November 8 2005, No.224
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     リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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         *** http://scousehouse.net/ ***        


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼リヴァプール・ニュース <2005年11月2日〜11月4日>
 ▽寄稿:「続・リアルエールのすすめ」
 ▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
―――――――――――――――――――――――――─ NLW □

ソニー・ロリンズのコンサートに行ってきました!
今回が最後の日本公演、つまりフェアウェル・ツアーということなので、
サッカー選手の引退試合のような、和気あいあいというかほのぼのし
たコンサートになるのかなあと思って出かけたのですが…これが、と、
と、とぉ〜んでもない大間違いでした!

ロリンズ先生、御年75歳(!!)とは信じられないくらいに、もう吹くわ
吹くわ吹くわ、他人のソロの順番をかっさらってまで豪快に吹きまくって
おられました。
さすがですね、やっぱり「モダン・ジャズ最後の巨人」です。手抜きなし、
手加減なし、そして容赦なしの、実に痛快なステージでした。

しかし、一瞬の迷いもなく、一音も外さずに繰り出されるそのテナーの
音色が、いささか完璧すぎたのかもしれません。
ロリンズさんのお元気な姿に喜んでいたのもつかの間、あろうことか僕
は、強烈な睡魔に襲われてしまいました。
イカンイカンと必死に我慢しようとするのですが、まぶたは言うことを聞
いてくれません。なんとか根性で半目を開いて、白目をむきながらのロ
リンズ鑑賞となってしまいました。

最後に演奏された「セイント・トーマス」ではさすがに目が覚めました。
やっぱりいちばん聴きたかった曲だし、会場もものすごく盛り上がりま
したからね。
その曲が終わって、寝てしまったことを後悔しつつスタンディング・オー
ベイションに参加していると、おやおや、ロリンズさんが突然、吹き始
めたではありませんか。「セイント・トーマス」を再開したのです。もちろ
んみんな大喜びです。しかしなぜか多くの人たちは座ってしまい、気が
つくとロリンズ先生と僕は、ちょうど向かい合わせになっていました。

あの「サキソフォン・コロッサス」が、10メートルかそこらの至近距離
で、まっすぐこっちを向いて吹いているのです。僕らの間には何の障
害物もありません。

(この先生、もしかして僕のために吹いてくれてるのかも? うっひょ〜
〜っ!)

などと、思わず勘違いしそうになりました。
あるいはロリンズ先生は、さっきまで寝ていた僕の姿をしっかり見てい
て、「寝たらあかんやろ」と諭してくれていたのかもしれませんね、テ
ナー・サックスの演奏で。
まさかとは思いますが…先生、すみません。

ま、とにかく、ちょっと緊張したけれど、無上にシアワセな体験でした。
一瞬一瞬を全身で受け止めて、目に、耳に、焼き付けておこうと思い
ました。

● ● ●

さて、先週に引き続き、下村えりさんにご寄稿いただきました。
バーケンヘッドで開催されたビア・フェスティヴァルのレポートにからめ
て、エールビールのことを紹介してくださっています。
英国のエールは僕も大好きで、滞在中は毎日必ずどこかのパブで飲
むんですけど、もしタイミングよくこんなビア・フェスティヴァルがあった
ら、もうすっ飛んで行くでしょうね、絶対。
日本でも本格的なエールが簡単に飲めるようになるといいなあ…。

このNLWでは、えりさんはもうすっかりビール&フットボール専門のラ
イターですね。本当に感謝感謝です。
以前のこの欄で、「清楚なルックスなのに、大のビール党で、さらには
筋金入りのフットボール・ファンという、とてもユニークな方です」と書い
たのですが、その後の聞き取り調査によると、えりさんはローリング・
ストーンズ・フリークということが判明しました。そしておまけに、納豆が
ないと生きていけない人なんだそうです。
なんだかますますユニークですねえ。面白いです。
納豆がないと生きていけない人がなぜリヴァプールで暮らせているの
かは謎ですが…。

そしてそして! みなさんお待たせしました!!
今週から再び、ミナコさんの「ゴールドフィッシュだより」が泳ぎだしま
す。
ミナコさん、お帰りなさい!
そして誕生日おめでとう!

                           ― Kaz (08/11/2005)


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▼リヴァプール・ニュース <2005年11月2日〜11月4日>
―――――――――――――――――――――――――─ NLW □

*** 11月2日(水) *******************************

【プレミアシップ 05−06】
イングランド・プレミアリーグの結果です。

10月29日にバーミンガムとアウェイで対戦したエヴァトンは、0−1で
勝ち、今季2勝目を挙げました。
ゴール・スコアラーは、サイモン・デイヴィース(43分)でした。
この勝利でエヴァトンのポイントは7となり、最下位を脱して18位に浮
上しています。逆にバーミンガムは、19位に順位を下げました。

監督のデイヴィッド・モイーズは、試合終了後にこう話しています。
「両チームにとって今日は大事なゲームで、そのことはよく分かってい
たから、我々は全力で3ポイントを獲りに行った。相当気合を入れて行
かないと、あれほど攻撃的なチームを倒すことはできないからね」
「我々はアンディ・ファン・デル・メイデとミケル・アルテタを両ウイングに
据え、ティム・ケイヒルとサイモン・デイヴィーズの2枚の攻撃的なミッド
フィルダーを置き、そして前線にダンカン・ファーガソンとジェイムズ・
ビーティーを起用した。勝つためにここにやって来たわけだからね」
「チェルシー戦の後で、チームが自信を取り戻しつつあるという感じは
あるね。気をつけてないと見落としそうなくらいちっちゃな変化だけど」
「まずみんなの声がよく出るようになったし、それがちゃんと聴こえる。
今グラウンドキーパーがピッチを整備しているけど、ああいうのも今ま
では目に入らなかったな。こないだはウチのシェフがケーキを焼いてく
れたりね。そういう小さなことっていうのは、台風の目の中にいるとな
かなか気がつかないものなんだ」
「選手たちには結果が必要だった。今ここで踏ん張るための結果が
ね。チェルシーとの試合が我々にそれをもたらしてくれたと思う。フット
ボールでは、そういう分岐点みたいなものがあるものなんだ」
「今日の我々はバーミンガムを相手に点を取り、それを守り切った。
今シーズンは、これまですべてのゲームで、ゴールを追いかけること
ばかりだった」
「負けるのと勝つのとでは、結果には大きな差がついてしまう。しかし
バーミンガムはすごくいいチームだし、次にホームで当たる時も手強
い相手になるだろう」
「今季ホームでさんざんやられて来た自分たちの姿を見るような感じ
がした。きっと向こうも抜け出すきっかけが必要なんだろうね」
「今日は我々の日だったということだろう。そして我々はそれに相応し
い戦いをした」

同じく29日にウエスト・ハムとホームで対戦したリヴァプールは、2−0
で快勝しました。
ゴール・スコアラーは、シャビ・アロンソ(18分)とボーデミン・ゼンデン
(82分)でした。


*** 11月3日(木) *******************************

【 UEFA チャンピオンズ・リーグ 05−06】
1日、リヴァプールはベルギーのアンデルレヒトとチャンピオンズリー
グ・グループリーグの第4節を戦いました。
アウェイでの対戦では0−1で勝利しているリヴァプール。ホームでの
対戦となった今回は、3−0と圧勝しました。
ゴール・スコアラーは、フェルナンド・モリエンテス(34分)、ルイス・ガ
ルシア(61分)、ジブリル・シセ(89分)でした。

試合後、ラファエル・ベニテス監督はこう話しています。
「とても嬉しいよ。いいプレイが出来たし、3つのゴールを取れた。これ
で3ポイントを追加できたし、かなり自信も取り戻せた」
「まだ予選通過が決まったわけではないし、次のベティスがデンジャラ
スな相手だってこともよく分かっている。だが我々は次のゲームを勝ち
に行くつもりだ」
「モリエンテスにとっては、点を決めることが大事だった。それが我々
にとってもいい結果になったわけだがね。残念なことにフェルナンドは
途中で交代することになったが、それは膝に痛みが出たからなんだ。
とりあえず木曜日の朝まで待って、様子を確認することになる」

この試合でグループリーグでの敗退が決まったアンデルレヒトのフラン
ク・ベルコーテルン監督は、完敗を認めるコメントを残しています。
「強いチームにやられたということだ。現代におけるモダン・フットボー
ルの何たるかをレッスンしてもらったってところかな」
「35分までは試合をさせてもらえてたんだがね。ペナルティのチャンス
もあったし。だが先に点を取られると苦しい」
「リヴァプールのようなチームを相手に先制点を許すと、かなり難しい
戦いになる。前に出れば待ってましたとばかりにスペースを破られてし
まう」
「2点目が入った時点で事態はさらに困難になった。そしてあのレッド・
カード(イェストロビッチが暴言で退場)で絶望的になってしまった」

チャンピオンズ・リーグのグループ・リーグは、あと2試合を残していま
す。
現在リヴァプールは、10ポイントでグループGの首位です。次節のベ
ティス戦に引き分け以上で、決勝トーナメント進出が決まります。


*** 11月4日(金) *******************************

【ホモトピア】
ゲイのフェスティヴァル「ホモトピア」が、リヴァプールで始まりました。
ゲイ、レスビアン、性転換者を祝うこのフェスティヴァル。2回目の開催
となる今年は、3500人以上のヴィジターを集めた昨年よりも、さらに
パワー・アップしたプログラムが用意されています。
フェスティヴァルの主催者は、昨年以上の成功を確信しています。

シティ・カウンシルのリーダー、マイク・ストーリーはこう話しています。
「いろんなコミュニティがあり、それらは等しく受け入れられ、祝福され
るべきです。その意味では、このゲイ・カルチャーのセレブレーション
は、リヴァプールの人々にいい刺激を与えてくれるでしょう。ゲイの人々
にも、ストレートの人々にもね」

ホモトピアのオーガナイザー、ギャリー・エヴァレットはこう話していま
す。
「盛り上がってきてるねえ。参加しに来てくれた人みんなにとってグレイ
トなフェスティヴァルになるよ。ずっとずっと続いたらいいのにな」

フェスティヴァルの開幕セレモニーは、デューク・ストリートのバー「アル
マ・デ・クーバ」で行われ、世界的なパフォーマーやアーティストが駆け
つけました。

11月1日から14日までの2週間、フィルハーモニック・ホール、カーリ
ング・アカデミー、ユニティ・シアターなどを会場に、フィルムやエキシビ
ションやアートワーク、コメディ・ショウやコンサートなど、40以上ものイ
ヴェントが行われます。

FACTでは、この期間中は「リヴァプール・ゲイ・アンド・レスビアン・フィ
ルム・フェスティヴァル」が開催されています。その最初のラインナップ
として、ダーク・ボガード主演の名作『Victim』がリマスター・ヴァージョン
で上映されました。

また、80年代からゲイの人権を訴えるキャンペーンを展開するピー
ター・タッチェルもフェスティヴァルに登場することになっています。

リヴァプールでは現在、「ゲイ・ヴィレッジ」の建設が具体的に検討され
ています。


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▽寄稿:「続・リアルエールのすすめ」
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「続・リアルエールのすすめ」 / 下村 えり (Eri Shimomura)


NLWをご覧の皆様こんにちは!
今日は、川向こうの Birkenhead で行われたビール祭りのレポートを中
心に、NLWの216号「リアルエールのすすめ」にプラスする形でイギリス
のビールについて書かせて頂きます。
ビールファンの皆様、どうぞ最後までお付き合い下さい。


【 バーケンヘッド・ビール祭り 】
Liverpool Central 駅より Merseyrail に乗り、西に2駅行くと、マージー
河の向こう岸のバーケンヘッドという町に着く。
そのバーケンヘッドで、10月20日から22日までの3日間、第11回の
Birkenhead Beer Festival が開かれた。主催はもちろん CAMRA
( Campaign for Real Ale )。

会場は、マージーレイルの Hamilton Square 駅より徒歩4〜5分、旧
路面電車車庫らしき名残りのある Pacific Road Arts Centre だった。
見るからに簡素で、鉄鋼の匂いでもしそうな建物ではあるものの、
ビールを低温で上手くコントロールするにはもってこいの場所だと納
得。

入り口で入場料£3(約620円)を払って、パイント・グラスを受け取る。
十分にビールを楽しんだ暁には、この可愛いグラスはお持ち帰りでき
るという塩梅のようだ。

会場に入ると、中はまるで小学校や中学校の体育館とでもいった感じ
で、中心部にUの字にテーブルが並び、そのサイドにビールの
Cask(樽)が上手に並べられている。カスクはアルファベット順に並ん
でいて、訪れた人たちがすぐ判るようにと、醸造会社のロゴが天井か
ら吊り下げられてある。

フェスティバル自体は、いかにお金をかけずに成功させるかということ
が良く考えられている。
雰囲気やシチュエーションには全く色気は無いが、その合理的なとこ
ろには、ある意味感心させられてしまう。いかにもイギリス人らしいやり
方なのだ。
もちろんこのフェスティバルも、「ビールサポーター」とも言える、ボラン
ティアの人たちの手によって開催されていた。

さて肝心のビールだが、このフェスティバルには、ヨークシャー・エリア
を中心に、イギリス各地より約75の醸造会社の選りすぐりのエールが
大切に運びこまれていた。
それに加え、今回は特別に世界で名高いベルギー・ビールのコーナー
も設けられ、訪れたビールファンを惹きつけていた。

プログラムを見て、お好みのビール樽の前にパイントグラスを持って
並ぶ。
受付であらかじめ買っておいたクーポン券を係りに渡すと、そのビー
ルの分をマジックで上手に消してくれる。

殆どのビールは、カスクからダイレクトに注がれる。これは、生きた
ビールをなるべく空気に触れさせずに注ぐ最高の手段だという。
しかしローカルのビール Cains だけは特別にコーナーが設けられてお
り、そこではビールはポンプ式でサーブされていた。「スワンネック」と
言われる曲がった注ぎ口のものもあった(写真参照)。

グラスにはハーフパイントのメジャーが付いているが、大抵はそのライ
ンより多く注がれる。
そしてもし納得しない味だったり、ビールが古くなってると自己判断した
場合は、係りに持ち寄ると殆どの場合は取り替えてくれる。

日本だと、お酒には必ずと言って良い程おつまみが必要なのだが、一
般にイギリスでは、お酒はお酒のみで楽しむのが普通のようだ。
しかしもちろん、すきっ腹でお酒を飲むのは体に良いものでは無い。そ
のせいか、お腹を空かせた人の為に、ここでも簡単なスナック等(ク
レープ、チップス=フライドポテト、ホットドッグ等)が用意してあった。
イギリス人に言わせると、「おつまみを食べるとおつまみに邪魔されて
ビールの味がよくわからなくなる」のだそうだ。それだけ「ビールそのも
のに味や個性がある」ということなのではないだろうか。


【 ビール&エールの種類 】
私の試したエールを紹介する前に、ビールの種類について簡単にお
話したい。
前回のNLW216号「リアルエールのすすめ」でエールとラガーの違いを
説明したと思うが、リアルエールのなかにも、さらに数種類のエールが
存在する。
エールタイプのビールの特徴は、そのフルーティーな香り。
これは人工的に香料などを加えたわけではなく、ビールを発酵させる
時の温度調節(18度〜22度)により、発酵成分として発生したエステル
化合物によるものだ。
また、一般的なエール酵母は、数日の間に力強く発酵し、ラガーよりも
短い期間(1〜2週間)で飲めるようになる。

イギリスのビールは、ラガーを除くと、ビター、マイルド、ペールエール、
ブラウンエール、ポーター、スタウトと、大きくはこの6つで構成される。
それぞれの特徴を挙げてみよう。

《 ビター 》
 ビターには数千もの異なる種類が存在し、特定の味を表現する事は
 不可能に近い。色はゴールデンブラウンで、使われているホップのタ
 イプと質によって、ほんのり滑らかな味にもなり、苦味のある爽やか
 な味にもなる。(アルコール度数:3.7〜5.5度)

《 マイルド 》
 その名の通りで、大人しく優しい味ではあるが、濃度は高い。マイル
 ドと言う名の由来は、ビターに比べてホップの量が少ないことから「マ
 イルドな味」と呼ばれたのが語源らしい。アルコール度が少ないもの
 が比較的多い。(アルコール度数:3〜4度)

《 ペールエール 》
 その名の通り淡い色合いで、発祥はイングランドのミッドランズ地方
 に位置するバートンという所らしい。そのため「バートンエール」とも
 呼ばれている。この地域の水が多くのミネラルを多く含んでいる事に
 より、個性的な味を作っている。酸味があり、苦味感が強いタイプが
 目に付く。

《 ブラウンエール 》
 茶色(赤茶色)のエールで、一般にほのかな甘みや香り(ナッツをか
 じった時の香ばしい味とでも言えるだろうか)が楽しめる。(アルコー
 ル度数:3〜5度)

《 ポーター 》
 黒ビールのライト版。スタウト程の苦味は無く、マイルドな感触と深み
 のある味わいが特徴。

《 スタウト 》
 黒ビールのキング。アイルランドのギネスが最も良く知られている。
 高い温度で焙煎されたモルトが使われており、ダークな苦味でインパ
 クトのある味わい。スタウトによってはアルコール度の濃い物もあり、
 それらの多くは甘みも醸し出す。(アルコール度数:4〜8度位まで)

それぞれに味わい深いのだが、今私が個人的にすごく凝っているの
は、スタウトとポーター。あのダークな苦味感と深みのある味わい、そ
してローストされたモルトの味や香りがたまらない。

飲み方の順序としては、ビールフェスティバルを訪れた人は大抵、ア
ルコール度の低いもの(マイルド等)からチャレンジし、徐々にアル
コール度の濃いものや、ビールの個性の強いものを後に持っていく、
というスタイルだ。
いわば、お寿司屋さんで、最初は白身魚で大トロは後に、という感覚と
同じようなものだろうか。


【 エールのお味 】
今回私がチャレンジしたエールは、全部で5種類。
簡単に説明すると…。

Matins (3.6%)
 醸造会社:Abbeydale
 場所:Sheffield(South Yorkshire)
 とても淡色、フレッシュなホップの苦味が心地よい。良いスタート。

Black Gold(3.7%)
 醸造会社:Copper Dragon
 場所:Skipton(West Yorkshire)
 ダークでリッチな味! ローストされたモルトが醸しだす、ダークチョ
 コレート味とでも言おうか、なかなかの良いチョイス。

Beyond The Pale(4.2%)
 醸造会社:Eastwood & Sanders
 場所:Elland(West Yorkshire)
 ペール・ゴールデンビターで、舌に残る爽やかなシトラスフレーバー
 が特徴。ドライでホップの利いた後味。

Cordelia's Gift(4.3%)
 醸造会社:Abbey Bells
 場所:Selby(North Yorkshire)
 淡色とチョコレート色のモルトを掛け合わせて作ってあるビール。
 ダークで微妙に甘く、フルーティーなテイスト。

Golden Salamander(4.5%)
 醸造会社:Salamander
 場所:Bradford(West Yorkshire)
 ゴールデンビター(名前の通りゴールデンカラー)、ドライでホップの
 苦味があるのだが、シトラスの風味と香りでとても後味が良い。私の
 「Today's No.1」チョイス!


味わったビールは、全体的に丁度よい温度に保たれており、良好な品
質で高鮮度のビールが味わえたのは本当に嬉しかった。
次にマージーサイドで開催されるローカルビール祭りが待ち遠しい。

最後に、この記事をお読みの女性の方へ。
ビールは「美容にもすこぶる良い」そうで、ホップの中には、女性ホル
モンを活発化するフィトエストロゲンが多く含まれているとこのと。
そう聞くと安心してぐいぐい飲める、かも…?

(おわり)


(この原稿に関連する写真は、ウェブサイトの「NLW フォト・アルバム」
ページに掲載しています。
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo224.htm )


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▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ウエダミナコ
             〜 Goldfish Liverpool Update / minako ueda 〜

  ― 連載第28回 / 「ごぶさたリヴァプール!」 ― 

みなさんこんにちは!
数週間お休みをいただき、11月2日にリヴァに戻りました。統計的にも
晴れの多い日本をわざわざ離れる価値があるのかと考えさせられる
ようなグズついた天気の続くリヴァプールですが、思ったよりも暖かい
ので少しホッとしています。

今回はKLMでアムス経由のマンチェスター入りだったので飛行時間が
短い上に、映画やゲームが充実しててとても快適だったのですが、空
港からリヴァプールまでの電車に遅延やキャンセルが続出したせいで
駅で足止めをくらい、その間ゴスの兄ちゃんがプラットフォームでしゃ
がんで叩く、ヘッポコドラムを聴きながらひたすら電車を待ち、3時間
半かかってリヴァ入りしました。まあこれくらい待たされたくらいのほう
が着いたときのありがたみもひとしおといえば、そうも言えますが。。。
着いて一番最初に食べた、ベジタリアンソーセージ、ビーンズ&チップ
スの旨かったこと。。。

到着して翌日、早速久びさのリヴァプールの街を散策しました。
ボールド・ストリートやチャーチ・ストリートには、クリスマス・イルミネー
ションが飾られ、Big Dig と呼ばれる道路の舗装工事もかなり進んでい
るようでした。
たったの6週間の間に、新しいお店や建物ができていて、かつてのリ
ヴァプールではあり得ないほどの猛スピードで変化をとげる勢いを感
じます。

まずは、Wood Street と Seel Street の間にできた「 Korova 」。お茶
も飲めて、食事もできて、お酒も飲めて、ライブやクラブも楽しめる新
スポット。朝お茶をして、早速もらったクレヨン付きの誕生日カードにぬ
り絵をしてました。
ちなみにローカルのエレクトロポップ・バンド、Ladytron のダニーさん
もお茶をしてましたよ。

 < Korova >
  52-54 Wood Street, Liverpool
  Tel: 0151 709 7097
  ホームページ: http://www.korova-liverpool.com

その日は夕方に、「 Cornerstone Gallery 」で Arthur Roberts というリ
ヴァプールの抽象画アーティストのオープニングがありました。
うかつにも時差ボケと、その前にどこかで飲んだ赤ワインが回ってめ
まいがしたので、座って休憩しながら作品を眺めていました。情けな
い。。。

その後は本当はまっすぐ帰りたかったのですが、誕生日を祝ってくれ
るという友人たちに引きずられて、ちょっとがんばって「 Everyman
Bistro 」に流れました。まぶたを開けるので必死でしたが楽しい誕生日
を過ごすことができました。

金曜日、夕方に、Victoria Street の「 Patrick's Bar 」で、ドイツ人フォト
グラファー Ben Zuhlcke の写真展。これは 11月1日から2週間にわ
たって行われている『 Homotopia( http://www.homotopia.net )』 とい
うゲイ・フェスティバルの一環。
'Wildelife' というテーマは、同性愛で投獄されたオスカー・ワイルドの
名前からとったものですが、ゲイの人々の社会の中にいる昼間の日
常の顔と、本来ありたい姿をそれぞれ写し出したもので、被写体の意
思をなるたけ汲みいれて撮影したとのことです。

そのあと駆け足でホープ・ストリートまで上がり、「 68 Hope Street 」で
行われた Sue Milburn の個展のオープニングをキャッチ。
17号でも一度紹介したことのあるアーティストで、今回は普段の Sue
のアブストラクトの作品を展示。
友人の Martin と写ってる写真がイアンのブログに載せられてしまいま
した。恥ずかし。。。
http://www.artinliverpool.com/blogarch/2005/11/sue_milburn_at.html  

「 68 Hope Street 」はジョン・レノンの通っていたアート・スクールだっ
たことで有名な建物で、現在は、Liverpool John Moore University の
敷地になっていますが、近い将来売りに出されるという話がささやか
れています。
目先のお金になるような高級マンションとかショッピングセンターのよ
うなつまらない建物に取って代わられることがなく、文化的な施設とし
て残ることを祈りたいと思います。
LIPAあたりが買ったりしてくれたらいいのになんて思ったりしますが、
どうなるのでしょうか・・・。

高級マンションといえば、デイリーポストで、いやーな記事を見ました。
以前、13号で紹介した「 3345 」のあるパー・ストリート・スタジオ を閉
鎖して、高級マンションを建設?! というお話。
パー・ストリート・スタジオは、Cold Play, Gomez, Charlatans, Embrace
などのアルバムを生み出し、またその他にも、New Order, Pulp,
Teenage Fanclub, Snow Patrol や、リヴァプール出身のバンド Echo &
The Bunnymen, Cast, Dead 60's などもレコーディングを行ったスタジ
オです。
以前、中を見せてもらったことがあるのですが、大小各種のスタジオと
宿泊施設も備えた、地方都市では最大のレコーディングスタジオ。
今回の記事で初めて知ったのですが、ここはフィル・コリンズをはじめ
とする、ジェネシスのメンバーが所有するスタジオだったんですね。

2008年の Capital of Culture に向けて、再開発が進み、地価が高騰
するなか、多くの文化施設や小規模なビジネスが立ち退きや閉鎖を余
儀なくされ、マンションの建設ばかりが目につくのは今はじまったこと
ではありませんが、さすがにこのスタジオの閉鎖に関しては、多くの地
元の人々がスタジオの存続を望んでいるようなので、どうにか食い止
められることを期待したいところです。

そして、「 68 Hope Street 」の後は、「 52 Roscoe Street 」という新し
いギャラリーで展覧会のオープニングとバンドの演奏などがあると聞
いたので、ちょろっと顔を出しましたが、寒さと時差ボケに勝てず、退
散。
車をスペースシップに改造したオブジェの脇に、「宇宙飛行士志願申
込書」なるものに人々が好き勝手に自己PRを書き入れてられたもの
が面白かったです。

土曜日はボン・ファイアー・ナイト。
アルバート・ドックと、セフトン・パークで花火が行われていましたが、
天気も悪く、人込みも凄そうだったのでやめて、Rodney Street にある
「 Museum MAN 」でベルリンのアーティストの展覧会のオープニング
があったので、そっちに行くことにしました。
「 Museum MAN 」は、こちらも17号の「眺めのあるギャラリーから」でご
紹介しましたが、遠目にマージー川が見下ろせて、そこから花火も見
れたので、ちょっと得した気分。

日曜日は、昼間にホープ・ストリートをぶらつきました。
LIPAの近くのスーツケースのオブジェがないっ?! 
こちらも Big Dig の最中で、路面を舗装しなおしている間、どこかかに
かくまわれているようです。今後どんな風に生まれかわるのかが楽し
みですね。

夕方は「 Egg Cafe 」にて、こちらも『 Homotopia 』のイベントのひとつ
で、David Hoyleによる『 Alternative Sunday School 』というワンマン・
パフォーマンス。
きゅうりのサンドイッチとスコーンでもてなされ、なぜかポール・アンカを
BGMに、ダンス、ライブペインティング、ロビー・ファウラーの本の朗読
など、お客も巻き込んだ、盛りだくさんのハプニング・ショーでした。
私とイアンもライブペインティングの餌食になって、これから2週間この
絵も「 Egg Cafe 」で飾られるとのことです。。。。

とりあえず今週のアップデートはこんなところでしょうか。
それではまた来週!

ウエダミナコ


(この連載に関連する写真は、ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュ
だより」ページに掲載しています。
http://scousehouse.net/magazine/goldfish28_photo.htm )


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▽スカウスハウス・ニュース
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*** 新カテゴリー「フットボール」 ******

ウェブサイトのメニュー欄に、新たに「フットボール」というカテゴリーを
作りました。
フットボール観戦チケット手配などのサーヴィスをご案内する「スタジア
ムへ行こう!」と、CL決勝戦当日のリヴァプールの様子を伝える「CL
ファイナル」の2ページです。今後もフットボール関連のページを増やし
て行きます。
http://scousehouse.net/football/stadium.htm
http://scousehouse.net/football/cl_final.htm


*** フットボール・チケット予約 ******

「スカウス・ハウス」では、リヴァプールFCおよびエヴァトンFCの、ホー
ムゲーム観戦チケットの予約を承っています。観戦をご希望の方に
は、詳細をご案内いたします。希望カード&必要枚数にお名前を添え
て、info@scousehouse.net までお問い合わせください。


*** 語学留学生募集中 ******

「スカウス・ハウス」では、リヴァプールへの語学留学をサポートしてい
ます。
最短で1週間の短期留学から長期留学、夏期休暇コース、さらには最
近人気のホームステイ留学など、幅広く対応しています。
詳細については、ウェブサイトの「語学留学案内」ページをご覧くださ
い。
http://scousehouse.net/study/index.htm


*** ビートルズ・ガイドツアー ******

「スカウス・ハウス」では、リヴァプール&ロンドンのビートルズゆかりの
地を訪ねるガイドツアーをアレンジします。
ガイドはもちろん現地在住の日本人。レギュラー・ツアーのほか、
ちょっとマニアックなツアーも用意しています。また、ご希望により、プ
ライヴェート・ツアーのアレンジも承ります。
ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/beatles/info.htm


*** 原稿募集中 ******

「リヴァプール・ニュース」では、読者のみなさんからの投稿を募集して
います。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、ある
いは英国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▼今週のフォト
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*** 今週の「ゴールドフィッシュ」フォト ******

特派員ミナコさんから、今週のレポートにちなんだ素敵な写真が届い
ています。
ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュだより」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/magazine/goldfish28_photo.htm


*** 今週のフォト・アルバム ******

今週の「NLW フォト・アルバム」ページには、下村えりさんの「続・リア
ルエールのすすめ」にちなんだ写真を掲載しています。もちろんすべ
ての写真が、えりさんの撮影によるものです。
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo224.htm 


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     リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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□■ 第224号 ■□

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