January 20 2009, No.371
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼リヴァプール・ニュース <2009年1月20日>
 ▽寄稿:「新婚旅行でアンフィールド!」
 ▼スカウスハウス・ニュース
 ▽今週のフォト


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▽フロム・エディター
―――――――――――――――――――――――――─ NLW □

昨日、というよりも日本時間では今朝なんですけど、リヴァプール対エ
ヴァトンの“マージーサイド・ダービー”が行われました。
月曜日の夜、しかも凍えるような寒さの中での試合でしたが、アン
フィールドは超満員のサポーターで埋まり、実に実にダービーらしい、
大熱戦となりました。

僕はレッズ・ファンですが、“ピープルズ・クラブ”ブルーズも応援してい
ます。リヴァプールの友人たちの中には、ブルーズ・ファンも何人かい
るのです。
だからダービーマッチでは、まず、怪我人がでないでほしいということ、
そして引き分けになってほしい、ということを願います。

ですが今回は、今回だけは、どうしてもレッズに勝ってほしかった。2日
前の試合に勝ったユナイテッドが、リヴァプールを1ポイント上回って首
位に立っていたからです。
レッズはこの試合に勝たなければ、およそ3ヶ月守っていた首位から
陥落するのです。

しかもユナイテッドには未消化試合が1つあります。ということは、勝っ
て首位を守ったとしても、レッズは正真正銘の首位とは言えないわけ
です…が、でもとにかく勝って3ポイント積み上げておかないことには
話になりません。

で、結果はというと…1−1の引き分けでした。
リヴァプールのキャプテンとして250試合目という記念マッチとなったス
ティーヴィーが、68分に素晴らしい先制ゴール。その虎の子の1点を
レッズが死守して逃げ切るかと思われた87分、フリーキックから、これ
また見事なケイヒルの同点ゴールが決まりました。

この結果にはがっくりと落ち込んでしまいました…というのはウソです。
スコアだけ知ったらがっかりしていたでしょうが、「よしよしどっちもがん
ばった、引き分けでよかったなー」という満足感を味わいました。
実に見ごたえのある、気合いの入ったゲームだったのです。
もう、首位がどうとかポイントがどうとか、セコい計算はどうでもよくなっ
てしまいました。いい試合でしたよね!

両チームとも、素晴らしいファイトを見せてくれたと思います。特にエ
ヴァトンの選手たちの気迫溢れるプレイは感動的でした。

レッズが首位から落ちたといっても、まだまだ先はあります。これだけ
いい戦いができれば、心配ないでしょう。逆境に強いチームですから、
このへんで一度落ちておいてよかった気もします。しませんか?

そして強いブルーズには、2週間後にユナイテッドとの対戦がありま
す。アウェイではありますが、今日のようなプレイをすればだいじょう
ぶ。勝機はじゅうぶんあります。引き分けでもオッケーですしね。

このマージーサイド・ダービーには、下村えりさんに観戦に行ってもら
いました。
途中で横殴りの雪に見舞われながらの寒い寒い観戦だったようです
が、熱い熱い試合内容には、えりさんも大満足だったようです。
来週のNLWで、今年最初の「Footballの旅」としてマッチ・レヴューをお
届けします。どうぞお楽しみに!

● ● ●

さて、今週のNLWは、レッズ・サポーターの稲見太輔さんに、アンフィー
ルドでの観戦記を書いていただくことができました。
新婚旅行で、しかも特にフットボールやが好きというわけではない奥さ
まを連れての、リヴァプール&アンフィールド行きだったそうです。

試合は昨年11月のフルハム戦で、残念ながら引き分けでしたが、とて
も充実した旅行&観戦になった様子が、イキイキとした文章からうか
がえます。読んでいるこちらまでほくほく温かい気持ちになる観戦記で
す。
筋金入りサポーターらしい、スルドい試合の分析もさすがです。ぜひご
覧ください。

稲見さんには、写真も提供していただくことができました。「NLWフォト・
アルバム」ページに掲載しています。
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo371.html

稲見さん、ありがとうございました!

● ● ●

特派員ミナコさんの「ゴールドフィッシュだより」は、今週はお休みです。
今年から、基本的に隔週連載とさせていただくことになりました。ご了
承ください。

● ● ●

CLチケットのご案内です。
3月10日にアンフィールドで行われるチャンピオンズ・リーグ<リヴァ
プールvsレアル・マドリー>の観戦チケットのご予約を受け付け中です。
ご希望の方は、「対戦カード」「必要枚数」「お名前(日本語&アルファ
ベット両方で)」「ご住所」「お電話番号」を明記のうえ、
info@scousehouse.net までお問い合わせください。折り返し詳細をご
案内いたします。
超ビッグ・マッチのため、すでに何人かの方から予約を受けています。
受付可能枚数はあとわずか。どうぞお早めに!

                           ― Kaz(20/01/2009)


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▼リヴァプール・ニュース <2009年1月20日>
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*** 1月20日(火) *******************************

【プレミアシップ 08-09】
1月19日、今季2試合目のマージーサイド・ダービーが行われました。
リヴァプールのホーム・アンフィールドで行われたこの試合は、1−1の
引き分けに終わりました。

68分にスティーヴン・ジェラードのミドルシュートで先制したレッズでした
が、終了間近の87分、フリーキックに飛び込んだティム・ケイヒルにヘ
ディング・シュートを決められ、ブルーズに痛恨の同点ゴールを許して
しまいました
この結果によりリヴァプールは、ほぼ3ヶ月守った首位の座をマンチェ
スター・ユナイテッドに明け渡すことになりました。同ポイントながら、得
失点差で2位です。

試合後、監督のラファ・ベニテスはこう話しています。
「(タイトル獲得に大きな痛手になるかと訊かれて)まだ早すぎる。我々
は非常にいい位置いるじゃないか。確かにより良い結果が得られたは
ずだとは思う。だが、ポジティヴにとらえるべきだと思う。我々は首位の
マン・ユナイテッドとまだポイントで並んでいるし、まだ1月だ。我々は
チャンピオンズ・リーグにもFAカップにも勝ち残っている」
「確かに結果にはがっかりしている。あと3分で勝てるところだったんだ
から。2ポイントを損したようなものだ。だが、悲観的になる必要はまっ
たくない」

「よく考えてみてほしい。この時期にこのポジションにいることを望むか
どうか。8月に戻ってそう質問したら、間違いなく100%のファンが『イエ
ス』と答えるんじゃないかな」
「選手たちにも、ポジティヴな面を見なさいと言い聞かせた。全員が落
ちこんでいるからなかなか簡単なことではないだろうがね」
「我々のプレイはもっと良くなる。何人かの選手は怪我から戻ってきた
ばかり。調子が上がるのはこれからだ」

「(同点につながるフリーキックを与えたヨッシー・ベナユンのファウル
について)リプレイを見た。必要なプレイではなかったかもしれないね。
だがあのデリヴァリー(フリーキック)は実に素晴らしかった。もう少しや
りようはあったかもしれないが」
「あの部分についてはあらためて分析するつもりだ。だがペナルティ・
ボックスに近いあのエリアでフリー・キックを与えることは避けようとい
うことは話していた。エヴァトンはセット・プレイに強いからね」

「(同点直前にフェルナンド・トーレスを交代させたことに後悔はあるか
と訊かれて)疲れ切ったトーレスをピッチに残していたらあのフリーキッ
クを防げたのかどうか、それは私にはわからないな」

エヴァトンのデイヴィッド・モイーズ監督はこう話しています。
「選手たちはここ最近やっている通りのプレイを見せてくれた。試合の
最初から最後まで、自信を持ったいいプレイが出来ていた。懸命に守
る必要のあるゲームだったが、私は満足している」
「引き分けはフェアな結果だと思う。取るべくして取った同点ゴール
だった。非常に嬉しい」

「今夜のレフェリーは素晴らしかったと思う。1つだけ、スティーヴン・
ピエナールがフェルナンド・トーレスへのファウルで警告を受けたのは
残念だった。あれは警告だとは私には思えなかった。しかしそのことを
除けば、彼のおかげで素晴らしいゲームになったと思う」
「向こうにもこちらにも、ペナルティ・キックをもらってもおかしくないプレ
イがあった。こちらのは確かにペナルティだったように見えた。まあお
互いさまということだね。妥当な結果になったということだろう。ウチの
選手たちはよくがんばってくれた」

「とにかく今日我々は、また強豪相手にポイントを獲得した。優勝を目
指して次から次へと選手を買って来る強いチームにね。我々はそっち
のリーグには入っていないけれども、ちゃんと結果を残してこのポジ
ションにつけている。これは、エヴァトンがいかに健闘しているかを証
明していると思う。そしていかにしっかりしたクラブであるかということも
ね」

「我々はリヴァプールを相手に、彼らのピッチで、対等に渡り合った。
ポイントを獲得する権利はじゅうぶんあると思う」
「日曜日にもう1試合ある(再びリヴァプールとアンフィールドでのFA
カップ4回戦)。今はハーフタイムのようなものだ。明日から早速準備
に取り掛かるつもりだよ」

この結果によりエヴァトンは、ポイントを36としました。順位は6位。5
位アーセナルとは5ポイント差、7位のウィガンとも同じく5ポイント差で
す。


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▽寄稿:「新婚旅行でアンフィールド!」
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「新婚旅行でアンフィールド!」 / 稲見 太輔

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo371.html ≫ 

どうもみなさん、はじめまして稲見と申します。11月17日〜11月23日ま
で新婚旅行へイギリスに行きました。
この度はスカウスハウスさんのおかげで充実したリバプールでの旅を
送ることができました。感謝をこめて、アンフィールドの観戦日記を書
かせて頂きます。
私は自分がリバパドリアン(リバプールっ子)と思うくらいにリバプール
FCが大好きなので、かなり偏った観戦記となりますことをお許し願いま
す。


【第1話 リバプールFCとの出会い〜今日まで】

私は小さい頃、父親の仕事関係でイギリスのロンドンに4年間住んで
いたのですが、その頃からリバプールのサポーターです!
ロンドンにいて、なぜリバプールサポーターになったのでしょう!? 兄
弟はトットナムホットスパー、周りのイギリス人の友達はアーセナルな
のに…。
単純に子供だったので、土地勘がなかったのと、あの真赤なユニ
フォームとライバーバード(リバプール市のエンブレム)のかっこよさに
惚れて大好きになってしまったのです。
リバプールは日本の野球に例えると、巨人や阪神のようなチームで
す。英国中にサポーターがいるので、ロンドンでもリバプールサポー
ターがたくさんいた記憶があります。

1984年〜1987年まで住んでいたのですが、その頃はイアン・ラッシュ
(FW)やブルースグロブラー(GK)のチョビ髭コンビが大好きで、よくプ
レーの真似をしたのを覚えています。
当時のリバプールは毎年のようにリーグ優勝する強豪チーム! 今で
も忘れられないのが、痛ましい事件となってしまったユベントスとのチャ
ンピオンズカップ(チャンピオンズリーグ前身)の決勝、試合前のサ
ポーターの衝突から起こった「ヘイゼルの悲劇」です。
なかなか試合が始まらず、眠い目をこすりながら、「ママ、まだ試合始
まらないの?」と言って、試合開始前に寝てしまったことを覚えていま
す。

日本に帰国してからはなかなかリバプールの情報が入ってこなかった
のですが、サッカー雑誌や2000年頃から某CS放送でプレミアリーグ放
送が開始されたおかげで、いろいろとリバプール情報がチェックできる
ようになりました。

そして、2002年の卒業旅行では一人でイギリスを訪れ、FAカップ4回
戦のキャラガーがコインを投げて退場になったハイバリーでのアーセ
ナル対リバプール戦(0-1で敗戦)とアンフィールドでのリバプール対レ
スターの試合を観戦しました。
へスキーのゴールで1-0で勝利したレスター戦では、「You'll Never
Walk Alone」を大声で歌うことができました。あの感動は今でも忘れる
ことができません。

この度2008年9月に結婚をし、妻はイギリスの雑貨が大好き、私はリ
バプールファンということで、新婚旅行はイギリスに行くことになりまし
た。
普段、リバプールの試合がある時には、夫婦の会話はそっちのけでテ
レビの前で試合をみることに夢中になってしまうので、今回アンフィー
ルドを訪れ、あのスタジアムの感動を味わえば、妻もきっとリバプール
が好きになるだろうと悪だくみ(!?)も考え(笑)、11月22日のリバプール
対フルハムを観戦してきました。


【第2話 ドタバタの末、リバプール、そしてアンフィールドへ】

試合前日にロンドンからリバプールへ移動したのですが、宿泊する予
定のリバプール駅近くのホテルがなんとダブルブッキング! 急遽サ
ウスポートのホテルに変更になってしまいました。
その為、試合当日、チケットを受け取る時間に遅刻しまいましたが、ミ
ナコ・ジャクソンさんは大変感じの良い方で、無事にチケットを受け取る
ことができました。
ミナコさんには色々とリバプールについて教えて頂き、楽しい歓談がで
きました。この観戦記にて改めて、御礼を申し上げます。ありがとうご
ざいました。今度、また行く機会があれば、もっとリバプールの町やリ
バパドリアンの生活についていろいろ聞きたいと思っております。

さあ、チケットも受け取り、いざアンフィールドへ!
クイーンスクエアのバス乗り場の6番には、リバプールのユニフォーム
を着た観客がゾロゾロ集まって来ます。バスに乗って15〜20分もする
と、レンガ作りの民家沿いにドカ〜ンと大きなスタジアムを発見! 周
りにはパブ、このいかにもイギリスっぽい味わいのある雰囲気に、私の
テンションもだんだん高くなりました。
バスを降りると、「マッチデイプログラム〜」と叫ぶ販売の人、アンフィー
ルド目の前のパブ「THE PARK」にぞろぞろ乗り込む人、本当に楽しみ
になってきました。

早速、ミュージアム受付前の「ビル・シャンクリー」の像で妻と記念撮
影。
その後はミュージアムへ。ミュージアムにはリバプールの創設の歴史、
栄光の数々のトロフィーが飾られています。またアンフィールドの狭い
ゲートや昔の立ち見のコップスタンドが再現されています。

5年前に訪れた際には、リーグカップ、FAカップ、UEFAカップのカップ
三冠を達成した翌年だったので、そのトロフィーを見て感激しておりま
したが、今回はなんといっても、あのACミランを0-3からPKの末、逆転
優勝した「イスタンブールの奇跡」のチャンピオンズカップ! キラキラ
と輝くカップにあの試合をテレビ観戦したときに感動がよみがえって、
ジェラードの「イエッス!!」と叫びながらトロフィーを掲げた姿が思い
出され、感無量でした。
ジェラードが今年こそプレミアリーグのカップを手にし、このミュージア
ムに飾られることを願いながら、ミュージアムをあとにしました。


【第3話 スタジアム入場前に一杯】

ミュージアムを見終わった後は、小腹が空いたので、パブに行きまし
た。
アンフィールドの周りには何件かパブがあるのですが、なんといっても
有名なのが、アンフィールドの目の前にある「THE PARK」! ってこと
で、入ってみるともう人が通れないほどの人ごみ。店員さんもリバプー
ルのユニフォームを着て、愛嬌よくビールを注いでおりました。
私達も1パイントのビールを注文。飲みながら周りを見ると、KOPでも
有名なピンバッジを体中につけているおじさんも飲んでいます。日本で
もこんなリバプールファンが集う場所があったらいいなと感じながら、
ビールを飲み干して、スタジアムに向かいました。


【第4話 選手登場、憧れのジェラードとニアミス】

パブをあとにし、メインスタンドの外の方へ歩いていくと、選手がそろそ
ろバスで到着するのでしょう、馬に乗った警官やらファンでごった返して
いました。
まずリバプールのバスが到着。サポーターからの大拍手と歓声に迎え
られます。やっぱり声援が大きかったのはトーレスとキャラガー! そ
の後、フルハムのバスが登場。以前リバプールにいたマーフィーは大
声援で迎えられましたが、去年までリバプールのお隣チーム、エバート
ンに所属していたアンドリュー・ジョンソンには、容赦ない大ブーイング
が浴びせられたのには笑ってしまいました。

選手がロッカールームに消えたあと、スタジアムを一周してみました。
シャンクリーゲートでヒルズボロ碑に冥福をお祈りし、選手の駐車場あ
るCentenaryスタンドへ。すると一台の黒いレンジローバーのジープが
登場…と見るとそこにはレッズのキャプテン! スティーブン・ジェラー
ド!! 物々しい警備でサインはもらえませんでしたが、イギリス出発
当日の朝に「ジェラードが故障者リスト入り」の情報を聞いて落ち込ん
でいただけに、間近で見れて大変嬉しかったです。


【第5話 アンフィールド内と試合前練習】

さあいよいよスタジアム内へ。狭いゲートを抜けて入って、グランドを眺
めると、綺麗な緑の芝とスタジアムの近さに改めて驚かされました。
座席はメインスタンドのコップ寄りの席でした。コップの応援がダイレク
ト伝わって来そうで、楽しみになりました。

試合開始30〜40分前にいよいよ選手たちが登場。まずはフルハムの
選手が登場し、恒例のブーイングでお出迎え。そして、レッズはまずは
レイナとカバリエリのGKが登場し、大歓声! そのあとにビブスを着た
レギュラー陣が登場。
…っと、よく眺めると、Xアロンソがレギュラー組にいないことに気づきま
した。マスチェラーノにルーカスだと、ちょいと展開力に不安…嫌な直
感が働きました。いくら水曜にインターナショナルマッチがあるからと
いって、控え組で勝てるほどフルハムは格下扱いできるレベルじゃな
いだろう…ラファの采配が心配になりました。


【第6話 選手入場〜You'll Never Walk Alone】

選手たちが練習から引き上げ、スタジアムも試合開始の10分前からど
んどん満員になってきました。
プレミアリーグではビールを飲みながら試合観戦ができないため、試
合開始ぎりぎりまで、スタンドの裏でビールを飲んでいるイギリス人。イ
ギリス人のビール好きには関心しました。
スターティングメンバーが発表、背番号と選手名がコールされると、一
人づつ「オウ!」の大声援。「No.9、フェルナンド〜トーレス」のコールに
はやはり割れんばかりの大声援が印象的でした。

リバプールのテーマ曲で有名な「Ring of Fire」→プレミアリーグのテー
マ曲が流れて、選手が入場→整列→握手と続く。
あれ〜「You'll Never Walk Alone」は? と思っていたら、選手同士の
握手が終わったあとに恒例のあのメロディが♪ 
マフラーを両手一杯に広げて、大声で歌い、スタジアムの雰囲気を噛
みしめながら、大合唱しました。
私のボルテージも最高潮に! ホームでしか味わえない感動です。


【第7話 試合内容】

コイントスでキャラガーが負けたので、前半はめずらしくレッズは私たち
のいる方、コップ側に攻める形でスタート!
前半で大量のゴールが入ることを期待しながら観ていると、立ち上がり
は怒涛の攻撃! トーレスにボールがわたれば大歓声! フルハムの
DFはトーレスをファール以外ではとめられず…。しかしセンターリング
まではいくものの、ゴールの予感はなし。

そうこうするうちにこの試合一番のチャンス!
左サイドからのボールがフルハムの選手の体に当たって、キーンが
シュオーツァー(GK)と1対1に! しかし、体にぶつけてしまい、ゴール
ならず…。
「おい! 決めろよ〜」
思わず叫びました。観客席のサポーターたちはみんな頭を抱えていま
す。

しばらく試合が経過すると、はじめの勢いはどこへやら、だんだんとミ
スのオンパレードになり、ペースはフルハムへ。
フルハムは中盤のブラーノとマーフィーが機能しており、リバプールの
マスチェラーノとルーカスを凌駕する出来。
一方こっちはキーンとリエラのパスの呼吸が全然合わないやら、ルー
カスも横に短いパスを散らすだけで、縦にスルーパスなど攻めの姿勢
が見られない。
だんだんとKOPからの苛立ちが伝わってくる前半でした。

後半が始まってもペースは変わらず、痺れをきらしたKOPから、ルーカ
スからシャビアロンソへ変えろとアピールの「Xアロンソ」の大合唱! 
KOPの間髪いれずのコールはさすがサッカー知っている感じでしたね。

後半10分くらい経過して、満を持してX・アロンソの登場! そこで交代
選手が誰もがミスを連発しているルーカスと思いきや、マスチェラーノ
でスタンドから大ブーイング! 何でマスチェラーノなの? ってくらい
ベニテスの采配に首をかしげたくなりましたね。

X・アロンソ投入で、停滞していた攻撃に展開力が生まれました。
しかしカイトや久々復帰のトーレスがシュートを放つも、相手キーパー
のシュオツァーがファインセーブを連発!
そのうちに、攻め疲れからフルハムのデンプシーとジョンソンにカウン
ターを食らう最悪の展開に。
途中交代でバベルやエルザールを投入しても、まったく流れが変わら
ず、そのまま0対0で試合終了。

う〜ん…と、正直、試合内容に首をかしげたくなるようなスコアレスド
ロー。
やっぱり練習の際に私が感じた不安内容が現実に。X・アロンソが前
半から使われてれば、全然違う内容になっていたと思いました。
レギュラーに使わなかったベニテスの采配ミス、そしてジェラードの存
在の大きさが浮き彫りになる試合でした。

妻をリバプールワールドへ引き込もうとしたが、残念ながらできません
でした。試合終了後、負けたわけでもないのに残念そうに肩を落とし、
渋々家路につくサポーターたちの姿が印象的でした。
しかしそれでも、場内アナウンスで他会場の試合速報が流れて、アー
セナルがシティに大敗(1-4)、さらに首位のチェルシーがニューキャス
ルと引き分け(0-0)の結果を聞いた瞬間は、みんなで大喜びでした。


【第8話 サインゲット、そしてさらばアンフィールド!】

私たちは選手のサインをもらう為、ジェラードが入ってきたCentenary
スタンドの門の外で、レッズのチビッコサポーターと寒い中、出待ちを
することに。
30分くらいしたら、まずはジェラード登場、足早に友人らしき人二人を
連れて、車で帰路に。
続いて途中交代したマスチェラーノもさっさと車へ。キャラガーも可愛い
娘さんと車へ。

う〜ん、誰からももらえないかなあと諦めかけていた頃にアロベロワが
登場! そこは陽気なスペイン人、丁寧に一人づつサインをしてくれま
した。スペイン人らしきファンとスペイン語で会話をしながら、私のマッ
チデイプログラムにもサイン。

続いてカイト、X・アロンソ登場。カイトはベビーカーを押しながら奥さん
と車へ向かっていたのに、「あ、サインしなきゃ」という感じでサポーター
の元へ! サポーターを大事にする姿に感動しました。絶対、サポー
ターに愛されるなと実感しました。一方で奥さんが「またサインに行く
の?」って感じで膨れっ顔になる姿も印象的でした(笑)。

カイトと憧れのアロンソからもサインをもらい感激しっぱなし。横では妻
が全身が凍りつくほどの寒さで早く帰りたそうにしているのに、そんなこ
ともお構いなしのダメな夫。

しばらくすると、今日の試合で間違いなく戦犯のルーカスが、彼女と不
機嫌そうに帰っていき、そのあとGKのレイナ、アッガー、アウレリオが
気持ちよくサインに応じ、締めはあまり活躍できなかったロビー・キーン
もサポーターを大切にするかのように一人、一人にサインをくれました。
ルーカスにはキーンの爪の垢を煎じて飲ませたかったですね(笑)。調
子がわるかったときこそ、ファンサービスに努めないと。
なんだかんだ出待ちで1時間ぐらい費やしました。0対0で試合内容に
も不満でしたが、選手を間近で見れたこと、サインを貰えたことは、嬉
しかったです。

アンフィールドを後にするのは名残惜しく、寂しい思いにかられながら
バス停へ。
次にイギリスへ来るときはスタンリーパークの新スタジアムに変わって
いるのかなあなどと考えながら、またここに戻ってくるぞと胸に誓いま
す。
そして「今年こそ優勝を頼んだぞ!」と、私の魂をアンフィールドへ残し
て、シティセンター行きのバスに乗り込みました。

(おしまい)

 ≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo371.html ≫


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