December 5 2006, No.276
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     リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■
         *** http://scousehouse.net/ ***        


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼リヴァプール・ニュース <2006年12月3日>
 ▽寄稿:「アンフィールド観戦記 〜 CCレディング戦」
 ▼寄稿:W杯観戦記「ドイツに行ってきました!」
 ▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
 ▼スカウスハウス・ニュース
 ▽今週のフォト


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▽フロム・エディター
―――――――――――――――――――――――――─ NLW □

今週は寄稿が2つです。
まず、先週号に前編を掲載した Fudge さんの「アンフィールド観戦記
〜 CCレディング戦」の後編です。
前編ではキックオフ前まででしたが、後編では試合の様子を臨場感
たっぷりにレポートしてくださっています。メモを取りながら観戦された
そうですが、しっかりした観察眼と分析力に感心してしまいました。

そういえば僕も、今シーズンのホーム開幕戦をアンフィールドで観てい
て、そのレポートをこのNLWに書こうと思っていたのでした。
実際に一度書きかけて、でも何も、ほんとに何も、書くことが思い浮か
ばなかったので、あきらめたのです。
ちょうど「ビートル・ウィーク」の最中で、試合の前も後もやるべき仕事
がい〜っぱいあって、ほとんど上の空で観戦していたのでした。
一緒に観た人に寝ぼけた質問をして、呆れられてしまったのを思いだ
します。

「あの1点目のミドルシュート、すごかったねえ〜。あれ誰だったの? 
ジェラード?」
「……。アッガーですよ、ディフェンダーの」
「ふ〜ん。途中から出てきたあの18番、すごいねえ。あれ誰?」
「……。カイトじゃないですか。イヤだなあ、知らないんですかぁ?」
「ご、ごめーん!」

まったく、こんな調子じゃ気の利いたレポートなんて書けないですよね。
すみません。今度行く時はもうちょっとしっかり観てきます。

2つめの寄稿は、お待たせしました、気がつけば3週間ほどお休みに
なっていたマイキーさんのW杯観戦記「ドイツに行ってきました!」です。
ドイツ観戦が終わった後もレポートは続いていて、なんと今週はパリの
美術館めぐりのお話です。
舞台をパリに移して、さらに美術館というアカデミックなテーマにも関わ
らず、マイキーさんの珍道中は、やはりマイキーさんらしく展開中です。
来週以降も楽しみですね。

それから、リヴァプールの下村えりさんからも、恒例のビア・フェスティ
ヴァルのレポートが届いているのですが、残念ながらスペースの関係
で今週は掲載できませんでした。
来週号に掲載いたします。みなさんどうぞお楽しみに!

● ● ●

今週の「ゴールドフィッシュだより」にも書かれてますが、ミナコさんが里
帰り中です。
今日と明日、旦那さんのイアンさんと一緒に京都を観光することになっ
ていて、明日は僕も合流します。
リヴァプールじゃないところでミナコさん&イアンさんに会うのは、なん
だかちょっと不思議な感じがします。でも、すご〜く楽しみです!

                           ― Kaz (04/12/2006)


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▼リヴァプール・ニュース <2006年12月3日>
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*** 12月3日(土) *******************************

【誰にも見つけてもらえない家】
ブートルのプロヴィンス・ロードの34番地に住む49歳のスティーヴン・
ホランさんは、家のことで悩んでいます。
家の立地や、内装や建築の状態が不満なのではありません。この家
の存在自体に、いや、この家が存在しないと思われていることに、悩
みの種があるのです。

6年前にこの家に越してきてからというもの、タクシーを呼んでもドライ
ヴァーは来ないし、食べ物のデリヴァリーを頼んでも配達の車は近所
まで来て迷子になります。役所の登録から漏れてしまっているために、
選挙の投票用紙は送られてきません。もちろん衛星のナヴィゲーショ
ン・システムでは検索不能です。

同じ通りにある1番地から30番地の家は、存在を疑われたことはあり
ません。ホランさんの住むテラス・ハウスだけが、誰にも気がついても
らえないのです。
いちばんの原因は、プロヴィンス・ロードのいちばん端にあるこの家が、
孤立していることです。となりの32番地だった場所は、10年ほど前に
取り壊されて跡地が通路になってしまいました。このせいで、プロヴィ
ンス・ロードは30番地で終わっているように見えるのです。しかもさら
に紛らわしいことに、ホランさんの家は、となりのモーファ・ロードに面し
た家とくっついているように見えるのです。
というわけで、プロヴィンス・ロード34番地の存在に、誰も気がつかな
いという状態になってしまったのです。

ホランさんはこう話しています。
「この34番地に住んでたら、ほんと頭が痛くなるよ。しょっちゅう、あな
たの家は存在しませんって電話がかかってくるんだよ。こっちはその
家の中で電話をとってるってのに」
「ドライヴァーがたどり着けなくて3回も車を出したタクシー会社もあっ
たし、宅配の車はこの家を見つけられなくてそのへんをぐるぐる回って
るしで、ほんとたいへんだよ」
「電話線の取り付けを頼んだときもBTの作業員が道をうろうろさまよっ
てたらしくてね、たまたまそれを見た友人が察してくれて、彼に僕の家
の場所を教えてくれたんだよ」
「まあありがたいことに、郵便屋さんは僕の住んでるところを知ってくれ
てるから、郵便だけはちゃんと受け取れてるけどね。でも住所不定み
たいな状態だから、いろんなところで信用を失くしたよね」
「笑いのネタにできると思えばおいしいんだけど、でももし具合が悪く
なって救急車を呼ぶ羽目になんかなったりしたら…なんて思うとね。そ
れこそ笑えない話にになりそうだよね」


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▽寄稿:「アンフィールド観戦記 〜 CCレディング戦」
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「アンフィールド観戦記 〜 CCレディング戦」(後編) / Fudge

試合が始まった。
前半の終盤までは互角の戦い。しかし40分、リーセの弾丸ミドルが惜
しくもバーを越えてしまう。
だが、これで流れがレッズへ傾いたのか、その勢いに乗ったファウ
ラーが43分にラインを抜け出し、芸術的な美しいループシュートがゴー
ルに吸い込まれ先制!
久々のスタメンでキャプテンマークをつけた“ゴット”ことファウラーの
ゴールに、スタンドは熱狂の嵐になった。この時ばかりは、ジェラード
にも劣らない程の歓喜だと思った。

そして前半ロスタイムに、リーセの弾丸ミドルがGKに弾かれたが、そ
のボールがまたリーセのところに戻ってくる。これをリーセが落ち着い
て、力ではなく狙いすまして逆サイドのネットに流しこむ。2−0でレッズ
がリードして前半を終える。久々の大量得点の試合になりそうな予感
がした。

ハーフタイムは音楽が流れ、雰囲気も楽しい。しかしこの時間は、多く
の人がトイレや買い出しに行ったりするので、長蛇の列に並ぶ覚悟が
必要だ。この15分は意外と短いので、後半のキックオフを絶対に見逃
したくない人は、迅速な行動が必要だろう。

そして後半がスタート。レッズにメンバー交代はなし。これは相変わら
ずベニテス監督のお決まり事のようだ。開始早々にCKからパレッタが
頭でゴールを奪う。これで3−0のスコアになり、スタンドは大盛り上が
り、チャントもノリノリだ。やはりコップスタンド側でのゴールは格別らし
い。

その後、CKから、相手に反撃の一点が生まれる。
リーセが相手選手に完全に競り負けてしまった。スコアは3−1。

しかし、ここで選手を勇気付けるのがレッズサポーターだ。まだ相手サ
ポーターが喜んでいる時にチャントを歌い始め、選手に応援の力を送
る。まるで、「ドンマイ、ドンマイ」と声をかけているように感じた。
アンフィールドへ行く際には、チャントをいくつか覚えて行くといいと思
う。サポーターと一体になれて、より楽しめる。
チャントはもちろん英語だが、簡単なものもあるので問題ない。恥ずか
しがらずに、大声で歌うと気持ちいいです。知らないチャントでも、周り
の声もスゴイから、一回聞くとだいたいわかりました。

話を試合に戻して、そのチャントが功を奏したのか、アッガーが相手の
カウンターをかろうじて防ぐ。
62分にシソコがガスリーと交代。
76分にクラウチがワン・ツーで抜け出し、GKとの1対1から、まさに
ゴールへのパスといったシュートが決まり得点。コップスタンドからクラ
ウチのチャントが歌われると、クラウチは笑顔で投げキスをして応え
た。

79分にリーセがカイトと交代。
しかしこの交代の影響はすぐに出てしまう。リーセ、シソコと中盤でプ
レッシャーをうまくかけていた選手がいなくなり、80分に自らのミスから
相手に得点を許してしまった。

相手に二点目を取られたことにより、若手に焦りが出てしまう。この悪
影響がCBに負担をかけ守備に落ち着きがなくなる。こうなると今シー
ズンここまで自信なさげなプレーが続くレイナも慌てだしてしまう。

ここで、レッズサポーターがスタジアム全体に響き渡るチャントの大合
唱をはじめ、選手を勇気付け後押ししようとする。
だが、一度混乱した今シーズンのリバプールに立てなおすことはでき
なかった。84分。相手に追加点を許し、スコアが4−3で嫌な感じに…。

残り10分を切ってから立て続けに2失点。あまりの豹変振りにサポー
ターも静かになってしまった。今までの楽勝ムードは吹き飛び、焦燥感
に駆られてしまう。

ここでロスタイムが4分と発表され、場内はブーイングだ。この時間は
正直言って、とても長く感じ、思わず祈ってしまった。
しかしマッチはこのまま終了。ロスタイムにYNWAも聞きながら歌え、改
めて感動! 次回は現地サポーターのように、デジカメではなく、ス
カーフを両手に持って、高らかに掲げて歌いたいと強く思った。

4−1のスコアまでは内容を伴った良いゲームだったが、それ以降の
展開は悪すぎる。また対戦相手であるレディングを褒めるべきと思っ
た。あの最後まで諦めないファイティング・スピリットと姿勢にはイング
リッシュ・フットボールの真髄を見た気がした。結果的に、両サポー
ターとも、とても盛り上がった。

マン・オブ・ザ・マッチにはファウラーが選ばれた。気になったのは、カ
イトのシュートが一本だけだったことだが、その一本は惜しくもバーに
嫌われたものだった。
他に目についた選手としては、パレッタのパスセンスはDFにしては良
く、1対1の対応もそこそこだ。当たり負けは一回もしなかったし、フィ
ジカルの強さはもうプレミアでも十分通じそうだ。もしかしたら、未来の
リバプールのCBコンビ(アッガーとパレッタ)の可能性も十分に有りえ
ると思えたし、この時期にこのコンビの試合が見られたことは、幸運
だったのかもしれない。将来的にもの凄く楽しみだ。

また、ファウラーのキャプテン姿と芸術的な先制ゴールが見れたことに
も感動した。やはり、彼はリバプールではゴットだ。コップスタンドに愛
されている男だ。シャツにナンバー「9」と「GOD」と入れて、自身のお土
産にしようと決意したのは、この瞬間だった。

さて、ここからの帰宅方法が問題だ。
とりあえず、スタジアム前のお店でフィッシュ&チップスで腹ごしらえ。
平日のマッチは22時以降に終わり、夜は道もよくわからない。
最初はバスで市内へと思ったがバスは見つからず、マイカーのサポー
ターも思ったよりも多かった。ちなみにスタジアム付近は混雑&大渋
滞です。

人の流れに身をまかせ、大通りへ移動。
タクシーにしようと思うが、なかなか来ないし捕まらない。不安と焦りか
ら、バス停でタクシーを待つ二面作戦に。結局タクシーが捕まり、住所
も予めメモしておいたものを見せて、無事に帰路へ。
帰宅したのは、マッチ終了から90分後だった。

最後に帰宅方法のアドバイスとして一つ。サッカーのスタジアムガイド
には、行き方は書いてあるが、帰り方は書いてないのがあるので要注
意。特にマッチ当日は普段と異なる場合(アンフィールドはこのパター
ン)がある。夜は特に道などもわかりにくいので、下調べと困ったら人
に聞くのが重要と身を持って感じた。

次のマッチ(10/28)で市内にバスで出る方法もわかったので、詳しく書
いておきます。行かれる方は参考にどうぞ。
バスはマッチ終了後はバス停には来ません。数時間後とかは別みた
いですが。バスに乗るには、コップスタンドを背に(行きのバスが着く道
路)右へ行きます。途中左手に、元GSの駐車場があり、その先に十字
路があります(ここまでひたすら直進)。その先の下り坂でバスが三台
くらい止まっていて、オジさんがバスの横で市内行きと叫んでいます。
バスの止まっている横が空き地だったのですぐにわかると思います。
料金はみんな一律£1で、多くの人が利用して混雑するのでおつりを
もらわないように、£1を帰りのバス用に用意しておくといいでしょう
( SAVEAWAY Ticket は使えません)。支払いは他のバスと同じで、ド
ライバーに。キップは無しで、途中下車もなく、ノンストップで市内です。
バスは旧式のダブルデッカーでした。他にもバスはあるようですが、い
つも乗れたバスがこれだったので、他のバスについてはわかりませ
ん。行き先や料金などは必ず確認して利用した方がいいと思います。

(おわり)

※おことわり
 自身の旅行記から抜粋の為、一部事実と異なる場合もあります。


(この原稿に関連する写真は、ウェブサイトの先週の「NLW フォト・アル
バム」ページに掲載しています。どうぞご覧ください。
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo275.htm )


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▼寄稿:W杯観戦記「ドイツに行ってきました!」
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W杯観戦記「ドイツに行ってきました!」 / マイキー

  ― 第10回 / 「パリの美術館で右往左往」 ― 

パリに到着して次の日は日曜日♪ 
私の計画ではこの日は丸々美術館巡り三昧を決めておりまして、ぐっ
すりと睡眠を取ってまずは朝食♪
ドイツでは朝食が毎日楽しみだったんだけど、ここはパンは2種類ほど
で後はジャムとチーズとバターくらいだったかな(××)
いきなりドイツがとてもとても恋しくなった朝だった(ははは)
パンもハムもソーセージもドイツはうまかった。。。(と今現在も思いに
耽れます)

パサパサのクロワッサンとコーヒーをボソボソと独りで食べてたら、一
人二人と「ボンジュール♪」と声を掛け合い増えて行く。。。
その中に私くらいの年格好の女性が居まして、あっ、日本人のね(笑)
ぺこりと挨拶をし違うテーブルに座りつつ、この日はいつから滞在され
てますかと言う内容だけでサクサクっと朝食を済まし、美術館巡りのス
タート!

あ、でも、偉そうに言うほどは実はそんなに絵画に詳しい訳でも無いん
ですよ。王道の美術館を巡る訳であります(笑)
でもこの日は日曜日でもあり、どの美術館も中に入るのに1〜2時間
待ちは当たり前で…。
しかししかし、メトロの売店とかツーリストインフォメーションで美術館の
フリーパスを買っておけば、どこだって並ばずに入場できるのだ!
そのフリーパスは2日券からの販売で値段は30ユーロ。美術館巡りに
は必需品で、しかもこのパスで凱旋門とかノートルダム寺院やベルサ
イユ宮殿にも入れたりする優れもの!

…が、案外扱ってる売店は少ないし、あっても売り切れだったり、さら
にこの日は売店もツーリストインフォメーションも混んでてね(××)
結局これをゲットするのにもの凄〜く時間を使いまひた(涙) 一時間と
か、、、。
なんだそりゃ! と突っ込みを入れたくなるよね(とほほ)。それと後で
分かったことやけど、このフリーパス日本でも購入出来たそうな。。。

では、気を取り直し、最初はパリの美術館と言えばおそらく一番に出て
くるルーブル美術館にGO!
ルーブルはとりあえず馬鹿でかいです。私が迷子になるにはもってこ
いの場所(苦笑)
入り口で日本語のマップを拝借し、中へ。。。もちろん入館はサクサ
クっと(笑)
実は10年程昔、ツアーガイドさん付きでルーブル美術館に来てはいま
したが、そんな記憶はすっかり、、、。
有名どころは押さえようと気持ちは急ぐんだけど、相変わらずの方向
音痴で同じ所をぐるぐる回るばかり。時間はゆったりあっても足がだん
だん疲れてきて(苦笑)

そんな時、先に日本に帰ってしまった師匠からメールが!
「私の為に逆さピラミットとローズラインを確認してきてね!」
と…。
師匠はあの「ダビンチコード」にすんごくはまっていたのです。でも私は
モナリザみてミケランジェロの彫刻とかミロのビーナスとかサモトラケの
ニケなどなどみて階段上って降りて上向いて下向いてしてたらそんな
余裕なく。。。お昼も食べずに4時間位うろうろ(××)。。。のども乾くし
お腹もぺこぺこ。。。(笑)

とりあえずルーブル美術館の一角にあるカフェ…と言うても案外敷居
が高そうなオープンテラスの素敵なところでようやくランチ。。。
ルーブル美術館を背に外が見渡せるオープンテラスなんだけど1列目
と2列目があって、1列目は見晴らしのいい良い席なんだけど2列目は
ちょっと落ちる感じ。。。
で、案内された席はやはり2列目。。。「あっちがいい」と言ってみるが、
予約席だからダメと言われてしまいました。

そこてボリュームたっぷりのペンネ・アラビアータ(とっても美味)を食べ
てると、私と同じエリアに次々と案内されて来るの日本人が。。。
あぁそういうことなのねと思ってたら、お隣の席ににぎやかなおばさま2
人連れが。私と同じように怒っていらっしゃいました(笑)

おばさまたちはドリンクを2つとサンドイッチを1つオーダー。そしたら
ギャルソンさんにお食事は人数分お願いしますと言われて、それが通
じてなくてもめていたのでちょっと説明してあげたところ…いきなりおば
さんパワー炸裂!
「ドリンク・イズ・ツーでしょう?」
とか凄い勢いで言い返し、ギャルソンさんは根負けしてオーダーはと
おってしまい(笑)

その後はまぁーー! にぎやかを通り越しうるさくてね。。。
話を色々としているうちに、すっかりうちとけられてしまい(笑)
あげくの果てに、
「あら、あなた慣れてらっしゃるみたいね!(ん?) これからどちらに
行かれるのかしら?(え!?) よかったら私達付いて行ってもいいか
しら(ええっー!!)」

…ってことになりこの後、私はオランジュリー美術館に行く事になってい
たけれど、付いてきちゃいましてねおばさん2人(笑) 私は桃太郎か
い!(ははは)
桃太郎にきじとさるが仲間入りしたみたいだと一人で思いながら、ルー
ブル美術館を後にし、冷たい雨が降る中をオランジュリー美術館まで
徒歩で20分位かな、ぺちゃくちゃと女3人揃えばカシマシイ。。。
わーわーとお互いの旅話をしている間にオランジュリーに到着! しか
し着いてみればすんごい列列列。。。
私はフリーパスがあるからいいけど、持っていないおばさんたちは2時
間以上並ぶ事になりそう。。。
するとおばさんたちは、「旅の最後の夜で豪華ディナーを予約している
から。じゃあね〜」と、あっさり帰ってしまわれました。。。
ちなみに広島のおばさんでした。。。

さてさて…。
急に静かになった後、パスのお陰でサクサクっと入館し私が一番楽し
みにしていたモネの「睡蓮」とご対面(涙・涙・涙)
このオランジュリーはとってもコンパクトで、とりあえず入ってすぅーーっ
と先に進むと楕円形の大広間があり、その壁にそって、モネが晩年こ
の世を去る間際まで書いていたと言う絵がどど〜〜んと飾られている
のです。
まるで睡蓮がふわふわぁ〜と咲くお庭に池の前に居る錯覚さえ覚える
ほどだったよ。。。

つい最近、6年もの時をかけた美術館の大改修が終わって、今年に
入ってやっと開いたばかりで、ああ、来れてよかったとしみじみその場
にいました。
それとこのエリアだけは写真もOKでね! 生前のモネが、この作品は
一般に公開したいと希望してたらしくて、そういうこともあるのかな?

この部屋の奥に階段があって、それを降りると一転、ルノワールやセ
ザンヌ、ピカソにモディリアーニやゴーギャンなどなど。とってもおすす
めの美術館です(と私が言わなくてもおすすめなんだろけど、、、)。

そんなゆっくりしみじみしていたらすっかり夕方になっていた(汗)
次はオルセー美術館なんだけど、確か閉館は18時で、、、ああそうそ
う、17時からなんとハイ! みなさん忘れてはいけませーん!! W杯
ドイツ大会は決勝トーナメント中!!!

その日はイングランドvsエクアドル♪
どこかのBARで絶対観ようと思ってて、、、でも確かその時点で16時半
とかなんとかで、オルセーの前に到着したのが17時ごろ。閉館時間は
18時だからちょっとは観れる。でもW杯は今まさにキックオフ。。。

んーと、オルセーを明日にしようにも、次の日は月曜日。オルセー美術
館休刊日(××)
んでもって火曜日は帰国〜〜〜〜〜。。。
ああ〜〜〜〜調べとけよ〜〜〜!(涙・涙・涙)

どーする、どーする??

つづく。。。


(この連載に関連する写真を、ウェブサイトの今週の「NLW フォト・アル
バム」ページに掲載しています。どうぞご覧ください。
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo276.htm 


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▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

  ― 第72号 / 「さよならバイエニアル2006」(パート2) ―

こんにちは。
バイエニアルの締めくくりとして、個人的に心に残った展覧会をお伝え
します。

Museum MAN で行われた "GIFT" 展。
まず Museum MAN は、48 Rodney Street の最上階にあった素晴らし
い眺めのフラットを数ヶ月前に引き払い、Greenland Street のはす向
かいにある4階建てのだだっ広い倉庫に拠点を移して、バイエニアル
のインディペンデンツとして参加しました。

Rodney Street に比べると広さは数倍なのですが、相変わらずランダ
ムなアートやモノで埋め尽くされていて、スペース自体がコラージュの
ようです。
この場所もバイエニアル終了後は立退きなので、ギャラリーを運営し
てる Adam Nankervis はしばらく放浪するそうです。でも2008年にはま
たリヴァプールで何か企んでいるようですよ。

2F(日本でいう3階)で行われた "GIFT" 展は、Daniel Simpkins と
Penny Whitehead がオーガナイズしたプロジェクトで、150人のアーティ
ストに「創作活動のために買ったり拾ったりしたけど、結果的に使われ
ることのなかった物を寄付してください」と呼びかけ、150個の様々なア
イテムが並べられました。
写真、本、金色の手袋(片方)、ランプ、ミニチュアの飛行機、カツラ、
ブリテン島の形をした小物棚、ロバの置物、古いカセットレコーダー、
パンチバッグ、ピンクの電話、etc, etc, etc...。
それぞれに、寄付をしたアーティストによるメッセージが添えられてい
ます。どうやって手に入れたか、そして当初そのもので何をしようと思っ
たか、とか。

そして来場者は、ある条件にしたがって、気に入ったアイテムを「ギフ
ト」としてもらうことができます。

その条件とは。。。
1)気に入ったアイテムが見つかったら、申し込み用紙に「何故それを
  選んだか、もしもらえたら、それをどうしたいか」を記入します。複数
  の申し込みのあるものについては、オーガナイザーが内容を読ん
  で、適任と思われる受け取り人を選びます。
2)ギフトを受け取った人は、持ち帰った後の様子を写真、文章などで
  記録をし、オーガナイザーに期日までに提出します。

こうして、アーティストの頭のなかにインスピレーションが浮かんだけれ
ども使われることのなかった物や実現することなかったアイディアが、
来た人々にプレゼントされ、受け取った人はそれぞれのイマジネーショ
ンでその贈り物に新しい命を吹き込みます。そしてその記録が、贈り
主であるアーティストのもとに「贈り物」として返されるというものです。
しかもアーティストたちがその記録を受け取るのはクリスマス前なので、
それもなんだか心温まるものがあります。

本当は11月17、18日の2日間の予定で一般公開していたのですが、
好評により一週間延長して多くの人たちに選んでもらえるようにしたそ
うです。
見に来た人たちの様子をみると、みんな真剣そのものでした。ただ単
にギャラリーで作品を見るのとは違い、それぞれが目の前にある物で
何ができるか思いを巡らせているのが分かりました。

私と旦那は、ちょうど日本行きが控えていたので、何か軽くて日本でド
キュメンテーションできるものを、と思って探していたら、なんと東急ハ
ンズの値札がついたメキシコ風の青いレスラーマスクを発見。
「これは日本に連れて帰ってあげなければ!」と思い申し込みをしまし
た。とっても人気があったアイテムだったようですが、ラッキーなことに
この贈り物をもらうことができました♪ 
行った先々でいっぱい記念写真をとって贈り主にプレゼントしてあげた
いと思います。

GIFT ホームページ: http://www.objectsinwaiting.co.uk/gift.html


バイエニアルが終了して、ちょっとぽっかり穴があいた気分です。2年
先までないのかー、と思うとちょっと寂しい気がします。
でも来年は Tate Liverpool でターナー賞の授賞式&展覧会もあるし、
きっとリヴァプール市800歳のお誕生日祝いにいろんなプロジェクトが
展開されるようですので、次回の2008年のビッグイヤーのビッグ・バイ
エニアルもきっとあっという間ですよね!


最後に、バイエニアルは終わってしまいましたが、11月23日から一ヶ月
間続く予定の「ポスト・バイエニアル・エキシビション」を紹介します!

Roscoe Lane(St Luke's Church 裏)にある Static Gallery で行われて
いる、フランス人アーティスト Frederic Pradeau 作の "You'll Never
Walk Alone" 展。
彼がリヴァプールで印象に残った、ドック、建築、スタジアム、音楽、
音、アート、混沌さを盛り込んだインスタレーションです。
「 "You'll Never Walk Alone" を歌うと、センサーで動く作品」ときいて、
見に行きました。
階段を下りると、ベルトコンベアがどかーんと設置されています。レン
ガを静止したベルトに載せて、"You'll Never Walk Alone" を歌うと(ホ
ントは何でもいいんですけど。。。)、ベルトが動き出して、レンガに
"You'll Never Walk Alone" と印刷されて、そのレンガはベルトに乗って
上まであがりきってボトッと落ちてガチャーン! と壊れて山となる、と
いうもの。なんだかこう話してしまうと、とっても単純なものなんですけ
ど、なぜかインパクトがあって面白かったです。 

後日 Frederic に再会したのですが、「レンガのサイズのものであれば
なんでもOKなんだよ」と言って、自分の白いスニーカーを指差して笑っ
てました。もちろんそこには、"You'll Never Walk Alone" のプリントが!

この展覧会は12月23日までです。是非遊びにいってみてください!
ついでにコーヒーとトーストを出してくれる Static Cafe もいいですよ。
ちなみに Wifi アクセス可能です!

 < Static Gallery >
 23 Roscoe Lane, Liverpool L1 9JD
 電話:0151 707 1703
 オープン:火〜土曜日 11:00 〜18:00
 ホームページ: http://www.static-ops.org


【今週の告知】
1)ワタクシごとで申し訳ございません、12月1日から香港経由で一時
  帰国のため、来週号はお休みとさせていただきます。ちなみにこの
  号がアップされる頃には京都にいる予定です!

2)"Double Vision" 〜 BBC Big Screen アコースティック・ライブ中継
  Thursday Late-night Shopping が導入されて久しいですが、木曜日
  はなんと夜8時までお店が営業しています! 日本の感覚からすれ
  ばまだまだ甘いですが、普段5時半に閉まってしまうことを考えると
  ありがたいことです。
  イルミネーションとクリスマス・ツリーもアップされたシティセンターの
  一角で、レイトナイト・ショッパーのためのイベントが企画されていま
  す。クリスマス前までの毎週木曜日の夕方6時から7時まで、
  Clayton Square のBBCビッグスクリーンにアコースティックライブが
  生中継で映し出されるそうです。しかもベーカリーの Greggs がミン
  スパイなんかも配ってくれるそうなので、クリスマス気分も高まりま
  す。

  スケジュールは、以下の通りです。
  - 12月7日:Echo and the Bunnymen
  - 12月14日:Pete Wylie
  - 12月21日:JK as Robbie Williams
  それぞれ午後6時スタートで、入場無料です、というか広場なので
  入場もなにもありませんね。

  帰国中につき、エコバニを見れないのがとっても残念です。
  運のいい人は、クイズに答えて25組50名様に限定、BBC Radio
  Merseyside のスタジオでの生の生ライブも見れるらしいです(もう
  締め切ってたらゴメンナサイ)。ダメでも Clayton Square で盛り上
  がれます。

  詳細はこちらから。
  http://www.bbc.co.uk/liverpool/content/articles/2006/11/16/bigscreen_doublevision_feature.shtml


それでは、再来週!

ミナコ・ジャクソン♪


(この連載に関連する写真は、ウェブサイトの「 NLW ゴールドフィッシュ
だより」ページに掲載しています。
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish72_photo.htm )


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▼スカウスハウス・ニュース
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*** リンク追加しました ******

ウェブサイトの「リンク集−日本語サイト」ページに、『海外旅行辞典』さ
んを追加しました。
海外旅行に役立つ基本情報を紹介するサイトです。
http://scousehouse.net/links-japanese.htm
http://www.poison7.com/kaigairyokou/


*** LFCチケットあります ******

12月19日・Anfield Stadium で行われる「 Carling Cup; Liverpool FC
Vs. Arsenal 」(19:45キックオフ)の観戦チケットを1枚キープしていま
す。
座席は ピッチに近いパドック席のE列、代金は¥19,000(英国在住の
方は£83.00)です。
ご希望の方は、お名前・住所・電話番号・メールアドレスを明記の上、
info@scousehouse.net までお知らせください。お早めに!


*** フットボール・チケット手配 ******

リヴァプールFCおよびエヴァトンFCの、ホームゲーム観戦チケットの
手配を承っています。
詳細は、ウェブサイトの「スタジアムへ行こう!」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/football/stadium.htm


*** 語学留学生募集中 ******

リヴァプールへの語学留学をサポートしています。
詳細については、ウェブサイトの「語学留学案内」ページをご覧くださ
い。
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*** ビートルズ・ガイドツアー ******

リヴァプール&ロンドンのビートルズゆかりの地を訪ねるガイドツアー
をアレンジしています。
ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/beatles/info.htm
http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm


*** 原稿募集中 ******

「リヴァプール・ニュース」では、読者のみなさんからの投稿を募集して
います。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、ある
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お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▽今週のフォト
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*** 今週の「ゴールドフィッシュ」フォト ******

今週も、ミナコさんから素敵な写真が届いています。
ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュだより」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish72_photo.htm


*** 今週のフォト・アルバム ******

「ゴールドフィッシュ」以外の原稿にちなんだ写真は、「NLW フォト・アル
バム」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo276.htm 


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□■ 第276号 ■□

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