June 22 2004, No.155
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     リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■
         *** http://scousehouse.net/ ***        


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼リヴァプール・ニュース <2004年6月16日〜6月19日>
 ▽追悼 アリステア・テイラー
 ▼スカウスハウス・ニュース
 ▽今週のフォト&BGM 


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▽フロム・エディター
―――――――――――――――――――――――――─ NLW □

イングランドが予選を通過しましたね!
もちろん、「ユーロ2004」の話です。グループBの最終戦で、クロアチ
アに見事4−2で勝ったのです。
またしても、ルーニーくんが豪快に決めてくれました。しかもスイス戦に
続いての2発!
始まる前は、この大会はジェラードくんの大会になるんじゃないかと期
待していたのですが、このぶんではひょっとすると「ルーニーくんのた
めの大会」になるかもしれませんね。
もちろん、僕としてはそれでも全然オッケーです。この機会に、エヴァト
ンに興味を持つ人や、エヴァトン・ファンが増えてくれるといいなあと思
います。

なんてことを考えていたら、ポルトガルのリスボンから絵はがきが届き
ました。
差出人はマイキーさん。そう、以前このNLWでワールド・カップのコリ
ア・レポートやビートル・ウィークのレポートを寄稿してくださったあのマ
イキーさんです。
彼女は、イングランド−フランス、オランダ−ドイツ、ポルトガルと…
えーとどこだったかな? ロシアだったかな? まとにかく、すんばらし
く内容の濃い3試合を観戦したのだそうです。食べ物も美味しかった
そうです。
たぶん近いうちに、NLWにレポートを書いてくださるはずです。楽しみ
にしていましょうね、みなさん。マイキーさん、よろしくね!

                          ― Kaz (22/06/2004)


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▼リヴァプール・ニュース <2004年6月16日〜6月19日>
―――――――――――――――――――――――――─ NLW □

*** 6月16日(水) *******************************

【ワイマンのチャリティ・ショウ】
来月の Summer Pops に、元ローリング・ストーンズの Bill Wyman が、
オールスター・キャストを引き連れて登場します。

50 Years of Rock and Roll というタイトルがついたこのコンサートは、
ユニセフのチャリティを目的としたもので、7月5日に行われます。
コンサートの収益は、すべて United Nations Children's Fund に寄付
され、世界中の恵まれない子供たちのために使われます。
昨年も同様に、ユニセフのコンサートとして、Eric Clapton と John
Mayall がサマー・ポップスのステージに立ちました。このコンサートは
もちろんソールド・アウトの盛況となり、13万7000ポンド(約2800万
円)ものお金がチャリティに寄付されました。

今年登場するワイマンのバンド、Rhythms Kings には、ゲストとして
Georgie Fame 、Andy Fairweather-Low 、Roger Chapman 、Martin
Taylor 、Albert Lee 、Colin Blunstone 、そして Rod Argent が参加す
ることになっています。この他にも、ビッグ・ネームの追加召集がある
かもしれません。
このコンサートでは、この50年のロックン・ロールの名曲がいくつか
披露され、DVDのための撮影も同時に行われます。

ワイマンはこう語っています。
「ユニセフは、ほんとにスペシャルなチャリティだからね。で、このショ
ウは、我々みんなが一体になることができる唯一のもの、『ミュージッ
ク』をお祝いするようなものにするつもりだ。キングズ・ドックでの伝説
の夜の仲間入りってことになると思うよ、きっと」

ユニセフのチャリティ・コンサートをオーガナイズしている Live
Consulting のスポークスウーマン、Jane Power はこう話しています。
「可能な限りのビッグ・ネームをこのショウに呼ぶために、懸命に働き
かけているところなんです。ビル・ワイマンもずいぶん協力してくれてい
ます。今年も素晴らしいショウにすることができると確信していますよ」


【落胆の夜】
Euro 2004 が開幕し、グループBのイングランドは、13日にフランスと
の緒戦を戦いました。
優勝候補を相手に90分まで1−0でリードしていたイングランドでした
が、勝利を目前にしたロスタイムに2点を失い、まさかの逆転負けを
喫してしまいました。

この試合が行われた日曜日、リヴァプールの街の通りは、まるでゴー
スト・タウンのように閑散としていたそうです。
Steven Gerrard と Michael Owen のリヴァプールの2枚看板と、エ
ヴァトンの怪物ストライカー Wayne Rooney が先発するとあって、ゲー
ムは夜に行われるというのに、人々は早くから自宅やパブにこもって、
中継を今か今かと待っていたのです。

シティ・センターのバーやパブはどこもぎゅうぎゅうの満員でした。日頃
がいがみ合っているリヴァプールとエヴァトンのファン同士も、この日
ばかりは聖ジョージ・クロスのもとに心をひとつにして代表チームを応
援しました。
ノース・ジョン・ストリートのスポーツ・バー、de Coubertins でも、試合
開始のホイッスルが鳴った瞬間、大きな熱気に包まれました。

ウエスト・ダービーに住み、メディア関係の仕事をしている33歳の
Steve McGee は、こう語りました。
「スヴェン(イングランド代表監督)はベスト・メンバーを出してきたな」

広告代理店の責任者で30歳の Lee Dentith は、イングランドが必ず
勝つと信じ、試合が始まる前にもう祝杯をあげていました。
彼はまた、「ルーニーの先制ゴールでのイングランドの勝利」に、なん
と1000ポンド(約20万5000円)を賭けていました。
ルーニーではなく、Frank Lampard のヘディングで先制点が入った後
も、リーは余裕の表情でした。
「いや、1000ポンドがパーになったって別に平気だって。勝ってくれさ
えすればね!」
「トーナメントだからね。これに勝てば絶対優勝だぜ!」

前半を1−0で終え、夢の実現まであと半分となったハーフ・タイムで
は、シティ・センターじゅうのバーやパブで、“Rule Britannia” の大合
唱が鳴り響きました。

そのまま1−0で90分が過ぎ、ロスタイムに入ると、勝利を確信した
群集は声を上げるのをやめ、歓喜の瞬間にそなえて、固唾を呑んで
ファイナル・ホイッスルを待ちました。
しかしそのロスタイム、Zinedine Zidane がフリー・キックをゴールネット
に突き刺すと、店内には歓喜の絶叫の代わりに悲鳴が鳴り響きます。
さらにその直後、ジダンが逆転のPKをあっさり決め、つい2分前まで
は喜びを爆発させるはずだった群集は、奈落の底に突き落とされてし
まいました。

ランコンの公務員で43歳の Jean Allen は、がっくりした様子でこう語
りました。
「 Beckham はゴミだ。この試合を何週間も楽しみにしていたんだが
ね、私は。今晩は祝杯三昧になるだろうと思って、明日は休みだって
取ってるってのに」

シティ・センターのパブ経営者で30歳の Daniel Maguire も、立ち直れ
ないくらい落ち込んだ様子でこう付け加えます。
「俺たちは90分間勝ってたんだ。なのに最後の2分で負けた。こんな
ことってあるか」

警察のレポートによると、この晩のリヴァプール・シティ・センターの逮
捕者は1名でした。酔って暴れての逮捕でした。
また、コンサート・スクエアのあるバーは、怒りの収まらないサポー
ターたちによる騒動から、閉店を余儀なくされたそうです。


*** 6月18日(金) *******************************

【新監督誕生】
16日、アンフィールド・スタジアムで、Rafael Benitez のリヴァプール
監督就任が発表されました。
44歳のスペイン人、ベニテスは、昨シーズンはヴァレンシアを率い、
リーグとUEFAカップの2つのタイトルを獲得しています。

新監督の喜びのコメントです。
「世界でも最高のクラブのひとつに来ることができて、夢みたいな感じ
ですよ」
「とにかく勝ちたいですね。サポーターのみなさんに、チームや監督、
選手たち、そしてこのクラブを、誇りに感じてもらえるようにしたいです」

この日、クイーン・スクエアのスパニッシュ・レストラン La Tasca では、
ラファエル・ベニテスの監督就任を祝って、「パエリア・ラファエル」をメ
ニューに載せました。また、そのパエリアを注文したお客さんには、
ビールが1本サーヴィスされました。

また、ラテンダンス・チーム、Karen と Banderas の Dosanjh 夫妻は、
ラファエルに、彼らのスタジオ Havana Bar でのフリー・レッスンをオ
ファーしています。

スペイン人がプレミア・リーグの監督に就任するのは、ベニテスが最
初のケースになります。
しかし専門家たちは、文化や習慣の違いは、ほとんど問題にならない
だろうと言います。

Liverpool Hope University College のスペイン語教師 Chris Harris は
こう言っています。
「ここには、スペインのカルチャーを体験してみたいって人がたくさん
いますからね、ですからあっちこっちでスペインの料理や飲み物やダ
ンスを楽しんでもらえるはずですよ」
「そのうえ、リヴァプールには大きなスペイン人コミュニティがあるんで
す。きっと大歓迎してくれますよ」

レストラン「ラ・タスカ」のマネージング・パートナー Javier Mellado も、
新しくやって来るスペイン人を歓迎しています。
「ようこそラファエルっていう歓迎と、敬意の気持ちを表したいと思って、
ビールのサーヴィスを考えたんですよ」
「ここはワンダフルな街ですからね。きっと彼も、あっという間にこの街
での生活に慣れるはずですよ」


【マイケル・ウェイン・ルーニーくん】
イングランド代表が誇る最強の2トップ、Wayne Rooney と Michael
Owen のマージーサイダー・コンビは、熱狂的なファンを生み出してい
ます。

愛国心いっぱいの34歳のお母さん Diane Bowe は、スリー・ライオン
ズ(イングランド代表チームの愛称)への愛情のしるしとして、産まれ
たばかりの息子に「マイケル・ウェイン・ルーニー」という名前をつけま
した。

マイケル・ウェイン・ルーニーくんは、ユーロ2004開幕前日である先
週の金曜日に、ウィラルの Arrowe Park Hospital で誕生しました。
2日後の日曜日には、イングランド対フランスの大一番が行われまし
たが、彼は母親と一緒に産婦人科病棟でラジオ中継に聴き入りまし
た。
マイケルと母親のダイアンは、木曜日に自宅に帰りました。夜に中継
される大事なスイスとの一戦を、家族みんなで応援することになりま
す。

マイケルの家は、近頃まれに見る大家族です。父親の Stephen
Coathup (40歳。マイケルも父親の姓を名乗ります)は、13歳の
Darren 、11歳の Stephen jnr 、10歳の Jemmma 、5歳の双子姉妹
Chelsea と Jessica 、そして3歳の Amy の6人の子供と一緒に、新し
いファミリーの到着を迎えました。

母親のダイアンはこう話しています。
「うちはみんながエヴァトンの大ファンなのよ。それでね、息子の方の
スティーヴンが言い出したのよ、赤ちゃんの名前に『ウェイン・ルー
ニー』を入れようよって」
「で、ちょうどイングランド代表チームがユーロ2004に出るところだっ
たでしょ。それであたし、じゃあ一緒に『マイケル』もくっつけたらいいん
じゃないかって思ったのよ。語呂もいい感じだし」
「マイケル・ウェイン坊やは、イングランドのラッキー・ボーイになるかも
ねって言ってるの。家族全員でイングランドを応援するわ」

マイケルは、ダイアンとスティーヴンにとって7人めの子供です。です
が彼女は、別にフットボール・チームを作ろうと思っているわけではな
いと言います。
ダイアンは続けます。
「子供たちの世話をするのって、ほんとにたいへん。全部のエネル
ギーを使ってるわ。でもみんなほんとにグレイトな子供たちなのよ。ま
たひとり増えてファンタスティックだわ」


*** 6月19日(土) *******************************

【ルーニー爆発】
17日に行われたユーロ2004・グループB予選・第2戦で、イングラン
ドはスイスと戦いました。
結果は3−0(前半:1−0)でイングランドの勝利。エヴァトンの Wayne
Rooney が2ゴール(23分、76分)を決め、そしてリヴァプールの
Steven Gerrard が83分にだめを押しました。
スイス代表には、リヴァプールの Stephane Henchoz が選ばれていま
すが、この試合では出場の機会はありませんでした。

18歳と237日で得点したルーニーは、大会史上最年少のゴール・ス
コアラーとなりました。
ルーニーはこう話しています。
「記録を破るってことはいつだってグレイトですけどね。でもチームが
あってのものですから。僕らはいいプレイが出来たと思うけど、でも
もっといいプレイが出来たかもしれないし」
「今日は僕らにとってビッグ・デイだったけど、なんとかやり遂げること
ができた。もし負けてたら予選敗退ってことになっただろうから、ちょっ
とホッとしてる」
「僕のゴールについて、話すことはあんまりないんだけど。Michael
Owen が僕の頭にぴったり合わせてくれたんですよ。外しようがないよ
うなボールを」
「2つめのは、Darius Vassell ががんばってつないでくれたから、僕は
思いっきり蹴っただけ。あれが入ったのはラッキーですよ。でもあれで
ゲームが決まってしまったかな」

チームメイト、スティーヴン・ジェラードはルーニーのことをこう言ってい
ます。
「ウェインはマジックだね。まったく新人類だよあいつは」
「あの歳であの老獪なパフォーマンスだからね、信じられないよ。ゲー
ムの序盤でイエローをもらったときはちょっと心配したけどね、でもあ
の後は、ちゃんと落ち着いたプレイもできるってとこを見せてくれたよ
ね。彼のプレイがものを言って、2点が入ったからね」
「毎試合ごとに自信をつけてるよ。あいつがイングランド人だったこと
に感謝しなくちゃいけないかもね、僕らは。すごいやつだとは前から
思ってたけど、それでもびっくりさせられてるもんね。この2試合のプレ
イはすごかったよ」
「これからもっと調子を上げれば、大会の最優秀選手にだってなれる
かもね。そうなってほしいし、可能性は充分あると思うよ」
「僕にはスカウサーとしてのプライドってものがあるから、ついそういう
目で見ちゃうんだけど。自分の国のためにスカウサーが活躍するのを
見るのは嬉しいもんだ。ウェインはブルー・ノーズ(エヴァトンのこと)だ
けど、どこのチームのプレイヤーかってことは全然気にならないな」

イングランド代表監督の Sven-Goran Eriksson も、ルーニーを「ファン
タスティックなプレイヤーだし、ファンタスティックなタレントだ」と絶賛し
ました。
「フランス戦でも良かったけど、今日は2点も決めてくれた。他のプレ
イヤーよりももうひとつビューティフルな活躍だった」
「とんでもないプレイヤーだね。この調子で行ってほしいね。この大会
の残りもだけど、大会の後もね」
「とにかくとてもハッピーだ。第1戦をあんな形で落とした後で立ち直る
のって、実にたいへんなことなんだよ」


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▽追悼 アリステア・テイラー
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「インディペンデント」紙に掲載された、リヴァプールの音楽ライターの
スペンサー・リーによるアリステア・テイラーへの追悼文を翻訳してお
届けしています。今週は、その後編です。

(つづき)
アリステアは、ビートルズやその他すべてのNEMSのアーティストたち
との仕事を楽しんでいた。
だが、彼らが習慣としていたドラッグに対しては、きわめて潔癖だった。
「私の好きなジャズ・ミュージシャンたちが、ドラッグをやってどんなこと
になったかを見て来ていたからね」
アリステアはそう言っていた。
「だから私は、いくらビートルズたちが快楽にひたっていても、まるで興
味がわかなかったんだ。ジョン・レノンなんかは何ヶ月もかけて私を説
得しようとしてたがね。一緒にLSDでトリップしようってね。『アル、ほん
とにすっげえんだよこれは。だいじょうぶだって、僕らも一緒なんだか
らさ』なんて言ってたなあいつは。それでも私は全然やってみたいとは
思わなかった」

しかしながらアリステアは、ビー・ジーズのモーリス・ギブのリクエストは
かなえてやったそうだ。ソーホーのストリップ・クラブに連れて行ってほ
しいというリクエストだ。
「彼がどうしても行きたいっていうもんだからね。誰かが彼に気づかな
ければいいが、と私は心配しどおしだったんだが、案の定ひとりの男
がやって来てこう言った。『あなたはモーリス・ギブでは?』」
「そしたら彼はこう答えていたよ。『みんなにそう言われて、困ってるん
ですよ。こんなに似てなけりゃあいいのに』って」

アリステアの強い勧めで、NEMSはフォーク・グループの Silkie と契約
した。
アリステアはビートルズに協力を頼み、シルキーは「ユーヴ・ガット・
トゥ・ハイド・ユア・ラヴ・アウェイ」をシングルにした。そしてそれは、ア
メリカでトップ・テンに入るヒットとなった。
アリステアはまた、その頃は低迷期に入っていたムーディー・ブルース
のマネージメントも引き受けた。
さらにエプスタインは、アリステアなら新しいスーパー・グループ「クリー
ム」のツアー・マネージャーの仕事もうまくこなしてくれるだろうと考え
た。
「クリームを初めてのアメリカ・ツアーに連れて行ったんだがね。あれ
はまったくアメイジングな1週間だったよ。何しろあの連中、心底憎み
あっていて、始終火花を散らし合ってるんだから。エリック・クラプトン
がとびっきりのリフを弾くと、横でジャック・ブルースが『おもしれえ、勝
負してやろうじゃねえか』って顔をする。そしたらジンジャー・ベイカー
はドラムを10トン分もぶん殴るって調子だ。そりゃビートルズにだって
いさかいはあったがね、ジョンとポールが差し向かいで喧嘩してるとこ
ろなんて一度も見たことがなかったからね、私は。だから正直あれに
はちょっと肝をつぶしたね」

1967年、「ミスター・フィクスィット」は、最大の難問にチャレンジする
ことになる。
ピーター・ブレイクがデザインしたビートルズの「サージェント・ペパー
ズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のアルバム・カヴァーには、60人
以上著名人が並んでいた。そのひとつひとつの写真の著作権を確認
し、使用許可を取ったのがアリステアだったのだ。
そしてその年、エプスタインが急死したが、アリステアは事故によるも
のだと確信している。彼らはちょうど、フォー・トップスのUKツアーを計
画しているところだった。

1968年、彼ら自身の会社アップルを設立したビートルズは、アリステ
アをジェネラル・マネージャーとして迎えた。
ポール・マッカートニーは、アリステアがワン・マン・バンドに扮した写
真を撮影し、それをオーディション・テープ募集のための広告キャン
ペーンに使った。
アリステアはビートルズとの生活を楽しんでいた。彼らのギリシャ旅行
にも同行したし、グループの奥深い内部にいる自分を発見することも
しばしばだった。

「ポールは、彼の年代物のハーモニウム(リードオルガンの一種)に
私を一緒に座らせた。そして適当に鍵盤を叩くように言ったんだ。私
が叩くと、彼も同じように叩いた。あるいは、彼が何か言葉を言って、
その反対語を私に言わせたりした。黒と言えば白、スタートと言えばス
トップ、という具合にね。そうやって彼は曲を作って行ったんだな。何日
もしないうちに、ポールは出来たてのデモを持ってオフィスにやって来
たよ。新しいシングル、『ハロー・グッドバイ』のね」

どんなクレイジーなアイデアであろうと、ほとんどは予算がついた。そ
して、支出をコントロールしようとするものは誰もいなかった。こうした
ことが原因で、アップルは行き詰まって行った。
アレン・クラインがアメリカからやって来て、アップルの建て直しにあ
たった。そしてある日、ランチから帰って来たアリステアは、解雇者リ
ストのトップに自分の名前を見つけた。

ビジネスの世界から離れることにしたアリステアは、妻とダービー
シャーにティー・ルームを開いた。
その後彼は、工場で働いたり、ホテル・トレードの仕事に就いたりした。
彼はよくこんなジョークを言っていた。
「トップから仕事を始めてしまったから、だんだんと落として行ってるの
さ」
アリステアは、NEMSの同僚ピーター・ブラウンがビートルズのバイオ
グラフィー「ザ・ラヴ・ユー・メイク」(1983年)を書くのに協力した。しか
しその本の下品な仕上がりに、アリステアはショックを受けたという。
そこでアリステアは、自分自身で本を書くことにした。1988年に出版
された「イエスタデイ:ザ・ビートルズ・リメンバード」だ。ミッシェルという
架空のファンに宛てた手紙のシリーズという体裁で、わくわくしながら
読める内容になっている。この本の中で彼は、自分を解雇したビート
ルズを恨む気持ちはまったくないと語っている。

晩年のアリステアは、ビートルズ・コンヴェンションのゲスト・スピー
カーとして人気があった。
彼はまた、「フロム・キャヴァーン・トゥ・ルーフトップ」というステージ・
ショウを、LIPAのポール・マッカートニー・オーディトリアムで行った。
ポールの名前を冠したこのホールで開催された初めてのビートルズ・
イヴェントだった。
2001年には、2冊目の本「シークレット・ヒストリー」を出版し、いくつ
かの朗読テープやCDもリリースした。
そして2002年には、ジョージ・ガンビーがアリステアのオフィシャル・
バイオグラフィー「ハロー・グッドバイ:ザ・ストーリー・オブ・ミスター・
フィクスィット」を出版する。もちろんアリステアは、この本に快く協力し
た。

(おわり)

Alistair Taylor : 'Mr Fix-It' to the Beatles / Spencer Leigh
June 10 2004, The Independent


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▼スカウスハウス・ニュース
―――――――――――――――――――――――――─ NLW □

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ターナショナル・ビートル・ウィーク」の観光パッケージ「スカウスハウス・
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ジをご覧ください。
http://scousehouse.net/beatles/scousetour2004.htm


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「リヴァプール・ニュース」では、読者のみなさんからの投稿を募集して
います。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、ある
いは英国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▽今週のフォト&BGM
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*** 今週のフォト ******

今週は、エヴァトン&イングランド代表のセンター・フォワード、ウェイ
ン・ルーニーの写真を選びました。

ウェブサイトの「NLWライブラリー」ページに掲載しています。
http://scousehouse.net/library.htm


*** 今週のBGM ******

“Liverpool Express / Once Upon A Time (2003 Every Man Records)”

今週号は、このCDを聴きながら編集しました。以前に「フロム・エディ
ター」で紹介したことがあると思いますが、リヴァプール・エクスプレス
の最新アルバムです。グッド・ポップ&ロック・ミュージックの見本のよ
うな、素晴らしいアルバムだと思います。なんで今はこういう音楽をや
る人が少なくなってしまったんでしょうね。未聴の方は、一度
http://www.liverpoolexpress.com にアクセスして、試聴してみてくださ
い。そして気に入ったら、ぜひオーダーしましょう!  (Kaz)


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