July 27 2004, No.160
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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□■ INDEX ■□
▽フロム・エディター
▼リヴァプール・ニュース <2004年7月21日〜7月24日>
▽スカウスハウス・ニュース
▼今週のフォト&BGM
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▽フロム・エディター
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リヴァプール大聖堂に礎石が置かれて、ちょうど100年だそうです。
まさに「そびえ立つ」という言葉がぴったりなこの大聖堂。初めて見た
人は、まず誰もがその巨大さにびっくりするはずです。
それもそのはず、アングリカン(イングランド国教会)・カセドラルとして
は最大で、世界中のカセドラルをひっくるめても5番目のスケールなの
だそうです。
いつ見ても圧倒的な存在感ですが、実は最初の予定では、タワーは
1つではなく、ツインになるはずだったとか。
10000ものパイプを持つパイプ・オルガンや、壮麗なステンド・グラ
ス、遠くウエールズの山々まで見渡せるタワーからの素晴らしい眺め
なども有名です。
繰り返しますが、「礎石が置かれて100年」です。「完成して100年」
ではありません。
この大聖堂が完成したのは、1978年のことです。そうです、わりに最
近です。まだ26年しか経ってません。
建設することが決まったのが1901年で、コンペティションによってデ
ザインが決まったのが1903年。採用されたのは、弱冠22歳の建築
家ジャイルズ・ギルバート・スコットのデザインでした。その翌年に建設
が始まって、教会として使えるようになったのが1910年。しかしその
後は世界大戦が2つもあって建設は遅れに遅れ、やっと完成したの
が1978年というわけです。
足掛け74年。なんとも気の長い話です。いや、壮大なストーリー、とい
うべきでしょうか。
建築家ジャイルズ・ギルバート・スコットは、後に、あの英国名物となる
赤い電話ボックスやバタシー発電所のデザインなども手がけ、「サー」
の称号を授かっています。
サー・ジャイルズは、完成した大聖堂の姿を見ることなく1960年に亡
くなりました。彼は今、奥さんと一緒に、この大聖堂の庭に眠っていま
す。
しかし面白いことに、サー・ジャイルズはイングランド国教会ではなくて
ローマン・カトリックの信者だったのだそうです。
ついでに書くと、リヴァプールにはもう1つ、メトロポリタン・カセドラルと
いう大聖堂があります。こちらはローマン・カトリックで、1967年に完
成。アングリカンの方とは対照的に、スーパーモダンな外観です。
メトロポリタン大聖堂の設計者はサー・フレデリック・ギバードという建
築家なのですが、なんとこちらはイングランド国教会員だったのだそう
です。面白いですね。
もひとつついでに書くと、大聖堂を2つ持っている街はたしかリヴァ
プールだけなのですが、宗派の違う2つの大聖堂が仲良く共存してい
る姿は、実にリヴァプールらしいという感じがします。
両大聖堂の間の距離はわずか600メートルほど。しかも、1本の道で
まっすぐつながっているのです。その道の名前は、ホープ・ストリートと
いいます。
ホープ。そうです、「希望」によって結ばれているのです。
いい話だと思いませんか?
― Kaz (27/07/2004)
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▼リヴァプール・ニュース <2004年7月21日〜7月24日>
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*** 7月21日(水) *******************************
【100周年】
19日、リヴァプール大聖堂で100周年を記念する礼拝が行われまし
た。
リヴァプール司教やジェームズ・ジョーンズ師、プリンス・エドワード、
ウェセックス伯爵夫妻らが出席した礼拝は、午後4時きっかりに始まり
ました。ちょうど100年前、キング・エドワード7世が礎石を置いた時
刻です。
礼拝には、2000人以上の人々が出席しました。そのうちの400名
は、この壮大な大聖堂の設計や建築にたずさわった人々の子孫でし
た。
主席司祭ルパート・ホアレ師の挨拶は、こういうものでした。
「今まさに、1904年にファウンデーション・ストーンが置かれてちょうど
100年となりました。今日私たちは、共にこの荘厳な建築物への感謝
の気持ちを表すためにここに集っています。ここは、私たちの信仰の
ため、クリスチャンの物語を語り継ぐための、畏敬の空間なのです」
「私たちは、この壮麗な建物の石や柱、レンガやコンクリートを祝うた
めだけに集っているわけではありません。より重要なのは、この大聖
堂を誕生させるために働いた人々、多くは個人的に大きな犠牲を払っ
て働いた、すべての人々の生を祝うことなのです」
「彼らひとりひとりが果たした、あるいは今現在も果たしている貢献。
神が彼らに与え給うた豊かな能力を私たちは祝います」
これに先立つ前日の18日夜には、大聖堂の屋上から大きな花火が
盛大に打ち上げられ、リヴァプールの夜空を明るく照らしました。
この3万ポンド(約620万円)の花火大会を見るために、マージーサ
イドの各地から見物客がやって来ました。
ウィラルのポート・サンライトに住む2児の母、バーバラ・ガウ(43歳)
はこう言います。
「信じられないくらい素晴らしいわ。ここに観に来てほんとうによかっ
た」
ウールトンから来た29歳のスティーヴ・ベアードの話です。
「実に豪華なショウだったね」
その前日の土曜日には、ホープ・ストリートで「巡礼パレード」が行わ
れました。
200人以上ものダンサーが、メトロポリタン大聖堂からリヴァプール
大聖堂までを、カーニヴァルのコスチュームで行進して歩いたのです。
この2つの大聖堂は、ホープ・ストリートの両端にあります。
ネオ・ゴシック様式のリヴァプール大聖堂は、世界で5番目に大きなカ
セドラルです。
礎石が置かれたのは1904年7月19日の午後4時でしたが、大聖堂
の完成には、74年後を待たなければなりませんでした。
エリザベス女王による落成は、1978年10月25日でした。
*** 7月22日(木) *******************************
【バロシュ語る】
ポルトガルで行われたユーロ2004選手権で得点王となったチェコ代
表ストライカー、ミラン・バロシュが、月曜日(19日)にリヴァプールのト
レーニングに合流し、インタヴューに答えています。
メルウッドのトレーニング・センターで、バロシュはこう話しています。
「噂には聞いてるけどね、レアル・マドリーやバルセロナが僕に興味を
示してるんじゃないかって話はね。あんなクラブに欲しいと言われたら、
そりゃ悪い気はしないけどね」
「でも今僕は、リヴァプールに戻って来た。新しいシーズンに備えるた
めにね。このチームに残りたいし、出来るだけたくさんのゲームに出
場したいと思ってる」
「ここに来て2年半になるけど、楽しいことよりは辛いことの方が多
かったかな。これからはそれを反対にしたいよね」
「うちには他にも、オーウェンとかシセとかのワールドクラスのストライ
カーがいるからね、僕が全部のゲームに出られるとは思ってないけ
ど。でもベストを尽くす。何とか監督に認めてもらえるようにね」
「ユーロ2004の後もいい感じだからね、いつでも準備オッケーだ。準
決勝が終わってから2週間しか休みがなかったけど、でもだいじょう
ぶ。ここに戻って来たからには、がんばっていいところを見せないと
ね」
他の選手たちと1週間遅れでチームに合流したユーロ2004出場プレ
イヤーたちは、この日の午前中いっぱいをかけてメディカル・チェック
を行いました。午後からは、フィールドでの練習に加わりました。
バロシュは続けます。
「正直言って、どんなことになってるのか全然わかんなかった。何もか
もがらっと変わってたらどうしようって思って、ビビッてしまったよ、
ちょっと」
「監督とは、ハローって挨拶してちょっと話しただけ。午前中はずっと
メディカル・テストだったしね。それで午後になってやっと、僕にとって
の今シーズン初練習が始まったってわけ。ピッチの上でね」
「先週から来てる選手たちはみんな、練習はハードだけど楽しいって
言ってる。新しいシーズンに向けてみんなすごくエキサイトしてるよ、早
くもね」
ユーロ2004での大活躍については、こう語っています。
「僕にとってユーロ2004はグレイトな大会だった。得点王になれたの
はよかったけど、でもね、あの5つのゴール全部と引き換えで全然構
わないから、何とかしてギリシャに勝って決勝に行きたかったなあ」
「あの試合に負けたのは、僕らにはほんとにショックだった。でもギリ
シャは強かったよ。よく戦ったし、優勝に値するチームだったと思う」
「メジャーなトーナメントで得点王になったことは、これからいい思い出
になると思う。でもあれ、トロフィーとかそういうの、何ももらえないんだ
よね。『ゴールデン・ブート』みたいなのがあったらよかったんだけどな
あ」
「ユーロ2004のことは絶対忘れない。でも今は未来に目を向けない
と。リヴァプールに戻って来たんだ。ここで出来るだけのことをしたい。
今年の僕らは、きっといいシーズンにすることが出来ると思うよ」
*** 7月23日(金) *******************************
【臨時警備員】
通りがかりのお母さんが、銀行の警備員になったという話です。
ウォリントン近郊に住む31歳のジョアンヌ・アラダは、9歳の娘レイラ
を連れて、ロイズTSB銀行の外にあるATM機を利用するところでし
た。
それは5時を少しまわったころで、銀行閉店後の時間でしたが、銀行
のドアは開きっぱなしになっていました。それを発見したジョアンヌは、
そのまま放っておくことができず、中に入ってアラームを鳴らしました。
そして、娘と一緒に銀行の外で警察や銀行の行員が到着するのを待
ちました。
結局、銀行のドアに鍵がかけられたのは、それから1時間半も経って
からでした。
母子のおかげで被害を未然に防ぐことができたロイズTSBは、ジョア
ンヌとレイラに感謝の花束を贈りました。花束には、「ご不便をおかけ
しました」という言葉が添えられていました。
ジョアンヌはこう話しています。
「花束がもらえるなんて嬉しいわ。でも『ご不便を』ってのはちょっと違
うんだけどな。あたしはあの1時間半の間、あそこの銀行をガードした
んですもの」
「最初に考えたのはね、私たちが銀行泥棒って思われるかもしれな
いってこと。レイラはおろおろしてたわね、トラブルに巻き込まれたらど
うしようって」
「でもね、あたしは、警察が来るまでそこにとどまることがあたしの義
務だって思ったのよ。銀行を守る責任を感じちゃったのよね。中に泥
棒がいるかもしれないっていうのもあったし」
「警報を押せば警察署に通報が行くもんだと思ってたんだけど、20
分待っても誰も来なかったの。だから近くのレストランに行って電話を
借りたわ。結局警察が来たのは48分も経ってからだった。あたしが
いなかったら、泥棒とか空き巣に入られてたかもしれないわよね」
店内では、カウンターの奥に続くドアも開いていました。また、店内の
ATM機は、侵入者にアクセス可能な状態になっていたそうです。
到着した警察官は、ロイズTSBの本部に電話をかけました。銀行側
は、すぐに警備の人間を向かわせると答えました。
ジョアンヌはそれからも待ちましたが、銀行の警備員はやって来ませ
んでした。しかしたまたまその銀行の行員がその場を通りかかり、し
かも鍵を持っていたために、支店のドアは無事にロックされました。
ロイズTSB銀行のスポークスウーマンの話です。
「私たちは万全のセキュリティを行っています。今回の事態は非常に
特殊なケースですが、とても遺憾に思います。あってはならないことで、
2度と起きることはありません」
「お客様に申し上げておきたいのですが、現金やお預かりしている貴
重品は、店内の別の場所で、厳重に保管しておりまして、しかも許可
を受けた人間以外は入室できないようになっております」
*** 7月24日(土) *******************************
【64歳になったビートル】
先々週のことになりますが、7月7日、リンゴ・スターが64歳になりま
した。
5月にリンゴのバイオグラフィーを出版したビル・ハリーが、リンゴにつ
いて語っています。
「この1年はまさにリンゴ・イヤーだね。10月にはチャリティのために
『ポストカーズ』っていう本を出したしね。それから今度の8月27日に
はアドミラル・グローヴ10番地にあるリンゴが育った家に、真鍮製の
記念プラークがつけられるんだよ。アメリカのオハイオのマーク・ハナ
ンが寄付をしてくれて、リヴァプールのフレッド・オブライエンがデザイ
ンしたものなんだ」
「その除幕を私にやってほしいと言われてるんだが、実に嬉しいよね。
なぜって私はリッチーの―ビートルズたちは彼のことをこう呼んでたも
んだよ―ことが、ずっと大好きだからね」
リンゴは、一番最後にビートルズに加入したために、最初のうちは疎
外感を感じることもあったそうです。
「いつだったか、全国紙がジョンを非難したことがあったな。彼がリン
ゴのことを醜いと言ったとかで」
「そのことについては、ジョン自身から手紙をもらったよ。こう説明して
あった。ファンがひとりひとりの似顔絵を描いて送って来て、リンゴの
だけがほとんど風刺絵みたいだったんだ、と。それでジョンは思わず
『醜いよな?』と言ってしまったんだが、それはその絵のことを言った
だけで、リンゴ本人のことじゃなかったんだよ」
しかし皮肉屋ジョンは、「リンゴはリヴァプールのベスト・ドラマーか?」
という質問を受けた時、こう答えています。
「彼はビートルズのベスト・ドラマーですらないぞ」
ビートルズが初めてアメリカに到着したとき、リンゴは突然、新世界で
は自分が1番人気のビートルであることに気がつきました。そのこと
を、ブライアン・エプスタインはこう表現しています。
「アメリカがリンゴを発見したんだ」
ビルは続けます。
「あの旅では、ビートルズの中でリンゴがいちばんびっくりしたんじゃな
いかな。何しろいきなり、この星でもっとも有名な人間のひとりになっ
てしまったんだからね」
「リンゴはとても貧しい家に生まれて、しかも3歳で父親に見捨てられ
てしまった。それからは母親の愛情を一身に浴びて育てられたんだ
が、ディングルのエンプレス・パブのメイドとしての収入では、生きて行
くのがやっとのことだった」
リンゴは、重い病気に見舞われっぱなしの少年時代を送りました。
3ヶ月も生死の境をさまよい、入院生活は何年にもわたりました。学
校の授業にほとんど出席できなかった彼は、読み書きも満足にできな
い状態でした。
息子の将来を心配したエルシーは、近所に住む若い女性メアリー・マ
グアイヤに頼んで、リンゴに読み書きを教えてもらいました。
ビルの話です。
「背も小さかったし、リンゴの顔はいわゆる『いい顔』っていうわけでは
なかった。あの頃は可愛い顔が流行りだったからね。そのことを、他
の子にからかわれることもよくあったんだ」
「そういった不幸な境遇にもかかわらず、リンゴはグレたりしなかった
し、生来の優しさを失わなかった。彼はコップに半分の状態を見て、
『半分入ってる』と考える人間なんだ。『半分ない』ではなくてね。そして
彼には生まれながらのユーモアのセンスがあった。後にビートルズに
影響を与えることになった、いわゆる『リンゴイズム』だね」
「究極の成り上がりストーリーってことになるね。バラ色の将来なんて
絶対ありえなかったはずの小さな病気の子供が、やがてエリートの仲
間入りをして、可愛い2人の息子とひとりの娘に恵まれ、2度目の結
婚では美しい映画スターのバーバラ・バックを妻にし、モンテ・カルロ
やイングランドやロスアンジェルスに邸宅を構え、さらには彼を尊敬す
るミュージシャンたちと組んだバンドで今も成功しているんだから」
リンゴのセックス・アピールについては、ビルはこう言っています。
「モテるのはあたり前だと思うよ。ルックスが特別良くなくったって、彼
は個性的だし、ユーモアと優しさがある。そういうのが女性にアピール
するんじゃないかな」
「リッチーの内面っていうのは、ほんとにユニークで愛すべき人間なん
だよ。生まれながらにね。彼が愛した女性たちっていうのは、特に
バーバラは、みんなそういうところに惹かれたんだろうね」
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▼今週のフォト&BGM
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今週は、100周年を迎えたリヴァプール大聖堂の写真を選びました。
ウェブサイトの「NLWライブラリー」ページに掲載しています。
http://scousehouse.net/library.htm
*** 今週のBGM ******
“Motoharu Sano and The Hobo King Band
/ The Sun (2004 Daisy Music)”
今週号は、このアルバムで編集しました。
先週発売になったばかりの、佐野元春さん4年半ぶりのオリジナル・
アルバムです。詞も曲もサウンドも、ものすごくインティミットな感触が
あります。待った甲斐がありました。これからじっくりじっくり聴いて行こ
う、そうだな、4〜5年くらいかけて…。 (Kaz)
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□■ 第160号 ■□
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