February 12 2008, No.331
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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         *** http://scousehouse.net/ ***        


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼リヴァプール・ニュース <2008年2月8日>
 ▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
 ▼スカウスハウス・ニュース
 ▽今週のフォト


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▽フロム・エディター
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先週に行われた国際親善マッチで、我らがスティーヴン・ジェラードが、
イングランド代表のキャプテンを務めました。
スイスを相手にロンドンで行われたこの試合は、2−1でイングランド
が勝利し、カペッロ新監督の初陣を見事に白星で飾りました。キャプテ
ンも大活躍でした。

リヴァプールでは、今や押しも押されもせぬ堂々たるスキッパーですよ
ね、スティーヴィーは。
キャプテンに任命されたのは、えーと、あれは確かウリエ監督の最後
の年だったはず。ということはもう4年も経ってるんですね…早いもの
です。

ステーヴィーがキャプテンになってからのレッズは、見違えるように強く
なったような印象があります。プレイヤーとして優れているだけではな
く、チームの精神的支柱として圧倒的な存在感がありますよね。ここ
一番で頼れる主将。まさにキャプテンの中のキャプテンです。

今回はとりあえずは暫定的なもののようですが、遠からず、イングラン
ド代表でもスティーヴィーが正式なキャプテンになるんじゃないかなあと
いう気がします。そう思いませんか?

● ● ●

スイス戦の後で、キャプテンはこう話しています。
「勝てたのは良かった。けどこのチームはもっともっと進歩させる余地
があると思う。ポジティヴに捉えていい面もあったし、恥ずかしくないパ
フォーマンスではあったと思う。でもまだ喜んでる場合じゃない。今の
監督の下で僕らは、登るべきステップがたくさんあるってことをよく理解
している」

「監督のアイデアや方法論にはすごいものがある。勝ち方を熟知した
監督だね、間違いなく。でも選手には時間が必要だ。それに適応して
彼の期待通りのパフォーマンスができるようになるまでにはね。今日の
試合ではその兆候はあったと思うけどね」

「未来は明るいと思うよ。本当に素晴らしい監督だ。一緒に仕事をして
2日目か3日目で確信したよ」
「でも、だからといって浮かれたり、期待を膨らませ過ぎないようにしな
いといけないと思っている。だってまだ始まったばかりなんだから。ス
タートを白星で飾ったっていっても、道のりはまだまだ長い。それを忘
れないようにしたいね」

「(カペッロ体制での初戦に主将に任命されたことについて)みんなの
前でキャプテンに指名されたときはちょっと舞い上がってしまったよ。
最終的に誰が任命されるのかはもう少し先の話だけど、でも、彼の最
初の試合でチームを引っ張る役目ができたのは嬉しいね」

「前から何度も言ってることだけど、別に自慢したいとか目立ちたいと
かそういうのはないよ。まだジョン・テリーが僕らのキャプテンだと思っ
てるから。臨時でもキャプテンを務められて嬉しかったと言ってるだけ
だよ」

「正式なキャプテンになりたいかってことについては、そうだね、イング
ランドの選手たちの誰に訊いても、みんなイエスって言うと思うよ」

● ● ●

この試合が行われたのは、「フットボールの聖地」と呼ばれる、ロンドン
のウェンブリー・スタジアムです。
収容観客数はなんと8万6000人以上。長期間に渡る改装工事を経て、
昨年新しくオープンしたばかりの、近代的なスタジアムです。

旧ウェンブリーには2度ほど行ったことがあるのですが(といってもフッ
トボールではなくて、2回ともコンサートです)、この新ウェンブリーには、
僕はまだ行ったことがありません。いつか、そのうち、フットボール観
戦で訪れてみたいと思っています。

そうそう、ご存じの方も多いかもしれませんが、ロンドン〜リヴァプール
間を走るヴァージン・トレインの車窓から、このスタジアムの姿を見るこ
とができます。ロンドン行きなら左手、リヴァプール行きなら右手に見
えます。「それがどうした」と言われればそれまでなんですが…。
えーととにかく、今週の「NLW フォト・アルバム」ページに、車窓からの
写真を掲載しておきますね。
≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo331.html ≫

                          ― Kaz(12/02/2008)


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▼リヴァプール・ニュース <2008年2月8日>
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*** 2月8日(金) *******************************

【キャラにヘルシー賞】
リヴァプールFCのスター選手、ジェイミー・キャラガーが経営するレスト
ラン<Cafe Sports England>が、"Greater Merseyside Food Charter
Award" を受賞しました。
この賞は、心臓病防止のためのチャリティ機関<Heart of Mersey>が
主催するものです。
昨年10月にオープンしたばかりの<カフェ・スポーツ・イングランド>です
が、リヴァプールで2店目となる栄誉に輝きました。
このレストランでは、栄養士の助言により、脂肪・砂糖・塩の使用料を
できるだけ使わないようなメニューが考案されています。

地元紙<Liverpool Echo>の取材に、キャラガーはこう話しています。
「とても嬉しいよ、<カフェ・スポーツ・イングランド>がこの賞に選ばれる
なんて」
「2人の子供の父親として僕は、いいレストランを探すことの難しさは身
にしみている。リラックスできて楽しく食事ができて、しかもヘルシーな
メニューを揃えたレストランってことだけど」
「ここは、家族連れに気楽に来てもらえるようなレストランだと思うよ。う
ちの子たちもここのヘルシー・ピッツァやスムージーが大好きなんだ」

キャラガーのお店には、今のチームメイトはもちろん、かつての仲間た
ちもサポートを表明しています。キャラガーは続けます。
「すごいありがたいよ。みんなここのメニューを気に入ってくれてる。う
ちのチームだけじゃなくて、エヴァトンの選手たちもすごく応援してくれ
てるんだ」
「スポーツをやってた経験があったから、僕はヘルシー・イーティング
の大切さを教わることができた。このレストランが、子供たちにヘル
シー・イーティングの意識を広めて、小児肥満の防止に役に立つこと
ができたらって思う」
「フットボール選手たちが実際に食べてるのと同じような食事を、子供
たちにここで食べてもらうのはすごくいいことだと思うよ。どんなスポー
ツであれ、成功するには才能は必要だ。でもちゃんとしたものを食べる
のも、同じくらい大事なことなんだよ」


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▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
       〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第118号 / 旧正月からValentineまで ―
 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish118_photo.html ≫

こんにちは。
今週は、エキサイティングなイベントの発表がありましたので、珍しく
【今週の告知】から。

その1;
3月6&7日に、新しくオープンしたばかりのHard Days Night Hotelに
て、Linda McCartney Centreのチャリティーイベントとして、LIPAの学
生主催の "Stella McCartney Fashion Show" が開催されます。
チケットは£17.50〜£35.00。こちらのホームページから購入できます。
http://www.ticketweb.co.uk/user?query=search&region=xxx&category=misc&search=linda%20mccartney%20centre%20fashion%20show

その2;
3月15日に3年ぶりに再オープンするブルーコート・アーツ・センター改
め<the Bluecoat>の幕開けを飾る最初の展覧会は、"NOW THEN"。
Alex Finlay、Janet Hodgson、Hew Locke、Paul Morrison、オノ・ヨーコ
によるグループ・ショー。
そして何と4月4日には、オノ・ヨーコのパフォーマンスが実現します!
1967年にBluecoatにて彼女が行ったハプニングイベントから41年経ち
ますが、どのようなショーになるのでしょうか?!
the Bluecoat: http://www.thebluecoat.org.uk

その3;
6月25日にはPhilharmonic Hallにて、Elvis Costello with the Royal
Liverpool Philharmonic Orchestraのコンサート。
前から3列目の席がとれたので今からとっても楽しみです。
Philharmonic Hall: http://www.liverpoolphil.com/eventdetail.aspx?Event_ID=1696

♪ ♪ ♪

さて、今週の出来事です。
まずは火曜日。"Go Superlambananas" アーティスト・レセプションのイ
ベントから。
6月16日から8月25日まで、様々なデザインの<Superlambanana>が
100体、リヴァプールの街中を占拠するというプロジェクト。
デザインは公募を通じて集められ、スポンサーが選んだデザインが、
実際にデコレーションされます。

この日はギャラリースペースStaticにて、公募締め切り前の最終コール
で、地元のアーティストを招いて応募を呼びかけました。
<Mona Lennon>でおなじみのアーティストAlex Corinaのモップ頭に星型
のサングラスをかけた<Rocking Lambanana>がこの場に展示され、リ
ヴァプール在住のフランス人アーティストLaurence Payotは、カラフル
なペンキを一色ずつ2つのLambananaに注ぐようにして着色するライブ
アート・パフォーマンスを披露しました。
彼女の<Raimbow Lambanana>は現在、Bold StreetのUtilityのショップ
ウィンドーに飾られています。どんなふうにドレスアップしたラムバナナ
達になるか楽しみですね。
Go Superlambanana: http://www.gosuperlambananas.co.uk/

♪ ♪ ♪

土曜日。リヴァプール在住のルーマニア出身アーティストNicole  
Bartosの住むヴィクトリア朝の邸宅をギャラリースペースにした<The  
Grange>にて、Fanchon Frohlichの回顧展のプライベートヴューが行わ
れました。
1958年から現在までの油絵、ドローイング、エッチング、他のアーティ
ストとのコラボレーション作品が展示され、この日はフリーインプロヴァイ
ゼーション・グループ<Frakture>の音楽をバックに素敵な夕べを過ごし
ました。

Fanchonはアメリカ、アイオワ州ウォータールー生まれ。数々のスカラ
シップを獲得し、シカゴ大学やイギリスの名門オックスフォード大学で
哲学を研究。
理論物理学者として有名な故Herbert Frohlicと結婚。リヴァプールへ
移り、Liverpool College of Artへ通ったころから彼女のアーティストとし
てのキャリアが始まります。

その後、イギリス南部セント・アイヴスの画家Peter Laytonや、パリで
は彫刻家Szaboと交流、その後Stanley William Hayterのアトリエ17に
てエッチングを習得し、抽象画を多く制作しました。
日本は京都にて2年間、書道を学ぶために滞在していたこともありま
す。彼女のエッチングの作品には、エネルギーの流れと、どこか和の
要素が見え隠れしています。

近年は、様々なアーティストとのコラボレーション絵画を多く制作してい
ます。
2006年のバイエニアルの時期に、Nicole Bartosがキューレーションし
たグループ展に参加した日本人アーティスト、ナガッチョさんとの即興
コラボレーション・ペインティングが、階段を上がったつきあたりに飾っ
てあるのですが、この作品の制作風景を一部始終を傍で観ていた私と
しては、個人的にとても感慨深いものがありました。
Fanchonの自宅の最上階にあるアトリエで、真っ白なキャンヴァスから
スタートして、色や形で対話をするように、あるいは音楽を奏でるかの
ように創り上げていくそのプロセスは感動的で、シュールな気分になっ
たのを覚えています。

Fanchonが描いた、最愛の旦那さまである故Herbertの肖像画とともに
写真を撮りました。
この作品は、ゆくゆくはイギリス科学を代表する機関Royal Societyが
収蔵することが決まっているそうです。

この展覧会は4月12日まで続きます(要予約:Nicole Bartosまで)。
 <The Grange>
  住所: 36 Ullet Road, Liverpool L17 3BP
  電話番号: 07756912911
  Eメール: nbartos@gmail.com
  ホームページ: http://www.gallery4allarts.com/exhibitions.htm

♪ ♪ ♪

日曜日は、毎年恒例の<Chinese New Year>のお祭りがチャイナタウン
付近で行われました。今年はこれまで以上の規模でした。
St Luke's ChurchではUrban Strawberry Lunchが中心となって内部を
装飾し、廃材を使ったドラムが並び、子供達が楽しく叩いていました。

Great George Streetでは、見えないくらい先の先まで、中華料理や旧
正月のお祝いグッズを販売するストールや太極拳のデモンストレーショ
ン用のステージ、仮設の遊園地が続きます。

Berry Streetでは龍の舞いがあり、民族衣装を纏ったにこやかなお兄
さんが子供達に赤いポチ袋を配ります。

チャイニーズゲート奥のNelson Streetでは麒麟の舞いが見られ、中華
レストランの前では幸福と商売繁盛を祈願し爆竹が鳴らされました。近
づきすぎて、まともに煙を吸い込んで咳き込んでしまいましたが。。。

グレーな建物の多いリヴァプールですが、毎年こうやってストリートが
人々で賑わい、赤や金色に彩られ街が活気づくのを見ると、元気が出
てきます。
鼠年もいい年になるといいですね。

♪ ♪ ♪

最後に、National Conservation Centreでは、ギリシャ神話の愛の神
<エロス>の頭像(オリジナルは紀元後200年で大理石製)の、ハイテク
復刻版が発売されました。レーザーで立体的にスキャンし、オリジナル
にダメージを加えることなく、細かな凹凸まで忠実に再現したものです。
ブロンズ製を限定35体、大理石製を限定10体。お値段はブロンズで約
1万5000ポンドとか。

買い手第一号はコスメティック・レーザー会社社長のAndrew さんで、
ガールフレンドのNellieさんへの一足早い、バレンタインのプレゼント。
ラブラブな様子を写真に収めました。何とロマンティックな!

このハイテク復刻版シリーズ、今後はNational Museums Liverpoolの
他の所蔵品でも展開していくそうです。

Conservation Technologies: http://www.conservationcentre.org.uk/technologies

それではまた来週。Happy Valentine's Day!

ミナコ・ジャクソン♪

≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish118_photo.html ≫


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CL決勝トーナメント<LFC vs Inter Milan>を記念して製作されたスカー
フ(マフラー)が新しく入荷しました。
両チームの名前とエンブレムが半分ずつデザインされ、試合の日付と
スタジアム名が入っています。
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をアレンジしています。
ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/beatles/guide_liverpool.htm
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「リヴァプール・ニュース」では、読者のみなさんからの投稿を募集して
います。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、ある
いは英国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▽今週のフォト
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*** 今週の「ゴールドフィッシュ」フォト ******

今週も、特派員ミナコさんから素敵な写真が届いています。
ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュだより」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish118_photo.html


*** 今週のフォト・アルバム ******

今週の「NLW フォト・アルバム」ページには、リヴァプール行きの列車
の窓から撮ったウェンブリー・スタジアムの写真を掲載しています。
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo331.html 


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□■ 第331号 ■□

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