January 4 2005, No.183
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     リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■
         *** http://scousehouse.net/ ***        


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼「ベスト・オブ・NLW」(2004年・後期)
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト&BGM 


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▽フロム・エディター
―――――――――――――――――――――――――─ NLW □

2005年になりました!
21世紀に入って5年目です。そろそろ明るい、希望の持てる年にした
いものですね。
そう、そして何よりも平和な年に…。

みなさんにとって、素晴らしい年になりますように。

                         ― Kaz (04/01/2005)


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▼「ベスト・オブ・NLW」(2004年・後期)
―――――――――――――――――――――――――─ NLW □

*** 7月3日(土) *******************************

【世界遺産に!】
リヴァプールが、「世界遺産(World Heritage)」の仲間入りを果たしまし
た。
2日、中国の蘇州で開かれたユネスコの世界遺産委員会において、
正式に決定されました。
今回の委員会で登録を検討された候補は48件で、そのうち、自然遺
産5件、文化遺産29件の計34件が、新しい「世界遺産」として登録さ
れました。

リヴァプールは文化遺産としての登録で、ピア・ヘッドやアルバート・
ドックなど、かつての大英帝国の繁栄を演出したウォーターフロント地
区や、歴史的な建築物が立ち並ぶ商業地区、さらに、貿易商の家が
あったデューク・ストリートやウィリアム・ブラウン・ストリート界隈を含め
た、幅広いエリアがその対象となりました。

リヴァプールが世界遺産委員の John Hinchliffe に最初にアプローチ
したのは、2001年のことでした。
翌年にノミネートが承認され、2003年1月、英国政府は、英国からの
唯一の候補としてリヴァプールを世界遺産に推薦することを正式に決
定しました。そして今、ついに念願が達成されたのです。

中国での委員会に出席したジョン・ヒンクリフはこう話しています。
「リヴァプールの人々が見せてくれた、街に対する誇りと我々へのサ
ポート。このステイタスを獲得するにあたって、それがほんとうに大き
かったですね」

英国遺産局のチェアマン、Sir Neil Cossons はこう話しています。
「英国きってのヴィクトリアン・シティであるリヴァプールにとって、実に
素晴らしいニュースですね」

首相の Tony Blair も、このニュースを歓迎しています。
「リヴァプールのあの素晴らしいウォーターフロントが世界的に認めら
れたことに、私もとても喜んでいます」
「マージーサイドの人々も大喜びでしょう。ビジネスや観光の街としての
魅力がさらに増すわけですし、また、遺産を現代に生かしたものにす
るために、リヴァプールがいかに力を注いでいるかの証明でもありま
すよね」

現在観光都市として大成功しているリヴァプールですが、世界遺産に
登録されたことで、より多くの観光客の到来や、新しい開発や雇用の
増大が期待されています。

リヴァプール・シティ・カウンシルのリーダー Mike Storey は、こう話し
ています。
「このニュースをずっと待っていたんですよ。これでまた、リヴァプール
のイメージや信用が上がりますね。この街の遺産である独特の建築
物への理解も深まることでしょう」
「この新しいステイタスは、ただ過去の歴史が評価されたってことでは
ないですね。リヴァプールは今現在でもグローバルな都市であり、それ
を証明するものなんですよ」
「2008年の European Capital of Culture に選ばれたこともあわせて、
リヴァプールは今、再び世界的に重要な都市になろうとしていると言え
るでしょうね」


*** 7月15日(木) *******************************

【特派員の見たリヴァプール】
フランスのクォリティ・ペーパー「ル・モンド」のロンドン特派員 Jean-
Pierre Langellier (58歳)がリヴァプールを訪れ、街の印象を語ってい
ます。

「私がティーンエイジャーの頃、ビートルズとローリング・ストーンズって
のはものすごい衝撃だったんですよ。あれはまさに革命でしたよ。だ
からみんなリヴァプールが大好きになったんです。知らない外国なの
にね。ヨーロッパ人にとってこの街は、ユース・カルチャー発祥の地な
んですよ」
「このレポートの仕事を受けたとき、私の頭に浮かんだのは2つの街
でした。リヴァプールとニューカッスルです。でも、すぐにリヴァプール
に決めました。ヨーロピアン・キャピタル・オブ・カルチャーに選ばれた
ということもありますけど、個人的にもどうしても来たかったんです。若
かりし頃の私自身の一部みたいなところですからね」

「私の乗ったヴァージン・トレインは、ユーストン駅をわずか15分遅れ
での出発でした。その前の2つはキャンセルになってましたけどね」
「リヴァプールは、私が思っていたよりもずっと小さい街ですね。でも、
それがいいんです。歩いて回れるくらいコンパクトな方が、いろんなも
のをよく見ることができます。つまりここは、人間にとってちょうどいい、
パーフェクトなサイズなんですよ。それが街全体に一体感を生み、常
に活性化させてるんですよ」
「ここで行われているような、ダウンタウンの再開発はとても重要なこ
とです。リヴァプールが経済的にも商業的にもイメージ的にもうまく行っ
ていることはよく知られています。シティ・センターを安全にすること、ど
んどん新しいパブリック・スペースを作ること、これがキー・ポイントな
んでしょう」

「古い建築物の数々も、とても気に入りました。特に、どれもが新しい
用途のためにうまく改装してあるところが素晴らしいですね。街の外観
をよく見せているだけでなく、この街が歴史上重要なパートを務めて来
たことがよくわかりますよね」
「長い目で見れば、リヴァプールの未来にとって、ユネスコが世界遺産
に登録したことは他の何よりも重要なインパクトを与えることになると
思いますね」
「誰もが、サクセス・ストーリーの一部になろうとしている。それが今、こ
のリヴァプールで起きていることなんじゃないでしょうか」


*** 7月28日(水) *******************************

【マージービートの時代】
リヴァプールの音楽ライター兼ブロードキャスター、スペンサー・リー
が、新しい本「ツイスト・アンド・シャウト」を書き上げました
出版にあたってスペンサーは、地元紙「リヴァプール・エコー」のインタ
ヴューに応じています。

「60年代というのは、あらゆる面で社会的に革命や変化が起きた時
代だった。すべてが良かったわけではないけれども。そしてそれを先
導する役割を果たしたのがミュージックだったんだ」
「アメリカ以外の、ブリティッシュ勢が世界を制覇したのは、初めてのこ
とだった。しかも、1964年のブリティッシュ勢の中心にいたのが、リ
ヴァプール勢だったんだ」
「そういうことを、私たちはもっと誇ってもいいと思うね。1963年の春
から1964年の春までのヒットチャートでは、実に45週間も、リヴァ
プールのグループがトップを獲っている。驚異的だよね」

「ジョン・レノンとポール・マッカートニーの音楽は、日常の生活の中か
ら生まれた部分が大きいと思う。地元のライヴァル・バンドと激しい競
争を繰り広げる中で、形作られて行ったんだ。彼らは、ジェリー&ザ・
ペースメイカーズやサーチャーズ、キングサイズ・テイラー&ザ・ドミ
ノーズといったバンドに勝たなくちゃならなかったからね」
「当時彼らが大好きだったアメリカのレコードよりも、もっといい曲を作
りたい。そう望むことで、ジョンとポールのソングライティングは洗練さ
れて行ったんだ」
「ジョン・レノンのジュークボックスの中には、1961年の『ウォッチ・ユ
ア・ステップ』というボビー・パーカーのマイナーな曲が入っていた。こ
の事実は、私にとって実に興味深いことだったよ」
「この曲がなかったら、ビートルズが『アイ・フィール・ファイン』を書け
たかどうかは疑わしいと私は思うな」

スペンサーは、これまでに出版されたビートルズのバイオグラフィーの
多くは、重要な事実を伝えていないと考えています。この街にはビート
ルズの他にもたくさんの素晴らしいバンドが存在し、彼らがこの街を
「ポップの都」に育てたのだという事実です。
彼の新しい本「ツイスト・アンド・シャウト」は、マージービートやキャ
ヴァーン、ハンブルグのスター・クラブにフォーカスを当てています。彼
はこの本を書くために、当時の関係者たちに徹底的にインタヴューを
行いました。ミュージシャンやプロモーター、クラブのオーナーなど、そ
の数は300人以上にものぼります。

「またハンブルグまで行って来たよ。あの街がどれほど重要な役割を
果たしたかを確認するためにね」
「この本が、あの時代のグループが発散していたエナジーやエキサイ
トメントをうまく再現できているといいね。ハンブルグの実際の姿なん
かもね」
「私は、20年前に『レッツ・ゴー・ダウン・ザ・キャヴァーン』という本を
書いた。その後もリサーチを続けて、今やっと、すべてを聞くことがで
きたと思えるようになったんだ」
「それで、リライトを決心したというわけ。これが決定版だよ。写真も増
えてるしね」
「ビートルズのオリジナル・ドラマー、ピート・ベストの解雇についても、
これまでよりも掘り下げて書いているよ。キャヴァーンがどれほど重要
な場所だったかについてもね」

スペンサーはまた、まったく思いがけず、レイモンド・ジョーンズが誰か
をつきとめました。ホワイトチャペルのNEMSに行って、『マイ・ボニー』
というレコードはあるかと尋ねた伝説の人物です。彼のひと言がきっ
かけで、ブライアン・エプスタインはビートルズに興味を持ったのです。
この本の中では、その他にも新しい発見がいくつも紹介されています。

「キャヴァーンのオーナーのレイ・マクフォールは、ビートルズとジェ
リー&ザ・ペースメイカーズをレギュラーにフィーチャーしたランチタイ
ム・セッションを始めた。そのおかげで、この2つのバンドは他に先駆
けてプロになれたんだ。仕事との両立に悩むこともなくなった。スウィン
ギング・ブルー・ジーンズのレス・ブレイドなんかは、朝の7時45分か
ら働いていたから、キャヴァーンのセッションの翌日は仕事中に居眠
りしてしまうこともあった。リヴァプール・タウン・ホールのカーペットに
横になっていたこともあったよ。それだけくたくたに疲れていたんだね」

「私がやりたかったのは、あの時代にフタをして、ミュージシャンたちに
起こった出来事を掘り起こすことだった」
「彼らのうち、ある者の声は艶を失い、ある者の手は関節炎と戦って
いる。60年代のエナジーを無くしてしまったドラマーも何人もいる。し
かし彼らは、今でも現役なんだ。そして、マージー・キャッツのように、
毎年何千ポンドもチャリティで集めているバンドもいる」
「そういうことを、私はこの本で強調したかった。私たちのこの街では、
ミュージックというものは、人々の生活の重要なパートを占めている。
今でもね」

新刊「ツイスト・アンド・シャウト」は、来月はじめに出版されます。


*** 8月14日(土) *******************************

【マイケル!!】
13日、マイケル・オーウェンのレアル・マドリーへの移籍が決まりまし
た。
移籍金は800万ポンド(約16億5000万円)。さらに、レアル・マド
リーからミッドフィルダーのアントニオ・ヌニェスがリヴァプール入りしま
す。
当初リヴァプールは、「1000万ポンドの移籍金、プラス、1500万ポ
ンド相当のプレイヤー」を要求していました。しかし、現在リヴァプール
とマイケルとの契約は10ヵ月を残すのみで、それを過ぎればマイケル
をフリーで手放さなければならなくなることから、移籍交渉は圧倒的に
レアル有利で進んだようです。

移籍決定の前日、マイケルのチームメイトで親友のジェイミー・カラ
ガーが、マイケルについて語っています。
「マイケルがいなくなるってのはすごく辛い。友だちとしてもそうだけど、
フットボール選手として特にね」
「何といっても最高のストライカーだし、それにこの6年か7年、うちでい
ちばんたくさん点を取って来た選手だし」
「現時点で、リヴァプール・フットボール・クラブといって世界の人々が
思い浮かべるのは、スティーヴン・ジェラードとマイケル・オーウェンだ
よね」
「もし行ってしまうとしても、彼ならここのみんなに温かく肩を叩いて送り
出してもらえるよ。選手はもちろんだけど、トレーニング・スタッフやサ
ポーターたちにもね。彼がどれほどのものをこのクラブに与えてくれた
かってことはみんなわかってるからね。このクラブ一筋で長い間がん
ばって来てくれたんだ」
「イングランド代表チームの中に入っても、最も優れたプレイヤーのひ
とりだ。彼ほどいいプレイヤーでなくても、メダルやら優勝やらに恵ま
れた者は何人もいる。たぶん、そういうのを何とかしたいって思ったん
じゃないかな、マイケルは。もし移籍するんなら、これは理由のひとつ
ではあると思う」
「今リヴァプールは新しい監督を迎えて、たぶん1年か2年でトップを
奪還できると思う。だから、これはマイケルにとっては、絶対に失敗で
きない人生最大の賭けになるのかもしれないね」


*** 9月1日(水) *******************************

【ワンス・ア・ブルー…】
避けられない結末だったのでしょうか。
エヴァトンは、クラブ史上最高のスターともいわれるウェイン・ルー
ニーの、マンチェスター・ユナイテッドへの移籍に合意しました。
移籍金の総額は2700万ポンド(約54億円)。そのうち700万ポンド
は、ルーニーのマンチェスター・ユナイテッドでの在籍期間や出場機
会、試合でのパフォーマンスによって支払われるオプションとなります。

移籍が正式に発表されたのは、トランスファー・マーケットが閉じられ
る数時間前、8月31日の午後7時23分でした。
その1時間後のオールド・トラフォード。かつてエヴァトンの昨シーズン
のスローガン“ Once a Blue Always a Blue ”のTシャツを着てポーズを
取った「ティーンエイジ・センセーション」は、真っ赤なユナイテッドのユ
ニフォーム姿でメディアの撮影に応じました。

ルーニーは会見でこう語っています。
「エヴァトンを離れるのは、タフな決断でした。これまでの人生でずっと
サポートし、プレイしたクラブですから。でも今は、マンチェスター・ユナ
イテッドのようなビッグなクラブに入団できてすごく嬉しいです」
「トップのプレイヤーと一緒に、チャンピオンズ・リーグみたいなレヴェ
ルの高い大会で戦うのは、僕のキャリアにものすごくプラスになると
思ってます。チームに合流する日がとても待ち遠しいです」

しかし、多くのブルーズ・ファンにとっては、自分のルーツに背を向けた
彼の行為は裏切りであるとして、ルーニーを非難しています。
サポーター・グループらは、次のグッディソンでのホーム・ゲームで、
抗議のバナーをスタンドに並べる準備を始めているそうです。

エヴァトンの株主協会のセクレタリー、ニック・ウィリアムズはこう言い
ます。
「驚きましたね。ユーロ2004のスターをたったの2000万ポンドばか
しで売るなんてね」
「ヨーロッパ最高のヤング・プレイヤーを抱えながら、彼をよそにくれて
やったということですね、我々は」

エヴァトンのフォーマー・プレイヤーズ・アソシエーション(OB協会)の
チェアマン、ローレンス・リーはこう話しています。
「将来、我々が彼の面倒をみるかどうかについては、私には保証でき
んな。その分は、このクラブを純粋に愛してくれるプレイヤーに回すべ
きだろう」

弁護士でもあるリー氏は、ルーニーは自身のキャリアにおいて、「取り
返しのつかない間違い」を犯したと確信しています。
「私は心配していたんだがね。エヴァトンからアーセナルに行ったフラ
ンシス・ジェファーズのミステイクから学ばなけりゃいかんとね(ジェ
ファーズはアーセナルで出場機会に恵まれず、再びレンタルでエヴァ
トンに戻ってきたものの、ほとんど活躍できなかった)。あいつはチー
ムになじめず、結局今はチャールトンだ」
「ルーニーはな、自分を宝物のように大事にしてくれるクラブを去って、
ただの1選手としてしか扱われないクラブに行ったんだよ。マンチェス
ター・ユナイテッドに移籍したはいいが、フィットすることが出来なくて結
局出されてしまうプレイヤーなんて、いっぱいいるだろう?」

ウェブサイト「ブルーキッパー」のエディター、スティーヴ・ジョーンズは
こう話しています。
「ひとことで言えば、テリブルなビジネスだね」
「ユーロ2004のとき、ビル・ケンライト(エヴァトンのチェアマン)は、絶
対ルーニーは売らないって言っていた。そのあとでは、5000万ポンド
以下では売らないと言っていたはずだよ」
「これじゃあまるで、マンチェスター・ユナイテッドに無理にお願いして
買っていただいたみたいじゃないか」

リヴァプール大学のフットボール・リサーチ・ユニットの教授、ローガン・
テイラーは、ルーニーはマンチェスター・ユナイテッドで成功すると見て
います。
「フットボール的にも、商業的にもいいと思いますよ。彼は高いレヴェ
ルになればなるほどいいプレイをしますからね」
「たしかに彼は、エヴァトンでいくつかグレイトなゴールを決めていま
す。でもものすごく輝いたってほどではありません。でもイングランド代
表のユニフォームを着た彼は、とんでもないプレイをするでしょう?」
「それに彼は、監督のサー・アレックス・ファーガソンにものすごく好か
れるタイプのプレイヤーなんじゃないかと思うんですよ、私は。きっと大
事にしてもらえるんじゃないですかね」
「今のルーニーは、どうしても中盤まで下がりがちになってますが、マ
ンチェスター・ユナイテッドの中盤ならそんな心配はないでしょう。
ファーガソンのフットボールは、彼にものすごいインパクトを与えてくれ
るはずですよ」
「それにマンチェスター・ユナイテッドは、スペシャリストを彼につけて体
調のケアをするはずです。もちろんエヴァトンもそういうことはちゃんと
やっていましたがね。今はミッドフィルダーというよりはミドル級のボク
サーみたいな体型ですが、きっとウエイトを絞られることになるでしょ
う」

80年代に2度のリーグ優勝と1度のFAカップ優勝に輝いたエヴァト
ン。その時代の伝説のプレイヤー、ケヴィン・ラトクリフはこう語ってい
ます。
「クラブの経営状態がひとつの原因になったことは疑いがないね。そ
れにこのクラブが、この先5年間で何かタイトルをひとつでも獲るかと
いえば、私には無理だと思う。それもファクターのひとつだろう」
「ここんとここのクラブはフィールドの上ではまるでさっぱりだからね。
90年代以降はほんとうにひどいもんだ。ウォルター・スミス(前監督)
やデイヴィッド・モイーズ(現監督)は不運な時代に来たもんだよね」


*** 9月16日(木) *******************************

【70年ぶりに】
長期的な減少傾向にあったリヴァプールの人口が、実に70年ぶりに
増加に転じているそうです。

英国政府の発表によると、2003年のリヴァプールの人口は、44万
1856人でした。
2002年の44万1674人に比べて、わずかではありますが、増えて
います。2001年は44万1830人でした。

シティ・カウンシル・リーダーのマイク・ストーリーはこう話しています。
「大まかに言って、我々の人口はこの3年の間、同じくらいだということ
ですよね」
「リヴァプールの人口は何十年にもわたって減り続けていたわけです
から、減少に歯止めがかかって増えはじめたということは、とても心強
いですよ。たとえそれが100人とか200人であってもね」
「私たちは前の10年で1万人失っています。もっと言うなら、1970年
代には毎年1万人減っていました。そういう時代が続いていたんです」
「増加傾向に転じたということは、実に喜ばしいことです。現在行われ
ている大規模な開発のおかげもあるでしょう。リヴァプールが、どんど
ん魅力的な、人々が『住んでみたい』と思う街になっているんですよ」

ジョン・ムーアズ大学の都市情勢のエキスパート、マイケル・パーキン
ソン教授は、「驚くべきグッド・ニュース」だと言い、今後もこの増加傾
向は続くだろうと言っています。
「実に素晴らしいニュースですね。理由は単純で、人々がこの街に住
みたがっているんですよ。みんなに自慢してやりましょう」

「マージー・パートナーシップ」のデイヴ・スコットは、こう話しています。
「ここ数年の我々の大きな経済成長を反映していると言えるでしょう
ね。人口の増加、住宅価格の上昇、そして雇用機会の増加。これら
の現象は、マージーサイド全体が上昇気流に乗っていることを証明し
てくれているんです」

<リヴァプールの人口の移り変わり>
 1901年 68万5000人
 1937年 86万7000人(史上最高記録)
 1961年 74万5000人
 1971年 61万人
 1981年 51万人
 1991年 45万2450人
 2001年 44万1830人


*** 9月29日(水) *******************************

【ジュリアも反対】
現在リヴァプールでは、アート・フェスティヴァル「リヴァプール・バイア
ニエル」が開催中です。
およそ400人のアーティストが作品を出品していますが、最も物議を
醸しているのが、ヨーコ・オノの作品です。
この作品のタイトルは、「マイ・マミー・ワズ・ビューティフル」。女性の
胸と「プライヴェートな部分」の写真を使った巨大なポスターです。ギャ
ラリーの中だけでなく、市内各地のアウトドアに展示されているので、
商店街の店主たちからは苦情がでています。

ジョン・レノンのハーフ・シスター(異父妹)であるジュリア・ベアードも、
この作品は取り外すべきだと語りました。
「この作品は、『マイ・マミー・ワズ・ビューティフル』って言うのよね。
ジョンのお母さんはビューティフルだったわ。私のお母さんでもあるん
だけど」
「きっと母は不愉快に思うでしょうね。それからジョンも。女の人の裸を
必要性もなく公共の場に、特にセイント・ルークス教会の正面に展示し
たことに対して」
「ヨーコ本人に文句を言いたいわけじゃないの。彼女がバイアニエル
に参加してくれたことは、私は嬉しく思ってるわ。リヴァプールへの注
目度も上がるんだし。ただね、あの写真は本来ギャラリーの中に飾ら
れるものだと思うのよ」
「あれを見たとき私、気絶するかと思ったわ。通りかかった人たちに
も、どう思うか訊いてみたの。誰もがやり過ぎだっていう意見だった
わ」

ヨーコさんは、この作品「マイ・マミー・ワズ・ビューティフル」は、「母性
へのトリビュート」であると語っています。また、ジョンと、ジョンが18歳
の時に亡くなった母ジュリアに捧げたものでもあるということです。

現在はチェスターに住む、57歳のジュリアは続けます。
「うちの母はよくセイント・ルークス教会に行ってたのよ。ここで亡くなっ
た人たちのことをよく話したりしてた。これを見たら母は、亡くなった人
たちの思い出が侮辱されたように思うんじゃないかしら」
「これを展示する必要のある街が、世界のどこかにひとつでもあるの
かしら? どこを探してもないわよね」


*** 10月6日(水) *******************************

【ノンスモーキング・バー誕生】
多くのバーやレストランが並ぶヴィクトリア・ストリートに、シティ・セン
ターで初めての「ノンスモーキング・バー」が誕生しました。
店の名前は Lobby 。オーナーは、リヴァプールFCのスター選手ジェ
イミー・キャラガーのおじさん、パット・キャラガーです。

パットは、ノンスモーキングのバーにすることにまったく躊躇しなかった
と言います。
「ここじゃタバコは吸えないんですよって言ったら、何人かのお客さん
は絶句してたけどね。でもタバコの煙で空気が汚れるよりは、絶句し
てもらってた方がいいよね」
「うちのカフェバー・メニューはハイ・クォリティのフード揃いだからね、
お客さんにはそれをエンジョイしてもらいたい。タバコの煙に邪魔され
ることなくね」
「それに、友だちと外で食べたり飲んだりする人みんながみんな、タバ
コを吸うってこともないわけだから。じゃあ我々が違った環境を提供し
ましょうってことなんだよ」

店を後にするスモーカーからは、当然苦情を聞かされることになりまし
た。しかしパットは気にしていません。
「コーヒーが出るとタバコに火を点けたがるよね、スモーカーは。まあ
いろいろリアクションは返って来くるけども、でも全然平気だよ。アル
バニー(所有する他のレストラン)をノンスモーキングにしたときにも、
同じようなリアクションを経験してるから」
「それに絶賛してくれる人も多いからね。タバコの煙がまったくない安
らぎの場所が見つかったって言って、たくさんの人が喜んでくれてるん
だよ」


*** 10月9日(土) *******************************

【64歳のジョンをイマジンすると…】
10月9日は、ジョン・レノンの誕生日です。
生きていれば64歳。リヴァプール・エコー紙の記者ジェーン・ウッド
ヘッドは、ジョンと親交のあった人々に、次のように問いかけてみまし
た。
「もし生きていたら、ジョンは今何をしていると思いますか?」

○ジュリア・ベアード(ジョンのハーフ・シスター)
 「音楽をやめちゃうなんてことは考えられない。もしかしたらジュリア
ンやショーンと一緒に演奏してるかもね。絵画とか物書きの道にも進
んでるんじゃないかしら、たぶん。自分の人生を綴ったり、詩を書いた
りとか」
「何たってマルチな才能に恵まれた天才ですからね。何かひとつだけ
コツコツやってるってことはないと思うわ」
「それから絶対アンチ・ウォーの運動はやってるはずよ。フルタイムの
平和運動家になってるかもね」

○トニー・バーロウ(元ビートルズの広報担当)
「ポールとの『世界最強の作曲家コンビ』を復活させているだろう。ほ
んとにそう思うよ。1980年からそう遠くない日に、彼はイングランドに
帰って来ているはずだ。そしてポールと再びパートナーシップを組むん
だよ」
「今も演奏しているとはまったく思わない。ソングライティングに専念し
ているはずだよ」
「ジョンは最も気難しいビートルだった。彼を理解するには時間がか
かった。彼はよくジョークを作ったもんだ。たいていは私の外見をから
かったものでね、ずいぶんときつい冗談だったよ」
「最初は自分が何か悪いことでもしたんだろうかと心配になったもん
だ。だが実際には私は何も悪いことなんかしていない。つまりあれは、
自分の自信のなさとか不安を隠すためのバリアだったんだろうと思う」
「しかし私たちは、ある晩ついに打ち解けることになったんだよ。リヴァ
プールのどこかのクラブでね」
「私たちは音楽の話をしていたわけではなかった。住宅ローンとか子
供のことで議論していたんだ。その時突然、私は彼のことが理解でき
た気がしたんだ」
「私にとってジョンは、最大級のリスペクトを感じさせる男だよ」

○スペンサー・リー(作家兼ブロードキャスター)
「まあ予測不可能だろう。人がどんな予想をしてもだね、彼なら真反対
のことをやりかねないよ。だってそういう人だったじゃないか」

○テッド・“キングサイズ”・テイラー
   (60年代のビートルズのライヴァルバンド、ドミノーズのメンバー)
「物を書いたり、アートの方に行ってるのは間違いないだろう」
「だがまだ演奏を続けてるとは思えんな、俺には。興味を無くしちまっ
てるはずだ。何か物を生み出すことの方に集中してるんじゃないかね
え」

○エディー・アムー
 (60年代のグループ、ザ・チャンツのメンバー。ビートルズとも共演)
「ニューヨークのアパートのペントハウスで、ベッドに腰掛けて愛と平和
について語ってるんじゃないかね」
「演奏を続けてるとは到底思えんな。そんなことしなくてもじゅうぶん
リッチなんだから」
「人道主義の巨大スポンサーになってるかもね。ボブ・ゲルドフの
フィード・ザ・ワールドのプロジェクトをもっとでっかくしたような」

○マイク・マッカートニー(ポール・マッカートニーの弟)
「あのチャップマンって狂人さえいなかったらだね、ジョンは今も生きて
いて、あのクリエイティヴでアーティスティックなセンスでもって世界の
人々を楽しませてくれてただろうね」
「もし生きてれば、より良い世界にするための活動をしてくれてるだろ
うと思うよ。もちろんユーモア精神を持ってね。もし今でも演奏活動を
続けていたとしても、それはそれで全然不思議じゃないけどね、僕に
はね」

○ジェイミー・ファーガソン
        (マシュー・ストリートの『ザ・ビートルズ・ショップ』スタッフ)
「今でも音楽活動はしてると思うな。ジョンの音楽の大部分がロックン
ロールってのは変わってないだろうけど、現代のアーティストともコラ
ボレートしたりして。で、それでジョンのことをロックンロール・スターと
してしか見たがらないファンから非難を浴びたりしてるんがないかな、
たぶん。まあとにかく、もっとアルバムを作ってるだろうし、子供たちと
も共作・共演してるかもね」
「それと同時に、詩やアートワークの方により興味を持って取り組んで
るんじゃないかな」

○ビリー・バトラー
 (DJ、ビートルズのライヴァル・バンド、マージービーツの元メンバー)
「演奏活動は続けていると思うね。でも新作はあんまり作ってないん
じゃないかな。それとリヴァプールには今若いバンドが続々と登場して
るけれども、ジョンならきっとすごく興味を持ってくれてると思う」
「でもあの、いっぱいいるビートルズのトリビュート・バンドたちを見た
ら、ジョンは気持ち悪がるだろうねえ。ものすごく」


*** 10月29日(金) *******************************

【ピープルズ・クラブとエコー】
125周年を迎えた夕刊紙「リヴァプール・エコー」を祝い、エヴァトンの
デイヴィッド・モイーズ監督が、「エコー」とリヴァプールの関係について
語っています。

「リヴァプールに着いた時、まるで故郷に帰って来たみたいな気がした
んだ。
スコットランド人がこんなことを言うのは変かもしれないがね、だが、
私の愛する故郷グラスゴーを思い出させるものが、ここにはあまりに
も多いんだよ。

どこの街でもそうだが、街の印象を作っているのはそこに住んでいる
人々だ。人々のキャラクターとかパッションとかユーモアとかが、リ
ヴァプールを特別な街にしているんだろうけど、でも同じような特徴の
街は他にもたくさんあるよね。
じゃあ何がリヴァプールを他よりも際立たせているのかってことだけ
ど、これは説明するのはちょっと難しいな。
でも、分かりやすい例をひとつ挙げてみよう。

今年の初めのことなんだが、私はアウェイ・マッチからジョン・レノン空
港に帰って来たところだった。
車に乗ろうとしたら、3人のティーンエイジのエヴァトニアンが私のとこ
ろに走って来てね、サインが欲しいって言うんだ。
もちろん私はサインをしたわけだが、それでお終いにはならなかった。
その次に彼らは、一緒に乗せて行ってもらえませんかねと訊いてきた
んだよ。
私がいいよと言ったら彼らはちょっとびっくりしたみたいだったがね。
そういう図々しいところが面白くてね、私は好きだな。率直で生意気な
ユーモア精神って、この街の隅々までしっかり浸透しているよね。
そういうわけで、ここでの私は、これまでに住んだ他のどの街よりも、
グラスゴーにいるみたいにリラックスして過ごすことができるんだ。

リヴァプールで暮らすには、シャープなウィットとクイックさが必要だ。
この街の人々がまさにそういう感じだからね。
私とこの街の人々は、ずっといい関係だよ。といっても、街の半分、ブ
ルーの人たちとは、ということになるかな。
人々の一途な気持ちにはいつも感謝しているし、エヴァトンでいい仕
事をしようと努力している私の気持ちも、ちゃんと人々に伝わっている
と思う。常に、彼らもクラブの一員なんだという意識を持っているつもり
だしね。

エヴァトニアンの家を一軒一軒訪ねるのは無理だが、ローカル・メディ
アを通して私の考えを伝えることはできる。それがいちばんの近道な
んだ。そして、その中心となるのが「エコー」なんだ。
「エコー」は今週、125周年を迎えるそうだね。この長い年月の間、こ
の新聞はずっと、フットボール・ファンのためのメインの情報源であり
続けて来たということだ。人々に身近で大切な情報を与えてくれるの
は、いつだってローカル新聞だから。
そしてファンにとっては、ローカル紙は試合の延長でもあるわけだ。こ
の街のような、フットボールが盛んなところでは特にそうだ。スポーツ・
ニュースのために夕刊を買うって人がほとんどなんじゃないかと思っ
たりするくらいだ。

「エコー」は、リヴァプールという街の重要な一部になっている。ファン
とクラブを結ぶ、ものすごく大切な掛け橋だ。この橋を使わせてもらう
ことは、私にとって大切なことでもある。

この街に足を踏み入れた瞬間に、私は、人々のあたたかさやサポー
トの気持ちを感じた。街の人々のエヴァトンへのパッションをひしひし
と感じて、私は、最初の記者会見でこのクラブを「ピープルズ・クラブ」
だとコメントした。
あれは本心からの言葉で、ほんとうにそう感じていたんだ。以来まった
く考えは変わっていないし、これからも、私がここにいる間はそうだと
断言できる。実際、あの言葉は真実をついていたと思う。本当だから
あれほど共感を持ってもらえたんだろうね。

あの言葉のおかげで、私はマージーサイドの人々に受け入れられ、
エヴァトンの監督としての仕事に楽しんで取り組むことができているん
だよ」


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▽スカウスハウス・ニュース
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*** カプライト・ニュース ******

「BIGLOBEめるまがサービス」さん発行のメールマガジン『カプライト・
ニュース』12月24日号で、このNLWが紹介されました。
カプライトさん、ありがとうございました!


*** フットボール・チケット代行予約 ******

「スカウス・ハウス」では、リヴァプールFCおよびエヴァトンFCの、ホー
ムゲーム観戦チケットの代行予約を承ります。代行予約をご希望され
る方には、詳細をご案内いたします。希望カード&必要枚数にお名前
を添えて、info@scousehouse.net までお問い合わせください。


*** 語学留学生募集中 ******

「スカウス・ハウス」では、リヴァプールへの語学留学をサポートしてい
ます。
最短で1週間の短期留学から長期留学、夏期休暇コース、さらには最
近人気のホームステイ留学など、幅広く対応しています。
詳細については、ウェブサイトの「語学留学案内」ページをご覧くださ
い。
http://scousehouse.net/study/index.htm


*** ビートルズ・ガイドツアー ******

「スカウス・ハウス」では、リヴァプール&ロンドンのビートルズゆかりの
地を訪ねるガイドツアーをアレンジします。
ガイドはもちろん現地在住の日本人。レギュラー・ツアーのほか、
ちょっとマニアックなツアーも用意しています。また、ご希望により、プ
ライヴェート・ツアーのアレンジも承ります。
ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/beatles/info.htm


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▼今週のフォト&BGM
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*** 今週のフォト ******

今週は、ライヴァー・ビルディングの写真を選びました。実に正月らし
い写真だと自分では思うのですが…。

ウェブサイトの「NLWライブラリー」ページに掲載しています。
http://scousehouse.net/library.htm


*** 今週のBGM ******

“Brian Wilson / Smile (2004 Nonesuch)”

2月に来日するブライアン。うっかり買いそびれていたこのCDを慌てて
購入して、今日初めて聴いています。すべての曲が複雑に、しかし見
事に絡み合っていて、いやこれは素晴らしいですね。「幻の名作」が、
ちゃんと「現実の名作」になっています。なあるほど38年前にブライア
ンの頭の中で鳴っていたのはこういう音だったんだなあ、こりゃ未完
成になるはずだわと、深く納得&タメ息です。ご苦労さまでした、ブラ
イアン。コンサートも頼むよ!  (Kaz)


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     リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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           *** 毎週火曜日発行 *** 


□■ 第183号 ■□

 ◆発行 SCOUSE HOUSE (スカウス・ハウス)
 ◇編集 山本 和雄
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