July 01 2008, No.348
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■
         *** http://scousehouse.net/ ***        


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼リヴァプール・ニュース <2008年7月1日>
 ▽寄稿:「英国紀行2008春」
 ▼ゴールドフィッシュだより <No.132>
 ▽フロム・リーダー
 ▼スカウスハウス・ニュース
 ▽今週のフォト


――――――――――――――――――――――――――――――
▽フロム・エディター
―――――――――――――――――――――――――─ NLW □

み、見ました? ユーロ2008決勝のトーレスのゴール。
ほとんど神業ではないでしょうか、あれは。リプレイを見れば見るほど、
ため息が出ました。
ディフェンダーにブロックされながら外側から回り込み、キーパーが
ボールをセーヴする最後の最後の瞬間、まさにミリ単位の攻防を制し
てのシュート。
“エル・ニーニョ(神の子)”トーレスらしいゴールでした。

レッズで記録したゴールの多くもそうですけど、彼のゴールって、ものす
ごく味わい深いと思いませんか?
普通の選手ならシュートを打つのがやっとという厳しい場面でも、トーレ
スはぜんぜん余裕で、たくさんの選択肢の中から選んでプレイしている
ような印象を受けます。

やみくもに蹴ってのシュートや、それによって生まれるラッキー・ゴール
というものは、トーレスにはあり得ません。だから、並の選手では絶対
に不可能な、まるでミラクルのようなゴールを決めても、入るべくして
入ったように見えてしまう。
ゴールを決めても普段はあまり激しく喜ばないのも、入って当然という
意識があるからかもしれませんね。反対に、他の人のゴールではもの
すご〜く喜ぶところがまた可愛いんですけど。

昨シーズンの記録を確認してみると、トーレスの総シュート数は128。
枠内シュートに限れば72です。総ゴール数は30ですから、つまりシュー
ト4本で1ゴール、枠内シュートだけだと2.5本で1ゴールということにな
ります。

これはかなりの高確率ではないでしょうか。
ちなみに、プレミアシップの得点王クリスティアーノ・ロナウドはというと、
総シュート数255、枠内シュート数131、総ゴール数42です。

新シーズンが待ち遠しいですね!

● ● ●

今週から、連載「英国紀行2008春」がスタートします。
先日の<Liverpool Soundツアー>にご参加くださった宮本裕司さんによ
る旅行記です。
宮本さんの英国やビートルズに関する知識はまさに専門家と言っても
いいほどで、ツアーでは、僕に代わってガイドをしていただく場面もしば
しばでした。ほんとうに助かりました。

この「英国紀行2008春」は、宮本さんが旅行中につけていた日記です。
リアルタイムに書いたものを、ほとんど手を入れずにそのまま掲載させ
ていただくことになりました。
あのハードな日々の中でしっかり記録を残されていたことにも驚いたの
ですが、内容の素晴らしさ&面白さにはもっとびっくりでした。
一緒に旅をしているような気分で読んでいただけたらと思います。

                         ― Kaz(01/07/2008)


――――――――――――――――――――――――――――――
▼リヴァプール・ニュース <2008年7月1日>
―――――――――――――――――――――――――─ NLW □

*** 7月1日(火) *******************************

【リヴァプールのファンに感謝】
6月29日にウィーンで行われたスペインvsドイツの《ユーロ2008》ファイ
ナル。
フェルナンド・トーレスの33分のゴールにより、スペインが44年ぶりに
ヨーロッパ王者に輝きました。

リヴァプールFCのオフィシャル・サイトに、トーレスからの感謝の言葉
が掲載されています。抜粋して紹介します。

「ドリーム・カム・トゥルーだよ。僕らがユーロの歴史に残るなんてね。
すっごくスペシャルなことだよね」
「僕自身にとって初めてのメジャー・タイトルだけど、たくさんのうちの最
初のひとつ、にしたいね。リヴァプールとスペインでもっともっと優勝す
るつもりだから」
「リヴァプールのスタッフや選手たちにはほんとに感謝したい。ユーロ
2008の間はすごくサポートしてくれたんだ。自分のクラブの人々が自
分のことを支えてくれてる。それがどんなに励みになったことか。だか
らこの優勝は彼らのものでもあるんだ」

「アンフィールドでのファースト・シーズンは素晴らしかった。リヴァプー
ルのために記録したゴールは、僕に大きな自信を与えてくれた。それ
はユーロを戦うために必要なものだったんだ。何度も言うけど、ラファ
と彼のスタッフには本当に感謝している。彼らのおかげで僕はプレイ
ヤーとして成長することができた」
「もちろん、クラブの人たちだけに支えられたと思ってるんじゃないよ。
サポーターや街の人々のおかげでもあると思ってる」
「リヴァプールに着いた最初の瞬間からずっと、僕はこの街に受け入
れられてるって感じてる。そのおかげで、自分のフットボールをこんな
にもエンジョイすることが出来てるんだと思う」

「この大会で、リヴァプールのファンは僕をものすごくサポートしてくれ
た。それだけじゃなくて、スペインチームの応援もしてくれたんだ。ほん
とインクレディブルだよ。一生忘れられないと思うし、みんなに感謝した
い」
「今度はレッズの選手としてトロフィーを獲りたい。それがこのクラブや
ファンの人たちにとってどれだけ大きな意味を持っているのかは、身
にしみて分かっているから」


――――――――――――――――――――――――――――――
▽寄稿:「英国紀行2008春」
―――――――――――――――――――――――――─ NLW □

「英国紀行2008春」(第1回) / 宮本 裕司

 ≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo348.htm ≫

【2008年5月27日(火)】

7:00頃に横浜の家を出て、成田エクスプレスで成田空港へ向かいまし
た。
ゴールデンウィークでもないのに、成田エクスプレスは空港へ向かう乗
客で混み合っており、私の乗った前後の時間帯の成田エクスプレスも
全て満席だったようです。

イギリスへ向かう航空会社は、もちろん11:00発のヴァージン・アトラン
ティック航空です。
今まで幾多の航空会社に乗ってきましたが、ヴァージン・アトランティッ
ク航空が食事、サービス、機内設備とも最高だと思います。

ヴァージン・アトランティック航空が大好きな私は、今回もヴァージン・
アトランティック航空のシャツを着て、飛行機に乗りました。

ヴァージン・アトランティック航空の使用している飛行機にはニックネー
ムがあり、今回搭乗したエアバス社の機体は、Scarlet Lady(緋色の
貴婦人)というニックネームだそうです。

今回は体調が悪いため、エコノミー・クラスでの12時間のフライトにとて
も耐えられないと判断し、マイルのアップグレード特典を使い、プレミア
ム・エコノミー・クラスで行くことにしました。
昨年にもプレミアム・エコノミー・クラスを利用しましたが、これはやはり
快適で12時間のフライトの間もほとんど疲れることなく、素晴らしいフラ
イトを楽しむことができました。

4種類ある食事のうち、いつもは一番人気の松花堂弁当をいただくの
ですが、今回はあえて別のものを選びました。
鰆と山菜御飯を選んだのですが、これが当たりでなかなかのお味でし
た。
ステンレス製のナイフとフォークで、おいしくいただきました。

しかし、こんな快適なフライトを味わってしまうと、もう二度とエコノミー・
クラスに乗れない体になってしまいそうで怖いですが、次回は必ずエコ
ノミー・クラスに戻そうと思っています。
(昨年春も同じことを言っていたのですが、今回は体調が悪いので特
別です)

映画は、「ライラの冒険 黄金の羅針盤」と「つぐない」を見ました。
「ライラの冒険 黄金の羅針盤」はイギリスのファンタジー小説の映画
化であり、「つぐない」は第61回英国アカデミー賞作品賞を受賞したす
ぐれたイギリス映画です。

昨日までかなりの激務で疲れがたまっていたのですが、4時間くらい
ぐっすり寝たため、かなり体調が良くなりました。
朝食はフィッシュ・アンド・チップス(みたいなもの)。

飛行機は予定より30分早く、現地時刻15:00に到着。
観光シーズンでないためか、入国審査もガラガラで、15:30には外に出
ることができました。
今までで最短記録かもしれません。

ロンドンの気温は16度。
乾燥したすごしやすい気候。
「イギリスへ帰ってきた」ということを実感します。

ホテルはいつも利用している、Euston Square Hotelに宿泊。
リバプール方面へのEuston駅から近く、部屋にネットもあって便利なの
で、いつもここを利用しています。
常連なので、チェックインも手早くやってくれますし、毎年クリスマス
カードを送ってくれます。
こうしたちょっとした心遣いが好きです。

ホテルに荷物を置いて、すぐに外出しました。
お気に入りの公園、Green Parkを散歩し、その足でPiccadilly Circus
へ。
目的地はHer Majesty's Theatreで「The Phantom of the Opera(オペ
ラ座の怪人)」の観劇です。

思えば、私が初めて見たミュージカルが「The Phantom of the Opera」
であり、数あるミュージカルの中でも私の最も好きな作品です。
才能はあるが醜い外見を持つファントムが、歌姫クリスティーンに恋を
し、クリスティーンを手に入れるための野心と葛藤に満ちた物語です。

「The Phantom of the Opera」は今回で7回目の観劇で、今までステイ
メイト、クラスメイト、など色々な人と一緒に見に行ったものでした。

私の席は前から7列目で、今まで見た中で一番良い席でした。
このミュージカルの象徴であるシャンデリアは5列目の真上に備え付け
られているため、有名なシャンデリア落下のシーンでは、手を伸ばせ
ば届きそうな距離をシャンデリアが私のそばをかすめていき、今まで
味わったことのない迫力がありました。

舞台から近いため、最も華やかに俳優たちが入り乱れて踊るマスカ
レード(仮面舞踏会)の場面は特に楽しめましたし、ファントムとクリス
ティーンが一緒に歌う場面では、クリスティーンの恍惚とした表情まで、
見ることができました。

クリスティーンとラウルの恋をファントムが引き裂こうと企てる物語とい
う風に世間で思われているこのミュージカルですが、私は個人的に違
う意見を持っており、「クリスティーンが最も心惹かれていたのはファン
トムに違いない」と思っていました。
「きっとそうなんだろうな」と想像していましたが、ラウルと歌う場面では
決して見せないクリスティーンの恍惚とした表情をはっきりと見られた
のは、「やっぱり」という感じで嬉しかったです。

今日のキャストは、ファントムの高音域の歌声が苦しそうで、それに合
わせて曲も若干変更が加えられていました。
クリスティーンは声が幼い感じで、従来の女優とは若干イメージが違う
ものの、高音域は以前見た時のキャストより頑張っていました。
ラウルとカルロッタは概ね安定しており、いつもながらメグは全てにお
いて光っていました。

サラ・ブライトマンの円熟味のある歌声を普段からサントラで聞いてい
るせいか、今日のクリスティーンの幼げな歌声は微妙に違和感があり
ました。
(製作者のアンドリュー・ロイド・ウェバーがサラ・ブライトマンと離婚して
から作成した映画では、当時17歳だったエミー・ロッサムを起用し、
「若者の恋愛」を前面に打ち出しており、今回の配役はその影響なの
かもしれません)

私はこのミュージカルの最後の場面が好きです。
昔はメグが仮面をかかげて幕だったのですが、今はメグが仮面を抱え
て幕が下ります。
個人的には昔の終わり方が印象的で、私好みです。
メグがファントムの思いのこもった仮面を、観客に捧げているように思
えるからです。

なお、日本でも報道されている通り、このミュージカルに続編が作られ
ることになりましたが、イギリスでの反応はかなり冷めています。

妻であるサラ・ブライトマンの愛を得るため、ウェバーはこのミュージカ
ルを作り、曲を書きました。
自分自身をファントムに投影したからこそ、ウェバーにはこれだけの
名作ミュージカルを作れたのだと思います。
逆に言えば、サラ・ブライトマンの愛を最初から得ていたり、最初から
失っていたりすれば、このミュージカルは作れなかった。

ウェバー自身が既に認めてコメントしているように、決してこのミュージ
カルを続編が超えることはないでしょう。

夜はEuston Stationでコーニッシュ・パスティーをテイクアウェイして食
べました。

(つづく)

 ≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo348.htm ≫


―――――――――――――――――――――――――――――
▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
―――――――――――――――――――――――――─ NLW □

「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
       〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第132号 / ラムバナナがいっぱい ―
 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish132_photo.html ≫
 
こんにちは。
先週は思いのほかバタバタしていてお休みをいただきました。
2008年も折り返し地点を迎えましたが、まだまだ留まるところを知らな
い勢いのリヴァプールです。
今週は、2週間の間にあった出来事をお知らせします。

ここ数週間のもっぱらの話題は、6月16日にスタートした《ゴー・スー
パーラムバナナズ(Go Superlambananas!)》。
地元のアーティストやコミュニティー・グループによってデザインされた
100頭以上のスーパーラムバナナが、リヴァプール市内のみならず、
ウィラルやロンドンのユーストン駅にも出没しています。

私もまだ全部は制覇していませんが、面白いところでは、ショッピング
センター<Metquarter>にある、ラファをモデルにした「ラファエル・バア
アニテス・ラムバナナ」や、LFCショップの前に飾られた選手風「Koppy」
と隣の「スーパー・ワグ・バッグ・バナナ(Wag=主にスポーツ選手やセ
レブのワイフ&ガールフレンド)、地ビール会社ケインズのユニオン
ジャックもの(中にはドラフト・ビールのハンドル付きもあり!)、クレイト
ン・スクエアのコミュニティー・グループが作成したモザイクもの、ピア・
ヘッド近くの夜光ラムバナナ、結婚登記所の“ラブ”バナナなどなど、
思い思いのデザインがされています。

見る人々の反応としては、まず撫でる→記念写真を撮る。子供は、抱
きつく→乗りたがる。
面白いですね。ただ、心無い人々によるいたずら落書きや誘拐事件
(ディベロッパー会社マゴールによるミニ・ラムバナナちゃんが何者か
によって持ち去られて、身代品として羊(ラム)とバナナを要求する脅
迫状まで残されていたとのことです!)なども発生していて、市議会
リーダー自らが、「大切にしてあげてね」とメッセージを発表したところ
です。すっかり社会現象ですね。

このゴー・スーパーラムバナナズは、8月25日まで。
会期が終わるとそれぞれのラムバナナたちはオークションにかけられ、
その収益は地元のチャリティー団体に寄付されるとのこと。

ラムバナナの紹介&マップは、以下のホームページ(PDF)でダウン
ロードできます。
http://www.gosuperlambananas.co.uk/Resources/maps.pdf

元祖スーパーラムバナナは、日本人アーティストの太郎千恵藏による
1998年の作品。
その所有権をめぐって、現在、市と揉めています。
アーティスト側の主張では、リヴァプール市への10年間限定のリースで
あり、その契約が満了になるのが今年の末とのこと。
既に買い手からの打診もあるようで、噂ではマンチェスターに売りに出
されるかも?! とも囁かれています。

いずれにしても、アーティスト側と市が双方満足いく形で、リヴァプール
に残ってほしいものです。
ゴー・スーパーラムバナナズ: http://www.gosuperlambananas.co.uk

♪ ♪ ♪

6月19日から22日、Novas CUCにて《デザイン・ショー・リヴァプール
(Design Show Liverpool)》 が開催され、開幕1日前のプライベート・
ビューに行ってきました。
リヴァプールのみならず、イギリス各地、そして海外からのファッション、
アクセサリー、家具、エコ製品など170ものデザイナーが出展。
ファッション・ショーなども行われて、華やかでした。
JMUの学生の作品も回転寿司をイメージしたコンベアの上に展示され
ていて微笑ましかったです。会期中、7000名もの人々が訪れ、大盛況
で終わったそうです。
Design Show Liverpool: http://www.designshowliverpool.com

♪ ♪ ♪

6月20日に、若手のアーティストのアトリエ&ギャラリーRed Wireにて
《Your Art Show》がスタートしました。
これは、ハダーズフィールド出身のボブ・ミルナーとトム・シニアのコン
ビ<ミルク・トゥー・シュガーズ(Milk, Two Sugars)>による展覧会。
とはいっても、作品を作るのは会場に訪れるお客さん。絵の具やスプ
レーや絵の具入りの風船などを使って、ギャラリースペースを好き放
題に描きたくり塗りたくれる、クレイジーすぎて気持ちのいい参加型イ
ベントでした!
Red Wire: http://redwireredwire.com/page48.htm
Milk, Two Sugars: http://www.milktwosugars.org/

♪ ♪ ♪

今週は、大型の展覧会のオープニングが二つほどありました。
FACTでは、国際的に活躍しているスイス人アーティスト、ピピロッティ・
リストの個展。
主にビデオやオーディオ作品の展示ですが、メディア・ラウンジに設置
された巨大なソファに座って童心に返ってみては?
http://www.fact.co.uk/whatson/detail/?infoID=6067470613225552675

A Foundationでは《Port City》展。
砂糖でできたエンパイア・ステート・ビルやタージマハール、シドニーの
オペラ・ハウスやロンドンのガーキンの模型は必見!
http://www.afoundation.org.uk/greenlandstreet/details.php?id=38

♪ ♪ ♪

最後に、とっても心に残ったエルヴィス・コステロ with RLPO(ロイヤ
ル・リヴァプール・フィルハーモニック・オーケストラ)のコンサートにつ
いて触れておきたいと思います。
ホープ・ストリートにあるフィルハーモニック・ホールで、6月25日に開
催されました。

エルヴィス・コステロはロンドン生まれですが、多感な10代をマージー
サイドで過ごしました。
リヴァプールをどこよりも故郷として意識していて、また、コステロのお
母さんが40年代後半から数年間、ボランティアで案内係として働いて
いたこともあり、フィルハーモニック・ホールという会場にも、特別な思
い入れがあるようです。

2008年のヨーロピアン・キャピタル・オブ・カルチャーのリヴァプールを
祝い、プログラムには、リヴァプールについてハートのこもったメッージ
が。
「今年唯一の英国でのコンサートを、ピープルズ・リパブリックで演奏で
きることを本当に楽しみにしています。そして、ピケット(=リヴァプール
の音楽シーンを支えるライブハウス)を支持してあげてください」と書か
れていました。

コンサートそのものにも、そうしたアティチュードがにじみ出ていて、実
に人間味の溢れるステージでした。
観客もコステロのホームカミングを熱烈に歓迎し、会場全体が、何とも
形容しがたい温かい空気で包まれていた感じがしました。

曲目のスタイルもバラエティーに富んでいて、パンク、ニューウェーブ、
ロックからジャズ、クラッシックなどを取り入れ、年齢を重ねながら音楽
的にいい味に成熟してきた産物でした。

デンマークの童話作家アンデルセンの伝記をもとにしたオペラ仕立て
の<The Secret Songs>、ジャジーな<Almost Blue>、相棒ピアニストの
スティーヴ・ナイーヴとコステロが掻き鳴らすギターで始まったポップな
<Veronica>、リヴァプール周辺の造船所を舞台にした曲<Shipbuilding>
はグッときました。
映画『ノッティングヒル』の主題歌<She>や、バカラックとの共作の
<God Give Me Strength>は、オーケストラが美しく活きていました。

アンコールではエモーショナルに何度もステージへと戻ってきて、
ニュー・アルバム《Momofuku》(インスタントラーメンを発明した安藤百
福にインスパイアされたとか?)から<My Three Sons>も披露されまし
た。

ラストの<Couldn't Call It Unexpected, No. 4>では、途中からマイクから
離れてアンプラグド状態で熱唱し、素晴らしかったです。
まだ余韻から抜けられません。今度は、ロックンロールなコステロのス
テージが観てみたいです。
Elvis Costello: http://www.elviscostello.com/

このコンサートの様子は、リヴァプールの写真家マーク・マクナル
ティーがいい写真を撮ってます。彼のブログにもいい表情の写真がい
くつか載っているので、是非ご覧ください。
Mark McNulty: http://markmcnulty.typepad.com/mark_mcnulty/2008/06/elvis-costello.html

エルヴィス・コステロの最新ニュースとしては、7月3日にリヴァプール
大学から名誉博士号が贈られるとのことが決定しています。
http://www.liv.ac.uk/news/press_releases/2008/06/honorary-graduates.htm

♪ ♪ ♪

【今週の告知】
7月10日は、第一回《The Beatles Day》が開催されます。
ビートルズが全米制覇の後、輝かしくリヴァプールへの凱旋したのが
1964年7月10日。それを記念して、リヴァプール市内あちこちで様々な
イベントが展開されるチャリティイベントです。
詳細は、Beatles Dayホームページから。
http://www.beatlesday.tv

Echoアリーナでは《The Beatles Day Imagine the Concert》が開催さ
れ、コメディー俳優のリッキー・トムリンソンを筆頭に、ジェリー・マーズ
デン、クオリーメンのほかに、OMDのアンディー・マクルスキー、ジョン・
パワーなどの出演も決定してます。
チケットは、£19.50〜£24.50+手数料で、収益はアルダーヘイ小児
病院、その他地元のチャリティー団体に寄付されます。
http://www.accliverpool.com/whatson/beatlesday_imagine.asp

コンサートに行けない人も、モップ・トップのウィッグ(£5)やバッジが
市内各地で販売されるそうですので、カツラをかぶってムードを高める
もあり?!

それではまた来週!

ミナコ・ジャクソン

≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish132_photo.html ≫


――――――――――――――――――――――――――――――
▼「フロム・リーダー」
―――――――――――――――――――――――――─ NLW □
(先週の予告通り、S.H.さんがアスプレイズのライヴの感想を寄せてく
ださいました。S.H.さん、いつもありがとうございます!)

今年のビートル・ウィークにスカウスハウスが送り出すバンド、
”The Aspreys” のライブに行って来ました。
写真はちゃんとしたカメラで撮っていませんので
画質が悪く申し訳御座いませんです。

私は音楽をやっていませんので演奏の良し悪しは
評価できませんが、曲は完璧にコピーしていると思いました。
今回はスーツを着ているということで殆ど初期の曲でした。
しかも、Live at the BBCやアンソロジーに収録されています
デビュー前にハンブルグなどで歌っていた曲もあり、ディープな
ファンも喜ばせるという内容でした。

似ているかどうかの基準では、ジョン役の演奏しながら横を向く姿や
リンゴ役の頭の振り方は本物を思わせるものでした。
4人ともボーカルをし、立ち位置を変えるところも似せていました。

メンバーの人柄も良く、スカウスハウスから今年の
ビートル・ウィークに行かれる方は一緒に行動して
非常に楽しめるのではないかと思いました。


話は変わりますが今年から7月10日はBEATLES DAYになるようです。
詳しくは下記のサイトに書いています。
http://www.accliverpool.com/whatson/beatlesday_imagine.asp
これによりますとビートルズのアメリカツアーを終えてリバプールに
凱旋した日にちなんでのようです。
それに加えて小児(病院)へのチャリティー的な要素があるようです。
実際にはコンサートが行われたりパブではビートルズクイズが
行われたりラジオでビートルズをかけたりと街中でビートルズを
トリビュートするようです。
しかし、ビートル・ウィーク等と大きく異なるところが
皆でマッシュルームカットのかつらを付けるということです。
テレビのニュースを読むときもかつらをつけて行うことも
予定されているようです。
ビートルズファンには非常に楽しそうなイベントですので
この日にリバプールにいる方は必見かと思います。
私も行ける事なら行きたいくらいです。


最後に宣伝ですが、私はビートルズ関連のブログを始めました。
http://thebeatles.blog.so-net.ne.jp/
コメントなどを頂けますと幸いです。
このメールマガジンの感想なども載せられればと思っています。

S.H.

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo348.html ≫


――――――――――――――――――――――――――――――
▽スカウスハウス・ニュース
―――――――――――――――――――――――――─ NLW □

*** 通販のお知らせ ******

今週中に、<Liverpool Sound>メモリアルグッズの通販ページをウェブ
サイトにアップします!


*** 《Beatle Week 2008》スカウスハウス・ツアー ******

“世界最大のビートルズまつり” International Beatle Week 観光のた
めの個人旅行パッケージ「スカウスハウス・ツアー2008」の参加者を募
集しています。この夏、ぜひぜひリヴァプールでお会いしましょう!
http://scousehouse.net/beatleweek/scousetour2008.html


*** 語学留学生募集中 ******

リヴァプールへの語学留学をサポートしています。
詳細については、ウェブサイトの「語学留学案内」ページをご覧くださ
い。
http://scousehouse.net/study/index.htm


*** ビートルズ・ガイドツアー ******

リヴァプール&ロンドンのビートルズゆかりの地を訪ねるガイドツアー
をアレンジしています。
ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/beatles/guide_liverpool.htm
http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm


*** 原稿募集中 ******

「リヴァプール・ニュース」では、読者のみなさんからの投稿を募集して
います。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、ある
いは英国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


――――――――――――――――――――――――――――――
▼今週のフォト
―――――――――――――――――――――――――─ NLW □

*** 今週の「ゴールドフィッシュ」フォト ******

今週も、特派員ミナコさんから素敵な写真が届いています。
ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュだより」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish132_photo.html


*** 今週のフォト・アルバム ******

今週の「NLW フォト・アルバム」ページには、連載「英国紀行2008春」
にちなんだ写真(宮本さん提供)と、「フロム・リーダー」にちなんだ写真
(S.H.さん提供)を掲載しています。
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo348.html 


■ NLW ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
           *** 毎週火曜日発行 *** 


□■ 第348号 ■□

 ◆発行 SCOUSE HOUSE (スカウス・ハウス)
 ◇編集 山本和雄 & ミナコ・ジャクソン
 ◆ウェブサイト http://scousehouse.net/
 ◇Eメール info@scousehouse.net

 ご意見・ご感想・ご質問など、お気軽にお寄せください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

このメールマガジンは、以下の配信サーヴィスを利用して発行していま
す。配信の解除やメールアドレスの変更は、それぞれのウェブサイト
からどうぞ。

◆まぐまぐ
 http://www.mag2.com/m/0000065878.htm
◇めろんぱん
 http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=000917
◆メルマガ天国
 http://melten.com/m/5593.html
◇カプライト
 http://cgi.kapu.biglobe.ne.jp/m/3487.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
無断での転載を禁じます。  Copyright(C) 2001-2008 Scouse House