September 12 2006, No.264
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     リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼リヴァプール・ニュース <2006年9月10日>
 ▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
 ▼スカウスハウス・ニュース
 ▽今週のフォト


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▽フロム・エディター
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リヴァプールから帰ってきました。
恒例の "International Beatle Week" 観光パッケージ『スカウスハウス・
ツアー2006』は、無事に終了しました。ご参加くださったみなさん、バン
ドのみなさん、ありがとうございました&お疲れさまでした。おかげさま
で、今年も最高に楽しくてエキサイティングなツアーになりました。心よ
り感謝いたします!

今年の「ビートル・ウィーク」、すんごく、すんごくよかったですよ。
格式と伝統のあるエンパイア・シアターで、ビッグネームをラインナップ
に並べたコンサートを3夜にわたって開催したのは、実に画期的なこと
でした。サーチャーズ、無茶苦茶カッコよかったです。
恒例の「ビートルズ・コンヴェンション」は、今年はなんと午前10時半か
らスタートし、朝から大盛況。ドノヴァンのサイン会にはあっという間に
長蛇の列が出来上がてしまって、僕は早々にあきらめました。

同時開催される「マシュー・ストリート・フェスティヴァル」も、観衆の動員
記録をさらに更新しました。なんと35万人です。あっちに行ってもこっ
ちに行っても人がうじゃうじゃ、インドアの会場には人がぎっしり、です。
リヴァプール・フィルやジェリー&ペースメーカーズ、それから僕はよく
わからないんだけど最近の人気バンド(ミナコさんが今週の「ゴールド
フィッシュだより」でレポートしてくれています)がたくさん登場して、そ
りゃもうえらい盛り上がりようで、ちっちゃなお子さんからお年寄りまで、
みいんなほんとうに幸せそうでした。
毎年思うんですけど、「マシュー・ストリート・フェスティヴァル」の最終日
ほどカラフルでハッピーでピースなアトモスフィアって、他ではなかなか
体験できないんじゃないかと思います。8月の最終月曜のリヴァプール
にしかない、ブリリアントなアトモスフィアです。

それから…そうそう、そうです!
今年「スカウス・ハウス」は、「リッキー廣田&ザ・ミッシェル」をフェス
ティヴァルのパフォーマーとしてエントリーし、現地コーディネートを担当
したのです。
日本のビートルズ・トリビュート・バンドにとって伝説的存在であるリッ
キーさん、そして自由奔放なリッキーさんをがっちり受け止めてサポー
トするザ・ミッシェルの2人。いやあ素晴らしかったです。予想に違わぬ
ハイ・センス、ハイ・クォリティの演奏で会場を沸かせてくれました。

現地での様子の一部は、つい先日にNHK BS1の情報番組で報道され
たので、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんね。ちなみに僕
も映ってたんですよ。バンドがキャヴァーン・クラブに入って行くシーン
で、リッキーさんたちを先導していたのが僕です…といっても、ほんの
2秒ほどだから、きっと誰も分からないだろうなあ…親戚にも「出てな
かったんちゃう?」と言われてしまったし…。

えー、というわけで、帰ってきて1週間が経ちました。
実はいまだに疲労でぐったりする毎日です。時差ボケもまだしぶとく
残っております。
まああれだけ連日走り回ったりしゃべり続けたり呑み続けたりしてたら
しょうがないかなー、と自分では思っています。
ツアーにご参加いただいた方や、現地で知り合ったりお世話になった
方々からたくさんメールをいただいているのですが、なかなかスムーズ
に返事ができておりません。この場を借りて、お詫びいたします。でき
るだけ早く返事しますので、もう少しだけお待ちくださいませ。すみませ
ん!

できれば来週あたりから、ぼちぼち今年のツアーの様子をレポートに
してお伝えして行きたいと考えています。どうぞお楽しみに!

あ、レポートといえば…。
連載中のW杯観戦記『ドイツに行ってきました!』ですが、マイキーさん
から原稿と写真は届いているものの、僕の方の編集作業が間に合い
ませんでした。楽しみにしてくださっているみなさん、マイキーさん、ご
めんなさい!
        
                            ― Kaz (12/09/2006)


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▼リヴァプール・ニュース <2006年9月10日>
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*** 9月10日(日) *******************************

【35万人!】
今年の『Mathew Street Festival』も、過去最高の観衆を動員し、大成
功を収めました。
例年より1日延長し、4日間にわたって行われたこのフリー・ミュージッ
ク・イヴェントでは、主催者の発表によると35万人もの人々が音楽を
楽しんだということです。

日頃は車が激しく行き交うリヴァプールの中心部を、広範囲にわたっ
て歩行者天国にし、各所に設けられた5つの野外ステージで75のバ
ンドが熱演を繰り広げました。幅広いジェネレーションが楽しめるよう、
音楽のジャンルもまんべんなく選ばれました。

Liverpool Culture Company のマーケティング・ダイレクター、クリス・ド
ナルドソンはこう話しています。
「もうすっかり、みんなのためのものになりましたよね。家族そろって楽
しめる音楽フェスティヴァルになってますからね」
「演奏するバンドたちも、楽しんでますよ。ダービー・スクエアのステー
ジは、世界中から集まってもらったビートルズ・トリビュート・バンドの専
用ステージにしたんです」
「ビートルズのおかげで、このフェスティヴァルに大勢のオーディエンス
が集まってくれるのは確かですからね。バンドのみなさんは、リヴァ
プールで演奏することを心底楽しんでくれています」
「今年は違ったタイプのバンドをたくさん出演させることにしました。考
え得る限りのあらゆる音楽テイストをカヴァーしたつもりです。すべての
年齢層の人々に楽しんでもらえるようにね。家族的なムードが感じられ
るのは、その成果だと思います」

イヴェント・マネージャーのリー・フォードは、年々大きくなっていくこの
フェスティヴァルは、海外進出を果たす可能性もあると言います。
彼は、同様のイヴェント開催を考えているロッテルダムからの視察団
を案内しました。
「フェスティヴァルの様子を、みんなあんぐりと口を開けて見てましたよ。
どうやったらこれだけのことができるのか信じられないって感じでした。
すごく気に入ってくれましたけどね」
「確かにこのフェスティヴァルは、『リヴァプールならでは』なんですけど
ね。でも、だからこそ、他の場所でも開催できたら面白いんじゃない
かって思うんですよ」

母と叔母と一緒に、ウィラルからフェスティヴァルを観にやって来た20
歳のヴィッキー・キャンベルは、こう話しています。
「今年で3年目なの。今までも良かったけど、今年は特にいい感じだと
思うわ。ちっちゃな子供も親も、みんなが楽しそうだもの。もちろん来年
も絶対に来るわ」

ピア・ヘッドの会場では、マージーサイドの有望バンドの演奏を集めた
無料CDが配られました。
「観に来た人ばっかりがフェスティヴァルを楽しんでるわけじゃないよ」
と話すのは、ピア・ヘッドのステージに立ったマージーサイドのバンド
「28 Costumes」のリード・ギタリスト、トニー・レイリーです。
「俺たち、世界中でプレイしてきたけど、リヴァプールで、歴史的な建
物を見ながら演奏するのは、すごく特別な気持ちになったよ」
「あれだけの大観衆の前で演奏するのはグレイトな気分だったよ。多
ければ多いほどいいよね」

アメリカのニュー・ジャージー州から「ビートルズ巡礼」のためにリヴァ
プールにやって来た、58歳の教師へレン・トンプソンはこう話していま
す。
「子供の頃からビートルズが大好きだったの。でも彼らが生まれ育った
街を観るチャンスがずっとなくて」
「初めてリヴァプールに来たんだけど、大好きになったわ。活気にあふ
れた街よね」
「この街の新しいバンドもファンタスティックね。モダン・ポップ・ミュー
ジックが今まさに始まろうとしているところを見れるなんて、本当にワン
ダフルな体験だわ」

開幕日の夜には、「Royal Liverpool Philharmonic Orchestra」がピア・
ヘッドのビッグ・ステージで演奏しました。あいにく雨にも関わらず、満
員の聴衆はリヴァプール・フィルの素晴らしい演奏を堪能しました。

最終日の夜には、伝統あるエンパイア・シアターで、『This is
Merseybeat』と題されたコンサートが行われました。
1960年代に世界的ヒットを飛ばし、現在も現役で演奏活動を続けてい
る「The Merseybeats」、「The Searchers」、そして「Swinging Blue
Jeans」が登場し、ファンの熱烈な喝采を浴びました。


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▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

  ― 第60回 / 「マシュー・ストリート・フェスティバル 2006!」― 

マシュー・ストリート・フェスティバルが今年もやってきました。
去年のボランティアでガテンな誘導係&機材運びから一転して、今年
はプレスパスをもらっての余裕の鑑賞です。ステージ前のピットに入っ
て写真をバシバシ撮ってきました!

初っ端はなんと、ロイヤル・リヴァプール交響楽団 の野外コンサート。
新しいプリンシパル・コンダクターとして、弱冠29歳のロシア人指揮者
Vasily Petrenko を迎えて初めてのコンサートでした。
小雨の降る中スタートし、途中雨足が強まり一時中断、オーケストラの
数を減らして楽器が雨に濡れないようにステージの配置換えをすると
いうハプニングがありましたが(司会者によると、楽器によっては数千
万円を下らないとのことですから、仕方ないですね。。。)、音楽を身体
で感じて表現するダイナミックな指揮ぶりが印象的でした。

後半、オーケストラをバックに、女性シンガー Jennifer John と、ジャ
ズ・シンガー Thomas Lang (3345 Parr Street Studios を救ったメン
バーの一人でもあります!)のデュエットによる "You'll Never Walk
Alone"、元 Mighty Wah! (ニューウェーブ・ファンにはたま
りません!)の Pete Wylie の "Heart As Big As Liverpool" を聞いた
ときには、いきなりこのフェスティバル、もうクライマックスに入っちゃっ
たの? と思うほど感極まっていました。しかも最後には花火まで打ち
上げられて。
そのほか、フランク・シナトラのそっくりさんの Neville Skelly による
"Eleanor Rigby"(ストリングスの数はビートルズのオリジナルを上まわ
る?!) そして、Gary Christian のパフォーマンスもありました。

指揮者の Petrenko さんが、大のサッカー好きだったこともあって、今
年のリヴァプールのテーマ『Year of Performance』に合わせて、「リ
ヴァプール、ビートルズ、サッカー、ロック、ジャズ、クラッシック」がてん
こ盛りの夕べでした。


2日目。
私個人的にこのフェスティバルでのメインアトラクションであった、Dr. &
The Medics 。
ナンバーワン・ヒットの "Sprit in The Sky" からもうすぐ20年経つんで
すね!
最近『One Hit Wonder』(ヒットソングの一発屋「あの人はどこへ」系の
番組です)に出ていて、まだ活動しているときいてちょうど喜んでいたと
ころです。
曲はほとんどがカバーバージョンなのですが、ドクターの手にかかると
すべてがオリジナルになってしまうところが凄い。セキュリティーのおね
えちゃんも、若いファンの子達も大合唱のパーティーライブでした。


3日目。
Pier Head North のメインステージでは、ヘッドライン・アクトである The
Lightning Seeds 、そしてその後に Wonder Stuff と Shack という豪華な
ラインアップ。
The Lightning Seeds のラストの曲は、『ユーロ'96』のイングランド代表
の公式応援歌、"Three Lions" で盛り上がりました。歌詞中の、"30
years of hurt (30年の屈辱)" が「40年」になっていて、あれからもう10
年たつのかあ、としみじみ。

Pier Head South のステージでは、今年も新しいインディバンドを中心
としたショーケースが行われました。
John Smith Band を見ようと思っていったら、なぜかキャンセルになっ
ていて残念だったのですが、代わりに 元 Bandits のメンバーが結成し
たバンド The Pedantics が演奏していたので、これはこれで得した気
分でした!
The Pedantics :
http://profile.myspace.com/index.cfm?fuseaction=user.viewprofile&friendid=41676778

4日目の最終日。
メインステージでさえも、特にメジャーなバンドが登場するわけではな
いのですが、不思議と確実に4日間のなかでもっとも観客動員数が最
多といえる日でした。この日は、Pier Head の North 、South 、The
Strand 、Derby Square 、Dale Street の5ステージ構成。

メインの Pier Head North ステージでは、コピーバンドでも比較的名の
知れたバンドが登場。
U2 のトリビュートの Elevation による、本物もびっくりのパワフルなス
テージ、そして Coldplay のコピーバンドの Cold Place などは、去年は
The Strand の小さなステージで演奏していたのに、今年は大きなス
テージに昇格(?)。前日の The Lightning Seeds を圧倒的に上まる盛
り上がりでした。
Pier Head South ステージでは、28 Costumes 、Amsterdam 、
Alterkicks など、地元で根強い人気のインディバンドがプレイ。

Derby Square は、地元組に加え、カナダ、ブラジル、ノルウェー、ドイ
ツ、ベネズエラのビートルズのコピーバンド、The Strand と Dale
Street では、Oasis 、Madonna 、Frank Zappa 、Kiss 、Tom Petty 、
Eurhythmics などのトリビュート・バンドが続きました。


このバンクホリデー3連休は、この Mathew Street Festival のほかに、
International Beatle Week 、そして Creamfields といったイベントが
マージーサイドで展開されていました。
Creamfields も、これまではダンス系オンリーのイベントというイメージ
でしたが、今年は The Zutons や Goldflapp なども参加して、バンド好
きにも好評で大盛況だったようです。できれば一週間ずつずらしてもら
えたらちょっとウレシイのですが。。。
Creamfields :http://www.cream.co.uk/creamsite/?&s=creamfields 


【今週の Ye Cracke】

土曜日にダービー戦がスクリーンに映し出されて、昼の12時からかな
りの人が詰め掛けてみていました。
でもせっかく晴れ間がみえて暖かかったので、中庭で過ごすことにしま
した。BBQセットも隅に片付けられて、どことなく寂しげで、夏の終わり
を感じます。


来週からは、いよいよ 『Liverpool Biennial』がはじまります。ラインアッ
プを見ると、気絶しそうなくらい盛りだくさんで、特にスタート時は体力
勝負になりそうです。でも楽しみ♪

それではまた来週!

ミナコ・ジャクソン


(この連載に関連する写真は、ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュ
だより」ページに掲載しています。
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish60_photo.htm )


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リヴァプールFCおよびエヴァトンFCの、ホームゲーム観戦チケットの
手配を承っています。
詳細は、ウェブサイトの「スタジアムへ行こう!」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/football/stadium.htm


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詳細については、ウェブサイトの「語学留学案内」ページをご覧くださ
い。
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をアレンジしています。
ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/beatles/info.htm
http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm


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旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、ある
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お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▽今週のフォト
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*** 今週の「ゴールドフィッシュ」フォト ******

今週も、ミナコさんから素敵な写真が届いています。
ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュだより」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish60_photo.htm


*** 今週のフォト・アルバム ******

「ゴールドフィッシュ」以外の原稿にちなんだ写真は、「NLW フォト・アル
バム」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo264.htm 


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□■ 第264号 ■□

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 ◇編集 山本和雄 & ミナコ・ジャクソン
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