July 24 2007, No.307
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼リヴァプール・ニュース <2007年7月22日>
 ▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
 ▼スカウスハウス・ニュース
 ▽今週のフォト


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▽フロム・エディター
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気がつけば、「ビートル・ウィーク」まであと1か月です。
何事も余裕を持って行動することができない僕は、毎年、だいたいこ
のくらいの時期になってやっと、航空券の予約に取り掛かります。
そして、毎年苦労しています。

夏休みで需要が多い時期だし、料金的にも早く予約したほうが絶対得
なのはわかっているのですが、ズボラな性格はどうしても直りません。
旅行のスケジュールはそれこそ1年も前に決まっているのに、自分で
もバカだなあと思います。

今年も予想通り、そんなに簡単には行きませんでした。
いや、簡単に行かないどころではなかったです。かな〜りたいへんでし
た。
ヨーロッパ経由、中東経由、アジア経由…たくさん問い合わせてみまし
たが、ことごとくきっぱり満席。キャンセル待ちすら受け付けてもらえな
いのです。たまにOKの返事をもらっても、僕には手が出せないほど高
いのです。
結局はなんとか予算の範囲内でフライトを予約することができたので
すが、一時はほんと、どうしようかと思いました。

いったい何が起きているのでしょう?
僕の知らない間に、イギリスに行く人が爆発的に増えているのでしょう
か??
う〜ん、物価は高いしポンドはウナギ登りだしテロ事件なんかもあった
し…なんて考えるにつけ、ほんとに不思議な気分です。

でももちろん、イギリスの人気が爆発しているのなら、嬉しいことですけ
どね。
…ん? ひょっとしてイギリスじゃなくてリヴァプールの人気が爆発して
いるんでしょうか??
まあとにかく、来年はもうちょっと早くフライトの予約をしようと思いま
す(…できるかなぁ)。

                        ― Kaz(24/07/2007)


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▼リヴァプール・ニュース <2007年7月22日>
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*** 7月22日(日) *******************************

【赤いバスで離婚?】
ステージコーチ社のドライヴァー、アラン・カランさんは、根っからのエ
ヴァトンFC(ブルーズ)・ファンです。
しかし会社が先月より導入したバスが、アランさんに離婚の危機をもた
らしています。
街を二分するライヴァルチーム、リヴァプールFC(レッズ)のヨーロッパ
制覇30周年を記念したデザインのバスで、車体の横にレッズのエンブ
レムや“Chempion of Champions”のロゴが入り、全体が真っ赤に塗ら
れているのです。
アランさんは、不本意ながらそのバスを運転していました。
しかし、それを見て黙っていられなかったのが、奥さんのマリーさんで
した。
アランさん以上の熱狂的なエヴァトニアンのマリーさんは、「そのバス
の運転をやめないなら離婚する」と夫に迫ったのです。

ブートル在住で54歳のアランさんはこう言います。
「『もしあんたが平気な顔であのバスに乗り続けるんなら、わたしはすぐ
出て行きますからね』ってカミさんに言われちゃって」
「カミさんは熱狂的なエヴァトニアンでね。一家全員がそうなんだ」
「宗旨替えと一緒だってカミさんは怒るんだよ。だから乗るのを拒否し
てシフトを降りるべきだったって。でもそんなことしたら俺はクビになっ
てしまう」
「もうどんづまりだよ、何もかも。行きつけのパブにも行かせてもらえな
いよ」

アランさんと同じステージコーチ社支部の食堂で働くマリーさんは、赤
いバスを運転する夫に朝食を出すことを拒否しています。そして怒り心
頭でこう話しています。
「あたしたちの伝統とかフットボールの信仰心を侮辱する以外の何物
でもないわ、あのバスは。だからアランがあれを運転することには何が
何でも我慢ならないのよ」
「もしアランが自分で何とかできないんだったら、あたしはもう知りませ
んからね。それならもう終わりよ。あたしたちは別れるしかないわ」

この騒動を聞いてあわてたステージコーチ社は、アランさんとマリーさ
んを呼んで話し合い、エヴァトンFC・ブランドのバスを導入することを決
定しました。
エヴァトン・ブルーのバスは8月の始めに登場することになっています。
もちろん、ハンドルを握るのはアランさんです。


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▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
       〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

  ― 第98号 / 「Re-united in リヴァプール」 ―
 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish98_photo.html ≫

こんにちは。
イギリス全土で不安定な気候が続いています。
イングランド中部では集中豪雨による深刻な大洪水により、避難生活
を余儀なくされている人々の様子がニュースや新聞で取り上げられて
いて、ショックでした。
リヴァプールは生活に支障ない程度の雨なので問題はありませんが、
このような天災によって一転して日常が脅かされる可能性があるとの
ことを思い知らされ、他人事には思えないものがあります。一日も早く
復興することを願っています。

さて、今週のレポートです。
ゴールドフィッシュだよりでも度々登場しているモナ・レノンでおなじみ
のアーティスト、Alex Corina氏。
この人はとてつもない遠心力を持っていて、本当にどこに飛んでいくの
か分かりません。

ゴールドフィッシュだよりの46号でお伝えしましたが、絵画の限定プリン
トのシリーズを 'Capital of Culture Collection' と称したことで、その後
市から商標権の侵害になるとのお達しを食らったり(←この騒ぎはな
んとか収まりました)、今年のエイプリル・フールに、自宅を売りに出す
というので、メディアを招待して大々的に宣伝をしたり(←パーティーと
しては大盛況でしたが家は売れず)、突然市議員選に立候補したり
(←残念ながら落選)など、話題の豊富な人物です。

水曜日、アルバート・ドックのビートルズ博物館The Beatles Storyにて、
キャバーン・クラブの開店50周年を記念したAlexの新作 "The Beatles    
Re-united" のお披露目会がありました。
キャバーンのカラフルな壁をバックグラウンドに、モナリザの格好をし
て演奏をするビートルズ4人を描いたものです。

毎回こうした披露イベントで豪華ゲストを招待しているAlex Corinaです
が、今度もなかなかのツワモノを揃えました。
まずは、The Beatles Storyの館長Jerry Goldman、地元紙Daily Post
のアート・ライターPhilip Key、そしてJohn Lennonの実妹であるJulia
Baird。

Alexは今回の作品について、毎年何百、何千人というビートルズ・ファ
ンが「巡礼」に訪れるキャバーン・クラブは、ある意味宗教的で、この
作品はスピリチュアルな作品だ、力説していました。
しかし神妙な表情で語るAlexの横に飾られているモナリザ風ビートル
ズは、対象的にあまりにもコミカルで、笑いをひた隠しにしていたのは
多分私だけではないと思います。。。
まわりの感想は賛否両論です。でもきっと、モナ・レノンのように、じき
市民権を得るのではないかと思います。

Alex Corinaは、ブラッドフォードで育ち、アート・カレッジを卒業しました
が、堅気のキャリアを選び、ホームオフィス(内務省)や政府の薬物防
止チームのトップを務めたりと官僚としての仕事を経て、90年代前半
にリヴァプールに落ち着きました。
10年前に心臓病を患ったことをきっかけに人生を顧みて、今後の人生
はアートに捧げようと決心し、再びアートの世界に戻り現在に至ります。
そして創作活動の傍ら、リヴァプールで最も失業率が高くさびれた
Garston地域を 'Cultual Village' として生き返らせようという運動をして
います。

今回、"The Beatles Re-united" のほかに、"Liverpool 08    
Collectables" という新シリーズで、モナ・レノンのマグとプラークといっ
たグッズも披露。
しかも 'Made in Garston' と書かれた箱に入っていて、お土産にぴった
り?!
Julia Bairdはスピーチの中で、Juliaさん自身が育った場所でもある
Garston地域を、Alexが「よそ者」であるにもかかわらず、頑張って盛り
上げていることを大絶賛していました。

BGMでもちろんビートルズが流れていたのですが、いざスピーチが始
まるというときに音量が下がらず、仕舞いには会場は大合唱の渦とな
りました。
「これはきっとジョンの仕業ね」と誰かがコソコソ言っていて同感。その
様子をショート・ビデオを撮りました。Julia Bairdさんもちらっと映ってま
す。最後にヘンなところでボタンを押してしまったので、尻切れトンボで
すみません。。。
http://video.google.com/videoplay?docid=-7920846708618953145

"The Beatles Re-united" と "Liverpool 08 Collectables" のグッズは、
The Beatles Story、又はAlex Corinaホームページから購入できます。

Alex Corina ホームページ: http://www.artworksinliverpool.com/print/alex.php
(Steven GerradとWayne Rooneyネタの作品も見られます)

そして、2008年に向けて、ミュージアムを2倍に拡大すると発表したば
かりの The Beatles Story(日本語ページ)の詳細はこちらです。
ホームページ: http://www.beatlesstory.com/page.asp?key=48

♪ ♪ ♪

毎年この時期になると、私の住んでいるところの真後ろの学生寮から
はドラムのビートが聞こえてきます。

金曜日、"Brouhaha International Street Festival" が幕開けとなりまし
た。
Brouhaha(ブルーハーハーと読みます)といえば、毎年行われるカラフ
ルなストリート・カーニバルがすっかり街の風物詩となっていますが、そ
のほかにも、劇場やコミュニティーセンターや文化施設にとどまらず、
ストリ ート、公園、公共広場をステージにした国際色豊かな大小のイ
ベントを3週間に渡って展開しています。
出場者は、地元、イギリス国内に加え、海外20カ国以上から招待され
てやってきたパフォーマンス・チームで成り立ちます。

15年目を迎える今年のBrouhahaは、イギリスにおける奴隷貿易廃止
200周年に呼応して、"Dance of the Free Spirit - Resistance,    
Rebellion and Abolition" がテーマです。
このような過ちが二度と起こらないように願いと、世界がひとつとなっ
て、より良い世の中を作っていこう、というメッセージをフェスティバル
を通じて発信してます。
今回特筆すべき参加国は、奴隷貿易と深いかかわりのあったトリニ
ダード・トバゴ、ブラジル、キューバ、レユニオン島。その他、欧州、カリ
ブ、アフリカ、南米、中東、東アジアなどから集まっています。

オープニング・イベントが7時半からPhilharmonic Hallで行われたので
すが、その前にHope Street Hotel地下のThe Residents' Loungeで開
会式が行われました。
Brouhahaエグゼクティブ・ダイレクターのGiles Agisの挨拶、各国の
チームの代表者が自己紹介をしているなか、日本からも参加があるこ
とが判明!
2本の大縄を巧みに操りながら、アクロバティックに跳び、踊る、ダブ
ル・ダッチ世界大会優勝を2度獲得した、カプリオールの皆さんが
Brouhaha入り。底抜けに明るく、チームワークがよく、礼儀正しく、子
供に優しく、そして肝心なパフォーマンスは最高にエキサイティングで
面白いカプリオールについては来週また続報をお伝えしたいと思いま
す。
カプリオール公式ホームページ: http://www.capliore.com/

場所を移して、Philharmonic Hallの入り口では、のっぽの道化師が雨
の中お出迎え。
このオープニング・イベントは、20カ国以上の参加団体が出演し、民族
音楽・ダンス、フラメンコ、カーニバル、コンテンポラリーダンス、ブレイ
クダンス、ラップなどパフォーマンススタイルや衣装も多種多様。
中には、奴隷をテーマにしたメッセージ性の強いダンスも披露されまし
た。4時間にわたるステージで、まるでストリート・パフォーマンスの世
界一周旅行のようでした!

♪ ♪ ♪

【今週の告知】
その1;
7月25日(水)午後1時から、Williamson Square(リヴァプールFCの
ショップ前の広場)で、こちらもBrouhahaの一環のイベント、"For
Diversity. Against Discrimination" が行われます。
日本、ポルトガル、ポーランド、ウルグアイ、イギリスが出演します。ち
なみにこの日が、カプリオール今年のBrouhahaでの最後のパフォーマ
ンスとなります。午後3時半ごろからの登場予定です!

その2;
8月4日(土)午後12時から、Brouhahaのクライマックス・イベント
"Liverpool International Carnival" が行われます。
Myrtle Streetのコミュニティーカレッジ・アートセンター前からスタート
し、Princes Parkまでをパレードし、続いてPrinces Parkでは "The    
World in Princes Park" と題して、4つのステージで各国のパフォーマ
ンスが行われます。

このほか、ブートル、サウスポート、ウィガンなどにもフェスティヴァル
のネットワークが広がっています。詳細はこちらから。
Brouhaha ホームページ: http://www.brouhaha.uk.com 

それではまた来週!

ミナコ・ジャクソン♪

≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish98_photo.html ≫


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*** 今週の「ゴールドフィッシュ」フォト ******

今週も、特派員ミナコさんから素敵な写真が届いています。
ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュだより」ページをご覧ください。
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*** 今週のフォト・アルバム ******

今週の「NLW フォト・アルバム」ページには、英国へのフライトの写真を
掲載しています。
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo307.html 


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□■ 第307号 ■□

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