January 24 2006, No.235
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     リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼リヴァプール・ニュース <2006年1月18日〜1月19日>
 ▽寄稿:「 Football の旅」
 ▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
―――――――――――――――――――――――――─ NLW □

今週は、下村えりさんの「 Football の旅」第5回をお届けします。
土曜日の午後に行われた、エヴァトン対アーセナルのレポートを書い
ていただいたのですが、執筆には実質1日か1日半くらいしかなかった
はずなのに、いつもどおりの濃い〜い内容です。もちろん、アーセナル
の歴史解説つき。さすがえりさんです。

ミナコさんの特派員レポートも快調です。相変わらず大忙しの毎日の
ようですね。リヴァプールの街を走り回るミナコさんの姿が目に浮かぶ
ようです。

なんだかこのごろは、すっかりこのお2人におんぶにだっこの感のあ
るNLWですが、そろそろ僕も来週あたり、何か書こうと思っています。
あ、「何か」じゃないですよね。そうでした、まずはほったらかしにしてい
る連載「利物浦日記」を完成させないといけません。もう半年も前のこ
となのでかなり記憶は曖昧になっておりますが、がんばって思い出して
書こうと思います。

それから、先月にスタートした『交換エッセイ「旅で出会ったイギリス〜
勝手によもやま話」』ですが、earlybird さんのご事情により、しばらくお
休みすることになりました。楽しみにしてくださっていたみなさん、ごめ
んなさい。近い将来の再開を僕も楽しみにしています。

                           ― Kaz (24/01/2006)


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▼リヴァプール・ニュース <2006年1月18日〜1月19日>
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*** 1月18日(水) *******************************

【プレミアシップ 05−06】
イングランド・プレミアリーグの結果です。

リヴァプールは14日、トテナムをホームに迎え、58分にハリー・
キューウェルが決めたスーパー・ボレーシュートにより、1−0で勝ちま
した。

試合終了後のラファエル・ベニテス監督の話です。
「たったひとつのゴールで勝とうとするなら、まさにああいうゴールが理
想というもんだね」
「KOPの目の前であんなゴールを決めれられて、ハリーにとっては良
かったと思う。この1,2シーズン苦労してるから余計にね」
「確かに、彼がなかなか調子を取り戻せないことでがっかりしたことは
何度もある。しかし彼には、ウチのチームにとっていかに重要な存在
であるかをきちんと話してある。今日みたいなプレイを続けてくれれば、
彼はウチの左サイドを特別なエリアにしてくれるはずだよ」
「今じゃあ痛みもなくトレーニングできるまでになっているようだし。最
近のパフォーマンスを見ても、完全復活への手ごたえを、彼自身も感
じているはずだよ」

スパーズのマーティン・ジョル監督も、キューウェルのゴールには脱帽
です。
「あのゴールはどうしようもないよ。我々はハードに動いたし、いいプレ
イができていた。前半でピーター・クラウチに渡ったワンチャンスを除
けば、ほとんど問題らしい問題はなかったんだがね」
「前線でもう少しうまくやれたかなとは思う。特に後半開始直後のキー
ンの決定的なチャンス。あれが決まっていれば、結果は違っていただ
ろう」
「今日は我々の日になるかなという気はしていたんだがね。あれだけ
いいプレイができて、あれだけ優勢に戦えていたわけだから」
「しかしハリー・キューウェルにすべてひっくり返されてしまった。スペ
シャルなゴールがきれいに決まってしまった。ああいうのはどうしよう
もないよ」
「かなりのポゼッションを取ることができただけでなく、我々はかなりの
時間、観衆を黙らせたんだ。このアンフィールドでね。アロンソを黙ら
せ、ジェラードにも彼らしい仕事をさせなかった。しっかり準備してハー
ドに戦った証だ。しかしキューウェルのあんなアンビリーヴァブルな
ショットは、どうにも防ぎようがないよ」

同じく14日、エヴァトンはポーツマスとアウェイで対戦し、0−1で勝ち
ました。
ゴール・スコアラーは、レオン・オズマン(31分)でした。

試合後のデイヴィッド・モイーズ監督の話です。
「去年もここで勝った(同じく0−1)けど、また今年も再現できたわけ
だ。これでプレミア・リーグでは3連勝だね」
「選手たちはほんとうによくやってくれているよ。ダービーでの敗戦か
ら、かなり立ち直れたと思う」
「今日はゲームをコントロールすることができたと思う。特に後半はね。
1,2回いいチャンスがあった。ああいうのはきっちり決めておかない
とね」
「ジョセフ・ヨボは素晴らしかったね。それにフェラーリやオズマンやキ
ルバーンや、まだまだ挙げたいところだけど、とにかくみんなが素晴ら
しい連携を見せてくれたね」

15日現在のリーグ順位は、リヴァプールが44ポイントで3位、エヴァト
ンが26ポイントで14位です。


*** 1月19日(金) *******************************

【FAカップ3回戦】
エヴァトンは18日、リーグ・チャンピオンシップ(2部相当)のミル
ウォールとのFAカップ3回戦の再試合をホーム、グッディソン・パーク
で行いました。
結果は1−0の勝利。04年までミルウォールでプレイしたティム・ケイ
ヒルが72分に決勝ゴールを決め、エヴァトンの4回戦進出が決まりま
した。

2試合を通じて、格上の相手をあと一歩のところまで追い詰めたミル
ウォール。試合後のデイヴィッド・タトル監督は、選手たちを称賛しまし
た。
「うちの選手たちは実力の110%を出し切った。全員が自分の役割を
果たしてくれたね。センターハーフの2人は特に良かったと思う」
「あの1点は悔しいね。ウチが前がかりになったところを素早く切り返
され、ケイヒルに裏を取られてゴールにつながってしまった」
「我々は、プレミアシップの強豪エヴァトンに堂々と渡り合えた。それ
は自信にはなるだろうけど、そのことについてべらべらしゃべるよりも、
次の試合に勝つことに切り替えて行くべきだろうね」

エヴァトンの4回戦の相手はチェルシーです。試合は今月28日、エ
ヴァトンのホーム、グッディソン・パークで行われます。


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▽寄稿:「 Football の旅」
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「 Football の旅」

 〜Vol.5 Premiership - Everton VS Arsenal,
      at Goodison Park, 21.01. 2006 / 下村 えり(Eri Shimomura)


【 まえがき 】
年を越えても、イングランドのフットボールは、緊密したスケジュールの
中での熱戦が続いています。
FAカップも4thラウンドを迎え、お馴染みの顔ぶれとなるチームが揃い
始めているし、カーリング・カップはすでにセミファイナルまで到達。次
の試合が心待ちなフットボールファン多いことでしょう。
そしてメインのプレミアリーグでは、断突でトップを走るチェルシーに手
が届くか届かないか微妙なポイントで2,3位のマンチェスターUTDとリ
バプールが後を追う。
2部リーグへの降格圏を抜け出す争いも、じわじわと下位チームに圧
力をかけだしています。
いろいろな意味で見所が多く、緊迫した争いが繰り広げられるこれか
らの数ヶ月(5月まで)は、イングランドのフットボールのカレンダーでも
特に面白い時期といえるでしょう。


【 Goodison Park 】
心地よい小春日和に恵まれた1月21日土曜日、グディソンパークへ
やってきた。
今日は地元エバトンと、ロンドン北部のチーム、アーセナルとの試合
である。

「グディソンに来る日は何時も良いお天気! どうも私とグディソンの
愛称は良さそうだな〜」
と、変な満足感にかられながら、グディソンパーク周辺商店街で時間
をつぶす。
馴染みのチッピー( Fish & Chips 屋さん)に入ると、凄い Kew(待ち
列)。試合の時間は気になるものの、めげずにジーっと順番を待つ。
やはり食欲は何物にも変えられない。
他のヨーロッパと比べると地味な印象のあるイギリスの食文化ではあ
るが、このビネガーのタップリ効いたチップスは何処のヨーロッパに
行っても味わえない美味しさがあると私は思う。
何といっても、寒いこのシーズン背中を丸めてフットボールを観戦する
のに、チップスとミルクティーは欠かせないパートナーではないだろう
か。

今日のグディソンも、大入りの3万7千人が入った。
シーズン初めのエバトンは絶不調で、最下位に低迷してファンを心配
させていたが、現在は12位まで浮上している。最近のエバトンは4連
勝、すっかり自信を取り戻したようで、積極的なフットボールで観る者
を魅了している。
昨年の成績・4位はまず不可能だとしても、モイーズ監督の意地のみ
せどころだろう。

一方のアーセナルだが、現在5位。2000年前後の黄金時代と比べて
はいけないのだろうが、今ひとつチームの連帯感が感じられない。
個人的には私はアンチアーセナルで、あの独特のチームカラーと強い
連帯感が嫌いだった。
2000年前後はマンチェスター・Utd の大敵とも言われ、あの頃アーセ
ナルとのマッチでは何時も白熱した乱戦が待っていたのだ。

しかし中盤のゲームメーカーであり、チームリーダーでもあったパトリッ
ク・ビエラがリアル・マドリッドへ移籍した昨年あたりから、どうもチーム
のカラーが変わった。良いか悪いかは別として、チームの雰囲気が柔
らかくなったのだ。
確かに、ビエラの不在は響いている。特にゲームワークにおいては彼
の損失は大で、言い換えるとベッカムを失ったばかりのマンUとでも言
おうか、前線と後方のコミュニケーションをクリエートする者が居なく
なった。アーセナルの中盤で彼が果たしていた役割は、チームが想
像していた以上に大きかったと言えるだろう。

しかし先週末のプレミアリーグ(14/01/06)、ホーム・Highbury でのミド
ズブラ戦では、7−0と圧倒的な強さをみせた。
新しいチームリーダー 、Thierry Henrry(ティエリー・アンリ)が作り出す
新生アーセナルに、新たな期待が掛けられそうだ。


【 Arsenal FCの歴史 】
ここで、アーセナルFCの歴史について触れてみたい。
アーセナルFCは、スコットランド人のデイビット・ダンスキンにより、
1886年にロンドン南東の Woolwich(ウリッチ)に創立された。最初のク
ラブ名は、Dial Square(ダイアル・スクエア)だった。
5年後、元々このウリッチに兵器工場があった事から、兵器工場を意
味する 'Arsenal' と 'Woolwich' を組み合わせ、クラブ名を Woolwich
Arsenal と改称する。Arsenal のニックネームであるガナーズ(大砲)は
ここから来たものである。
ホームでの最初の試合は、対 Eastern Wanderers(11.12.1886)戦で、
6−0の勝利と記録にある。

現在の本拠地である、北ロンドンの Highbury(ハイバリー)に移ったの
は1913年の事。そこで名前から 'Woolwich' を取り、現在の 'Arsenal'
に落ち着くことになった。

第一次世界大戦後、イングランド・リーグ First Division のチームが
22と増えたことで、アーセナルもファースト・ディビジョンへ昇格。
1930年代へ入ると、Herbert Chapman 監督の元で一気に強豪チーム
へ変貌し、FAカップで2度、リーグでも5度の優勝を飾る。

第二次世界大戦後は、2度のリーグ優勝と1度のFAカップ優勝を遂
げた後で一時低迷するが、1970-71シーズンには Bertie Mee 監督の
元、FAカップとリーグ、ダブルでの優勝を達成する。

1987年〜1993年までは George Graham が監督に就き、未だ馴染み
深い Ian Wright(FW)や Tony Adams(DF)らが活躍を果たし、2度の
リーグタイトルとFAカップ優勝を成し遂げた。この頃のアーセナルは現
在のチェルシーと比べられる程、完璧なディフェンスと素晴らしい攻撃
力の両方を評価されていた。


【 アーセン・ベンゲル監督 】
そして1996年より、現在の監督であるフランス人のアーセン・ベンゲル
が就任。彼はアーセナル初の外国人(Great Britain 外)の監督で、そ
れまでのアーセナルとは全く違ったスタイルのフットボールをチームに
もたらした。

現役時代の彼はディフェンダーで、フランスのクラブ、ストラスブールで
活躍したらしい。監督としては、ナンシー、モナコ、そして名古屋グラン
パスを経た後で、アーセナルに招かれている。

監督としてベンゲルは、特に攻撃面における組織的で規律のあるプレ
イと、若手選手の育成に定評が高い。
アーセナル就任後のベンゲルは、1997-98、2001-02シーズンと2度の
ダブル優勝(リーグ&FAカップ)をはじめ、2002-03シーズンのFAカッ
プ優勝、2003-04シーズンのリーグ優勝&コミュニティー・シールド優
勝と続く。特に2003-04シーズンのリーグ優勝は、38試合中26勝12
分と見事な成績を残し、リーグとして115年ぶりの無敗優勝を達成する
快挙をあげている。

今季は100年近く馴染みのある Highbury Stadium での最後のシーズ
ンで、ファンにとっては少しセンチメンタルな思いも残る。来シーズンか
らは、4年前び建設が始まった新しいスタジアムが、カウントダウン状
態でファンを、選手らを待ち受けている。


【 アンリ(Thierry Henry) 】
普段はあまり一人の選手を持ち上げて書く事は無いのだが、今回は
特別。どうしても彼については触れておきたい。またまた私情をはさん
でしまいそうだが、彼は私のNo.1フットボラーなんだ。
もちろん、アーセナルにとっても無くては成らない存在で、色々な移籍
の噂はあったものの、1月8日にアーセナル残留を表明、アーセナル
ファンだけではなく、イギリスのフットボールファンをも喜ばせた。
 
イギリスのタブロイド Sun 紙によるとバルセローナ行きを噂されていた
彼だが、「皆が勝ってに噂しているだけで、一切その様な関係者とは
会ってない。アーセナルを愛している。それが一番の理由でこのクラ
ブに留まると心に決めた」と断固とした美しい表現で、アーセナルとの
契約を更新した。

アンリは、ベンゲル監督がアーセナル就任後(99年8月)にユベント
スから引き抜いた選手だ。ベンゲルは、左ウイングのMFだったアンリ
を説き伏せて、センターFWストライカーに変身させた。
ポジションを変えられたせいか、デビュー当初は上手くプレー出来ず、
彼の名前を知る者も少なかったと思う。が、努力家のアンリはみるみ
る内に実力をつけ、着実に実績を残して行った。今季はついに、アー
セナルでの通算ゴール数でイアン・ライトの持っていた185点を抜き、
クラブ記録を更新中である。

アスレチックな俊足を生かし、素晴らしいテクニックでの柔軟かつ繊細
な彼のプレースタイルは、観る者を楽しませてくれる。
プレーヤーとしてだけではなく、人間性にも信頼を置かれる彼は、今
シーズンからは新キャプテンに任命された。新スタジアムでのプレーも
楽しみにしているという彼自身、愛するチームへの意欲がみなぎって
いる。 


【 試合開始 】
試合はスカイマッチ(サテライトTVの中継)のため、通常の15時キッ
クオフではなく、12時45分という中途半端な時間に始まった。

4連勝中のエバトンは最初から勢い良く攻めてくる。
しかし、最初のターゲットアタックはアーセナルだった。
11分、アーセナルDF Kerra Gilbert の右後方から左前方へのパスを
MF Fredrik Ljungberg が受け、ダイナミックなシュート。続けてFWの
Reyes がエバトンサイドを襲うが、DF Tony Hibbert とGK Nigel Martin
の見事なカバーでアーセナルの先制点を阻んだ。

その直後の13分、エバトンMF Tim Cahill がボールを前方に向け高く
蹴り上げる。アーセナルDF Philippe Senderos と肩がぶつかり合いな
がらも、エバトンFW James Beattie はボールを上手くコントロール。
DF Sol Cambell もかわした彼は、淡々とボールを蹴ってゴールを決め
る。1−0。Beattie の今シーズン6つ目のゴールである。

アーセナルも同点に追いつこうと、キャプテンFW Thierry Henry が持
ち前のフットワークでボールをコントロールし、フリックしてMF
Francesc Fabregas へパス。しかし Fabregas のシュートは思ったより
ボールに力がなく、GK Martin がセーブ。

1−0とリードを取ったにもかかわらず、エバトンは攻撃の手を緩める
どころか、更にゴールへの闘志を見せる。
25分、Fabregas からのGK Lehmann への安易なバックパスを上手く
ひろった Beattie が勢いよくシュート。右サイドに大きく反れる。エバト
ンはリードを広げる絶好のチャンスを失った。

しかし Beattie のゴールミスを引きずる事もなく、エバトンはアーセナ
ルの不安定な守備やパスワークを大きく揺さぶる。
そしてハーフタイム直前にエバトン2点目! …かと思いきや、オフサ
イドの旗が挙がる。ゴールを取り消されたのは Beattie 。

後半に入ると、アーセナルも試合の流れを変えようと反撃。
Henry のシュートや、FW Jose Reyes のフリーキックを上手くあわせた
Campbell のヘディング・シュートが続くが、ゴールを反れて得点には結
びつかない。

前半に比べ弱まってはいるものの、エバトンの攻撃は続く。コーナー
キックが Cambell を超え、追いついた Cahill がシュートを放つが、僅
かに外れる。

Beattie がアーセナルの守備のギャップを見逃さず、くい込んでいく。
Beattie のパスを受けた Cahill がストレートのシュートを放つが、
Lehmann がセーブ。

ゲームも90分をまわった頃(エクストラタイム)、アーセナルのストレス
に火がついた。
得点に結びつかない歯がゆさもあったのだろうが、Cahill(オーストラリ
ア代表)の執拗なファール絡みのアタック(後方からの蹴りやスライ
ディング等)にキレた Fabregas が、いきなり Cahill に近寄って首元を
掴み、揺する。キャプテン Henry があわてて駆け寄り二人を引き離す
が、レフリーの目の前で起きたアクシデント。レフリーは二人を呼び、
Fabregas はレッドカードで退場、前々よりレフに注意されていた Cahill
にはイエローカードが渡された。

結果、1−0でエバトンが5連勝を飾り、アーセナルはアウェーゲーム
での連敗が6となった。
全体からみて、アーセナルサイドはディフェンス・エラーにミッドフィール
ドとの連携の乱れが重なり、そこに流れに乗ったエバトンが上手く食い
込んで行くという展開だった。勝利の女神は、展開どおりトフィーズに
微笑んだようだ。

(おわり)


<マッチ・データ>

 Premiership 05-06 Everton Vs Arsenal
           21 Jan 2006, Kick off: 12:45, Full Time Score: 1 - 0

                Everton      Arsenal
 ゴール             1(Beattie:13)  0
 ターゲットショット       2          2
 コーナーキック        5          6
 ファール           19          18
 オフサイド           4          3
 イエローカード        4          2
 レッドカード          0          1
 ポゼション          46%       54%
 
 Team Line-ups:
  Everton
   Starting: Nigel Martyn, Tony Hibbert, Matteo Ferrari, David Weir,
    Jorge Nuno Valente, Philip Neville, Leon Osman, Mikel Arteta,
    Kevin Kilbane, Tim Cahill, James Beattie
   Subs: Richard Wright, Gary Naysmith, Alan Stubbs,
    Duncan Ferguson, James McFadden 

  Arsenal
   Starting: Jens Lehmann, Kerrea Gilbert, Sol Campbell,
    Philippe Senderos, Lauren, Fredrik Ljungberg, Gilberto,
    Francesc Fabregas, Robert Pires, Thierry Henry, Jose Reyes
   Subs: Manuel Almunia, Johan Djourou, Vassiriki Diaby,
    Alexander Hleb, Mathieu Flamini

 Attendance: 36,920


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▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ウエダミナコ
             〜 Goldfish Liverpool Update / minako ueda 〜

  ― 連載第37回 / 「ファンキー・チキンとクリスチャン 」 ― 

こんにちは。
今週のアタマより、新しいハリウッド映画、"Across the Universe" の
撮影がリヴァプール近郊で行なわれていたようです。1960年を舞台に、
リヴァプール出身の青年が実父をさがしにアメリカへ旅をするミュージ
カル映画で、ビートルズの曲の多くがそのシーンとシンクロナイズされ
ているということです。

金曜日にマシュー・ストリートで撮影があるとの噂があったのですが私
が通りかかったときは何もなかったので、現場をおさえることはできま
せんでした。スミマセン。。。とにかく上映が楽しみです!
そういえば友達がドッカー役でエキストラで参加したみたいなので、そ
れも個人的には見のがせません。


今週は、まず火曜日に Hope Place にあるインディペンデント・シア
ター、Unity Theatre での George Lund による "Utopian Colours" 展。
そうです、第3号でご紹介した、あのファンキーチキン・ジョージさんで
す。過去の作品から新しい作品までを展示しています。
執筆中のストーリー『アニマル・ユートピア』に登場する動物たちが平
和でハーモニーの中で暮らしている様子が作品の中にも登場します。
ヴィヴィッドな色使いのなかにもどこか繊細さが見えかくれしています。

写真は、"Unity Utopia" の作品と一緒に撮ったジョージです。そうい
えば、ファンキーチキンの格好をしたジョージはまだお見せしたことが
なかったですよね。ホームページにパフォーマンスの写真が掲載され
てますので見てみてください。

URLは http://www.lundart.co.uk です。
メールも大歓迎とのことですのでメッセージを送ってください!
Eメール: georgelund@merseymail.com

この展覧会は2月25日まで続きます。

 < Unity Theatre(ユニティー・シアター)>
  1 Hope Place, Liverpool L1 9BG
  電話番号: 0151-709-6502
  ホームページ: http://www.unitytheatreliverpool.co.uk   


木曜日。FACT にてドイツとニューヨークを拠点とするアーティスト、
Christian Jankowski の "Everything Fell Together" 展。
オープニングの前に、第34号でご紹介したショップ&ギャラリー
Microzine にて、アーティスト著の本のサイン会があったので行ってみ
ると、ちょうど Christian とリヴァプールの Broad Green High School の
先生が Tシャツを掲げて写真撮影していたので私もついでに一枚撮ら
せていただきました。

このクリスチャン・ナントカさん、彼の苗字を発音できないのは日本人
だけではないようで、地元のリヴァプールの人達も苦闘したとのこと。
これを逆手にとって、Christian は、Broad Green High School の生徒
に自分の苗字を聞こえたとおりに綴ってもらい、おもしろかったスペリ
ングを選んで、Tシャツとバッジにしてしまいました。

 ― Christian "Yank Housie" ―

この時点で、彼のユーモアのセンスから、すでに期待できるものがあり
ました。

場所をFACTに移して、会場をまわりました。主に映像、写真が中心な
のですが、そんな中で木の小屋があるので何かと思ったら、なぜかカ
ラオケボックス! この "The Day We Met" という作品は、韓国のカラ
オケビデオ制作会社と共同でビデオクリップをつくり、Christian 自ら出
演しています。私も近々友達を巻き込んで歌いにいこうと思ってます。

その他、映画『タイタニック』や『デイ・アフター・トゥモロー』などの特撮
を手掛けた The Brother Strause とのコラボレーション作品、"16mm
Mystery" の英国プレミア公開。
そして個人的におもしろかったのが、"This I Played Tomorrow" と
"This I Played Tomorrow (casting)" の2部作。イタリアのハリウッドと
呼ばれるチネチッタで、映画館から出てきた一般のお客さんをつかま
えて、もし映画にでるとしたらどんな役を演じたいかをインタビュー。後
ろを振り返ると別のスクリーンには、インタビューを受けた人達が実際
に映画のなかで役を演じているというもの。

そして、"Director Poodle" 。スーパー8で撮影された無声フィルム。魔
術師がハンブルグの美術館のディレクターに魔法をかけるとプードル
に変身! ギャラリー内を駆けずり回ってボールで戯れたあと、魔法
がとけてもとの姿に戻されたディレクターは何ごともなかったように素
でいつもの仕事に戻るというもの。小動物に弱い私にはたまりません
でした。遊び心とパフォーマンス性とハプニングにあふれたこの展覧
会は、3月19日まで続きます。

 < FACT(ファクト)>
  88 Wood Street, Liverpool L1 4DQ
  電話番号: 0151-707-4450
  ホームページ: http://www.fact.co.uk


アフターパーティーが 3345 でありました。ちなみにDJは 元 Icicle
Works の Ian McNabb 。ニューウェーブやグラムロックなんかを混ぜた
選曲で結構盛り上がっていました。私は小一時間いただけだったので
すが、翌日疲れた顔をした Christian にばったり会ったら、パーティー
は朝の4時まで続いたそうです。。。

3345 といえば、本体の Parr Street Studio の続報。
第28号で、スタジオと 3345が閉鎖? というニュースをお伝えしまし
た。
1月初旬には「あと2か月で閉鎖!」という絶望的な噂が囁かれ、これ
は日本からも署名を集めなきゃ?! と思ってましたが、このところ、
もしかして存続できる可能性がでてきているともきいているともきいて
います。噂のレベルなので何ともいえませんが、ホームページにも、
「閉鎖はしません、2006年の予約受付中!」と書いてあるので、それを
信じましょう。
ホームページ: http://www.parrstreet.co.uk

今週のホープ・ストリートです。フィルハーモニックホールの前でも Big
Dig が始まりました。スーツケースの姿はまだ見えません。

それではまた来週!

ウエダミナコ

追伸:
そういえば、日曜日に、第14号でお伝えした、パラダイス・ストリートの
駐車場が取り壊されました。Real Playerで見れます。(右の Watch the
demolition をクリックしてください。)
http://www.bbc.co.uk/liverpool/content/image_galleries/paradise_carpark_gallery.shtml


(この連載に関連する写真は、ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュ
だより」ページに掲載しています。
http://scousehouse.net/magazine/goldfish37_photo.htm )


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▽スカウスハウス・ニュース
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*** 新リンクサイトのお知らせ ******

ウェブサイトの「リンク集−日本語サイト」ページに、新たに以下の2つ
のサイトを追加しました。

『せチこのもぎたて! アート見聞録』
 アート・ライター 薔薇門せチこ、こと木谷節子さんが運営するアート
 展覧会情報&レビューサイトです。
 http://jet.rocket3.net

『イギリス文化館』
 旅の情報から生活・文化・アートまで幅広く紹介するイギリス情報サ
 イトです。
 http://www.7uk.net


*** フットボール・チケット手配 ******

「スカウス・ハウス」では、リヴァプールFCおよびエヴァトンFCの、ホー
ムゲーム観戦チケットの手配を承っています。詳細は、ウェブサイトの
「スタジアムへ行こう!」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/football/stadium.htm


*** 語学留学生募集中 ******

「スカウス・ハウス」では、リヴァプールへの語学留学をサポートしてい
ます。
最短で1週間の短期留学から長期留学、夏期休暇コース、さらには最
近人気のホームステイ留学など、幅広く対応しています。
詳細については、ウェブサイトの「語学留学案内」ページをご覧くださ
い。
http://scousehouse.net/study/index.htm


*** ビートルズ・ガイドツアー ******

「スカウス・ハウス」では、リヴァプール&ロンドンのビートルズゆかりの
地を訪ねるガイドツアーをアレンジします。
ガイドはもちろん現地在住の日本人。レギュラー・ツアーのほか、
ちょっとマニアックなツアーも用意しています。また、ご希望により、プ
ライヴェート・ツアーのアレンジも承ります。
ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/beatles/info.htm


*** 原稿募集中 ******

「リヴァプール・ニュース」では、読者のみなさんからの投稿を募集して
います。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、ある
いは英国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▼今週のフォト
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*** 今週の「ゴールドフィッシュ」フォト ******

今週も、ミナコさんから素敵な写真が届いています。
ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュだより」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/magazine/goldfish37_photo.htm


*** 今週のフォト・アルバム ******

「ゴールドフィッシュ」以外の原稿にちなんだ写真は、「NLW フォト・アル
バム」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo235.htm 


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□■ 第235号 ■□

 ◆発行 SCOUSE HOUSE (スカウス・ハウス)
 ◇編集 山本 和雄
 ◆ウェブサイト http://scousehouse.net/
 ◇Eメール info@scousehouse.net

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