February 15 2005, No.189
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リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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*** http://scousehouse.net/ ***
□■ INDEX ■□
▽フロム・エディター
▼リヴァプール・ニュース <2005年2月8日〜2月12日>
▽オールド・ニュース
▼スカウスハウス・ニュース
▽今週のフォト&BGM
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▽フロム・エディター
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「リンゴの生家が取り壊されてしまうかもしれない」という心配が、一歩
現実に近づいたようです。
詳しくは今週の「ニュース」でお伝えしていますが、リンゴの生家を含
むマドリン・ストリートのテラス・ハウスの建て替え計画が、住民投票で
支持されたようなのです。
リヴァプールの友人の何人かに、どう思うか訊いてみました。
「まだ間に合うと思う。何とかしなければ」
という意見がやはり多かったものの、こういうリベラルな意見もありま
した。
「淋しいことだけど、最終的にこのエリアに住む人にとって良い事にな
るなら…」
リンゴが生まれ育ったディングルは当時、ジョンが育ったウールトンと
は対照的に、リヴァプールの中で、かなり貧しい地区でした。
そのせいか住民同士の絆は強く、義理や人情に厚い地域だったと聞
きます。リンゴの誰からも愛されるキャラクターは、彼の生まれ育った
境遇と決して無縁ではないのです。
僕は、ディングルとディングルの人々が大好きです。リヴァプールに行
くと、必ずディングルに立ち寄ります。いや、「ディングルに立ち寄る」と
いうよりは、「エンプレス・パブに立ち寄る」というべきでしょうか。あの、
リンゴのアルバムのフロント・カヴァーになったパブです。リンゴのお母
さんはここで働いてリンゴを育てました。ここは、この界隈の中心ス
ポットなのです。
夜のエンプレスは、地元のおっちゃんおばちゃん、兄ちゃん姉ちゃん
でいつも賑わっています。フットボールの中継がある時は特にいっぱ
いです。
あまりにもローカル色が濃いので、正直に言って初めての時はちょっ
と緊張しましたが、今では気楽に入れます。パブの主人も常連も、気
持ちよく迎えてくれます。
このパブで知り合って、手紙やクリスマスカードを交換するようになっ
た人も何人かいます。ガイド・ツアー中に「おうカズ、何やってんだ」と
声を掛けられることも珍しくありません。
リンゴが暮らしていた頃の義理や人情は、今でも色あせずに残ってい
るのです。
あそこに住む人たちの幸せと、リンゴの家の保存が何とか両立するよ
う、祈るばかりです。
― Kaz (15/02/2005)
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▼リヴァプール・ニュース <2005年2月8日〜2月12日>
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*** 2月8日(火) *******************************
【トラディショナル・パブの宝庫】
新しく出版されたパブ・ガイドブックで、マージーサイドが絶賛されてい
ます。
これは、イングリッシュ・ヘリテイジ発行のトラディショナル・パブのガイ
ドブック「ライセンスト・トゥ・セル」で、マージーサイドからは実に12も
のパブが選ばれています。
ウォータールーの「ヴォランティアー・カンティーン」や、シティ・センター
の「フィルハーモニック」や「ライオン」、ライム・ストリートの「ヴァイン
ズ」、バーケンヘッドの「ストーク」などが名を連ねました。
このガイドブックの執筆者たちは、マージーサイドはパブ・リサーチに
最適のエリアだと口を揃え、そのうちのひとりジェフ・ブランドウッドは、
「ロンドンの外では、最もリッチなトラディショナル・パブの宝庫であるこ
とは間違いない」と絶賛しています。
序文を執筆したトラヴェル・ライターのビル・ブライソンも、リヴァプール
とリヴァプールのパブへの称賛を惜しみません。
「リヴァプールはグレイトなところですね。パブもファンタスティックです。
私はヴァインズとフィルハーモニックに行ったんですが、どちらにもた
いへんな感銘を受けました。素晴らしさに圧倒されてしまいましてね、
他にも数軒行くつもりだったのを、後日に延期してしまったほどです」
「この街独特のセンスが、街やパブをこれほど興味深いものにしてい
るのでしょう」
執筆者のひとりで、イングリッシュ・ヘリテイジのアンドリュー・デイ
ヴィッドソンは、これほど多くのマージーサイドのパブを紹介できて嬉し
いと話しています。
「まだ住んだことはないんですが、リヴァプールを訪れる度にいつも楽
しい思いをしています。素晴らしいパブがたくさんありますからね。毎
回楽しみでしょうがないんですよね、ほんとに」
「マージーサイドには、近代化や没個性を頑として拒否している素晴ら
しいパブがたくさんあります。この『ライセンスト・トゥ・セル』には、この
地域から1ダースちょっとのパブが紹介されています。素晴らしい個性
を持ち、建物自体も重要な建築物であるパブです」
このガイドブックは、主に、建物の重要性や特殊性を基準にして、掲
載するパブを選んでいます。
しかし中には、その地域社会で果たして来た役割を考慮して選ばれる
場合もあります。
例えば、ホープ・ストリートにある「イー・クラック」もそのひとつで、
「ウォー・オフィス」というニックネームとともに紹介されています。この
パブの常連たちは何しろ議論好きで、進歩についてとか、ボーア戦争
についてとか、いつも議論しているのです。
*** 2月9日(水) *******************************
【プレミアシップ 04−05】
イングランド・プレミアリーグの結果です。
5日、ホームにフルアムを迎えたリヴァプールは、3−1(前半:1−1)
で快勝しました。
ゴール・スコアラーは、フェルナンド・モリエンテス(9分)、サミ・ヒーピ
ア(63分)、ミラン・バロシュ(77分)でした。
試合後、ラファエル・ベニテス監督は、先制ゴールのモリエンテスを絶
賛しています。
「我々はずっと、パフォーマンスのレヴェルを上げようとして来た。それ
がどうやら達成できたようだ。3連勝だからね。これが1週間で3敗
だったらまったく違った気分だろうけれど」
「それからモリエンテスの活躍はとても嬉しい。うちには良いターゲッ
ト・マンが必要だった。まさに今の彼のような」
「空中戦に強く、両サイドのウィングへのパスも上手い。ミラン・バロ
シュとのコンビネーションもうまく行き始めている」
「彼を獲得するまで、長いこと待った甲斐があったというものだね。良
い選手は監督の仕事を楽にする。彼は良い選手であり、良いプロ
フェッショナルでもある」
「毎週毎週、彼は良くなっている。何しろここに来るまで、5ヶ月ほども
まともにプレイしていなかったからね。今彼は、毎日トレーニングして、
試合で戦えるフィットネスを取り戻そうとしているところだ」
6日、アウェイでサウザンプトンと対戦したエヴァトンは、苦しみながら
もロスタイムに追いつき、2−2(前半:1−1)で引き分けました。
ゴール・スコアラーは、ジェイムズ・ビーティー(4分) マーカス・ベント
(90分)でした。
試合後、デイヴィッド・モイズ監督は選手たちを絶賛しています。
「ミッドウィークのノーウィッチ戦は、勝ったものの実にハードだった。
今日のゲームにも影響はあったと思う。気合は入っていたけどね」
「選手たちのスピリットには恐れ入る。長丁場のシーズンを戦っている
とは思えないくらいだ。我々は勝てるチームになったし、最低でも負け
ないようになった。これをこのままキープして行きたいね」
「ストップすることを知らない、恐るべき軍団だね。この選手たちを手
離すなんて、私は絶対に嫌だよ」
リーグ順位は、エヴァトンが48ポイントで4位、リヴァプールが43ポイ
ントで5位です。
*** 2月10日(木) *******************************
【リンゴの生家が…】
リンゴ・スターの生家が取り壊されてしまうかもしれません。
現在マージーサイドでは、全域のヴィクトリアン・テラス・ハウスを15年
かけて建て替える政策が進められています。
リンゴの生家があるディングルのマドリン・ストリートもその対象となっ
ていて、昨年から、保護を求める声が上がっていました。
しかし、地域住民の総意を測るために投票が行われた結果、住民の
72%が、マドリン・ストリートのテラス・ハウスの建て替えを支持してい
ることがわかったのです。
このテラス・ハウスは、ストリートの端から端まで続く長屋です。9番地
にあるリンゴの生家だけを残しての建て替えは、ほとんど不可能だと
思われます。
リヴァプール、セフトン、ウィラル地域の建て替え政策を担当するの
は、「ニューハートランズ」という開発業者です。
ニューハートランズは、およそ4000戸の家を建て替えることになって
います。
国の重要遺産を守る機関「イングリッシュ・ヘリテイジ」は、本当に重
要な建物は保護するようにとニューハートランズに働きかけています。
ただし今のところ、マージーサイド・シヴィック・ソサエティを含む地域の
保護機関からは、リンゴの家の取り壊しにストップをかけるう動きはな
いようです。
ニューハートランズのスポークスマン、ピーター・フリンは、こう話してい
ます。
「あのプラークが貼られている、アドミラル・グローヴのリンゴの家が
取り壊されるわけではありませんよ。マドリン・ストリートの家の方は、
検討されておりますが」
「まあリンゴが育った家というのは、たくさんありますからね」
ビートルズ・ファンなら常識ですが、リンゴがリヴァプールで暮らした家
というのは、マドリン・ストリート9番地と、アドミラル・グローブ10番地
の、たったの2つしかありません。
*** 2月12日(土) *******************************
【3万人目のお産】
リヴァプール・ウィメンズ・ホスピタルの助産婦メル・スウォードは、この
道33年のヴェテランです。
今週も彼女は、リリー・ジョーンズという元気な赤ちゃんを取り上げま
した。彼女にとって、記念すべき3万人目の赤ん坊でした。
55歳のメルは、33年前にこの病院で助産婦としてのキャリアをス
タートさせました。
リヴァプール・ウィメンズ・ホスピタルは、9日に「英国で最も安全な病
院ベスト3」に選ばれたばかりです。
母親のナサリー・マロンと一緒に退院の準備をするリリーちゃんの横
で、メルはこう話しています。
「事務員さんが記録を調べて、私に教えてくれたのよ。何人の赤ん坊
を取り上げたかってことをね」
「自分じゃそんなこと考えたこともなかったわよ。よくまあ計算できたも
のよね。びっくりしちゃった」
「あたり前の話なんだけど、おんなじお産なんてひとつもないの。どれ
も特別なものなの。毎回、一大イヴェントだと思ってやってるわ。疲れ
なんて感じたことないわよ」
「自分でも、すごく幸運だったと思う。大好きな仕事ができること、この
ウィメンズのチームと一緒に働けること。ほんとファンタスティックだわ」
「ここの雰囲気とかケアってダントツに素晴らしいわよ。この病院の安
全性が認められて表彰されるなんて、ほんと誇らしい気持ちだわ」
今週新しくお母さんになった27歳のナサリーは、こう言っています。
「表彰を受けるだけのことはあると思いますよ」
「この病院の全員がブリリアントなんですもの。リリーも私も、入院中
ほんとによくしていただきました」
ロイヤル・カレッジ・オブ・ミッドワイヴズの校長、デイム・ローナ・ムー
ヘッドはこう話しています。
「助産婦学校の校長として、私は全国をまわって助産の様子を見てい
ます。リヴァプール・ウィメンズは最上級のひとつですね」
「メルは、NHS(ナショナル・ヘルス・サーヴィス)の輝かしい成功例で
すね。地味な毎日の仕事の積み重ねなんですよね」
「3万人の赤ちゃんを取り上げたってことは、素晴らしいマイルストーン
ですね。日頃の努力の賜物でしょう」
リヴァプール・ウィメンズ・ホスピタルのスポークスマンは、こう話してい
ます。
「メル・スウォードがこれほどの業績を成し遂げたことに、私たちも喜
びと誇りを感じています」
「彼女は3万人の赤ちゃんを取り上げました。素晴らしいですね。これ
からももっとたくさんの出産に貢献してほしいですね」
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▽オールド・ニュース
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リンゴの家のニュースにちなんで、昨年のNLW第160号(2004年7
月27日発行)に掲載したニュースを採録します。
【64歳になったビートル】
先々週のことになりますが、7月7日、リンゴ・スターが64歳になりま
した。
5月にリンゴのバイオグラフィーを出版したビル・ハリーが、リンゴにつ
いて語っています。
「この1年はまさにリンゴ・イヤーだね。10月にはチャリティのために
『ポストカーズ』っていう本を出したしね。それから今度の8月27日に
はアドミラル・グローヴ10番地にあるリンゴが育った家に、真鍮製の
記念プラークがつけられるんだよ。アメリカのオハイオのマーク・ハナ
ンが寄付をしてくれて、リヴァプールのフレッド・オブライエンがデザイ
ンしたものなんだ」
「その除幕を私にやってほしいと言われてるんだが、実に嬉しいよね。
なぜって私はリッチーの―ビートルズたちは彼のことをこう呼んでたも
んだよ―ことが、ずっと大好きだからね」
リンゴは、一番最後にビートルズに加入したために、最初のうちは疎
外感を感じることもあったそうです。
「いつだったか、全国紙がジョンを非難したことがあったな。彼がリン
ゴのことを醜いと言ったとかで」
「そのことについては、ジョン自身から手紙をもらったよ。こう説明して
あった。ファンがひとりひとりの似顔絵を描いて送って来て、リンゴの
だけがほとんど風刺絵みたいだったんだ、と。それでジョンは思わず
『醜いよな?』と言ってしまったんだが、それはその絵のことを言った
だけで、リンゴ本人のことじゃなかったんだよ」
しかし皮肉屋ジョンは、「リンゴはリヴァプールのベスト・ドラマーか?」
という質問を受けた時、こう答えています。
「彼はビートルズのベスト・ドラマーですらないぞ」
ビートルズが初めてアメリカに到着したとき、リンゴは突然、新世界で
は自分が1番人気のビートルであることに気がつきました。そのこと
を、ブライアン・エプスタインはこう表現しています。
「アメリカがリンゴを発見したんだ」
ビルは続けます。
「あの旅では、ビートルズの中でリンゴがいちばんびっくりしたんじゃな
いかな。何しろいきなり、この星でもっとも有名な人間のひとりになっ
てしまったんだからね」
「リンゴはとても貧しい家に生まれて、しかも3歳で父親に見捨てられ
てしまった。それからは母親の愛情を一身に浴びて育てられたんだ
が、ディングルのエンプレス・パブのメイドとしての収入では、生きて行
くのがやっとのことだった」
リンゴは、重い病気に見舞われっぱなしの少年時代を送りました。
3ヶ月も生死の境をさまよい、入院生活は何年にもわたりました。学
校の授業にほとんど出席できなかった彼は、読み書きも満足にできな
い状態でした。
息子の将来を心配したエルシーは、近所に住む若い女性メアリー・マ
グアイヤに頼んで、リンゴに読み書きを教えてもらいました。
ビルの話です。
「背も小さかったし、リンゴの顔はいわゆる『いい顔』っていうわけでは
なかった。あの頃は可愛い顔が流行りだったからね。そのことを、他
の子にからかわれることもよくあったんだ」
「そういった不幸な境遇にもかかわらず、リンゴはグレたりしなかった
し、生来の優しさを失わなかった。彼はコップに半分の状態を見て、
『半分入ってる』と考える人間なんだ。『半分ない』ではなくてね。そして
彼には生まれながらのユーモアのセンスがあった。後にビートルズに
影響を与えることになった、いわゆる『リンゴイズム』だね」
「究極の成り上がりストーリーってことになるね。バラ色の将来なんて
絶対ありえなかったはずの小さな病気の子供が、やがてエリートの仲
間入りをして、可愛い2人の息子とひとりの娘に恵まれ、2度目の結
婚では美しい映画スターのバーバラ・バックを妻にし、モンテ・カルロ
やイングランドやロスアンジェルスに邸宅を構え、さらには彼を尊敬す
るミュージシャンたちと組んだバンドで今も成功しているんだから」
リンゴのセックス・アピールについては、ビルはこう言っています。
「モテるのはあたり前だと思うよ。ルックスが特別良くなくったって、彼
は個性的だし、ユーモアと優しさがある。そういうのが女性にアピール
するんじゃないかな」
「リッチーの内面っていうのは、ほんとにユニークで愛すべき人間なん
だよ。生まれながらにね。彼が愛した女性たちっていうのは、特に
バーバラは、みんなそういうところに惹かれたんだろうね」
(July 24 2004, from NLW No.160)
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▼スカウスハウス・ニュース
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▽今週のフォト&BGM
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こに絡むジョン・マクフィーの雷鳴のようなギター。それはそれは絶妙
なブレンドだったです。キース、ありがとう! (Kaz)
■ NLW ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World
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◇編集 山本 和雄
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