July 18 2006, No.259
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     リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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         *** http://scousehouse.net/ ***        


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼リヴァプール・ニュース <2006年7月14日>
 ▽寄稿:W杯観戦記「ドイツに行ってきました!」
 ▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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我が家にかわいい子猫がやって来ました。
といっても、ネコが自発的に「こんにちは」と訪ねて来たわけではなくて
(あたり前だ)、僕が連れて帰ったんですけど…。

土曜日の朝、がりがりに痩せた子猫が、道端でぐったりしているところ
に出くわしたんです。
朝とはいえ強烈な日差しの下で、日向でのびているものだから、最初
は死んでいるのだと思いました。でも僕が絶句しながら通り過ぎようと
すると、むくっと顔を上げたのです。
びっくりして近づいてみると、そこでまた絶句です。病気で目をやられ
てしまっているのです。かわいそうに、両目とも腫れてただれて、つぶ
れたようになっているのです。まったく見えていないようでした。もちろ
ん、にゃーにゃーと鳴く元気もありません。

知らない土地だったので、周りの人に尋ねて、動物病院に連れて行き
ました。
先生によると、目はウィルス性のネコの病気で、自然治癒は無理。治
療をすれば、完治は無理だけどたぶん片目は見えるようになるだろう
ということでした。
他には目だって悪そうなところはなくて、先生がエサをやるとむしゃむ
しゃ食べました。こりゃ意外にたくましいかもと思って、少しほっとしまし
た。

この猫の伝染病、わりにポピュラーな病気だそうです。まず目をやら
れて、次に鼻まで利かなくなると、もう自力でご飯は食べられない。そ
うやって死んでいくノラ猫はたくさんいるという話でした。
生後1ヶ月くらいの小さなネコが、たったひとりで、目の見えない状態
で、よく生きていたものだと思います。

そういうわけで、今日で4日ほど一緒に過ごしているわけですが、これ
がまあ、手や顔を近づけると思いっきり甘えてくるし、次の日には自分
の名前も覚えるしで、ものすっごくかわいいんです。
幸運にも注射とか薬とかが効いて、目の腫れもずいぶんと小さくなりま
した。その日のうちに両目は開くようになって、翌日の午後くらいから
は片目はうっすらと見えだしたようなんです。3日目の昨日からは、ぼ
ちぼちと歩き出しました。

そして今日、念のために近所の動物病院で診てもらいました。
まだ腫れている右目は、見えるようになるかどうかは今の時点ではわ
からないとのことでした。
快復しつつある左目も、たぶん治りだしてからツメで引っ掻いたせいで
角膜に傷がついていると言われました。これ以上引っ掻いて傷が拡が
ると失明してしまうということで、先生が、その場でレントゲンフィルムを
丸く切り取って、特製のエリザベスカラーをつくってくれました。
エリザベスカラーというのは、手や足から顔を守るために首につける
円錐状のガードで、わかりやすく言うとメガホンみたいなものです。
首にメガホン、じゃなかったエリザベスカラーを巻くと、普通は嫌がって
かなり暴れるそうですが、ラテちゃんはわりと平気みたいです。今も僕
のとなりで、ぐーぐーいびきをかいています。

ラテちゃん…そうです、この子猫の名前は「ラテ」にしました。
最初うちの妻が、毛の色から「カプチーノ」っていう名前をつけたんです
けど、僕が「カプチーノォ? カプちゃんかあ。ちょっと呼びにくいじゃ
ん。それにわしはカプチーノよりはカフェラテの方が好きなんじゃけど」
と言ったら、そのままなんとなく「ラテ」になってしまったのです。

「ラテちゃんはラテちゃんで呼びにくいんだけどなー」と思っていたもの
の、次の日になって「あっ」と気がつきました。
ラテを見つけたとき、僕がイヤホンで聴いてた音楽が、キューバのホ
セ・ルイス・コルテスのアルバム『ラテン・フィーヴァー』だったのです。

ラテ・ン・フィーヴァーです。
そうです。ちゃあんと最初から「ラテ」が入ってたんですよね。面白いで
すよね。

…というわけで、来週以降も時々「ラテ話」が登場するかもしれません。
どうぞお楽しみに!?

● ● ●

さて、NLW No.254で予告したマイキーさんのW杯観戦記が、いよいよ
今週からスタートします。
マイキーさんには、ドイツに行く前の、まずはチケット入手のところから
詳しく綴ってもらうことにしました。予想に違わず、面白いストーリーに
なっています。

思えば前回、「ユーロ2004」の観戦記を、マイキーさんはこんな文章で
締めくくっています。

 有り余るほどのいいプレーや目で見てきたものは何物にも変え
 られないとてもいい思い出になりました。
 「だからやめられないですよね!」と現地であった日本人の人たちも
 言ってましたよ!
 そして、最後はみんな、「次はドイツでね!」って(笑)。

まるでドイツ行きを予告していたみたいですよね。
ご本人は半分以上冗談のつもりだったみたいですが、マイキーさんを
よく知る人たちのほとんどは、「そりゃまあ行くだろうな」と思っていたこ
とでしょう。もちろん僕もそうでした。

きっと2年後、2008年のヨーロッパ選手権でも観戦記を書いていただ
けるような気がするんですけどね。
どうですかね、マイキーさん??

                           ― Kaz (18/07/2006)


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▼リヴァプール・ニュース <2006年7月14日>
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*** 7月14日(金) *******************************

【サー・ポールの最初のギター】
サー・ポール・マッカートニーが生まれて初めてコードを鳴らした正真
正銘のギターが、まもなくオークションにかけられます。
そのギターの所有者はポールではなく、ポールのリヴァプール・インス
ティテュート時代の同級生で親友だった、イアン・ジェイムズ氏です。年
齢はもちろん、ポールと同じ64歳です。

ジェイムズ氏は、この REX のアコースティック・ギターを、長年オーム
スカークの自宅のロフトにある箪笥の一番上に大切に保管していまし
た。しかし、老後の生活のためにと、今回オークションに出品すること
を決意したのです。

このギターには、ポール本人による証明書が付けられています。
「ここにある、僕の昔の級友であるイアン・ジェイムズ所有のギターは、
僕が生まれて初めて手にしたギターなのです」
「これはまた、リヴァプール8区のエルスウィッチ・ストリート43番の彼
の家で、彼に教えてもらいながら僕が初めてコードを鳴らしたギターで
もあるのです」

イアン・ジェイムズ氏は、こう話しています。
「ポールが音楽の道に進むのに、少しは手助けできたんじゃないかっ
て思ってるんだ」
「このギターは、私が12か13のときに祖父が買ってくれたものなんだ。
いくらしたのか、はっきりとは知らない。でもポンドまで行かなくて、何シ
リングかだったのは確かだな」
「ポールと私は、よくつるんで遊んでたんだ。学校帰りに私の家に寄る
こともしばしばだった。2人ともロックン・ロールに興味を持っていたか
ら、それじゃあってことで、彼にいくつかのコードを弾いてみせたりした
んだよ」

1957年の7月6日、15歳になったばかりのポール少年は、セイント・
ピーターズ教会のホールで、クォリーメンとして出演していたジョン・レ
ノンと出会います。
「何か弾いてみな」とジョンに言われてポールは "20 Flight Rock" など
の曲を弾き、歌いました。ポールがたくさんのコードや正確な歌詞を
知っていることに驚いたジョンは、後日クォリーメンにポールを誘いま
す。
この出会いがなければ、ビートルズは誕生していなかったかもしれま
せん。

ジョンと出会った時のことを、サー・ポールはかつてこう語っています。
「あそこで彼(ジョン)の知らなかったコードをいくつか弾いてみせたん
だ。まさにイアン・ジェイムズに習ったやつをね。その日はそれで帰っ
たんだけど、やったぞって気分だったね。いいところを見せられたから
ね」

ジェイムズ氏は、当時をこう振り返っています。
「その頃にはもうポールは自分のギターを持っていた。私も自分のを
持って行った。自分たちもあそこのホールでプレイさせてもらえるって
思ってたんだ。でも司教さんに君らはダメだよって言われてしまってね」
「それで私たちは近所のカフェに行った。さっきのことでちょとうんざり
してたから、私はそこでおいとましたんだが、他の連中は後でまたホー
ルに戻って、演奏したんだろうね。というわけで、これがまあ、私が
ビートルズのメンバーの座にいちばん近づいた瞬間ってことになるか
な」

現在のポピュラー・ミュージックの歴史を作ったともいえるこのギター
は、保存状態もかなり良く、10万〜15万ポンド(2100万〜3200万
円)の値がつくと予想されています。

"Music Legends" と題され、200点以上ものメモラビリアが出品される
このオークションは、今月28日、ロンドンのアビーロード・スタジオで行
われます。主催するのは、エンターテイメントや音楽専門のオークショ
ナー、Cooper Owen です。


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▽寄稿:W杯観戦記「ドイツに行ってきました!」
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W杯観戦記「ドイツに行ってきました!」 / マイキー

  ― 第1回 / 「イントロダクション 〜チケットゲットのお話〜 」 ― 

ご無沙汰してます!
サッカーの祭典があるとこのNLWにひょこっと顔を出すマイキーと申し
ます。どぞ、よろしくお願いいたします。

今回のサッカーワールドカップも観に行くことが出来たので、観戦記な
どよろしければ見てやって下さいませ。

♪ ♪ ♪ 

ワールドカップは、4年前の日韓大会の時、あの衝撃の(!?)「韓国
vsイタリア」を観てかなりのパンチを戴いて、「もうイイヤ」と言うか「もう
観れないだろなぁー」とも思ってました、正直。

ところが!
なんとなく成り行きのような形で今回のドイツ大会も行く事になってし
まったから自分でもビックリです。
最初はチケットも入手困難ということで、いつも一緒に行く私のサッ
カー観戦の「師匠」も、どうしたものかと悩んでいました。

FIFAのインターネットのチケットの販売の2次だったか3次だったか、
今年に入ってまだ組み合わせも出場国も分からない時に1ゲームだけ
抽選に当たってはいましたが…そのゲームが「ウクライナvsチュニジ
ア」と判った時も「うーーーん」ってな事を。。。

そして4月になって、「そろそろ飛行機だけでも手配しないと後でたい
へん」との師匠の決断で、とりあえず飛行機のチケットを予約しました。

開幕は2006/6/09。
あと1ヶ月とちょっと。この時点で、私の手元には1枚の観戦チケットと
航空券。。。

私の方は「まあそれでも」という気持ちだったのですが、しかし、そのま
ま手をこまねいている我が師匠ではありませんでした。
準備と予習が完璧でないと絶対ダメな師匠は、まずチケットは無くても
ホテル探しを始めだし。。。

そうこうするうちになんと、5月に入ってFIFAの公式HPでチケットの大
売り出しが始まったのです!
しかしこれがすべて外国語(5ヶ国語)で、Windowsオンリーの対応。。。

「外国語もダメやしMacやし」と、私なんかはあきらめるしか無かったの
ですが…ここからがまた師匠の出番! 三日三晩寝ずに(!)トライし
てコツをつかみ(普通はあきらめると思うんですが…)、あれよあれよと
お宝チケットをゲットしていったのでした。

「ポルトガルvsメキシコ」!
「スウェーデンvsイングランド」!!
そして…
「日本vsブラジル」!!!

すげーーーーーーっ! ながれるいしーーーーー! と、もうあたくし
にはそれしか言えなかったさ。。。
(現地でもいっぱい聞かれたよ! どーやって取ったの?? って)

師匠の大活躍を喜びながらも、わたしゃおこぼれにあずかるだけで
どーせなんも出来ないし…とすねてたら…ちゃあんと活躍の機会が
やって参りました!
といっても私の場合、何かを一生懸命がんばったというわけではなく…
普通にしてたら舞い込んできたのです、チケットが(!?)。

話せば長くなるので手短に説明しますと…2年前にサッカー欧州選手
権に向ったポルトガルの空港であたくしちょっとした捕物帳事件に遭遇
しまして。。。。。

「キャッシュカード盗まれる→警察現れる→一緒に空港警察署へ→つ
いたら犯人がお縄状態(ここまでの所要時間7、8分)→カードもお金も
戻る(警察署内滞在時間2時間…)」

それで、その時にたまたまそばに付いていてくれた日本人男性がいて、
それ以降はメールを1、2度交換した位で音信不通だったのですが、
5月の初旬ひょっこりと私のお店に現れまして(驚笑)。
来ただけでビックリだったのですが、ワールドカップのチケットもたくさ
んゲットしていて(!)…しかもあまらせてる(!!)。
彼の余りチケットは、私たちの観戦日と重なってたので、それならばと
後日、チケット交換システムを利用して「フランスvs韓国」を私たちの為
に用意してくれまして。。。

結局、私何もしてない???………よね。すんません。
でもね、Kazさんにも言われたけど、私の人生(大袈裟?)っていつもこ
んな感じなんです。
私の取り柄と云えば人との繋がり(?)と云うのか、出会いが事を運ん
でるので、これはこれで私らしいっちゃらしいのですよ(すみません言
い訳っすね。。。)

と、こうしてワールドカップ5試合分のチケットをゲットしてドイツに向う
わけでございますが、、、、さてさて。

(つづく)


(この連載に関連する写真を、ウェブサイトの今週の「NLW フォト・アル
バム」ページに掲載しています。どうぞご覧ください。
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo259.htm 


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▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

  ― 第55回 / 「 ゴーゴー・リヴァプール!」 ― 

ここ2週間のリヴァプールは、いろいろありました。
先週のあたまに、2008年 "European Capital of Culture" の仕掛け人
となっている、Culture Company のアーティスティック・ディレクター、ロ
ビン・アーチャーが辞任しました。これは自己都合なのか、クビだった
のかといったゴシップや、代わりは立てるのか、今後の2008年までの
文化事業はどうなるのかなど、この話題で持ちきりです。
ロビンさんのようなダイナミックなカリスマ性のある指導者がいなくなっ
たのは残念ですが、同時に、オーディエンス層を無視したイベントプラ
ニングと、外国からのインプットばかりで、リヴァプールのもつ独自の
文化色が生かされていないという批判の声も高かったので、今後バラ
ンスのいい企画がなされることを願います。
でもアーティスティック・ディレクターのいないイベント企画なんて船頭の
いない船?! ちょっと心配です。。。

グッドニュースが2つ♪
毎年ロンドンのテート・ブリテンにてイギリスの現代アートに顕著な活動
をし貢献したアーティストに贈られるターナー賞の授賞式が、来年2007
年にテート・リヴァプールで行われることが決定しました!

ターナー賞は、単なるアートのコンペの域を超えていて、2003年の女
装男性陶芸アーティスト、グレイソン・ペリー(テート・リヴァプールにも
作品が展示されています)や、有名なところでは、1995年のデミアン・
ハーストの牛のホルマリン漬けのオブジェなどセンセーショナルな作品
が取り上げられています。
授賞式には著名人やセレブまで出席し、その模様はテレビでゴールデ
ンタイムに放映されるほど、イギリス国民の注目度の高い重要なイベ
ントです。これがロンドン以外の場所で行われるのは史上初、しかもリ
ヴァプールで、というからスゴイことですね。
そのほかにも、複数の大型イベントの候補地にリヴァプールが選ばれ
ているそうなので、その辺も期待したいところです。

そして2つ目のグッドニュースは、高級アパートに取って変わられるか
もしれない?! という危機にさらされていた 'Parr Street Studios' が
存続することが金曜日に確定しました!
6月の中旬に、建物のオーナーであるジェネシスのチャリティー団体
'The Genesis Pension Fund' から全テナントに対して立退き通告が出さ
れ、今月いっぱいで閉鎖になってしまうと誰もが諦めモードで、来週の
土曜日にはさよならパーティーまで企画されていたところでしたので、
驚きのニュースでした。

これはひとえに救世主である地元の起業家 Gary Millar とミュージシャ
ンの Steve MacFarlane 、そして '3345' の経営者でありミュージシャン
の Thomas Lang の粘り強い交渉と、市、地元の政治家、メディア、銀
行、テナント、そして民間の声援があってかなったものです。
今後は、Gary Millar がCEO、そしてディレクターに Steve MacFarlane 、
Thomas Lang で運営されます。

33-45 Parr Street のこの建物には、レコーディングスタジオ、バー
'3345' 、エコー&ザ・バニーメンの事務所 'Porcupine Music' 、コールド
プレイの事務所 'Oxygen Music' 、デザイン事務所 'Plast-c' 、ボーカ
ルトレーニングの 'Sense of Sound' 、それに宿泊施設があり、これら
がすべて救われたことになります。

このスタジオは、イギリス地方都市最大のレコーディングスタジオで、こ
れまで Coldplay, Embrace, Charlatans, Badly Drawn Boy, Echo & The
Bunnymen, The Zutons などのブリットポップバンドから Diana Ross な
どの大御所まで、多くのミュージシャンが作品を生み、同時にリヴァ
プールの音楽シーンを支えてきました。

本当にタイミングのいいことに、この決定が下された金曜日に 'Domino
Gallery' (グリーンフィッシュカフェ)のギャラリーオープニングに行った
ら、'Parr Street Studios' レスキューチーム3人組みのうちの2人、
Gary Millar 氏と Steve MacFarlane 氏が現れました! 
展覧会のアーティストそっちのけで、みんなで祝杯をあげました。
(写真は、左が Steve MacFalane 、右が Gary Millar です)

Gary さんもこの日にこのような出来事が起こるとは考えてもいなかっ
たらしいです。
「普段はちゃんとスーツ着てるのに、こんなカジュアルな格好をしてると
きに限って呼び出されて、契約を結んで、そのあとシャンペンで乾杯し
てるところを新聞社に撮られて困ったよ!」とぼやきながらも、嬉しそう
でした。
Gary さんは本当にフレンドリーで、熱意があって、ビジョンを持った頼
もしい人という印象を受けました。

Garyさんいわく、
「この場所を救わなければと思ったのは、ただ単に過去の栄光への感
傷ではなく、将来の The Coral や The Zutons などを生み出す場所を
失うことは音楽業界にとって大きなロスであると考えたから」
そして、
「このスタジオは、バイオリンでいうストラデヴァリウスみたいで、サウン
ドマン達にとって、"あ、コレだ!" とピンとくるクオリティーを持ってい
る」
とも言っていました。

今後のプランについては、「 'Parr Street Studios' にゆかりのある
ミュージシャンに声をかけて、ミュージック・フェスティバルを行うこと、コ
ンピレーション・アルバムとか作れたらいいよね。それと、宿泊施設は
改装して拡大して、名前は、'Zsleep Hotel & Studios' って決めてるん
だ。ちなみに最初の文字は、zzzzz....のZだよ。フューチャリステックで
カッコいい内装にして、部分的にカプセルホテルみたいにするのも面
白いよね! あとはアートギャラリースペースももちろん作るよ。音楽
だけじゃなくて、総合的なクリエイティブなセンターを目指しているんだ」
と言っていました。
ホテルは本当に楽しみです。ビートルズにちなんだ 'Hard Days Night
Hotel' もできますし、リヴァプールに音楽をテーマにしたホテルが増え
て楽しみですね。
今後の展開については、また追ってレポートします!


そのほか今週は、月曜日に Seel Street にある、'The Liverpool
Academy of Arts' で、このギャラリーのオーナーでもある、June
Lornie による "Lewis Carrol's Wonderland" 展が行われました。
オープニングには、不思議の国のアリスの登場キャラクターに身をま
とった June とその仲間達が来る人たちを出迎え、ステージにはティー
パーティーのシーンにでてくるテーブルまでセッティングされてました。
June は元ファッションデザイナーということもあり、その衣装の出来は
半端ではありません! あ、ちなみにこの展覧会に、ビートルズ元マ
ネージャーの Allan Williams 氏も来てましたよ(酔っ払ってましたけど)。

この展覧会では、彼女の絵画のほか、'Daresbury Lewis Carroll
Society' の好意で不思議な国のアリスに関連する資料、オブジェなど
が展示されています。
この展覧会は、7月28日まで。

The Liverpool Academy of Arts といえば、毎年恒例のビートルズをモ
チーフにした、"Come Together" 展。
今年は、8月15日〜9月15日まで行われます。ビートルウィークの期間
に滞在されている方は是非立ち寄ってみてください。去年の "Come
Together" 展の作品は、こちらから見られます。
http://www.la-art.co.uk/Exhibtions/E094.shtml

 < The Liverpool Academy of Arts >
  住所:1st Floor, 36 Seel Street, Liverpool
  電話番号: 0151 709 0735
  営業時間:月〜金 午後0時〜5時
  ホームページ: http://www.la-art.co.uk 


水曜日は、リヴァプールから電車で20分ほどのところにあるセント・へ
レンズに行ってきました。
St. Helens Central 駅から歩いて3分のところにある '5athegallery' で
開かれていた、地元のアーティストによるオープンコンペ展が、この土
曜日で終了するのであわてて見に行きました。
リヴァプールに比べて小さな街ですが、絵画、オブジェ、ガラスなど多
様性のあるいい作品が揃っていました。

メインのギャラリースペースの隣には、21歳という若さで亡くなった5人
目のビートルズ、スチュアート・サトクリフに捧げられた常設展がありま
す。これは、セント・へレンズに住む スチュアート・サトクリフの妹、
ポーリーン・サトクリフの協力で 2003年に開設したものです。
ここでは、彼の作品のレプリカを販売しています。
(ホームページには現在アップされていませんが、メールで問い合わせ
をすれば購入可能です。 info@5athegallery.co.uk)

 < 5athegallery >
  住所:Bickerstaffe Street, Cultural Quarter, St Helens,
                            Merseyside, WA10 1DH
  電話番号: 01744 20466
  営業時間:火曜〜土曜 午前10時〜午後6時
  ホームページ: http://www.5athegallery.co.uk 


セント・へレンズまで来て、これだけというのもサミシイので、そのほか
に2つほど。
数年前にたまーに通ったレコ屋があります。Kaleidoscope Records 。
たまーにとってもレアな掘り出し物が安く見つかったりするので油断
できません。

 < Kaleidoscope Records >
  住所:30 Westfield Street, St Helens, WA10 1QF
  電話番号: 01744 454190
  ホームページ: http://www.krecords.com 


そして、St. Helens といえば、ガラスの街。こないだ日本板硝子に買収
された、ピルキントン社の本拠地で、ここには、'The World of Glass
Museum' というガラスの博物館があります。是非足を伸ばしてみてくだ
さい!

 < The World of Glass Museum >
  住所:Chalon Way East, St.Helens, Merseyside, WA10 1BX
  ホットライン: 08700 11 44 66
  ホームページ: http://www.worldofglass.com 
  入場料:一般大人5.30ポンド


土曜日。天気が素晴らしかったにもかかわらず、午後をインドアで過ご
しました。St. Georges Hall の2階のコンサートホールで、"Daydream"
という映画の撮影に、エキストラとして参加しました。この映画は、
'Made in Liverpool' をテーマにした映画祭の一環で、リヴァプール・バ
イエニアルの期間中に上映されます。

撮影は、ロックコンサートのリハーサルを観るという3分ほどのシーン
でしたが、3時間くらいかかってようやくOKが出ました。

コンサートホールは最近内装を新たにしたところで、金と白を基調に、
きらきらとしたシャンデリアがゴージャスなデコレーション。これだけで
も見に来る価値ありでした!


【今週の Ye Cracke】

食事は6時までなので、午後5時40分に滑り込んでご飯を食べようと
思ったら、「キッチン、閉めちゃったんだよ!」といわれ、退散。。。
また今週も食いっぱぐれてしまいました。。。


来週は、20日から23日までマンチェスターで行われる、"Futuresonic
2006" という電子音楽&アートのフェスティバルに行ってきます。
ですのでひょっとしてマンチェスターだよりになるかもしれません!

また来週!

ミナコ・ジャクソン♪


(この連載に関連する写真は、ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュ
だより」ページに掲載しています。
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish55_photo.htm )


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▽スカウスハウス・ニュース
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*** スカウスハウス・ツアー2006 ******

スケジュール&オプションの内容がほぼ決定です。今年も思いっきり
充実したツアーになりそうです。募集締め切りまであと少し。お申し込
み・お問い合わせはどうぞお早めに。ぜひぜひリヴァプールでお会いし
ましょう!
http://scousehouse.net/beatles/scousetour2006.htm


*** 語学留学生募集中 ******

リヴァプールへの語学留学をサポートしています。
詳細については、ウェブサイトの「語学留学案内」ページをご覧くださ
い。
http://scousehouse.net/study/index.htm


*** ビートルズ・ガイドツアー ******

リヴァプール&ロンドンのビートルズゆかりの地を訪ねるガイドツアー
をアレンジしています。
ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/beatles/info.htm
http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm


*** 原稿募集中 ******

「リヴァプール・ニュース」では、読者のみなさんからの投稿を募集して
います。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、ある
いは英国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▼今週のフォト
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*** 今週の「ゴールドフィッシュ」フォト ******

今週も、ミナコさんから素敵な写真が届いています。
ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュだより」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish55_photo.htm


*** 今週のフォト・アルバム ******

「ゴールドフィッシュ」以外の原稿にちなんだ写真は、「NLW フォト・アル
バム」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo259.htm 


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□■ 第259号 ■□

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 ◇編集 山本和雄 & ミナコ・ジャクソン
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