました。

結局、ジョン・レノンが生涯で最も長く住んだ家は、5歳から23歳まで暮らした
このメンディップスでした。

ジョンのこの家での暮らしは、実際にはどんなふうだったのでしょう。
当時を知る人たちに取材した記事が、「リヴァプール・エコー」紙に掲載されまし
た。
「メンディップス回想」というタイトルで、今週と来週の2回に分けて紹介します。

                                Kaz  (29/07/'03)

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●リヴァプール・ニュース <2003年7月23日〜7月26日>
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7月23日(水) ------------------------------------------------------
【新シーズン始動】
22日、親善試合のためにタイのバンコクに到着したリヴァプールFCは、大勢
のファンによる熱烈な歓迎を受けました。
チーフ・エグゼクティヴの Rick Parry は、満足げにこう語っています。
「これだけサポーターから歓迎されるなんて、本当に来た甲斐があるね」
「タイランドには、リヴァプールのファンが100万人もいるそうだね。そのうえ実
に熱狂的だ。自分の国でうちのチームがプレイするのを見る資格は充分にあ
るってことだね」

リヴァプールは、24日にタイ選抜チームと試合をし、日曜日には香港で香港
選抜チームと試合をします。

期待の新加入選手 Harry Kewell と Steve Finnan は、怪我のためこの極東ツ
アーには参加していません。
しかし、フランスから加入した2人の若手 Anthony Le Tallec と Florent Sinama
Pongolle は、チームに帯同しています。
Gerard Houllier 監督は、この2人にはまず経験が必要で、がプレミア・リーグ
でプレイするのはまだまだ先になると話しています。
「今シーズンの彼らは、まずリザーヴ・マッチでプレイする方がいいと思う。まず
イングリッシュ・フットボールに慣れなければならないからね」
「しかし将来の彼らは、きっとトップ・チームでレギュラーとしてプレイするだろう」
「だが今の彼らはまだほんの少年だからね。もっともっと上達しないと。上でプ
レイするのは、来年からになるだろうね」
「この2人を初めて見たのは、4年前の European Youth Championships だっ
た。それからの成長をチェックしてて、2年前、World Youth Championships の
直前に、リック・パリーと私は彼らと契約したんだ」
「そのタイミングは重要だったよ。なぜなら大会が始まると彼らは一躍注目の
存在になったからね」

リヴァプールは、タイに出発する前に2試合のプレシーズン・マッチを行いまし
た。
ウリエは続けます。
「あの2試合はとても良かったね。満足している。パスも動きも申し分なかった。
この2つと、あとゲームでのペース、これをしっかりトレーニングして行くつもり
だ」

7月24日(木) ------------------------------------------------------
【ルーニー・スタイル】
22日夜に行われたクルーとのフレンドリー・マッチで、エヴァトンのスター・スト
ライカー Wayne Rooney がスキンヘッド・ルックで登場しました。
ルーニーが頭を刈ったのはオーストリア・キャンプ中で、チームメイトの Kevin
McLeod だと言われています。マクロイドは、はさみとバリカンの名人なのだそ
うです。

そして今、リヴァプールの理髪師たちは、ルーニーの新イメージがこの夏の流
行になるのではないかと期待しています。
そればかりか、「このティーンエイジ・センセーションは David Beckham のよう
なファッション・アイコンになるかもしれない」という意見もあります。

ウエスト・ダービー・ヴィレッジの理髪店 West Derby Barber Shop の Mark
Powell の話です。
「頭を剃りに来る人は結構いるよ。夏だからね」
「でもウェインが剃ったからね、これからもっともっと増えるんじゃないか。あい
つはエヴァトンのヒーローだからな。ウチとしちゃあそうなってほしいもんだ」
「あいつはデイヴィッド・ベッカムみたいな存在になるかも知れんよ。服から髪
型からなんでも真似されるような。まあタイプは全然違うけどね」
「だってよ、クロクステスの小僧がサロンを巻いたりモヒカン・ヘアーなんて、似
合わんだろう?」
「だからそうだな、ウェインは自分のスタイルでやりゃあいいんだ。そうすりゃみ
んなついて来るさ」
「それにしても驚いたね。この1年、あいつがヘア・スタイルを変えたのなんか
見たことなかったからな。Gazza みたいにずっと短髪で通すのかと思ってたよ」
「だがこれだけドラマティックに変わったら、いっぱいいる彼のフォロワーには
強烈なインパクトになるはずだよ」

7月25日(金) ------------------------------------------------------
【甘い玉葱】
英国中のシェフが嬉し涙を流すかもしれないニュースです。
マージーサイドの学者たちの手により、調理しても涙が出ない玉葱が発明され
ました。
この玉葱は、Supasweet という名前で来週からスーパーマーケットの店頭に並
びます。

スパスウィートを開発したのは、University of Liverpool の生物学科の学者た
ちです。
英国の農家によって特別に栽培されたこの新種の玉葱は、普通の玉葱よりも
ずっと甘く、リンゴのように丸かじりできるのだそうです。
しかしいちばんの特徴は、何といっても、カットしてもあの特有の刺激がなく、
涙を流さなくて済むということです。
普通の玉葱にはピルビン酸が多く含まれています。玉葱をカットすると、そのピ
ルビン酸が空気中に飛散して人間に涙を流させるのだそうです。
Dr Meriel Jones と Dr Hamish Collin を中心とする学者たちは、低硫黄の土壌
で栽培することで、ピルビン酸のレヴェルを抑えることに成功したのです。

ジョーンズ博士の話です。
「約4年かけて市場調査を進め、最終的に商業的に成り立つと判断しました。
それで、このマイルドでスウィートで生のまま食べられる玉葱を、農家の生産ラ
インにのせてもらうことにしたのです」

しかし学者チームは、さらにマイルドなスパスウィートにはもっと需要があると
考えているそうです。
ジョーンズ博士は続けます。
「食生活における選択肢を、どんどん広げて行くことになるでしょうね。まあ私
個人は、そんなにあれもこれもいろんな玉葱を食べたいと思っているわけでは
ありませんが」

大手スーパーマーケット Tesco の生鮮食料品担当ダイレクター Steve Murrells
は、スパスウィートの発明を手離しで喜んでいます。
「新しい時代の始まりですよ。涙と無縁の食品のね」
「スパスウィートによって、料理の世界の新しい扉が開けられたんです」

スパスウィートには、リヴァプールの有名シェフ Paul Heathcote による推薦文
が印刷されたシールが貼られています。
「この新しい玉葱は、とてもスウィートなのに、ちゃんと玉葱の味がする。玉葱
の使い道が大きく広がるね」

7月26日(土) ------------------------------------------------------
【サマー・ポップス】
現在開催中の Summer Pops が、大盛況です。
会場の「ビッグ・トップ」が満員になるコンサートが続出し、総観客動員は初め
て10万人を突破しました。
昨年を上回る大成功に気を良くしたカウンシル・リーダーの Mike Storey は、
さらに強気のコメントを発表しました。
「まだまだ改善の余地はありますね。もっとご機嫌なイヴェントに出来るはずで
す。来年の『ポップス』は、よりビッグで、よりベターなものになるでしょう」
「すっかり世界に自慢できるようなイヴェントになりましたね。2008年の
European Capital of Culture の年までには、『リヴァプール・ポップス』は世界
中に知られて、音楽ファンのカレンダーに載るようになるでしょう」

今年の「ポップス」には、コメディ・ショウが登場しました。初めての試みです。
5日間にわたって行われたコメディアンの Peter Kay によるショウは、あっとい
う間に売り切れになりました。その速さは、キングズ・ドックで行われた Paul
McCartneys のコンサートを上回ったということです。

来年以降は、さらにイヴェントのジャンルが拡大されるようです。
ストーリー氏は続けます。
「この先、対象をもっともっと広げて行くつもりですよ。ウエスト・エンドのショウと
か、その他の演劇とか。もちろん、極上のポピュラー・ミュージック・エンターテ
イメントを提供することはこれまでと同じですよ」

今年の「ポップス」は、これまでの4週間から5週間に拡大され、32のショウが
プログラムに組まれました。

プロモーターの Chas Cole の話です。
「記録達成だね。これまでで最高のシーズンになった。だがもっと良くなるはず
だよ」

【譲ってハッピー】
極東ツアー中のリヴァプールは、まずタイでタイ選抜チームとの親善試合で、
3−1で勝利を収めました。
2つのゴールを決める活躍を見せた Vladimir Smicer は、昨シーズンまでつけ
ていた7番を新加入の Harry Kewell に譲り、今シーズンから11番をつけてい
ます。

そのいきさつを、スミチェル自身が語っています。
「ハリーじゃなくて、監督に訊かれたんだよ。背番号を譲るのは嫌かなってね。
誰に譲るのかは知らなかった。新しく来るプレイヤーだってこと以外はね」
「で、僕はノー・プロブレムだって答えたんだ。なぜって、リヴァプールに来て7
番をつけてからずっと、あんまり良いことがなかったからさ。自分らしいプレイ
が出来てなかったし、怪我もたくさんしたからね。行き先がハリー・キューウェ
ルだって聞いたのは、ちょっと後になってからなんだ」

背番号が変わって心機一転のスミチェルは、早速バンコクで2ゴールを決めて、
幸先の良いスタートを切りました。

彼は続けます。
「そうだね、これでいい方に転がって行ってくれればね」
「7番じゃないんだって思うと、肩の重荷が降りたような感じだったよ。何しろ
代々のリヴァプールの名選手が背負ってきた番号だからね。まあ僕は7番で
あんまりうまく行かなかったけど、それは僕に限った話でね。ハリーにとっては
ラッキーなナンバーになってほしいと願ってるよ」

キューウェルが入ったことで、スミチェルの居場所が無くなるのではないかと言
われました。しかし彼自身は、まだまだアンフィールドで活躍することが出来る
と考えています。
「ハリーが来てくれてとても喜んでるんだ。うちにはああいう優秀なプレイヤー
が必要だったからね」
「そりゃあ僕にとってはポジションを取るのがきつくなるのは確かだけどね。で
もそれはみんな同じだよ。このリヴァプールじゃあ、ポジションを約束された選
手なんていないからね。自分のポジションは、戦って勝ち取るものなんだ。そ
れこそ僕の望むところさ」

「この夏、たくさんの人が、僕がリヴァプールを出るんじゃないかって言ってた
よね。その意見が間違ってたってことを証明したいね」
「今はね、ゲームでプレイするのが嬉しくて仕方ないんだ。なんかプレッシャー
から解放されたような感じでね。だからもっとフットボールを楽しみたいなって
思ってる」

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●「メンディップス回想」 (前編)
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「メンディップス回想」 ------------------------------------------------

1950年代は、配給制とロックンロールの時代だった。
大戦後の英国が何とかしてティーンエイジャーを軍隊に集めようと苦労する一
方で、巷ではコーヒー・バーが流行し、エルヴィスが登場した。
そしてその頃、緑豊かなリヴァプールの郊外では、やがて20世紀で最も偉大
な才能のうちのひとつとなる若い芽が育っていた。

ジョン・ウィンストン・レノンの人生に関しては、これまでに様々な記録が残され
ている。
それでも、今また、新たな証言と写真が公開されようとしている。
ジョンが少年時代を過ごした家で、下宿人として彼生活を共にした当時の学生
たちから提供されたものだ。

ジョンがミミ伯母さんと暮らした家「メンディップス」は、メンローヴ・アヴェニュー
の251番地にある。
メンディップスを管理し、一般に公開しているナショナル・トラストは、1949年
から1963年の間にこの家に下宿した20人を探し出し、話を聴いた。
彼らの回想は、CDに収められることになっている。見学に訪れたファンたちに、
ジョン・レノンと一緒の暮らしとはどういうものだったのかを、聴いてもらえるよう
に。

ヤング・ジョンは、悪戯好きで、シャープなウィットを持っていたという。と同時
に、すぐにかっとなる気分屋でもあった。
学生たちを起こすのはジョンの毎朝の仕事だったが、彼がわざと「忘れる」の
はしょっちゅうだった。
ある女子学生は怒ってジョンの部屋に怒鳴り込んだことがあったそうだ。しか
しそこで彼女を待っていたのは、詰め物でふくらんだジョンのパジャマだった。
同様の経験をした学生は、何人もいることだろう。

ジョンは、5歳から23歳まで、このメンディップスで伯母のミミと一緒に暮らし
た。
下宿した学生の大半は、獣医の卵だった。猫好きだったミミの希望でそうなっ
たのだという。
ナショナル・トラストの担当者 Simon Osborne はこう話している。
「ミミが獣医を優先させたのは、飼い猫が病気になった時とかに役に立っても
らおうと考えてのことだったという話ですよ」
「後年になると彼女は、生化学科や機械化や数学科の大学生も泊めています。
1959年以降には、ローカル・カレッジの女子学生も下宿しています」
「でも、同時期に異性の学生同士を住まわせたことはなかったようです」

下宿人たちは、家の奥にあるベッドルームを使った。その部屋では、2人が寝
ることができた。
勉強する際には、ダイニング・ルームを使った。

1955年に夫のジョージを亡くしてからのミミは、より多くの学生を泊めるように
なった。
自分のベッドルームを学生に使わせ、彼女自身は階下の小部屋で寝た。

バスルームとトイレだけは、家族と学生がシェアした。

1962年、ビートルズの「ラヴ・ミー・ドゥ」がチャートを賑わす頃には、メンディッ
プスのフロント・ルームも勉強部屋として使われるようになっていた。

1950年代初めの下宿代は、週3ポンドだった。
下宿代には食事も含まれていた。だがそれも良し悪しだったようだ。あるひとり
は言う。
「あぶらっこい朝ごはんだったよ。時々ネコの毛が浮かんでたりしたなあ」

ミミの猫への溺愛ぶりについては、とにかく誰もがよく憶えていた。
「もし君が猫好きなら、彼女は君を気に入るさ」というのが共通のコンセンサス
になっていたほどだった。

(つづく)

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●スカウスハウス・ニュース
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