October 14 2008, No.360
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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         *** http://scousehouse.net/ ***        


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼ゴールドフィッシュだより <No.140>
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
―――――――――――――――――――――――――─ NLW □

ファンの方はよくご存じと思いますが、今シーズンのリヴァプールFCは、
近年まれに見る好スタートを切りました。
7試合を終えての成績は、5勝0敗2ドロー。得失点差で2位になってい
ますが、首位のチェルシーとはまったく同じ星勘定です。
ここ数年ず〜っと、「今年こそリーグ制覇を」と言われ続けながら開幕
ダッシュに失敗し、シーズン終盤にがんばって追い上げてもあと少し届
かないというパターンが多かっただけに、ファンとしてはどうしても期待
していまいます…よね?

特に前節のマンチェスター・シティ戦は、今季のレッズの強さはホンモノ
だと確信させるような素晴らしい勝利でした。
今季大型補強を敢行したマン・シティは、それまでの6試合で、リーグ
No.1の16得点を記録していました。
その破壊力抜群のチームを相手に、アウェイで前半に2点を先制され
ながらも、後半に3点をもぎ取って逆転勝利を収めたのです。最後の
最後、ロスタイムでの決勝点は、単に劇的な1勝というだけでなく、まさ
しく「マイティ・レッズ」の復活を宣言しているように僕は感じました。

…などと1人悦に入ってたら、つい先日、副キャプテンのジェイミー・
キャラガーの、「好スタートに浮かれるのはもうやめてくれ」というコメン
トがレッズのオフィシャル・サイトに掲載されました。
以下に抜粋しますね。

「(マン・シティ戦の)決勝ゴールが生まれたのは、マルティン・シュクル
テルが怪我で退場して10対10になった後だ。センター・バックがいなく
なって、バックラインには俺1人って状況だった」
「シャビ・アロンソを後ろに下げれば簡単な話なんだが、他の奴らが駄
目だって言うんだよ。下がらずに攻めるんだってね」
「このチームはやっと目覚めたんだって思ったね。このリーグで優勝し
ようと思やあ、どんなことがあっても勝ちに行かなきゃいかんのよ。引
き分けは後で命取りになる」

「グレイトなスタートだってみんな言うけど、そういうのはもういい加減や
めてくんないかな。だってまだ7試合しか終わってないし、それに俺た
ちはリヴァプールなんだぜ。こんなんで喜んでてええんかいなって思う。
(今シーズン昇格して現在3位と好調の)ハルとは違うんだぜ。来年の
3月までこの位置に居られたら、その時に考えりゃいいことじゃないか。
それまでは1試合1試合ベストを尽くすことに集中するだけだ。行動は
言葉よりも雄弁ってこと」

「ラファはこのチームのディフェンスのレヴェルを、もう一段上に引き上
げてくれた。いちいち指導が入るからね。体の位置やら相手がフォー
メーションを変えて来た時の対応やら、何しろものすごく細かいんだよ」
「フランコ・バレージのときのACミランをコピーしようとしてるんじゃない
か。1試合で5回もシステムを変えることがあるからね。ロビー・キーン
が移籍して来て最初の試合もそんな感じだったな。最後は左のウィン
グやってたもん。ラファが言うには、ラツィオの攻め方を見て一列下げ
たってことだったんだが…まったく、ただのフレンドリー・マッチだっての
にね!」

…というコメントでした(すみません、ちょっとくだけた口調にしすぎたか
もしれません)。
キャラの「まだまだこれから。浮かれるのは早い」という言い分はよく分
かりますが、このコメントを読めば誰だって、ますます期待してしまいま
す…よね?
長いシーズン、ずっと順風満帆でスイスイ乗り切れるとは思ってないで
すけど、今シーズンのレッズはこれまでより数段頼もしいです。荒波を
しっかり跳ね返すだけのポテンシャルがあると信じています。

● ● ●

今週の「NLW フォト・アルバム」ページでは、スー・ミルバーンさん撮影
の昨シーズンのレッズの写真から、ジェイミー・キャラガー選手をピック
アップして掲載しています。未発表のものも多いです。ぜひご覧くださ
い。
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo360.html 

● ● ●

LFCファンのみなさん、たいへんお待たせいたしました。ウェブサイトの
「LFCグッズ通販」ページを更新しました。
おなじみのマッチ・プログラムとLFCマガジンのほか、レッズの勝利を
伝える地元紙Liverpool Daily Post & Echoや、ちょっと変わった2009カ
レンダーが入荷しています。また、バックナンバーのほとんどを値下げ
しています。
すでにソールド・アウトになってしまったアイテムもありますが、オーダー
をいただけるとうれしいです!
http://scousehouse.net/shop/lfcgoods2008_04.html

                           ― Kaz(14/10/2008)


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▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
       〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第140号 / Only A Game? / Power Plant / More Biennial! ―

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish140_photo.html ≫

こんにちは。
旦那と私ともどもカゼッピキです。頭が朦朧としているときは、何をやっ
てもロクなことがありません。この原稿も80%まで書き上げたところで
誤って3分の2を消してしまいました…。
早く本調子に戻さねばです。皆さんも風邪などひかぬよう気をつけて
下さい。

まずは、ワールド・ミュージアム・リヴァプールにて11日に一般公開の
《Only A Game?》展から。8日に一足先に見に行ってきました。

これは、UEFA(欧州サッカー連盟)、プレストンのナショナル・フットボー
ル・ミュージアム、NWDA、ナショナル・ミュージアム・リヴァプールの共
同プロジェクトで、イギリスではリヴァプールのみの開催ということで、
多くのメディアが訪れ、注目していました。

展覧会のタイトル「オンリー・ア・ゲーム?」と疑問符になっていますが、
シャンクリーの引用句「フットボールは人の生死よりも重要なことだ」と
まで大事でないにしても、フットボールの意味するものは人様々で、単
なる試合の勝敗以上であることは間違いありません。
特に今年の欧州文化首都で、しかもフットボールが社会や人々に深く
根ざし、生活文化をも形成しているリヴァプールで行われるのは説得
力があります。

この展覧会は、UEFAの代表的なトロフィー、シャツ、メダルや過去50年
間のメモラビリア、写真、音声、映像などで構成され、選手、フットボー
ルとUEFAの歴史、ファンに焦点が当てられ、また関連する書籍の閲覧
もできます。
ヨーロッパ全土のフットボールをカバーするだけでなく、もちろんリヴァ
プールとエヴァトンのコレクションも展示されています。

<Plunge into the emotions of football>のインタラクティブ・セクションで
は、オウンゴール、セレブレーション、ドリブル、ファン、ゴール、エモー
ション、セーブ、コメディー、タックルなどのシーンを選んで、ロック、ポッ
プ、ジャズ、ヒップホップ、クラッシックなどお好みのサウンドトラックを
セレクトすると、独自のビデオクリップが再生されます。
同じシーンでも音楽を変えるだけでムードが変わるものです。

この展覧会は、2009年3月1日まで続きます。ミュージアムの同じフロ
アで開催中の50年の音楽の歴史を綴った《Beat Goes On》もお勧めで
す!
Only A Game?: http://www.onlyagame.info/

 < World Museum Liverpool >
  住所:William Brown Street, Liverpool L3 8EN
  電話: 0151 478 4393
  開館時間:毎日午前10時〜午後5時まで 入場無料
      (12月25、26日と元旦はお休み、12月24日は午後1時まで)
  ホームページ: http://www.liverpoolmuseums.org.uk/wml/exhibitions/onlyagame/ 

♪ ♪ ♪

10月8日から12日までの期間、リヴァプール郊外カルダストーンズ・
パークにて行われた《Power Plant》の初日に観に行ってきました。
これはリヴァプールの欧州文化首都公式プログラムの屋外イベントで
す。
星の見える晴れた夜の公園を歩いていくと、公園のランドスケープや
植物からインスピレーションを得た26もの光やサウンドのインスタレー
ションが待ち受けています。

作品のタイトルも、植物の学名にちなんでラテン風の名前が併記され
ていました。
マーク・アンダーソンの<FLORIS FLUCTUATION(キネティック・フラ
ワーズ)>は満開に咲き、ぐるぐると回転しながら花壇に動きと彩りを添
えています。
ジャパニーズ・ガーデンでは同じくアンダーソンによる<IGNIFER
CONSPIRO(パイロフォンズ)>、ダイナミックな炎がリズムを刻みます。

アン・ビーンの<SPIRITUS TRACTUS(ブリージング・スペース)>では複
数の大きなバルーンがゆったりとはずみ、カーステン・レイノルズの
<SUSPIRIA DE PROFUNDIS(サイズ・フロム・ザ・デ
プス)>はひっそりと芝生に置かれた朝顔の花のような蓄音機がミラー
ボールに照らされて映画のひとシーンのようなファンタジックな雰囲気
をつくりだしていました。
静と動のコンビネーションの楽しめる夜の遊園地でした。
Power Plant: http://www.powerplant.org.uk/

♪ ♪ ♪

先週に続いてバイエニアル関連です。
前回ご紹介しきれなかった2名の日本人アーティストの作品から。
戦時中にドイツ軍の爆撃に遭い現在は戦争のメモリアルである「ボム
ド・アウト・チャーチ」のニックネームで知られるセント・ルークス・チャー
チにて、オノ・ヨーコの<Liverpool Skyladders>。
一般の人々からはしごの寄付を募り、集まったはしごが教会の空洞と
なったスペースから空に向かって伸びるように展示されています。
素材も形状もさまざまで、樹木のように見えるのかと想像していました
が、動物のようにも見えます。

はしごは一般家庭ではおそらくあっても一本で、万が一の生活必需品
でなかなか寄付しにくいアイテムということもあり、数を集めるのに難航
していたようですが、少しずつですが増えてきました。会期が終了する
頃にはもっと賑やかになるといいですね。これらのはしごは、展覧会終
了後、チャリティーに寄付されるとのこと。
イマジン・ピース: http://www.imaginepeace.com/

教会から道を渡った角には、こちらも日本が誇る建築家チーム、アトリ
エ・ワン(英語ではAtelier Bow-Wow)による<Rockscape>。
私が知っている限りでもここは長いこと空き地で、塀に囲まれていて、
その塀にはバンドの新譜の宣伝やライブ告知のポスターが所狭しと重
ね貼られていて、ある意味、無言の音楽情報の発信地でした。
そこが野外劇場に変身。週末には地元のバンドのライブが企画されて
いて、入場無料で楽しめます。段々の客席の一番上からの眺めもなか
なかですよ。
アトリエ・ワン: http://www.bow-wow.jp/

月曜日にテート・リヴァプールのカフェでブッシュ氏とランチ?!
そうなんです、カフェの奥のテーブルにルービック・キューブにいそしむ
ジョージ・ブッシュが。
これはアリソン・ジャクソンのスカルプチャー<George Bush puzzling
over a Rubik's cube>。リアルすぎて逆にシュール、しかも座っている素
振りがあまりにナチュラルなため、一般のお客さんが気がつかずに食
事なりお茶を終えて帰ってしまうほど。

私がカメラを持ってスタスタとブッシュ氏に近づき、前から後ろからバシ
バシ撮りはじめると、まわりのお客さんがコソコソと話しだし、そのあと
追随して記念撮影を始めました。可笑しかったです。これは必見です。
アリソン・ジャクソン: http://www.alisonjackson.com/
リヴァプール・バイエニアル:http://www.biennial.com/

最後は、バイエニアルの公式作品ではありませんが、リヴァプール大
聖堂がコミッションした、トレイシー・エミンの新作<For You>。
ゴシック様式の大聖堂の中にネオン作品ときいて、どんなものかと疑
問に思っていましたが、意外にしっくりきていて素敵でした。
青系のステンドグラスの下のバルコニー部分に細いエミンの手書きの
デザインをもとにした細いピンクのネオンライトは、決して華美でなく、
大聖堂の厳かな空気を和らげるようなやさしい作品です。
写真は、9月25日にトレイシー・エミンが大聖堂を訪問した際に撮影し
たものです。こちらの作品もバイエニアルの展覧会と同じく、11月30日
まで続きます。
リヴァプール大聖堂: http://www.liverpoolcathedral.org.uk/content/musicandevents/whatson/exhibitions/11/2008.aspx

余談ですが、大聖堂に隣接したオラトリーの鳥の彫刻<ローマン・スタン
ダード>が盗まれたお話はゴールドフィッシュ133号でお伝えしましたが、
なんと新しいネオン作品のお披露目の1週間前に再び盗まれました!
でも盗まれた鳥は翌日には無事戻ってきたらしく、エミンのリヴァプー
ル入りに間に合うようにしっかり修復されていました。

♪ ♪ ♪

【今週の告知】
その1:
リヴァプール・アイリッシュ・フェスティヴァルがスタートします。
10月17日から11月2日まで、音楽、映画、展覧会やガイド付きウォーク、
ビートルズ・ストーリーではビートルズとアイルランドの関係を追究した
展示、そしてゲイリック・フットボールまで盛りだくさんです。
http://www.liverpoolirishfestival.com/

その2:
あと2週間で夏時間が終わり、ぐっと日が短くなります。
10月30日には、<ロング・ナイト・オブ・ザ・バイエニアル>と題して、バイ
エニアルの会場となるギャラリーが一日限り夜11時までオープンしま
す。
秋の夜長のギャラリー廻りはいかがでしょうか?
http://www.biennial.com/content/TalksToursEvents/LongNightoftheBiennial.aspx

それではまた来週!

ミナコ・ジャクソン♪

≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish140_photo.html ≫

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▽スカウスハウス・ニュース
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*** スタジアムへ行こう! ******

リヴァプールでのフットボール観戦やスタジアムツアーをご希望の方は
ぜひおまかせください!
詳細は、ウェブサイトの「スタジアムへ行こう!」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/football/stadium.htm


*** リヴァプール語学留学 ******

スカウス・ハウスは、リヴァプールへの語学留学をサポートしています。
公立のリヴァプール・コミュニティ・カレッジに加えて、今年より、私立の
語学スクールLILAとも提携しています。
長期でじっくり学べる学生の方にはコミュニティ・カレッジを、まとまった
期間を留学に充てられない社会人の方にはLILAをおすすめします。
スカウス・ハウスには、リヴァプール留学に関する専門知識や経験を
持つスタッフが、日本とリヴァプールの両方に常駐しています。入学前
はもちろん、入学後のサポートについても安心してお任せください。
http://scousehouse.net/study/index.htm


*** ビートルズ・ガイドツアー ******

リヴァプール&ロンドンのビートルズゆかりの地を訪ねるガイドツアー
をアレンジしています。
ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/beatles/guide_liverpool.htm
http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm


*** 原稿募集中 ******

「リヴァプール・ニュース」では、読者のみなさんからの投稿を募集して
います。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、ある
いは英国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▼今週のフォト
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*** 今週の「ゴールドフィッシュ」フォト ******

今週も、特派員ミナコさんから素敵な写真が届いています。
ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュだより」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish140_photo.html


*** 今週のフォト・アルバム ******

今週の「NLW フォト・アルバム」ページでは、スー・ミルバーンさん撮影
の昨シーズンのレッズの写真から、ジェイミー・キャラガー選手をピック
アップして掲載しています。未発表のものも多いです。
ぜひご覧ください!
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo360.html 


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□■ 第360号 ■□

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 ◇編集 山本和雄 & ミナコ・ジャクソン
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 ◇Eメール info@scousehouse.net

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