April 10 2007, No.293
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     リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■
         *** http://scousehouse.net/ ***        


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼リヴァプール・ニュース <2007年4月6日>
 ▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
 ▼「利物浦日記2006」
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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今週号は、めずらしく早い時間の配信です。
実は今晩、甲子園球場のナイトゲームを観戦することになっているの
です。タイガース対ドラゴンズという優勝候補同士の対戦。しかも甲子
園球場の今季開幕戦です。
せっかくだから早めに行って、最初から観ようと思っています。

野球場でプロ野球を観るのは、ほんとうに久しぶりです。
イチロー選手がブルーウェーヴにいたころは、一年に2,3回はグリー
ンスタジアム神戸に足を運んだものです。でもマリナーズに移籍してか
らは、さっぱり行かなくなってしまいました。TVでプロ野球を観るのは、
それよりもずっと前に止めました。

スタジアムでイチロー選手を観るのは、ほんとうに楽しかったです。
ただ打つとか捕るとか走るとかのプレイだけでなく、イチロー選手から
は何か特別な「気」のようなものが感じられるのです。「オーラ」といっ
ていいかもしれません。プレイや佇まいはクールで、派手なパフォーマ
ンスなんて何もないのに、それでも彼がエンターテイメントを常に意識
し、それをちゃんと実行しているのがよく分かりました。

例えば、大差で負けていて9回に打席が回ってきたとき。観客は「どう
せ負けだけど、イチローの打席見てから帰ろ」と思いますよね。「どうせ
なら一発がーんとホームラン打ってくれんかな」と思いますよね。
で、観ていたら…ほんとうにやってくれたのです。初球をパッカーンと豪
快なホームラン。
「さすがイチローやなあ。ほんまに打ちよった」と、僕らは負けゲームで
も幸せな気分で帰ることができるというわけです。

あまり勝負してもらえなくて、打席ではノーヒットということもありました。
でも必ずと言っていいほど、別の場面で僕らを楽しませてくれたもので
す。1点リードの8回、ランナー2塁の場面でヒットを打たれて「しまっ
たぁ〜」と思った次の瞬間、ライト・イチローからのストライク返球で本
塁アウト、ということもありました。しかも楽々アウトでした。
ここぞという場面で完璧な仕事をやってのけるのがイチロー選手でし
た。そして、どんな試合でも、必ず1つは印象に残るプレイをみせてく
れるのです。

そうだ、こんなこともありました。1点差で負けている9回裏。先頭バッ
ターでフォアボールを選んで出塁。次の打者の時に2塁盗塁を、その
次の打者の時に3塁盗塁を成功させます。しかしこれで2アウト。あと
1人でゲームセットです。バッターが誰だったかは忘れましたが、タイ
ムリーヒットは期待できそうにありません。イチロー選手がホームス
チールを成功させる確率のほうが高いんじゃないかと思って3塁に目
をやると…ああやっぱり。イチロー選手は本気で狙っています。「走る
ぞ」という「気」が、スタンドからでも感じられるのです。
結局、実行に移す前にバッターが凡フライを打ち上げて試合は終わっ
てしまいました。でもあの時に3塁側スタンドから見たイチロー選手の
後姿は、今でも強烈に印象に残っています。

イチロー選手が、外野のポジションでスタンドの少年とキャッチボール
をしている姿も忘れられませんね。
微笑ましい光景なんだけど、よく考えたらあれってものすごいことなん
じゃないかと思います。
10〜20m の距離で、相手は高いところにいて、前後左右には動けな
い。しかも子供です。イチロー選手が投げるボールは、子供が簡単に
捕れる球質・球速で、必ずど真ん中のストライクでなければならないわ
けです。ちょっとでも逸れたら、他のお客さんが怪我をするかもしれな
い。
「これができるプロ野球選手って、イチロー以外に誰かいるのかなあ」
と、いつも感心して観ていたものです。

おや、いつの間にか長話になってますね。イチロー選手のことになると
止まらなくなってしまいます。
ああ、もう行かなくちゃ! とにかく今日は甲子園、楽しんで来ようと思
います!!

                         ― Kaz (10/04/2007)


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▼リヴァプール・ニュース <2007年4月6日>
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*** 4月6日(金) *******************************

【アウェイで快勝】
4月3日、リヴァプールは、UEFAチャンピオンズリーグ・準々決勝の
ファーストレグを戦いました。
相手はアーセナルを退けてベスト8に勝ち上がったPSVアイントホー
フェン。アウェイとなるPSVスタディオンでの試合でした。
結果は0−3での快勝でした。ゴール・スコアラーは、スティーヴン・ジェ
ラード(27分)、ヨン・アルネ・リーセ(49分)、ピーター・クラウチ(63分)
です。

試合後、ラファエル・ベニテス監督はこう話しています。
「いいプレイができたね。よくオーガナイズされた、効果的なパフォーマ
ンスだった。しかしそれ以上に、我々全員が怪我をしたファビオのこと
を心配している。あれはテリブルだった。リヴァプールに戻ってからの
スキャンの結果を待たないと確かなことは言えないが、かなりシリアス
であることは疑いがない。ファビオはいいプレイをし始めたところだった
から、彼にとっても我々にとっても大きな痛手だ。彼の周りには誰もい
なかったから、後から石でもぶつけられたと思っただろうね。まったく災
難としか言いようがない」

「新記録が出たことは、チームにとってもプレイヤーにとってもポジティ
ヴだね。スティーヴィーが点を取って、キャラが大活躍して、そしてゲー
ムに勝つ。こんな試合が年間を通じてできればパーフェクトなんだが
ね。今のウチには、これで気を抜く選手はいないよ。セカンドレグも同
じように本気で戦う。もし前半の45分間相手を沈黙させることができた
ら、そこではじめてセミファイナルを意識することになると思う」

「私にとっては、トロフィーを獲った年と今年とでは、違った感触がある。
違う年の違う大会だから一概に比較はできないが、今のチームの方
が上だ。結果もどんどん近づけて行きたいね」

キャプテンのステーヴン・ジェラードは、この試合のゴールでヨーロピア
ン・カップでの得点を15とし、イアン・ラッシュが持っていたクラブの最多
得点記録を塗り替えました。ジェラードの話です。
「ラッシィの記録を破るなんて、ちょっと複雑な気分なんだ、正直言っ
て。子供の頃から憧れてた選手だし、彼の記録を破るなんて考えたこ
ともなかった。彼のほかの記録を上回るかどうかなんてことも考えられ
ない。確かに光栄なことだけど、個人的にすごく大事なことってわけ
じゃない。大事なのはチームがどうだったかってことだからね。今日の
パフォーマンスはすごくよかったと思う。この調子で行きたいね」

「先制点を取った後は、無理に攻めなくてよくなった。そうなるとこっち
は有利だ。相手にとっては崩しにくくいし、その上カウンターアタックに
も注意しなくてはならないからね。アイントホーフェンとの前の対戦と今
日とでは、ウチの戦い方に大きな違いがあったとみんな気づいたと思
う。前の時はチームとしてまとまっていなかったし、多くのビッグプレイ
ヤーは本調子ではなかったからね。ご覧の通り、今はキャラガーも
リーセもアロンソをはじめ、みんなの調子がいい。僕もね」

「シーズンの初めはほんとにフラストレーションが溜まったよ。エナジー
が不足してるっていうか、だるいような状態だった。メンタル的にもフィ
ジカル的にもね。でもクリスマスのあたりからばっちりになったね。何も
かも元に戻ったって感じがした。トレーニングもうまくこなせてるしね。
ビッグゲームが続くこの時期にピークを持って来れてよかったよ」

「2年前と同じようなフィーリングだね。他の選手も感じてると思う。でも
同時に、スロウダウンすることも自分たちに言い聞かせないとね。アテ
ネのことを考えるのはまだまだ早い。その前にやるべきことはたくさん
あるんだから」

PSVのロナルド・クーマン監督はこう話しています。
「前のラウンドでアーセナルを破った時と同じ戦術で臨んだ。しかし怪
我で重要なプレイヤーを何人も欠いた状態だったから、見ての通り、リ
ヴァプールと対等に戦えるクォリティではなかったね。最悪の結果だ。
アンフィールドでひっくり返して次のラウンドへ進むことは不可能だ。そ
れが可能と言えるのは宇宙人ぐらいだろう。1点目を取られるまでは、
いいプレイが出来ていたんだがね。しかし徐々にスティーヴ・フィナンを
自由にさせることになって、ミスが目立ち始めた。リヴァプールは我々
よりも遥かに強い。それは明らかだ。この対戦に勝てると考えるのは
現実的じゃない」

元リヴァプールのプレイヤーで、この試合に先発出場したPSVのヤン・
クロンカンプは、こう話しています。
「現実は直視しないとね。今の我々のプライオリティは残りのリーグ戦
で、リヴァプールでの試合は二の次だ。ここから挽回できるとは思えな
い。前半はまずまずイーヴンだったと思うけど、後半はぜんぜん違う
ゲームになってしまった。なんとかゲームの流れを自分たちに取り戻そ
うとがんばったけれど、2度も手痛い目に遭ってしまった。1つはディ
フェンスの末のルーズボールから、2つめはカウンターアタックから。ご
覧の通り、今のウチは自信を失った状態なんだ。ボールを奪われるの
があまりにあっけなさすぎた。それが度々だったし、獲られたらもう取り
戻せない」

リヴァプールのホーム、アンフィールドでのセカンドレグは、4月11日に
行われます。


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▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

  ― 第86号 / 「春天来了 リヴァプール」 ―
 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish86_photo.htm ≫

こんにちは。
新聞によるとこれからの1週間は、イースター、ヨーロピアン・チャンピ
オンシップのPSV戦、そしてグランド・ナショナルを控え、リヴァプール
にとって最も多忙な時期となるようです。ホテルはどこもプレミア価格
の高値をつけているにもかかわらずどこも満室とのこと。

そんな嵐の前の静けさか、イースター前ですでにホリデームードに入っ
てしまったのか、今週はそれほどイベントらしいイベントはありません
でした。それでも、何はなくても外に出たくなるような陽気に恵まれて、
それだけでハッピーと思えるのは何よりの贅沢です。ちなみにイース
ター休暇中のリヴァプールは、南スペインよりも温暖な陽気だったとの
ことですよ(編注:この原稿をいただいたのは日曜日でした。翌日の月
曜日、つまりイースター休暇最終日はとても寒かったそうです)。

先週の前半あたりから街中は家族連れ、特にショッピングに出かける
娘連れの母がやたらと多くみられました。イースターの風習もコマー
シャリズムの流れで消えていってしまったのでしょうか?
ホリデーシーズンを連想させる光景といえば、Williamson Square に仮
設のメリーゴーラウンド(イースターらしいかはさておき)と、露店で山
積みになったチョコレートエッグ。

グッドフライデーとイースターサンデーに挟まれた土曜日も、てっきり
休みのところが多いのかと思ったら平日だったんですね。郵便局は普
段の土曜日より長く営業しいるし、シティーセンターのショップはほとん
どがオープンしていて、買い物袋をぶら下げて歩く人々でごった返して
いました。

さて、今週最初に紹介するのは、木曜日に Williamson Square に来て
いた「08 ロードショー」。
地元のアーティスト Donna Berry と Tamasine Franklin が一般の市民
を招いてワークショップを開いてデザインした「08 バス」、この2階建て
バスがリヴァプールのインフォメーション・センターに変身しています。
1階部分には新しいウォーターフロントの予想完成図などの映像が流
れています。2階には1207年から2007年までのリヴァプールの年表が

写真とともに展示され、ボランティアが詳しい歴史について来客者に説
明していました。
このバスは、人々に今年のリヴァプール生誕800年と来年のヨーロピ
アン・キャピタル・オブ・カルチャーを身近に感じてもらうというのが狙い
で、2007年の間、リヴァプール各地を巡回するそうです。 
http://www.liverpool08.com/08Roadshow/index.asp

♪ ♪ ♪

金曜日は、リヴァプール大聖堂に行きました。
現在、リヴァプール出身のアーティスト Terry Duffy 作の十字架、
"Victims, no resurrection" が飾られています。
Terry Duffy は80年代のリヴァプールのアヴァンギャルドシーンをリー
ドし、アトリエ&ギャラリー Arena Studios の創設者でもあり、今はロン
ドンにアトリエを構えて創作活動しています。
この4m×3m の大きな十字架 "Victims, no resurrection" は、1980年
代にリヴァプールのトクステス地域で起きた暴動の直後に強いインス
ピレーションを受けて描かれたもの。イギリス各地に巡回した後、
ニューヨークのハーレムの大聖堂でも展示され、今回リヴァプールに
戻ってきました。とってもエモーショナルでパワフルな作品です。
"Victims, no ressurection" は6月30日まで。
Terry Duffy ホームページ: http://www.terryduffy.info

しばらく行かないうちに、大聖堂の中は、すっかりアップグレードされて
いて驚きました。入り口の受付カウンターの壁にはフラットスクリーン
のモニター、そして The Great Space という HD(ハイデフィニッション)
で撮影された10分間のパノラミック映画と、音声ガイドといった新しい
フィーチャーが導入され、ショップとカフェも新装オープンしたようです
(私の行ったときは残念ながら閉まってました。ガッカリ。。。)。
ハイテク設備が付加されても、厳かで壮大な大聖堂の建築と、ステン
ドグラスを通じて入ってくる外からの光の美しさはそのままです。

 <リヴァプール大聖堂(Liverpool Cathedral)>
  住所: St James Mount, Liverpool, L1 7AZ
  電話: 0151 709 6271
  オープン: 毎日 08:00〜18:00
         (入場無料ですが、寄付をお願いしています)
  ホームページ: http://www.liverpoolcathedral.org.uk

♪ ♪ ♪

土曜日は Ye Cracke で今年のビアガーデン・デビュー!!!(←と大
騒ぎするほどではないですね)
花壇には花が咲き、アイヴィーの新緑がとても爽やかで、風が吹くとま
だまだ肌寒いですが、日差しが強くてとても気持ちよかったです。
昼間からビールをひっかけながらベジ・バーガー&チップス(2.95ポン
ド)を頂きご満悦。リヴァプールにも本格的な春の到来です。

 ♪ ♪ ♪

【今週の告知】
その1;
東京は主に高円寺を中心に活動している Fockea Crispa(フォッケア・
クリスパ)がリヴァプールでライブを行います。
 イベント名: The Defcon Experiment
 日時: 3月14日(土)20:30開場
 場所: Everyman Bistro Third room(Hope Street)入場無料
 出演: Kills The King, Fockea Crispa, Mayming, Monobrow

Fockea Crispa は、さまざまな民族楽器や身近な生活用品をもちいて、
こころが咲きほころぶような音を紡いでいます。
Fockea Crispa ホームページ: http://preface.daa.jp/fockeacrispa/

その2;
4月23日の St George's Day に St George's Hall が帰ってきます。
長期にわたり修復工事のため閉鎖されていたセント・ジョージズ・ホー
ルのグランドオープンを記念して、"Son et Lumiere"(音と光のショー)
が行われます。St John's Garden からホールの裏側に800年のリヴァ
プールの歴史が映し出されるそうです。
 期間: 4月23日(月)〜29日(日)
 時間: 午後8:30からの回と午後9:30の回があります。
 入場料: 大人£3 12歳以下と65歳以上£1.50 ( チケットは、 08プレ
       イス 又は 電話(0151 233 2008)にて購入可能)
http://www.liverpool08.com/events/event_details.asp?dms_id=107421

それではまた来週!

ミナコ・ジャクソン♪

≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish86_photo.htm ≫


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▼「利物浦日記2006」
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「利物浦日記2006」 7 / Kaz
 ≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo293.htm ≫

【8月27日(日)】

9時。ヴェジタリアンのカフェで朝食。その足でジャカランダへ。もちろ
んこの時間はクローズだが、ビールを飲みに来たわけじゃないからだ
いじょうぶ。スタッフのドットに挨拶をして、明日このくらいの時間にツ
アーで来るからよろしくと言う。「だいじょうぶさカズ、どんどん連れてい
らっしゃい」と、いつもどおり気持ちのいい言葉が返ってきた。

10時10分にアデルフィ・ホテルへ。これから「ぶらぶらウォーク〜ディン
グル編」だ。参加メンバーは僕を入れて8人。昨日とほとんど同じ顔ぶ
れだ。朝から和気あいあい、みんなゴキゲンで集まってきた。

ライム・ストリートからバスに乗る。これが意外に大好評だった。みんな
リヴァプールでバスに乗ってみたかったのだそうだ。
まず僕が運ちゃんに料金を聞き、ほかの7人に乗り方を教えてあげる。
順番にバスに乗り込んで、さあいざ出発。天気もいいし、バスの中も適
度に空いていて気持ちがいい。チャイナタウンのゲートのそばを通り、
大聖堂を見上げ、おや、向こうはマージー側が…なんて言っているうち
に、すぐディングルに着いてしまった。
「はい、降りますよぉ〜!」
「えっ? もう降りるの??」
ほんとうにあっという間で、みんなびっくりしていた。

リンゴゆかりのスポットが少しあるだけのディングルは、巡礼に来る
ビートルズ・ファンにとってもマイナーなエリアだ。よほどのリンゴ・ファ
ンじゃない限りは、わざわざ個人で行ってみようという人はいない。あ
の「マジカル・ミステリー・ツアー」のバスも、30秒ほど窓越しにガイドす
るだけだ。この「ぶらぶらウォーク〜ディングル編」は、世界的にみても
珍しい企画かもしれない。

僕は毎年ディングルを訪問しているけれど、ここで嫌な思いをしたこと
がない。
よく「治安の悪いスラム」みたいな言い方をされるけれど、一体何を見
ているんだろうと思ってしまう。たしかにここはそんなにリッチなエリア
ではない。でも治安が悪いようにはぜんぜん見えないし、住んでいる人
たちのハートのあたたかさは、“フレンドリー・シティ”リヴァプールの中
でもトップクラスだと思う。こちらが切なくなるくらいに、義理や人情に厚
い人たちなのだ。
僕がこのエリアを訪ねるツアーを毎年企画するのは、そういうことをみ
んなに知ってもらいたいという思いがあるからだ。

リンゴか通った小学校、リンゴのおじいちゃんの家、リンゴの生家を見
て、マーガレットさんの家へ。リンゴが4歳からビートルズで成功するま
で住んでいた家だ。
マーガレットさんには3日前に言ってあったので、ちゃんと待っていてく
れた。マーガレットさんのお部屋で、リンゴがいた頃の話をいろいろと
聞かせてもらう。おまけに、どういうわけか僕の「ノーティー・ボーイ」な
話もしっかり披露してくれて、みんなに笑われてしまった。マーガレット
さんは嬉しそうだった。

12時からはエンプレス・パブで乾杯。女手一つでリンゴを育てたエル
シーお母さんが働いていたパブだ。きっとリンゴにとっては我が家のよ
うな場所だったに違いない。
このグループはとりあえずビールがあればみんなゴキゲンだけど、こ
のパブでの一杯は格別に美味しかったようだ。話は弾んだし、ほとん
どの人がビールをおかわりした。
主人のリンダさんの話によると、何週間か前、リンゴの息子のザック
が、妹のリーを連れてここに来たということだった。今やザ・フーやオア
シスといった超ビッグなバンドのドラマーとなったザックにとっても、ここ
は大切な故郷なのかもしれない。

(つづく)

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo293.htm ≫


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▽スカウスハウス・ニュース
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ています。この夏、ぜひぜひリヴァプールでお会いしましょう!
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リヴァプールFCおよびエヴァトンFCの、ホームゲーム観戦チケットの
手配を承っています。
詳細は、ウェブサイトの「スタジアムへ行こう!」ページをご覧ください。
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リヴァプールへの語学留学をサポートしています。
詳細については、ウェブサイトの「語学留学案内」ページをご覧くださ
い。
http://scousehouse.net/study/index.htm


*** ビートルズ・ガイドツアー ******

リヴァプール&ロンドンのビートルズゆかりの地を訪ねるガイドツアー
をアレンジしています。
ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm
http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm


*** 原稿募集中 ******

「リヴァプール・ニュース」では、読者のみなさんからの投稿を募集して
います。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、ある
いは英国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▼今週のフォト
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*** 今週の「ゴールドフィッシュ」フォト ******

今週も、ミナコさんから素敵な写真が届いています。
ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュだより」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish86_photo.htm


*** 今週のフォト・アルバム ******

「ゴールドフィッシュ」以外の原稿にちなんだ写真は、「NLW フォト・アル
バム」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo293.htm 


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□■ 第293号 ■□

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