September 26 2006, No.266
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     リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■
         *** http://scousehouse.net/ ***        


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼リヴァプール・ニュース <2006年9月24日>
 ▽寄稿:「マジカル・ミスティリー・ツアー」
 ▼寄稿:W杯観戦記「ドイツに行ってきました!」
 ▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
 ▼スカウスハウス・ニュース
 ▽今週のフォト


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▽フロム・エディター
―――――――――――――――――――――――――─ NLW □

今週はひさしぶりに、下村えりさんからの寄稿を紹介します。
えりさんといえば、このNLWでは「パブ&フットボール・ライター」として
おなじみなんですが、今回のテーマはそのどちらでもなく、なんと、英国
での入院体験記です。

えりさんからこの入院の話を聞いたのは、8月の中旬でした。
メールに詳しく綴ってくださったのですが、これがほんとに面白いお話
だったので、NLWへの掲載をお願いしたのです。

「ビートル・ウィーク」が終わったあとの午後、クィーン・スクエアのスパ
ニッシュ・レストランでワインを飲み、パエリャをつまみながら、「えりさ
ん、あれすんごく面白かったですよぉ。NLWに載せちゃってもいいです
かねぇ〜??」と尋ねてみたら、えりさんはものすごくビックリしていま
した。

たぶんえりさんは、テーマ的にNLWに合うものだとはまったく思ってい
なかったのでしょう。それにそもそもあれは、親しい友人に向けて書い
た文章で、一般の、不特定多数の目を意識したものではなかったとい
うこともあったと思います。

でも、ほんとうに面白い文章だったので、ワインを注ぎながら無理矢理
お願いした結果、えりさんに快諾(?)してもらうことができました。
もちろんそのままではなく、えりさん自身がNLW用にアレンジし直した
原稿を掲載することになりました。

今週のえりさんの原稿「マジカル・ミスティリー・ツアー」は、こういういき
さつで誕生しました。
楽しいながらも、イギリスの医療事情がわかりやすく説明された作品
になっています。何かと評判の悪いNHSですが、良い面もたくさんある
のだということが、よくわかりました。こういうフェアなところが、さすが
えりさんですよね。モルヒネの量を患者自身にコントロールさせるって
のはなんだかコワイですけど…。

では、どうぞお楽しみください。
ご感想をお寄せいただけると嬉しいです。

えりさん、どうもありがとう! お大事に!!

                           ― Kaz (26/09/2006)


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▼リヴァプール・ニュース <2006年9月24日>
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*** 9月24日(日) *******************************

【キャプテンのサイン会】
9月21日、リヴァプールFCのキャプテンでイングランド代表選手でも
あるスティーヴン・ジェラードが、チャーチ・ストリートの WH Smith でサ
イン会を行いました。
先月発売された自伝 "Gerrard: My Autobiography" 出版を記念した
ものでしたが、予想通りたいへんな騒ぎになったようです。
セキュリティ・ガードだけでは対応しきれず、警察官も動員して、押し寄
せるファンを食い止めたり、野次馬を立ち退かせたり、興奮したファン
を落ち着かせたりしなければなりませんでした。

1番乗りのファンは、200マイル離れたロンドンからわざわざやって来
た28歳のアデル・グランジェさんでした。
念願だったヒーローのサインを手に、彼女はこう話しています。
「1999年からず〜っと、この瞬間を待ってたの。だってほんとにブリリ
アントなプレイヤーなんだもん」
「なんだか夢みたいだったわ。心臓がばくばくして。まだ信じられないよ
うな気持ち」

ウィラルに住むジュリー・マクゴーワンさんは、誕生日プレゼントにしよ
うと、8歳の息子カルムくんを連れて並びました。
「この子はリヴァプールの大ファンなの。サインをしてもらえて、素晴ら
しいバースデイ・プレゼントになったわ」
アイドルに会えてご満悦のカルムくんは、こう言いました。
「彼はレジェンドだと思うな」

76歳のマーガレット・ゴウアーさんは、ニューカッスルに住む孫のため
に、4時間も列に並びました。
「彼ってすごくラヴリーだったわ。長い時間待った甲斐があったわ」

混乱の中で、不運な目にあったファンもいました。
11歳の息子ディランくんを連れて来たアリソン・マルヴェイさんは、並
んでいるうちに離れ離れになってしまいました。
「群集に押されて、離れ離れになってしまったのよ。ディランは落ち込
んでるわ、ヒーローに会えなかったから」

プレスのフォトグラファーの中にも、人波に押し流されて、まったく写真
が撮れなかった人が何人もいました。

自伝 "Gerrard: My Autobiography" の中でジェラードは、チェルシー
への移籍騒動のことや、ドイツで行われた今年のワールド・カップのこ
と、ヨーロピアン・カップを掲げたイスタンブールでのことなどを語っています。


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▽寄稿:「マジカル・ミスティリー・ツアー」
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「マジカル・ミスティリー・ツアー」 / 下村 えり(Eri Shimomura)

【まえがき】
NLWをご覧の皆様こんにちは、リバプールに在住しているえりです。
今回はフットボールのレビューでもなく、ビールのお話でもなく、近頃私
がイギリスリバプールで経験した“マジカル・ミスティリー・ツアー”のお
話を...少々??
“マジカル・ミスティリー・ツアー”といっても残念ながらビートルズが出て
くるのではなく、私のリバプールでの入院生活を書いてみました。一味
違ったイギリスならではの私の初体験をご賞味下さい(笑)。


【イギリスの医療システム】
長い事病院勤めをしていたにもかかわらず、実際に入院してみるのは
今回が私の人生で初めてのことでした(しかもリバプールで!)。
この2泊3日の入院体験は、今となってはタイムマシンで別の世界を旅
して来たかのよう…。

私の体験談をお話しする前に、イギリスの医療システムを簡単に説明
します。
National Health Service 、略してNHSの愛称で知られているこの国の
ヘルスサービスは、労働党内閣の下、1948年に始まりました。
世界先端のヘルスサービスとしてお手本になる程のもので、また、驚
いたことにフリー(無料の)・サービスでもあります。

が、しかし...『ただほど怖いものは無い』とはよく言ったもので、現状
抱えている問題は山程あります。
NHSでは全ての予算を税金で賄っているため、日本に比べて患者の自
由な選択権がかなり少なく、希望通りの検査や、痛みがある時の即効
治療がまず不可能に近いのが現状です。
痛みがあっても、命に別状がなければ、更に治療まで長い期間待たな
ければならない...これは今現在もイギリスで大きな問題になってい
ます。
入院自体も、最小限の日数で管理します。私の場合も、日本だと同じ
オペのケースで最低5日から7日間ステイの所ですが、こちらでは最低
2泊3日で退院させられてしまいます。

ロンドンなどの人口密集地帯は、NHSのサービスも悲惨な状態で、悪
い噂を多く耳にしました。
私自身も、ロンドンでは検査結果を失くされたり、GP(Geneal
Practicioner:こちらの総合内科医)にさえ簡単に予約が取れなかった
り、医療スタッフの態度が悪かったりとか、嫌な思い出が沢山ありま
す。

イギリスでは、緊急の場合以外、具合が悪くなったら病気の種類を問
わず、最初にGPのお世話になります。
まずGPのドクターが診断し、その診断に基づいて、専門医を紹介して
もらうというシステムなのです。
つまり日本のように最初から自分で病院や医者を選ぶことはできませ
ん。必ずGPに診てもらわなくてはならないのです。そして、紹介される
専門医も、選択の余地はありません。
でも、GPにさえ診てもらえば、そこから先はプライベートの医療機関を
使うことができます。生活に余裕のある方々はNHSのシステムを降り
てプライベート医療の選択も出来るわけです(もちろん全て有料:軒並
み凄くお高い)。

これだけ聞くと『おお怖い〜! NHSはまっぴらだ』とお思いの方も多い
でしょうが、利点もかなりあります。
日本の大病院で実際に働いていらっしゃるドクターのお話では、日本
での医療事故は、ほとんどの場合が、「慣れていないけど、他に人が
いないからしょうがなくやる手術」、「忙しすぎる術後管理」によって起き
ているそうです。しかしイギリスでは、医者のQOLが確立しているので、
システムそのものが1人の医師に余計な負担がかからないようにでき
ていて、医師1人がやる範囲が日本に比べ結構狭く、とても専門化さ
れています。
手術に関しても、「その手術に関してはお手のもの」という医師がやっ
ているので、技術的にも日本よりむしろ高いかもしれません。
それから、1人の医師が患者何人という担当が決まっているので、無
理はかからず、術後管理も結構行き渡っています。新しい技術も最先
端で受け入れ、即実践出来るなど、医療の分野では世界の中でもま
ずまず先進国なのではと実感しました。


【マジカル・ミスティリー・ツアー:Aintree Hospital 】
手術当日。はっきり言って緊張感は全くというほどなく、手術の動向に
興味津々...。
手術自体は超感動、凄いテクニック、最先端の技術に、私にも『やらせ
てみて!』と言いたくなるくらいでした。
殆ど針の穴ほどの隙間からカテーテルを体の中に注入し、モニターを
見ながら注射器で血管を塞ぐ作業みたいでしたが...見ていて目が
点になってしまいました。
私は『ブラックジャック』が大好きで、お仕事でも手術を結構見てきたの
で、一度こういう事をやってみたいと思ってました。
今度生まれ変わった時は、もう少し(?)勉強して絶対外科医か宇宙
飛行士になりたいと、つくづく思った事でした(誰も、私が次に何になり
たいかなんてこと、知りたくも無い??)。

術場はX線ドクターが2人(1人見習い:インドから来た8年目のいかに
もお坊ちゃんタイプのお医者さんでした)、レントゲン技師、レディオグ
ラファー、私に付き添いの看護婦2人で、ポップミュージックの流れる
中、手術はリラックスした雰囲気で行われました。
10時前に始まって12時には終わり、術後はもちろん麻酔も効いてた事
もあって殆ど痛みも無く、そのままタンカーで病室まで連れて行かれて、
元気プラスお腹がグーグー鳴ってて恥ずかしかったです!(こんな時で
も食欲は去らず!)

病室はというと、TVなどで観て超広い長いスペースで20位のベットが
並んでるのを想像していましたが、なんのなんの、日本の病院と全く同
じ感じでした。しかもベットの数が少なくて、日本なら6つ詰め込む所、
4つしかなく、とてもスペーシャスでゆったりとしていました。清潔だった
し、スタッフの感じも凄くよく、至れり尽くせりでした。お食事にもなんと
メニューがあって、自分の好きなものを自由に注文出来るんですよ。ま
さにホテル待遇でした。

外からの訪問時間は厳しく制限されていて、泊りがけの看病も出来ず、
完全看護となる看護婦さんたちがその分大変そうでした。こちらの看
護婦さん達の勤務体制は5交代だそうです(すごく複雑そう!)。

4人部屋に、最初の日は私と65歳くらいのおばさんの2人だけ、次の日
から34歳の女性が加わって3人だけでしたので、のんびり気軽に話も
出来て良かったけど、鼻血が出そうなくらい退屈でした(失礼!)。

術後は、おなかがすいてたにもかかわらず、全く食べさせてもらえず
(嘔吐する危険があるので)、その後は、自分で痛みをコントロール出
来るようにと、痛み止めのモルヒネを腕に付けられました。モルヒネは
あまり使用したくなかったのですが、看護婦さんがしきりに『コンスタン
トに押さないと急には効かないから』ってすすめるもので、不安はあっ
たものの痛くなるのも怖いので(じわーっとした痛み)、使ってたら...
やはり来ました...副作用!(ビンゴ)

空腹プラスこのモルヒネドーズのために、超吐き気がするは(北アイル
ランド行き、しけの中フェリーに乗った以来の吐き気でした)、睡魔に襲
われるは、頭の中はジャンキーみたいだったし(ぐるぐる回ってて)、今
思うとこの時期が今回の最悪の経験でしたね! これこそ、リバプー
ルで経験した私の“マジカル・ミスティリー・ツアー”ならぬ“サージカル・
ミスティリー・ツアー”でした(上手い!)。

看護婦さんに『吐き気が...』と訴えると、これが一番早く効くっと取り
出したのが、筋肉注射! 痛いのは知ってましたが、ほんとうに凄かっ
た! 今回何が一番痛かったかといえばこの筋肉注射です。しかしさ
すがによく効いて、次の日は爽やかに朝食もトースト1枚半食べちゃい
ました。
モルヒネもそれ以上は使わなかったので、看護婦さんも心配(不満?)
そうに、他の痛み止めを沢山くれるんですが、それも又気をつけて、結
構自分でコントロールしました。やはり、その辺りのことは一応医療
チームの経験で話を沢山聞いてたし、副作用の方が怖かったりするか
ら。まあこちらの看護婦さんは扱いにくい患者だと思ったかもしれませ
んがね! 
イギリス人の痛みに対する敏感さというか怖がりは世界でも有名で、
普通のお産にも痛み止めや麻酔などを使用するくらいです(超納得)。

私の同室のおばさんは可哀相に65歳で子宮を全て摘出する手術をな
さって、それでも今はキーサージェリーと言って、鍵穴くらいの穴を開け
て出来る手術なのですが、案の定麻酔(痛み止め)の量が多く(術後
吸入で)、『吐き気がする、頭が痛い』と言い出したかとおもったら、目
の前で嘔吐しちゃいました。
こっちでの医療は痛みを防ぐのが第一のプライオリティーみたいです
ね。確かに痛みへの恐怖は誰にでもありますが、他に方法は無いもの
かな〜っと思うんですが... 

手術を受けるまでの長い道のりにもかかわらず、NHSの印象や今回
受けた治療サービスには本当感動しました。もちろんここがリバプー
ルだったことが大いにあると私は思います。ロンドンだったらこうは行
かなかったかも。

病院内のドメスティック管理にしても、通常は日本に比べてこちらの日
常清潔感には本当に『えっ!』っと驚かされることばかりですが、今回
は病室で見る限り凄く清潔に保たれていてびっくりしました。
もちろん、日本と同様に院内感染が非常に問題になってるという事も
あるのですが、至って病室内が清潔に管理されてて、1日に何回違う
人がお掃除に回ってきた事か...外からのお見舞いの人も、入室時
と帰るときにそれぞれ消毒液みたいなジェリーポンプで手をぬらさない
といけないし。
日本人のドクター曰く、日本からも見学に行く程NHSはお手本になって
るらしいです。


以上、長文になってしまいましたが、最後までお付き合い有難うござい
ました。余談になりますが、退屈な中、友達が置いてってくれた、さくら
ももこの本が超面白く、シーンとした病室で、ゲタゲタ笑えずに苦しくも
ありました。

イギリスでの初体験も素晴らしい周りの方に支えられて無事に終える
事が出来、とても感謝しています。しかし、いくら素晴らしいスタッフに
囲まれても、もう入院は勘弁して欲しいかな〜。。。

この場を借りて励ましてくださった友達に『ありがとう』の一言を!
Special Thanks For; 永田 智、伊藤 隆、豊田 悟、ゴールディー 類、
永田 真紀、西野 さおり、酒井 智恵、平木 雅枝、山倉 恭子、
馬越 尚子、占部 まどか、西岡 利恵、ブラウン 麻子、
ニュートン トイワ、おおはた 光代、とよた 美樹、ジャクソン みなこ、
山本 和雄、ウィリス ケン、そして田中家の皆様。

(おわり)

下村 えり(Eri Shimomura)


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▼寄稿:W杯観戦記「ドイツに行ってきました!」
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W杯観戦記「ドイツに行ってきました!」 / マイキー

  ― 第7回 / 「涙の日ブラ戦」 ― 

さてさて、『ポルトガルvsメキシコ』を観た帰り道はだらだらと時間をか
けて…。
と言うのも観戦帰りは毎回言いますが、UバーンもSバーンも臨時は出
てても全然動かなくてね、、、(汗)
でも、終わった時間も18時位で、お日様はまだまだ高くて、パラダイス
でございます♪(笑) 今までの試合は夜の9時キックオフですから!

なんか臨時休校になって得した(!?)学生の気分♪
本日はホテルで、夕ご飯をゆっくり食べながら、明日の日本戦から来
独する師匠の友人を待つだけ。
そーですよ、明日はあの! 『日本vsブラジル』をドルトムントにて観戦
する日なのでした。

…と書いてしまったとたんブルーな気持ちがよみがえってきた(苦笑)。
この時点でオースラリアに負けてて(××)クロアチアにドロー。。。
勝ち点1で明日はブラジル戦。楽観出来るはずはないよね。。。

私マイキーさんは、実は日本代表の試合は一度も生で観た事が無
く(!)、今回が初生観戦、初サポーターなんですわ! 
自分でも「へぇー!」って感じ。だから案外ドキドキしてたのは事実で
す。

この試合から参加の師匠の友人Kさんはバリバリのアントラーズサポ
で…といえばジーコさんファンでもあり、さらにあんな人もこんな人も好
きです(笑)。ブラジル語もペラペラ。

私達3人は、ゲルゼンキルヘンからもドルトムントからも列車(通常)
で30〜40分位の所に位置するエッセンと言う街にホテルを取ったので
すが、駅にも街角にも日本人の姿がぽつぽつ見えだし、お互いハニカ
ミ合いながら会釈だけの挨拶を交す(笑)。
…なんとも気弱なサポーターですよね。これがイングランドだったら、
いきなり「カモン! イングランド!!」コールとかが始まるんだけど
ね(うるさいけど/笑)。

ここDORTMUNDもルール工業地帯として鉄鋼や石炭で栄えた街で、
ここのサッカースタジアムは1974年のW杯西ドイツ大会の為に造られ
た国内最大の規模。立ち見が許されているブンデスリーグのゲームで
は8万3千人も収容するんだって!

しかしスタジアムに向う足も重い。。。
ブラジルサポさん達にはサンバのリズムに踊りがありそれぞれパ
フォーマンスもええかんじ。うちには。。。
いやいやいや、サムライブルーのユニにTシャツ。決めてはこの顔立
ち!
開き直ってる訳でもないけど、逃げるわけにもいかへんし。。。

街でぶらぶらしてるのもしんどくなり、試合開始の3時間位前にスタジ
アムへ!
と、ここでセキュリティーチェックが毎回あるのはいつも同じだけど、今
回初のお言葉が「Passport Please!」。抜き打ちのチェックでした。
まぁチケットの後ろとかにも注意書きの一つとして身分証明書の提示
と書いてあるんだけど、いままで一度も無かったので油断しててね(苦
笑)…パスポートは携帯しておりませんでした。
一瞬動揺して頭がクラッ〜。。。
パスポートのコピーを持ってたおかげで入れたんだけど(ホッ)、それ
までにナーバスになってた私はまたまた体が縮んだような気がし
た。。。(××)

自分の座席に到着してみると、そこはプレス席(取材関係)のすぐ側♪
いきなり私の目の前に、元ドイツ代表でJリーグではジェフ市原に居た
リティことピエール・リトバルスキー氏が居るではないの!
さっきまで小さく縮んでしまってた私はいずこ(あらまー)…いきなりテ
ンションが上昇↑↑↑
ご挨拶をしても気さくに応えてくれます。リティ♪ ありがとう!(笑)

次はプレス席内に本日のNHKの解説担当、木村和司氏発見!
今日はよろしくお願いしまーすと声がかかるとぺこりと笑顔が見えまし
た。

…などなど、浮き足立ってしまっている所にブラジルサポーターも群が
り大騒ぎになってる箇所が!!! 
誰? 誰? あーーーーー! ドゥンガだーーーー♪
これまた日本人にも人気の元ブラジル代表、ジュビロ磐田にも在籍、
そして(この時は決まってなかったが)現在ブラジル代表監督ドゥンガ
氏である。
まぁ、私達も言ってみればお調子者ですが…サッサッサと駆け寄り写
真撮ったり大騒ぎ。。。
私達の国の代表がこの後真剣勝負をすると言うのに。。。カメラ片手
にスタンドを右往左往。。。(反省猿)

しかしここプレス席近くをブラブラしていると試合開始の一時間半位前
だったかな? 本日のスタメンを書いたプリント用紙がどこからともなく
回ってきたの!
「へぇー! 巻と玉田のツートップかー、へぇー!」
と、ようやく試合に向けてのザワザワガヤガヤが始まった(苦笑)

キックオフの1時間前に選手がウォーミングアップを始めるのですが、
まずは、両チームのキーパーが出て来ます。
うちは、川口、楢崎、土井。
前の2試合の最大の貢献者川口くんには大声援が贈られておりまし
た。。。
そして選手の顔がそれぞれ揃って、最後にジーコさん。。。
さっきの浮き足立った気持ちは何処へやら、、、私達日本代表サポー
ターは思わず祈りのポーズです(笑)

ああ、言えることはただ頑張れと。。。
ドキドキ感が、やはり他に観た試合とは明らかに違っていて、うちのお
母さんがいつもTVでサッカーの試合を観戦する時に言う言葉がよみ
がえります。

「怖いから観るのやめときよし!」

まさかここまで来て「はーい」と言うわけにも行かず。。。(苦笑)


私はキックオフ前の国歌斉唱の時間が凄く好きで、、、
選手と共に各国のサポーター達も一緒に大声張り上げて歌うし、いろ
んな国の国歌その物も好きなんですが、その様を見てるとすんごくい
つも羨ましく見ていた自分がいたんだけど、、、
今回、あたくしめ、やっとそれを初体験することになりました。
そしたら、国歌を歌いだしたその途端涙が溢れ出してしまい(驚)、、、
歌いながらびっくりしたよ(笑)、ほんまに!

ブラジルの国歌斉唱の時、ちょうどピッチを挟んで向かい側のスタンド
にサーチライトやフラッシュがたかれた所に、、、あ! ペレ氏だ!!

そしてようやくKick off!
私はただ心の中でロナウドもロナウジーニョもカカも頑張らないでくだ
さい! と願っていたと思う。。。(苦笑)
それと、今回私は海外でも使える携帯を持ってたんだけど、現地時間
は21時スタートの試合だけど、日本時間は早朝4時。それにも関わら
ずやっぱりみんな起きて観てるのよねー(涙)
携帯にメールがサクサク入って来ててね(笑)

こちらでも大騒ぎだったけど先制点は日本!
玉田のゴールシーンに携帯も私の心も嬉しさに震えてしまっていたの
ですが。。。
短かったねーーー、酔いしれる時間が。。。(涙)

その後は、「集中!集中!」「走れ!走れ!」って言う言葉を何十回と
喚き続けていた私達。。。
あ! そーそ! 腹が立ったことあって(いきなりですが、、、)!!
いっぱいあったけどロベカルが肩肘付いて寝そべって観戦してる姿と
玉田がニタニタとずーーーっと笑っていたことを挙げておきましょう。。。

試合内容は言わなくともみんなご存知ですね。惨敗でした。。。
日本に帰ってからも、ワールドカップはまだ終わってないのに大体の
人が残念だったね! とこの試合を嘆く。
いやいやみなさん! 試合だけがワールドカップでもないんですよ。
私の観戦記も試合内容なんかほとんど書いてないでしょ?(笑)

もちろんこの試合で感じた心のモヤモヤは、ずーーーっと今も残って
ます。
でも、このままずーっと持ってても邪魔にはならないとも思ってますよ!

(つづく)


(この連載に関連する写真を、ウェブサイトの今週の「NLW フォト・アル
バム」ページに掲載しています。どうぞご覧ください。
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo266.htm 


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▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

  ― 第62号 / 「インディペンデンツ・リヴァプール!」― 

今週は、リヴァプール・バイエニアルのインディペンデンツ部門の展覧
会やイベントがあちこちでスタートしました。
インディペンデンツ( http://www.independentsbiennial.co.uk ) は、地元
のアーティストやギャラリー単位で独自に企画運営しているバイエニア
ルの周辺イベントという位置づけです。全部は書ききれませんので、
かいつまんでお伝えします!

まずは、先週もお伝えしましたが、Jump Ship Rat 企画制作の The
Milk Float (ミルクフロート)。
今回は展示スペースを持たない分、フットワークが軽く、どこかでイベ
ントがあれば必ず現れて、観客の注目を「ハイジャック」!
車の後部にはエレクトリックギターもついているので、ガッチャンゴット
ンの音に合わせてギターをかき鳴らすのもアリです。間違いなく今回
一番おいしいところを持っていっています!


今回のインディペンデンツ・バイエニアルでハイライトしたい団体が、
The Art Organisation (TAO: http://www.theartorganisation.co.uk )。
リヴァプール、ロンドン、ノッティンガム、ブライトンを拠点に、廃墟と
なった建物を再生し、ギャラリースペースに変えています。
今回のバイエニアルでは、以下の5つの場所で異なるテーマで展開し
ています。

● The Living Gallery (102 Seel Street)
 TAOの本部です。ここだけ要予約。電話:0151 709 9814

● The Projection Gallery (2 Roscoe Street)
 土日の午後7時から遅くまでオープン。自主制作の映像をゆったりと
 見ることができます。

● The Community Gallery (52 Roscoe Street)
 地元のアーティスト、団体の企画展。毎週土曜日には、The Living
 Market というアート&クラフトのマーケットがあるほか、カフェやア
 コースティックライブなんかもあるので、土曜の昼さがりをまったり過
 ごすには最適なスペースです。

● The International Gallery (34A Slater Street)
 海外からのアーティストの企画展。ハイペースに入れ替わるのでマメ
 にチェックが必要。
 今週は、ポーランド人アーティスト Tom Cyhitsky
 ( http://www.tomascyhitski.com/ )の "Microclimate" 展。これまで
 訪れた都市にインスパイアされて描いた作品や、スケボーやテーブ
 ル天板などにペイントされた作品などなど。
 写真は、Tom とTAOキューレーターの Gregory Scott-Gurner 。
 10月11日から21日までは "Japanese Exhibition" も行われます。

● The RE-Evolutionary Gallery
          (11 Wolstenholmes Square -down from Parr Street)
 卒業してまもない若いアーティストの展示。

TAOオーガナイザーのひとりである Rob いわく、「よーく見てみると、リ
ヴァプール・バイエニアルの構造にちょっと似てるでしょ?」。
確かに、Fuse Box 、Independents 、マルチメディアギャラリーの
FACT 、International 06 、Greenland Street の New Contemporaries
などへの返答イベントのようです。
ローファイでセンスのいいプログラムが次々に組まれていますので、
とっても楽しみです。Gregory さんのライフ・ドローイング・クラスも気に
なります。。。
TAOのバイエニアル・インフォはこちらから。
http://www.theartorganisation.co.uk/liverpool.htm


次は、リヴァプールの地元のアーティスト主導で運営されているアトリ
エでの展覧会をふたつ。
ひとつは、これまでも何度かゴールドフィッシュだよりで登場した Arena
Gallery 。ここは、80年代にスタートし、50名ほどのアーティストが所属。
残念ながらこのバイエニアルの後は立退きとなります。その後は
Jamaica Street などの倉庫街に移転の予定です。
フィナーレを飾るかのごとく、所属するアーティスト達のこの場所に対
する気持ちがこもったショーです。

 < Arena Gallery >
  Arena House, 82-84 Duke Street, Liverpool, L1 5AA
  電話: 0151 707 9879
  ホームページ:www.arena.uk.com


もうひとつは、今年で30周年を迎える Bridewell Studios 。30名ほどの
アーティストが所属しています。ミュージシャンの David Gray もかつて
ここにアトリエを構えてアートの制作をしていたそうです。
場所は、ロイヤル・リヴァプール・ホスピタルのはす向かい、元々は警
察署で、今でも階段の壁には "Detective Office"(刑事室)という標
識が残っています。ちなみにスペイン人陶芸アーティストの Alejandra
のアトリエは、なんと元監獄の一室だったそうです!
Arena に比べて少々年齢層の高いアーティストが多く所属しているか
らか渋めな作品が多く、また広いスペースに恵まれているので、絵画
だけでなく、セラミック、彫刻まで幅広いタイプのアーティストが制作拠
点としています。

 < Bridewell Studios >
  住所:Prescot St, Liverpool, L7 8UE
  電話番号:0151 263 6730
  期間:9月27日〜10月15日(水〜日オープン。10:00am〜5:00pm)


それと、ふだんはギャラリーの裏方として働いているスタッフのショーを
ふたつ。
地元の新聞エコー社の近くにある、ヴィクトリア調で素敵な高級マン
ション The Albany の内部が、Cube Noir Gallery として一般公開され
ています。
現在、セクションごとに異なるテーマで展示がされているのですが、そ
のうちのひとつで、"Soup versus Gazpacho" と題して、Tate Liverpool
のスタッフ(スープ)と、ウォーカー美術館やワールド・ミュージアム・リ
ヴァプールなどを管理する National Museums Liverpool のスタッフ(ガ
スパッチョ)が対決。

 < Cube Noir Gallery at The Albany >
  住所:Old Hall Street, Liverpool
  期間:9月14日〜11月19日(10:30am〜4:30pm)


もうひとつは、Cornerstone Gallery の "Do As I Say Not As I Do" 。
リヴァプール・ホープ大学のファインアート&デザイン学部の教職員に
よるスタッフショーです。写真は Cornerstone Gallery のマネージャー、
Jason Jones です。

 < Cornerstone Gallery >
  住所: Hope at Everton, 1 Haigh Street, Liverpool L3 8QB
  期間:9月16日〜12月1日(9:00am〜5:00pm 日曜休)
  ホームページ: www.hope.ac.uk/cornerstonegallery

アートを通じて、新しいスポット、古い味のある建築物に触れることが
できるのもバイエニアルの醍醐味です!


インディペンデンツ特集ということで、ついでに宣伝しちゃいます。
旦那と私で立ち上げた、デジタルアートのネット上ギャラリー『デジタル
ショー』も無事オープンしました!
25カ国、133名のアーティストによる、200作品がアップされています。
日本からも素晴らしい作品が出展されています。是非是非見てみてく
ださい!
Digital Show ホームページ: http://www.digitalshow.co.uk


今年の『今週の Ye Cracke 』が終わった代わりに、新コーナーを考え
ていたのですが、これまでレビューばっかしであまり告知をしていな
かったなあと反省し、『秋の文化イベント告知コーナー』!

今週の告知は、10月12日の『 John Peel Day 』。
60年代から2004年に亡くなるまで、数多くのインディーバンドを発掘、
輩出し、UK音楽シーンを誰よりも支えてきた、BBC Radio 1 の伝説の
DJ、ジョン・ピールの2周忌にあたる10月12日に追悼イベントが行わ
れます。

リヴァプールの川向こうのウィラル出身で、大のサッカーファンでリヴァ
プールFCをサポートしていたことでも知られています。まさに天国の
ジョンも喜んでいることでしょう、Kirkby にある LFC Academy にて、リ
ヴァプールのバンド、LIPA 、音楽業界などで構成された12チームが
"John Peel Memorial Trophy" をめぐってサッカートーナメントを行い
ます。
キックオフは午後12時。入場無料で一般の方の入場もウェルカムだそ
うです。

その晩には、新生したライブハウス Picket にて、トロフィーの授与式と
追悼ライブが行われます。
新しい Picket は、Jordan Street(Jamaica Street, Greenland Street
近く)で、ラインアップは Pete Wylie & The Mighty Wah! +スペシャル
ゲスト。開場は午後8時、入場料は8ポンドです。
詳しくはこちらから。
http://www.savethepicket.com/#peelday


それではまた来週!

ミナコ・ジャクソン


(この連載に関連する写真は、ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュ
だより」ページに掲載しています。
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish62_photo.htm )


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*** LFCチケットあります ******
10月14日・Anfield Stadiumで行われる『 Liverpool FC Vs. Blackburn
Rovers 』(15:00キックオフ)の観戦チケットが1枚あまっています。座席
は Anfield Road Stand Lower の4列目、料金は¥16,000(£78.00)で
す。ご希望の方は、info@scousehouse.netまで、どうぞお早めに!


*** フットボール・チケット手配 ******

リヴァプールFCおよびエヴァトンFCの、ホームゲーム観戦チケットの
手配を承っています。
詳細は、ウェブサイトの「スタジアムへ行こう!」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/football/stadium.htm


*** 語学留学生募集中 ******

リヴァプールへの語学留学をサポートしています。
詳細については、ウェブサイトの「語学留学案内」ページをご覧くださ
い。
http://scousehouse.net/study/index.htm


*** ビートルズ・ガイドツアー ******

リヴァプール&ロンドンのビートルズゆかりの地を訪ねるガイドツアー
をアレンジしています。
ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/beatles/info.htm
http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm


*** 原稿募集中 ******

「リヴァプール・ニュース」では、読者のみなさんからの投稿を募集して
います。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、ある
いは英国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▽今週のフォト
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*** 今週の「ゴールドフィッシュ」フォト ******

今週も、ミナコさんから素敵な写真が届いています。
ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュだより」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish62_photo.htm


*** 今週のフォト・アルバム ******

「ゴールドフィッシュ」以外の原稿にちなんだ写真は、「NLW フォト・アル
バム」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo266.htm 


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□■ 第266号 ■□

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 ◇編集 山本和雄 & ミナコ・ジャクソン
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