September 28 2004, No.169
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     リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼リヴァプール・ニュース <2004年9月21日〜9月25日>
 ▽「英国・リヴァプールの旅 『不思議な街』へ」
 ▼スカウスハウス・ニュース
 ▽今週のフォト&BGM 


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▽フロム・エディター
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今週から、ロンドン―リヴァプール間の鉄道ダイヤが新しくなりました。
旅行時間が短縮され、片道2時間27分での運行になったのです。
これまではというと、2時間53分でした。およそ3時間ですね。3時間
が2時間半になったわけですから、これはかなり大きな短縮といえる
んじゃないでしょうか。往復で1時間も違ってきますもんね。

そういえば、これについてちょっと面白い話が、何ヶ月か前の「デイ
リー・ポスト」紙に掲載されていました。

何でもこの路線は、1972年には2時間35分で運行されていたそう
です。もちろん民営化の前なので、「ヴァージン・トレインズ」ではなく、
しばしば国民の笑いの種にされていたあの国営の「ブリティッシュ・レ
イル」が運営していました。

それから32年の年月が経ち、当然ながらテクノロジーは著しく進歩し
ました。
1996年の分割・民営化で誕生したヴァージン・トレインズは、1998
年以降に限っても40億ポンドもの巨額を投じ、開発や改良を重ねて
きました。40億ポンド。ええと、今日のレートで計算すると、8214億
円(!)になりますね。

さて、それで、その輝かしい成果が、この2時間27分の旅行時間、8
分間の短縮ということになるわけでして…。

32年間かかって8分。つまりは4年で1分。ということは、1年あたりで
たったの15秒…。
「やれやれ何とも大した進歩ではないか、まだ笑いの種をくれるの
か?」というようなことを、デイリー・ポストの記者は皮肉たっぷりに書
いていたのでした。

えーと、今回新しく登場した「ペンドリーノ」は、ヴァージン・トレインズが
誇るハイテク車両です。とてもきれいで、乗り心地も快適なんだそうで
すよ。それに正確性・安全性だって、32年前よりも向上しているは
ず…と、いちおうフォローしておきましょう。

● ● ●

もう半年くらい前になりますが、ミスト・パブリッシングさん発行の小冊
子『The S.H』のために、この「ロンドン―リヴァプールの鉄道の旅」に
ついてのエッセイを書きました。「英国・リヴァプールの旅 『不思議な
街』へ」というタイトルです。タイムリーなので、今週号で紹介します。
少し長いかもしれませんが、どうぞご覧ください。

『The S.H』の Vol.06 には、この続編ともいえる「英国・リヴァプールを
歩く 愉快な『スカウサー』」が掲載されています。現在「スカウス・ハウ
ス」の通信販売で取り扱い中です。ご興味のある方はぜひ!

                         ― Kaz (28/09/2004)


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▼リヴァプール・ニュース <2004年9月21日〜9月25日>
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*** 9月21日(火) *******************************

【プレミアシップ 04−05】
イングランド・プレミアリーグの結果です。
19日にミドルスブラをホームに迎えたエヴァトンは、1−0(前半:
0−0)で勝っています。
ゴール・スコアラーは、マーカス・ベント(47分)でした。
開幕前からずっとフロント内部やチーム編成でゴタゴタが続いている
エヴァトンですが、開幕戦でアーセナルに負けて以来、無敗を続けて
います。

試合終了後のデイヴィッド・モイーズ監督の話です。
「まさにイケイケどんどん、っていう感じだな。選手たちは、言いたいこ
とを全部ピッチの上で表現してくれている。シーズンの初めからずっと
ね」
「ほとんど注目されていなかったから、私としてはなかなか痛快な気分
だね。まだ始まったばかりだから偉そうなことは言えないが、自分たち
次第で何とかなる部分は意外に大きいもんだ」

「選手たちにとっても私にとっても、本当に長くて辛い夏だった。みん
なかなり傷ついたよ。シーズンに向けてのトレーニングが始まってやっ
と、まともな生活に戻ったって感じだった」
「みんなオネストにやってくれている。しかも持てる能力のすべてを出
し切ってプレイしてくれている。誰にもまったく文句のつけようがない。
今のうちはそういう感じなんだ」

キャプテンのアラン・スタッブスは、好調の原因はチームワークだと話
しています。
「僕らはチームとして勝ってるし、守ってる時もチームとして守ってる。
みんながそういう考えなんですよ。今の結果は100%そのおかげで
す」

20日、マンチェスター・ユナイテッドとアウェイで対戦したリヴァプール
は、2−1(前半:1−0)で敗れました。
リヴァプールの得点は、ユナイテッドのディフェンダー、ジョン・オシェイ
のオウン・ゴールによるものでした。
リヴァプールにとって敗戦以上に痛かったのは、キャプテンのスティー
ヴン・ジェラードの怪我かもしれません。ジェラードは、39分に左足を
傷めて退場しました。長期の戦線離脱になるのではないかと見られて
います。

試合終了後のラファエル・ベニテス監督の話です。
「X線検査を受けてもらうが、おそらくスティーヴンの左の中足骨は折
れているだろう」
「ものすごく残念だ。相手のいないところだったから特にね。これから
ヨーロッパでのビッグゲームを控えている我々にとってはかなりの痛
手になるだろう。だが、ウチにはいい選手が揃っている。彼抜きでも
なんとかやっていかなければ」
「スティーヴンは6週間か8週間の離脱になるだろう」

ジェラード本人も、怪我は相手のチャージを受けてのものではないと
認めています。
「ターフに足を取られてしまった。一瞬何が起こったのかわからなかっ
たけど、僕が自分でやったことなんだ」
「折れてたらちょっとショックだな。どっちにしろ、明日の朝にX線の検
査を受けたらはっきりすることだ」
「どんな結果であっても、ポジティヴな気持ちを持ち続けるようにした
い。長期離脱なんてことになったらえらいことだけど」
「今日の試合については、そうだね、僕らはみんな落ち込んでる。後
半はわりと良かったけど、前半はプアーだったな。しかも取られた2点
ともがセットプレーだなんて最悪だ。ものすごく対策を練習してきたっ
てのに」
「それもまったくおんなじような点の取られ方だった。監督もアンハッ
ピーだろうけど、選手もみんなそうだ。もっと練習しないとね」
「何人か新しい選手を入れて戦ってるわけだけど、前の2試合のパ
フォーマンスはすごく良くなってた。今日はユナイテッドが良すぎたん
だよ。ここはいい結果を出すのが難しい場所だし、そのことはよく分
かっていた。それに僕らには落ち込んでる時間はないんだよ。土曜日
にはノーウィッチとの試合があるし、その後もすぐにヨーロッパに出か
けて行かないといけないんだから」

第6節を終えてのリーグ順位では、エヴァトンが13ポイントで3位につ
けています。首位のアーセナルとは3ポイント、2位のチェルシーとは
1ポイントの差です。
他チームよりも消化試合が1つ少ないリヴァプールは、7ポイントで12
位となっています。


*** 9月22日(水) *******************************

【ヴァージン・ペンドリーノ】
来週月曜日(9月27日)より、ロンドン―リヴァプール間の鉄道の移
動時間が短くなります。

ヴァージン・トレインズは、「ロンドン―マンチェスター」と「ロンドン―リ
ヴァプール」に、自慢の新型車両「ヴァージン・ペンドリーノ」を導入しま
した。
20日、お祝いのセレモニーがロンドン・ユーストン駅の16番ホームで
行われ、トニー・ブレア首相も出席しました。

時速125マイル(約201キロメートル)で走るペンドリーノは、ロンドン
までの移動時間を最大で33分も短縮します。これまでのスピードは、
時速110マイル(約177キロメートル)でした。
現在の平均移動時間は2時間53分ですが、来週月曜日からの新し
い時刻表では、2時間27分での運行となります。

さらに、通勤やビジネスでロンドン行きを利用する人にとっては、2つ
のメリットが追加されました。
早朝5時45分発の便がスタートすることと、7時15分発の便が2時間
20分でロンドンに到着する最速便になることです。

ヴァージン・トレインズのチーフ・エグゼクティヴ、クリス・グリーンはこう
話しています。
「私たちのこの新しいサーヴィスや旅行時間の短縮は、地方の人々を
ぐっとロンドンに近づけることになると思います。それと、ブリテン各地
の再開発にも貢献することになるでしょう」

ヴァージン・レイルのスポークスマンはこう言っています。
「新しいサーヴィスは、旅行時間をドラマティックに短縮するうえに、本
数も増えます。もちろん、乗客のみなさんの乗り心地は快適なままで
すよ」


*** 9月23日(木) *******************************

【議論沸騰】
現在リヴァプールで開催中のアート・フェスティヴァル「リヴァプール・バ
イアニエル」に出品されたヨーコ・オノの作品が、議論の的になってい
ます。
ヨーコさんの作品「マイ・マミー・ワズ・ビューティフル」は、女性の胸と、
「プライヴェートな部分」の写真を使った巨大なポスターで、現在リヴァ
プールのシティ・センターのあちこちに展示されています。
ヨーコさんによるとこの作品は、母性の美しきシンボルであり、また、
ジョン・レノンの母への愛にインスパイアされたものであるということで
す。

しかしシティ・センターに訪れた買い物客からは、「ショッピング・エリア
に相応しくない」という苦情が寄せられています。
爆撃を受けた後に「平和のためのスポット」となったセイント・ルークス
教会に掲示された作品は、早速落書きで汚されてしまいました。

リヴァプール・バイアニエルの主催者側は、この作品のアート性を擁
護し続けています。しかしフェスティヴァルが開幕して5日めの22日、
シティ・センターの商店主たちは、展示に反対する姿勢を表明しまし
た。

「リヴァプール・ストアーズ・コミッティー」のチェアマン、エド・オリヴァー
はこう話しています。
「多くの店のマネージャーたちが、『不必要なセンセーショナリズムだ』
と文句を言って来ています。あれを見てびっくりしたお客さんからの苦
情がいっぱい来ているんです」
「あるいは、『あれがヨーコ・オノの作品じゃなくても展示し続けるのか』
という疑問も寄せられていますね」
「というわけで私は、今のところポジティヴな意見はひとつも聞いていま
せんね」

バイアニエルのスポークスウーマン、キャサリン・ブレイスウエイトは、
ヨーコの作品は、女性の体をアートに使うことにおけるチャレンジ精神
でもって制作されたものだと言います。
「女性の体を利用した挑発的な作品なら、広告業界にはそれこそたく
さんあるじゃないですか。でもみんなそれに気がついていないんです。
ただの広告だから」
「これを機にちゃんとした議論がなされることは、私たちとしてはとても
喜ばしいことなんです」
「『マイ・マザー』は、国外から出品された42の作品のうちのひとつで
す。そしてヨーコ・オノは、市内に展示されている400人のアーティスト
のうちのひとりに過ぎないのですよ」


*** 9月24日(金) *******************************

【クリスマスまでに】
20日のマンチェスター・ユナイテッド戦で負傷したリヴァプールのキャ
プテン、スティーヴン・ジェラードは、翌日の検査で「左足第五中足骨
の骨折」と診断されました。
2002年ワールド・カップ前のデイヴィッド・ベッカムや、今年6月の
ユーロ2004のウェイン・ルーニーと同様の怪我ではあるものの、ス
ティーヴンにとって幸運なことに、彼らよりはかなり軽症のようです。
通常なら4ヶ月は安静が必要なところでしたが、スティーヴンの場合
は、クリスマスまでにはゲームに復帰できるかもしれません。

22日、スティーヴンはこう話しています。
「僕個人の意見だけど、たぶん2ヶ月か、それよりもうちょっと短い欠
場になると思う。昨日医者に聞いたら、8週間だろうってことだったか
らね」
「ウェイン・ルーニーとか、おんなじ箇所を傷めた他のプレイヤーと比
較されていろいろ言われているのは知ってるけどね。でも、似たような
怪我であっても、厳密に同じなんてことはあり得ないよ。僕の場合はそ
んなに重くなかったってこと。ほんとに早く完治してほしいな」
「世間の人々が思っているよりも早くカムバックできたらとは思ってる
けど、でもあまり焦らないようにしたい」
「低いところに横になって、しばらく休んでいないといけなくなったわけ
だ。でもうちにはスペシャル・マシンがあるからさ、日に2回くらいは利
用して体力を落とさないように努めたいね」
「何試合も休まないといけないってのは、やっぱり無茶苦茶ツライよ
ね。でも、たとえ試合に出られなくても、出かけて行って仲間を励ます
ことはできる。キャプテンだからね、大きな役割が僕にはあるんだよ。
ピッチに出られなくたって、プレイする方法はたくさんあるってことさ」


*** 9月25日(土) *******************************

【エル・マッカ】
元リヴァプールのヒーローであり、現在マンチェスター・シティで活躍す
るスティーヴ・マクマナマンが、木曜日(23日)にチャーチ・ストリートの
書店「WHスミス」でサイン会を行いました。
スティーヴは、自伝「 El Macca 」を発表したばかりで、そのプロモー
ションのためのサイン会でした。もちろん、WHスミスにはたくさんのファ
ンがつめかけて元レッズのスターを歓迎しました。

現在32歳のスティーヴはこう話しています。
「とても大きな決断だったかな。この『エル・マッカ』を書こうと決心した
ことはね。前々から本を書いてみないかって依頼はあったんだけど、
いつも僕はノーとしか答えたことがなかったんだよ。自伝とかそういう
のを書く気なんて全然なかった。だって僕はまだまだ若いし、ちょっと
ピンと来ないよ」
「そしたら今度は、僕がスペインで過ごした日々について書いてほし
いって言われたんだ。フットボール以外のことも、つまりは、妻のヴィ
クトリアとのマドリードでの生活や、海外で暮らすイングリッシュマンと
しての経験談や、リヴァプールからレアル・マドリーに移籍するにあ
たっての気持ちとか、そういういろんなことを全部を書いてほしいって
ことだった」
「で、僕はこのチャンスに飛びつくことにしたってわけ。そういうことを
書き残すのは、自分にとってすごく重要なことだって思えたからね」
「マムの死も、そのうちのひとつってことになる。なぜなら僕のマムが
乳がんを患ったのは、僕がちょうどレアル・マドリーに在籍した時期と
重なっているわけだから」

彼にとって書くことはそう難しいことではなかったと語るスティーヴです
が、母アイリーンの早過ぎる死についての部分では、一時言葉を失っ
てしまったと認めています。
「うちのファミリー全員にとって、ほんとうに難しい時期だった。母が死
んだ時は、全員が信じられないくらい動揺してしまったんだ」
「妻を失ったダッドは、それからは外国でフットボールをプレイしている
自分の息子の試合をよく観に来るようになった」
「うちのマムは、僕のリヴァプールの選手としてのアンフィールドでのラ
スト・ゲームを観に来てくれたんだよね。それを思い出すたびに僕は
いくらか慰められるんだよ」
「だから、そういう話を書くことで、自分自身が慰められるんじゃない
かっていう気持ちはあったよね」

スティーヴは、リヴァプールはもちろん、少年時代からのファンである
エヴァトンの試合結果を、いつもチェックしているのだそうです。この2
つのクラブは、これからもずっと彼の心の中にしっかりと存在し続ける
と彼は言います。
「僕はピッチの上で何事かを成し遂げるためにスペインに行ったし、
ピッチを離れたひとりの人間としてもそうありたいと思っていた。自分
ではそうすることができたと思うよ。で、僕はイングランドに戻って来
て、今でもフットボールをエンジョイすることができている。しかも家族
のすぐそばでね。でもそれは、世界を目指してマドリードに行った、あ
の経験があったからこそだと思うんだよ」


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▽「英国・リヴァプールの旅 『不思議な街』へ」
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「英国・リヴァプールの旅 『不思議な街』へ」
                          / 山本和雄


<不思議な街・リヴァプール>

「リヴァプールは不思議な街だなあ」と、いつも思う。仕事やプライ
ヴェートで数え切れないほど訪れているが、まったく飽きない。訪れる
度に、ますます好きになって行く。
港町なのであまりお上品ではないし、落ち着いたカントリー・ライフを求
める向きには敬遠されがちだけれど、でも、リヴァプールほどユニーク
で強烈なアイデンティティーを持つ街は、ちょっと他にないと思う。
リヴァプールには、実にたくさんの異名がついている。

「マージービート発祥の地」
「ビートルズ生誕の地」
「フットボールの街」
「パーティー・シティ」
「コメディ・シティ」
「英国一ファニーな街」
「世界一フレンドリーな街」
「Capital of Pop (ポップの都)」
「A World in One City(世界のすべてがある街)」

それから…いや、これくらいにしておこう。とにかく多い。二つか三つ、
よその街に分けてやってもいいんじゃないかと思うくらいだ。
そしてこのラインナップに最近新たに加わったのが、

「European Capital of Culture(ヨーロッパ文化首都)」

だ。これはEUが指定するもので、毎年一つの都市を舞台に、年間を
通じてさまざまな国際イヴェントが行われる。リヴァプールは、来たる
2008年度の「ヨーロッパの顔」として選ばれたのだ。


<ヴァージン・トレイン>

ロンドンからリヴァプールを目指すには、コーチ(長距離バス)や、つい
先日復活したフライトを利用する方法もあるが、やはり鉄道が最も手
軽で一般的だ。
この路線を運営しているのは、『Virgin Trains』。民営化によって誕生
した鉄道運営会社の中では、最大の規模を誇っている。
リヴァプール行きの列車は、ロンドンで2番目に古い歴史を持つ鉄道
ターミナル、ロンドン・ユーストン駅から発車する。所要時間は2時間
50分。しかし、今年(2004年)1月から順次導入中のハイテク新
車両 Pendolino は最速200km の性能を持っていて、線路の補強工
事が終わる9月までには、30分短縮した2時間20分で走るようにな
るという。昨年の記者会見で、ヴァージン社のボス Sir Richard
Branson は、「今現在のサーヴィスに比べたらコンコルド並みになりま
すよ」と、自信満々に語っている。
コンコルド並み???


<鉄道の旅は愉しい>

ご存知のように、英国は鉄道発祥の国だ。だがその栄光は昔の話。
どう考えても、安全面や効率面・正確性では日本の鉄道より劣る(英
国の鉄道関係者がJRに研修に来るほどだ)。
ガイドブックなどでも、「時刻表をあてにするな」とか「傷害保険には
入っておけ」とか、散々な言われようだ。確かに遅れは日常茶飯事だ
し、初歩的ミスや怠慢から起きる事故も時々ある。線路自体も弱いよ
うで、猛暑に見舞われた昨年の夏は、「線路が熱で溶けてしまうから」
という冗談のような理由で、昼間のダイヤが徐行運転になってしまっ
た。線路に牛や羊が入って来ることもある。もちろん列車は立ち往生
だ。そういえば僕が乗った列車も一度、白鳥が原因で停まったことが
あった。「前をスワンが歩いているので〜」という車内アナウンスが流
れたのだが、いきなり「スワン」と言われても、理解するのに少し時間
がかかってしまった。

思わず欠点をあげつらってしまったが、それでも僕は、英国で鉄道に
乗るのは嫌いじゃない。いや、結構好きだ。
「??」と思うことは少なくないけれど、なぜかあまり憎めない。たぶん、
「人間味」を感じるからだろう。いくら時間が正確でも、「単なる移動手
段」ではつまらない。「人間」がやってこその「サーヴィス」なのだ。だか
ら、到着が遅れたり早くなったりする(そう、早く着くこともあるのだ)の
も、当然とまでは言わないが、「まあ仕方ないか」という気もする。それ
に、「ハプニングも旅の醍醐味」と思えば少々のことで腹も立たない。
実際、スワンで停まった時は、あちこちで笑いが起きて車内がほのぼ
のとしたほどだ。

車掌さんは気さくに会話に応じてくれるし、乗り心地も快適だ。窓の外
は、丘や牧草地が延々と続いていて、牛や羊に、馬や豚の姿も見え
る。そう、いかにも英国らしい、のどかなのどかな田園風景だ。車窓か
らぼんやりと景色を眺めているだけで、ちょっと幸せな気分になれる。
そして、いつの間にかウトウトしてしまうんだな、いつも。


<到着、そして…>

リヴァプールまでの停車駅は9つ。最後のランコンを出て、マージー河
に架かる巨大な鉄橋「ランコン・ブリッジ」を列車が渡り切ると、「ああ、
もうすぐ到着だな」と思う。窓の外の家並みを眺めながら、「ああ、帰っ
てきたなあ」と思う(自分の家があるわけじゃないけど)。

終着駅は、おなじみのリヴァプール・ライム・ストリート駅。ビートルズ
がいたころと同じアーチ型の屋根を持つプラットホームが、いつものよ
うに僕をあたたかく迎えてくれるはずだ。着いたら、「ただいま」と言っ
てやろう。街や、人や、それからマージー河にも。
そして…そうだ! まずはパブに入って乾杯しよう!

(おわり)


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▼スカウスハウス・ニュース
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*** 語学留学生募集中 ******

「スカウス・ハウス」では、リヴァプールへの語学留学をサポートしてい
ます。
最短で1週間の短期留学から長期留学、夏期休暇コース、さらには最
近人気のホームステイ留学など、幅広く対応しています。
詳細については、ウェブサイトの「語学留学案内」ページをご覧くださ
い。
http://scousehouse.net/study/index.htm


*** ビートルズ・ガイドツアー ******

「スカウス・ハウス」では、リヴァプール&ロンドンのビートルズゆかりの
地を訪ねるガイドツアーをアレンジします。
ガイドはもちろん現地在住の日本人。レギュラー・ツアーのほか、
ちょっとマニアックなツアーも用意しています。また、ご希望により、プ
ライヴェート・ツアーのアレンジも承ります。
ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/beatles/info.htm


*** 原稿募集中 ******

「リヴァプール・ニュース」では、読者のみなさんからの投稿を募集して
います。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、ある
いは英国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▽今週のフォト&BGM
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*** 今週のフォト ******

今週は、リヴァプール・ライム・ストリート駅のプラットフォームの写真を
選びました。

ウェブサイトの「NLWライブラリー」ページに掲載しています。
http://scousehouse.net/library.htm


*** 今週のBGM ******

“Duke Pearson / Tender Feelin's (1959 Blue Note)”

今週号は、デューク・ピアソンのこの名盤をお供に編集しました。僕の
愛聴盤です。
僕はデューク・ピアソンさんのことはあんまりというか全然知らないん
ですが、ピアノのタッチから勝手に推測するに、上品で、繊細で、すご
く知的な人だったんではないかと思います。気持ちよくスイングする曲、
とろけるようなバラード、そしてクロージングのブルーズ。まさに「テン
ダー・フィーリン」な、素晴らしいアルバムですね。  (Kaz)


■ NLW ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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           *** 毎週火曜日発行 *** 


□■ 第169号 ■□

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