August 07 2007, No.309
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼リヴァプール・ニュース <2007年8月3日&4日>
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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いや〜しかしびっくりしました。
個人的には、「なぁんかおかしいなぁ〜」と思っていた矢先ではあった
のですが、それでもやっぱりびっくりしてしまいました。

先週の木曜日に、突然、マシュー・ストリート・フェスティヴァルの中止
が発表されたのです。
リヴァプールが1年でいちばんにぎわう日、街じゅうの人たちが楽しみ
にしているお祭りです。それを中止する、しかも開催まで4週間を切っ
たこのタイミングでの発表ですから、当然大きな問題になっています。
メディアも関係者も一般の人々もみ〜んな怒っています。詳しくは、今
週の「ニュース」をご覧ください。

この問題、日曜日になって、カウンシル・リーダーのウォーレン・ブラッ
ドリーさんが半ば強引に差し戻しを宣言し、一転して開催へ向けて動き
出しました。どんでん返しの可能性大です。
カルチャー・カンパニーによって中止が発表された時、ブラッドリーさん
は滞在先のカナリー諸島での休暇の最中でした。中止になるというこ
とはもちろんまったく知らされていませんでした。連絡があったのは発
表の数時間前だったそうです。もしかするとカルチャー・カンパニーの
策略だったのかもしれませんね。

リヴァプールでは、このマシュー・ストリート・フェスティヴァルの翌日の
8月28日に、市制800周年の記念イヴェントが行われます。
3ヶ所の野外ライヴ・ステージにストリート・パーティー、記念パレード、
ビア・フェスティヴァルなど、盛りだくさんのイヴェントが計画されていま
す。
個人的には、このリヴァプール800歳パーティーの存在が、カルチャー・
カンパニーのモチベーションを奪ってしまったような気がします。さまざ
まな制約のある現在のリヴァプールで、2日連続で超ビッグ・イヴェント
を主催・運営するのは、そもそも彼らの能力を超えたことだったのかも
しれません。
リヴァプールの800歳の誕生日は動かせませんし、マシュー・ストリート・
フェスティヴァルも、8月のバンク・ホリディの開催と元々決まっていま
す。
僕らのように観光する側からすれば理想的な日程なのですが、主催す
る側にとっては悪夢のようなスケジュールかもしれませんね。きっとカレ
ンダーを恨んだことでしょう。

「スカウス・ハウス」で何年も関わってきて実感するのは、リヴァプール
はつくづく「結果オーライ」の街だということです。
大きな出来事がある時、その実現までには、信じられないようなアクシ
デントが、信じられないタイミングで、必ずと言っていいほど起こります。
ほとんど100%の確率で起こります。ほんとです。
でもそれを、最後の最後に火事場の馬鹿力で見事にうっちゃり、当日
はまるで何事もなかったように涼しい顔で楽しく開催、おいおいあれは
なんだったの??…というのがいつものパターンなのです。

というわけで、おそらく、マシュー・ストリート・フェスティヴァルは無事に
開催されるはずです。そしてもちろん、リヴァプール800歳パーティーも、
すばらしいものになると思います。きっと!!

                        ― Kaz(07/08/2007)


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▼リヴァプール・ニュース <2007年8月3日&4日>
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*** 8月4日(土) *******************************

【マシュー・ストリート・フェスティヴァルが中止に!?】
8月2日、今年の「マシュー・ストリート・フェスティヴァル」が中止になる
ことが明らかになりました。中止の理由は、安全面の問題ということで
す。
毎年8月最後の月曜日「バンク・ホリディ」に行われ、30万人以上を動
員するこのフェスティヴァルは、リヴァプール名物の観光イヴェントと
なっています。
しかし現在リヴァプールのシティ・センターは、多くのエリアが再開発工
事中で、特に、3万人以上を吸収できるピア・ヘッドを始が使えない現
状では、数十万人もの群衆を受け入れるにはリスクが大きすぎるとい
う判断だったようです。

フェスティヴァルを運営する公的機関「カルチャー・カンパニー」のチー
フ・エグゼクティヴ、ジェイソン・ハーボロウはこう説明しています。
「マシュー・ストリート・フェスティヴァルは大きくなりすぎた。それが命取
りになったと言えるだろう」
「フェスティヴァルが集める人口が巨大になっていること、それとピア・
ヘッドが使えないこと。それが我々にとっての大きな問題となった。そ
して残念ながら、この問題を克服することができなかったということだ」
「なんとかこのフェスティヴァルをシティ・センターで開催できるよう、
我々は懸命に努力してきた。しかし数ヶ月を要して仕上げた開催計画
も、満足の行くものにはならなかった」
「最終的に我々は、全国的なセイフティ・エキスパートであるカピータ・
シモンズ社に調査を依頼した。彼らがこの困難な問題の解決策を見つ
け出してくれるのを期待していた。しかし残念ながら、やはり大きなリス
クは避けられないというのが彼らの結論だった」

マージーサイド警察のヘレン・キング警部補はこう話しています。
「彼らが下したキャンセルの決定には、全面的に尊重します。パブリッ
ク・セイフティは最優先されるべきですから」

「マージー・パートナーシップ」のツーリズム・ダイレクター、マーティン・
キングはこう話しています。
「観光部門としてはものすごく残念。うちのメンバーでこのイヴェントに
かかわっている人間も多いし」
「すでに旅行の準備をしている何千人ものヴィジターにとってもショック
な話だろうね」

地元紙「リヴァプール・エコー」のアート・エディター、ジョー・ライリーはこ
う書いています。
「考えられる限りで最高に派手なオウン・ゴールをやらかしてくれた」
「国際的なトレード・マークになっているこの街のミュージック・フェスティ
ヴァルが中止になった。最後の最後の段階で」
「何十万人ものツーリストの楽しみが台無しになった」
「リヴァプールの経済は何百万ポンドもの損失」
「いちばん最悪なのは、リヴァプールのプライドが前代未聞のやり方で
ずたずたにされたこと。しかもよりによってこの800年のバースディ・イ
ヤーに」
「シティ・カウンシルと、その子犬であるカルチャー・カンパニーが、誰
が責任を取るかでもめているのは見苦しい。洞窟のこうもりよりも目が
見えない彼ら全員が責任を負うべきである」
「ファンにとって、今年は特別な年である。ジョンとポールが出会って5
0年、キャヴァーン・クラブが開業して50年、ブライアン・エプスタインの
死去から40年、サージェント・ペパーがリリースされて40年」
「しかしそれらは今、能なしどもによって台無しにされてしまった」
「誰が見ても悲劇だが、もしそうでないとすれば、何かの賞を獲るほど
の茶番と言えるだろう」


*** 8月5日(日) *******************************

【批判が続々】
マシュー・ストリート・フェスティヴァルの中止に、各方面から批判の声
が上がっています。

ビートルズの初代マネージャー、アラン・ウィリアムズはこう話していま
す。
「信じられん。気が狂ったとしか思えんな」
「このUKで最大のフェスティヴァルだぞ。ヨーロッパやその向こうから
みんなやって来るんだぞ」

ラジオDJでエンターテイナーのピート・プライスはこう話しています。
「まったくもって信じられない話だ。今までの年は安全面の問題はな
かったのか? 開催まで3週間の時点で、どうやってキャンセルするん
だ? キャピタル・オブ・カルチャーだって今までさんざん言って来たこ
とは何だったんだ?」
「俺たちは世界で最悪の夏を迎えることになるね。みんなマシュー・スト
リート・フェスティヴァルを楽しみにしているっていうのにね。世界中から
人々が集まって来る、本当に素晴らしいイヴェントなのにね」
「馬鹿じゃないのって言われるよ、俺たち」

毎年同じ時期に開催される大規模なダンス・フェスティヴァル「クリーム
フィールド」のボス、ジェイムズ・バートンはこう話しています。
「安全面は第一に考慮されなければならないし、不測の事態が起こら
ないように万全の対策を練らないといけない。それは分かる。しかしそ
のための時間はたくさんあった」
「道路工事は今始まったわけじゃない。ピア・ヘッドが使えないってこと
は、少なくとも18ヶ月も前に彼らは知っていたはずだ」
「本当に恥ずべきことだよ。このカウンシルはまたやってくれたね。彼ら
がこれまでリヴァプールのカルチャー・アクティヴィティに果たしてきた
功績は認めるけれどもね」
「今からではどうすることもできない海外からの何万人ものヴィジター
のことを考慮して、その上での決断だといいんだけどね」

マシュー・ストリートのパブ「ホワイト・スター」の主人アルフィー・バクス
トンはこう話しています。
「本当のところは、安全面での問題じゃないんじゃないか。カウンシル
もカルチャー・カンパニーも金がないんだよ」
「大みそかの花火を、風が強いからって理由で中止したのもこいつら
だ。サウスポートやマンチェスターや、リヴァプール以外の街はどこも
中止しなかったっていうのに」
「私らにはオーストラリアやノルウェイからフェスティヴァルにやって来
る友人もいるがね。ノルウェイの連中は私らより早くキャンセルのこと
を知ってたよ。リヴァプールは物笑いのタネにされているよ」

奥さんのジャッキー・バクストンはもっと辛辣です。
「カルチャーの都市だって? こんなシンプルなストリート・フェスティ
ヴァルのひとつもオーガナイズできないのに?」
「こんなにぎりぎりになって投げ出すなんて、むちゃくちゃよね。恥ずか
しいったらありゃしないわ。この決定はみんなに影響するでしょうね。た
くさんの人に来てほしいんだけど」

同じくマシュー・ストリートにあるアイリッシュ・パブ「フラナガンズ・アップ
ル」の主人、ナンシー・ムーニーはこう話しています。
「みんな怒ってるわ。私たち、フェスティヴァルがスタートしたときからこ
こにいるのよ。そもそもは私たちバーやパブがこのフェスティヴァルを
スタートさせたんじゃないの」
「こんなにポピュラーになって、リヴァプールにとってもすごくよかったっ
て思ってるのに、私たちから取り上げるっていうのね。冗談じゃないわ
よ。これはマシュー・ストリート・フェスティヴァルなんでしょう? ピア・
ヘッド・フェスティヴァルじゃないでしょう?」

ホテル「クラウン・プラザ」のマネージャー、ブライアン・コナーはこう話
しています。
「たいへん残念です。しかしカウンシルが安全面を考慮して中止せざる
を得なかったのなら、私どもとしてはこの決定を尊重しなければなりま
せん」
「今年に限って言えば、私どもはそれほどの影響は受けないと確信し
ております。ただ、今年来られた方々が楽しく過ごされればまた来年も
来てくださるでしょうが、おそらくそいういうことにはならないかもしれま
せん」
「そうなりますと、元に戻すには何年もかかるかもしれませんね」

「インターナショナル・ビートル・ウィーク」を主催する「キャヴァーン・シ
ティ・ツアーズ」のダイレクターで、この「マシュー・ストリート・フェスティ
ヴァル」の創設者でもあるビル・ヘックルは、まったく寝耳に水の話だっ
たと語っています。
「この街は惨事とか事故には特に敏感だから、安全が保障されないな
んて言われると、無視するわけにはいかないんだろう」
「私がこのことを聞いたのは今朝(8月2日)の8時半だ。今もショック
から立ち直れていない」
「どうすればいいか、それ明白だと私は思っている。まず大事なことを
思い出してほしい。バンク・ホリディの週末のお祭りが全部なくなるわ
けじゃない。ビートル・ウィークの開催にも影響しない」
「例年と違うのは、野外のライヴ・ステージがないってことだけだ。これ
はスタートしたときのマシュー・ストリート・フェスティヴァルのスタイルと
同じだ。10年前に労働党が野外ステージを作るお金がなかった時も
あったが、我々の手でやって成功させた。だから今回も成功させようと
思っている」

批判の矢面に立たされ、解任を求める声もあがっている「カルチャー・
カンパニー」のチーフ・エグゼクティヴ、ジェイソン・ハーボロウはこう話
しています。
「イヴェントをキャンセルする決定は適切であると考えます。今年マ
シュー・ストリート・フェスティヴァルを開催できないのは大きな痛手なの
は確かですが、しかし、少なくとも人々を危険にさらすことにはなりませ
ん」
「これは『ノー・ウィン』のシチュエーションなのです。もし開催に踏み切
れば惨事が起こり、我々はそれで非難を受けることになるでしょう」
「今思えば、この決定にもっと早く到達すればもう少し批判も少なかっ
たかもしれません。しかし決断が遅くなったのは、我々がなんとか解決
策を見出そうと一生懸命努力して来たからなのです」
「私に辞めろという人々には、このことについてちゃんと説明して行き
ます。しかし私の同僚たちは、私を全面的に支持してくれていますよ」
「他の誰かがこのイヴェントをオーガナイズしていたとしても、同じこと
になっていたはずです。カルチャー・カンパニーは来年に向けて多くの
仕事を抱えています。もし私や私のチームの何人かが今辞めることに
なれば、2008年は悲惨なことになりますよ」


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▽スカウスハウス・ニュース
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http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm
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今週の「NLW フォト・アルバム」ページには、「マシュー・ストリート・フェ
スティヴァル」の写真を掲載しています。
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