February 24 2009, No.376
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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         *** http://scousehouse.net/ ***        


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼寄稿:「リヴァプールへ行きたい人! 集まれ!!!」(3)
 ▽寄稿:「Homecoming for Liverpool 08」(5)
 ▼ゴールドフィッシュだより <No.151>
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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いよいよ今週から、チャンピオンズ・リーグか再開します。
決勝トーナメント1回戦でリヴァプールが対戦するのは、リーガ・エスパニョー
ラのチャンピオン、レアル・マドリーです。
前身のヨーロピアン・カップ時代を含めて、レアル・マドリーは9回、リヴァ
プールは5回、優勝カップを掲げています。53回のうちの14回、つまり平均す
ると4年に1回は、この2チームのうちのどちらかがチャンピオンになっている
計算になります。

チャンピオンズ・リーグの顔ともいえる両チームですが、実はこの大会での対戦
は、過去にわずかに1回、1試合のみなのだそうです。
遡ること28年、1980-1981シーズンの、なんと決勝戦です。
パリで行われた一発勝負の大一番では、アラン・ケネディの81分の決勝ゴール
により、リヴァプールが3度目の欧州王者に輝きました。

リヴァプールとレアル・マドリーには、なんとも不思議な縁があるようです。
両方のユニフォームに袖を通した選手&監督は、9人もいます。
現役の選手では、リヴァプールのアルべロア、マドリーのデュデクの2人。

そしてリヴァプールの監督のラファ・ベニテスは、なんとマドリード出身なので
す。
レアル・マドリーで選手としてプレイし、ユース・チームの監督としてのキャリ
アもあります。
ここ数年はレアル・マドリーの新監督候補として何度も取り沙汰されていて、ラ
ファを困らせています。
「ただの噂だ。私はリヴァプールの監督であることに誇りを持っているし、ここ
に留まりたい。ここでトロフィーを増やすことに全力を尽くしたい」
という否定のコメントを、何度口にしたことでしょう。

そしてもう1人、リヴァプールにはマドリード出身のプレイヤーがいます。
ファンのみなさんはご存じですよね。フェルナンド・トーレスです。
マドリードに生まれ、おじいさんの影響で小さい頃からレアル・マドリーのライ
ヴァルチーム、アトレティコ・マドリーのファンだったトーレス。選手としても
アトレティコ一筋で2007年までプレイし、キャプテンまで務めたストライカー
です。

個人的にも特別な意味を持つであろうこの大一番について、トーレスはこう語っ
ています。
「レアルと違って、アトレティコは労働者やお金持ちでない人々のためのクラブ
だった。汗水たらして働いたあとに応援に足を運ぶんだ。そういうところが好き
だった」
「アトレティコはどうしても軽く見られてしまう。おとなりは世界的に有名で
いっぱいトロフィーを持ってるレアルだからね。でも、ウチのスタジアムに来れ
ば分かってもらえると思うけど、アトレティコのファンは自分たちのチームを誇
りを持って、全身でサポートしているんだ。そして、月曜日になったらまた仕事
に出かける」
「レアル・マドリーはそうじゃない。ビッグ・スターを集めたグラマーなチーム
だ。僕はワーキング・クラスの出身だから、ぜんぜん魅力を感じない。父は毎日
毎日働いていたし、兄や姉は何時間もかけて学校に通っていた。アトレティコっ
ていうのは、そういう市民のためのクラブなんだ」

「今でも、レアル・マドリーでプレイしたいなんてことはまったく思わない。レ
アル・マドリーに誘われるほどの選手なら、他のどこのクラブでもプレイできる
だろう。だから僕はそうしたんだ」
「今度のチャンピオンズ・リーグではリヴァプールの選手としてマドリードに帰
るわけだけど、レアルとの対戦はアトレティコのファンとしてプレイするつもり
だよ」
「アトレティコは僕の人生の一部だ。心のクラブなんだ。レアル・マドリーと契
約したいなんて絶対に思わない。アトレティコを離れても、その気持ちは変わら
ないよ」
「チーム全員が、タフな試合になることを覚悟している。どっちが勝ち抜ける
かってことを話すのは好きじゃないけど、次のラウンドに進むのはもちろんウチ
だと思ってるよ」

いやいや、本当に楽しみですね。
マドリードで行われる第1戦は25日(日本時間26日早朝)、リヴァプールで行
われる第2戦は3月10日(日本時間11日早朝)です。

● ● ●

通販のお知らせです。
先週の金曜日に、「LFC通販」ページを更新しました。
今年最初のLFC通販です。おなじみのLFCマガジン&マッチ・プログラムの新入
荷分を掲載しています。
おすすめのアイテムは、LFCマガジン増刊号の最新版<El Grande - Clash of the
Giants>(\2,400)です。レアル・マドリーとの対戦を記念したエディションで、
興味深い記事がぎっしり満載です(上記のトーレスのインタヴューは、この増刊
号から抜粋しました)。
オーダーをいただけるとうれしいです!
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                          ― Kaz(24/02/2009)


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▼寄稿:「リヴァプールへ行きたい人! 集まれ!!!」(3)
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「リヴァプールへ行きたい人! 集まれ!!!」 / Anne

■第8話《甘かった!!! 休日のイギリス》■

でも目的地はロンドンじゃない。ここからですよね。本当の目的地は・・・
普通に考えてユーストン駅からナショナルレイルでリヴァプールライムストリー
ト駅へ。
ナショナルレイルのオフィシャルウェブサイトで時刻表の検索。

私もこれまでの経験で、かなりイングランドのオフィシャルウェブサイトの検索
には慣れてきましたよ。
自分でも驚き!!! だって英語ですよ。当たり前って言われちゃえばそうなん
ですけど。
でも、繰り返しの検索で雰囲気が解ってきたってとこかな。
ちゃんと訳せる「実力!」じゃなくてね (^_-)-☆

11/1(土)はチェルシーのゲームを観戦と言うことで移動は11/2(日)。
そういうことになるよね?
ところが、何故かこの日はユーストン駅からリヴァプールライムストリート駅へ
は5時間???
平日だと2時間40分位、、、
何故? 訳がわかりません。
どうして倍もの時間? 乗り換えの必要が無い列車を選択してるのに〜!

そこで旅行会社に問い合わせてみると「信じられない(+。+)」
休日は時刻表どおりに列車が運行されないって!
目的地まで到着しなかったり、乗り換えさせられたり。
「えっ!よくあること(*_*)?」
英語は苦手なんですよ。そんな列車に遭遇するなんてダメ〜!
「私には無理!」
「どうしよう(--;)」
仕方がないので復路の11/5(水)のリヴァプールライムストリート駅からロンド
ンユーストン駅行きの予約だけしておくことに。。。

これだけじゃない。私が観戦するのはチャンピオンズリーグ、アトレチコ戦。
だってトーレスの古巣だし、他のチームよりアグエロやフォルランや見たい選手
が多いし、ルイスガルシアだって来たら嬉しい!
甘かった〜('_`)
アトレチコのサポーターの数が相当多いらしい。
シミュレーションの時には空きのあったホテル。駅付近のホテルは日本語のウェ
ブサイトから予約出来なくなってる。
もともと日本語のウェブサイトで予約出来るリヴァプールのホテルの少なさは
気になっていたんだけどね。

部屋に空きがあるホテルは、ライムストリート駅からマージーレイルで20分程
海の方へ。
試合は19時45分キックオフですよ。
終了時間考えたら22時頃なんだし。
終了後アンフィールドからライムストリート駅に戻ってマージーレイルで20分
なんて!!!
無理、無理、無理です!!! 初めて行くんです。一応女性です。ショッ
ク( ̄□ ̄;)!!

結局、リヴァプールに移動は出来ない!
リヴァプールに宿泊も出来ない!
こんな中途半端な状態のまま(ToT)
「あ〜あ、がっくり。。。」
だって繰り返すけど、
英語はダメだし、個人旅行は初めて、しかも一人旅。
別の方法に変更なんて考えたくな〜い。
期待でドキドキだったはずなのに・・・


■第9話《スカウスハウスさん、助けて!》■

あ〜あ、どうしよう(>_<") 自分で考えてみたけど経験が無いから分からないこ
とばかり。
ちょっと気持ちが萎えてる日々。
「5時間かけて鉄道で移動するしかないかなあ」
「ホテルはタクシーを拾えばなんとかなるかなあ」
「でも、そんなこと私に出来るの?」
肝心なリヴァプールへの旅が抜けちゃっていて、旅行に出発出来るはずもない
し・・・

そんな日々を送っていたある日、私のがっかりメールにスカウスハウスさんから
お返事が届きました。
嬉しい嬉しいメールです。救いの手が差し延べられました〜(^_^ゞ−☆

休日のリヴァプールへの移動はコーチ(長距離バス)へ変更の提案。
そして宿泊はお薦めのホテルを紹介していただきました。

早速英語のウェブサイトへチャレンジ!
まずは自分でコーチやホテルの確認をしてみます。
バスの時刻表は? 移動時間は? ホテルの場所は?宿泊費用は?
英文をざっと読んで大切そうな文章はコピーして翻訳サイトにお任せ。
ウェブディクショナリーで単語を調べたり。
あら、なんだか学生に戻ったみたい。

スカウスハウスさんからのメールが届いてから、再びやる気が出てきた
私( ̄^ ̄)
全く選択枠になかったコーチで移動する手段はちょっと不安。
ブログや口コミもいろいろと検索してチェック。
実際のウェブ予約のサイトで確認すると一日の本数もかなりあって、リヴァプー
ルまでは5時間30分位。
驚きは料金! な、な、なんとρ(°o°)ゝ!!!
日本円で1000円位? 大型のバスで乗り換え無し!
ヴィクトリアコーチステーションのある地下鉄ヴィクトリア駅ってディストリク
トラインで行けるじゃない!
そう、ロンドンの宿泊先アールズコート駅ならチェルシー線を観戦に行く時
の逆方向に乗ればいいんだ。
スカウスハウスさんのお薦めだし決めた! コーチバスで行きます!

宿泊はB&Bのお薦めもあったけれど、どんなに優しいオーナーさんと出会えて
も、私の英語力じゃ楽しい会話は無理で〜す。
だからオーナーさんに申し訳なくなっちゃう(゜゜)
ライムストリート駅に近いホテルへ直接の申込に再び挑戦!

でも・・・ウェブサイトは英語だから不安(^_^;;;
スカウスハウスさん、お願いしま〜す(^人^)


■第10話《やっぱり大切な危機管理》■

スカウスハウスさんのお陰で無事に旅の全行程が揃いました。これで準備はOK!
旅慣れた人だったらこれで十分ですよね。
でも私の次の準備は、出来るだけトラブルを避ける準備。
だって英語で説明出来ないもの。
クレームだって言えないし、ただただスムーズな旅にしなきゃ。

まずはコピー。「パスポート」や「ティケット類」「クレジットカード番号」「旅
行保険の証券」
持ち歩くバッグ分とスーツケース分をね。

次は旅行の日程表作成。
ここには「パスポート番号」「日本の住所」「携帯してる電話の番号」「日付と宿
泊先住所と電話番号」「移動する乗り物のナンバー」
これは入国カードの記入やホテルのチェックインの時にすぐに記帳する時に便利。
スーツケースのタグに付ければ、ロストバゲッジのとき用にも使えるよ。
スーツケースが戻ってこないと困っちゃうもの。

その他にロンドンには日本人のお医者さんがいる病院があったから、その病院の
情報や、
日本語の通じる三越の地図。
三越にはクレジット会社のディスクや日本の宅急便の受付、旅行会社の支店も
入ってるみたいだから、英語が不安な私にとっては外せないね。
携帯電話が壊れたり、使い方が分からないときの連絡先も大切かも。
すぐに日本に連絡出来る頼りになるやつだもの<(`^´)>
そう、だから携帯電話の設定や使い方もマスターしとかないと。

今回の旅行はロンドン在住の友達に電話を掛ける約束で〜す。
ロンドンにある企業に連絡もとりたい!
後で登場するけどスペイン在住の友達とお互いパリで待ち合わせ予定。
その友人とは、パリで連絡を取り合えないと不安(゜゜;)
でも、説明書なんて解り難い!だから携帯のメーカーさんに電話しちゃいました。
すご〜く解り易く、簡単な方法を教えていただけちゃいましたよ。
携帯電話メーカーさん、優しく説明していただいてありがとう。

往路の手荷物には出来るだけ絶対必要なものを入れなきゃ。
例えば服用しなきゃならない薬のようなものは全日程分。
私の実力じゃ臨機応変なんて有りえないんだから、そこのところを考えて何を手
荷物に入れるるかは重要事項だよね。
とくに往路は考えましたよ!!!
だって海外で自分の力で入手するのは困難だもの・・・


■第11話《ちょっと冒険》■

余裕が出てきたところでもうひとつ。スペインのバレンシア在住の友達とパリで
会う約束をしちゃいました。
ユーロスターでパリに旅行です。
ヨーロッパの都市で友達と待ち合わせなんて、なんだかこの旅行のスタートの時
には考えられなかったよね。
私も成長したものです。すぐにユーロスターのウェブサイトのチェック開始。

するとまたまた、ちょっとした問題に直面(°.°;)!
簡単だと思ったのに9月13日、ユーロスターが火災。
トンネルでトラックから火が出たらしい。運行は通常に戻ってない!!!
どうしよう(゜-゜)
でももうがっかりする私でも、慌てる私でもないよ〜!
ロンドンで個人旅行をサポートしてくれる会社を見つけました。
「ロンドン支店なら直接運行状況が入手出来るのじゃない」って思い、メールし
てみちゃいました。
もちろん日本語ですよ。ロンドン「支店」ですもの。

すぐにリアルタイムで運行状況のメールをいただいて、出発ぎりぎりまで待って
予約をしていただきました。
なかなか運行が通常に戻らないので、ロンドンから私宛に確認のお電話までして
いただき、こんな状況のなかパリに行けるようになりました。
そんなアクシデントで滞在時間はちょっと短くなってしまったけど、
ロンドンの旅行会社の方にも親切にしていただいて、とにかく感謝で〜
す(゜∇^*)⌒☆

(つづく)


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▽寄稿:「Homecoming for Liverpool 08」(5)
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「Homecoming for Liverpool 08」 / 鹿志村 克

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo376.html ≫ 

■Liverpoolの楽しみ方4〜文化と芸術の街(パート1)

Liverpoolは、欧州文化都市に選ばれるくらい様々な文化がある街です。
今回の僕の旅でも、いくつかの博物館、美術展、音楽などのスポットを見て回り
ましたが、8回目のLiverpool訪問でも初めて行くところもあったり、今回もま
た行けなかったところもあったりと、ゆっくり出来ると思った5日間の滞在でも
最後は時間が足りないくらいでした。
ここでは、主に博物館とアートを中心に僕が見てきた文化と芸術関係の施設や作
品などを紹介します。
ちなみに前回のLiverpool訪問ではビートルズに関するスポット巡りを中心にし
たため、今回は泊まったホテルは別にして、ビートルズに関するスポットはほと
んど行きませんでした。

1日目はAnfieldでのフットボール観戦がメインで、昼間は情報収集に当ててい
ました。
2日目になって、まずはCity Centreから北側を写真を撮りながら一回りして、
Vauxhall RoadをCity Centreの方に戻ってくると、大学の建物の角の通りに、
黄色いSuperlambananaがいました。
これは羊とバナナを掛け合わせたもので、なんだかよくわかりませんが、ユーモ
ラスな形をしています。この作品は日本人作家の太郎千恵藏氏の作品で、もう何
年も前にLiverpoolのあちこちに出没していました。
僕が最初に見たときはWilliamson Squareにいましたが、その後はAlbert Dock
の近くに移動していました。そしてまたこのVauxhall RoadとTithebarn Street
の角にやってきたという訳です。まるでその足で市内をあちこち歩き回っている
みたいです。

ちょっと前にはこのSuperlambananaの小さいものが125体作られて、いろん
なペイントをされて飾られる、というプロジェクトがあったそうです。今はその
プロジェクトも終わってしまいましたが、まだ市内を探すといろんなところに
lambananaが隠れています。
例えば、Liverpool FCのショップの中には赤いシャツを着た"Koppy"がいて、St.
Geroges's Hallの中には、トナカイの飾り付けをしたlambananaがいました。
Superlambananaは、Liver Birdに次ぐ、Liverpoolのマスコットになるのでしょ
うか?

次はWorld Museum Liverpoolで開催されていた2つの企画展を見ました。
一つ目は、Liverpoolの音楽にスポットを当てた"The Beat Goes On"という展示
です。これは事前にスカウスハウスからのnewsletterでチェックしておいたも
のです。
僕にとってLiverpoolはビートルズから始まりましたので、この展示はとても
興味深かったです。Liverpoolは港町であった事から外国のいろんなレコー
ドが手に入りやすく、それが音楽を初めとして文化の多様性につながっています。

ここでは、ジョンレノンとポールマッカートニーが最初に出会った教会ホールの
ステージの一部が移設されて展示されていました。
また、1950年代から現在まで、Liverpool出身のバンドやミュージシャンの
ヒット曲、ギグ会場などの紹介、レコーディングスタジオやコスチュームを着て
写真を撮るコーナーなどもありました。

Liverpoolにちなんだ曲を紹介して試聴できるコーナーでIan McNabbの
"Liverpool Girl"という曲を聴いてかっこいいなと思いましたが、家に帰ってみ
ると、"Mersey Boys and Liverpool Girls"というコンピレーションアルバムに
入っているのを持っていました。
Ian McNabbは、他にも"Merseybeast"というタイトルのアルバムも出しているそ
うで、こちらも気になるタイトルです。

続けて、UEFAのフットボールに関する展示"only a game?"も、同じくWorld
Museum Liverpoolが会場でした。これもスカウスハウスのnewsletterでチェッ
クしていた展示でした。
UEFAの展示だけあって、ヨーロッパのフットボール文化の紹介もありましたが、
どうしても目はLiverpool FCに向いてしまいます。ここで見るよりAnfieldの
ミュージアムで見たい、と思ってざっと一回りしただけで会場を出てしまいまし
た。

World Museum Liverpoolはいわゆる博物館なので、古代からのさまざまなもの
が展示されていたり、水族館なんかもあったりしたのですが、街を歩き回り、先
の2つの企画展を見ただけでお腹がいっぱいになってしまったので、ホテルに戻
ることにしました。まだ2日目なので無理は禁物です。

3日目は、Anfieldのスタジアムツアーに行くことにした日ですが、その前に
Moorfieldsへ行きました。ここには、取り壊される予定のビルを使って、壁の
一部を回転するというインスタレーション作品があります。
この作品を作ったのはRichard Wilsonという人です。Liverpool Biennialの作
品の一つで、"Turning the Place Over"というタイトルが付けられています。
何気ない風景が突然がらりと変わって見えるので、こういう作品は見ているだけ
で楽しいです。

この日はこの後Anfield Museumに行きましたが、それは別項に書いたので省略
します。

夕食は、スカウスハウスの現地スタッフのミナコさんとイアンさんに会って、ス
ペイン料理を食べました。待ち合わせをしたのが、FACTという複合文化施設でし
た。
FACTとは、the Foundation for Art and Creative Technologyの頭文字をとっ
たもので、映画上映や現代美術の展示のほか、アーティストをサポートする団
でもあります。今回は時間の関係で中を見ることはできませんでしたが、ここも
またいつか訪れてみようと思う場所でした。

夕食の後の帰り道で、Colquitt Streetにある、Clive Gillmanという人の
"Metroscopes"という作品を見ました。
これは5つの塔の先の方にぐるりと回るLEDのフラッシュニュース掲示板のよう
なものがあって、Liverpoolと、Liverpoolの姉妹都市になっている4つの都市
の様子が言葉で表現されています。
ちなみに4つの姉妹都市とは、オデッサ(ウクライナ), ダブリン(アイルラン
ド), 上海(中国)とケルン(ドイツ)です。
この作品を見て、同じくLEDを使ってメッセージを流す作品を作るアメリカ人の
作家Jenny Holzerを思い出しました。

4日目は、まずAlbert Dockにある博物館、Merseyside Maritime Museum(海洋
博物館)と、併設するInternational Slavery Museum(奴隷博物館)に行ってみ
ました。

Merseyside Maritime Museumは以前も行ったことがあるので、今回は特に見るつ
もりもなかったのですが、International Slavery Museumが新しく出来たので
行ってみようと思ったら、Merseyside Maritime Museumの中にあったので、もう
一度見てみることにしました。
今回は、"Titanic, Lusitania and the Forgotten Empress"というタイトルで
20世紀初頭の3つの悲劇的な船についての展示がありました。

Titanicは日本でも有名ですが、この船を所有していたのがLiverpoolにあった
船会社White Star社だったため、船尾にはLiverpoolの文字が書かれていまし
た。
Titanic自体はLiverpoolには来たことがありませんでしたが、その関係で
Pier HeadにはTitanicの名もなき機関士たちを讃える碑が建っています。
White Star社と、世界遺産の紹介で出てきたCunard社はライバル関係で、White
Star社の船は語尾に"nic"という名前を付けて、Cunard社の船は語尾に"nia"と
いう名前を付けていました。ちなみにこの二つの会社はその後合併しています。

Maritime Museumではもう一つ、"Magical History Tour"というタイトルで、石
器時代から現代までのLiverpoolの歴史を辿る展示がありました。
2007年が市の誕生から800年という年であり、2008年が欧州文化都市で
あったので、それらの記念という位置づけであり、Liverpoolの街と人々の生活
の様子が展示されていました。
World Museum Liverpoolの"The Beat Goes On"もLiverpoolの人々の生活にいか
に音楽が欠かせないものであったかの展示がありましたが、ここでもやはり音楽
やフットボールなどの娯楽に関する展示が面白かったです。

Pier Headには以前、Museum of Liverpool Lifeという、その名の通り
Liverpoolの人々の生活に関する博物館があったのですが、現在は建て替え中で
す。
でも今回見た"The Beat Goes On"や"Magical History Tour"がその代わりの展示
のようでした。新しい博物館が出来たら、多分これらの展示物もそこで展示され
るのではないかと思います。
実はMuseum of Liverpool Lifeには、僕もその制作に関わった"The Millennium
Quilt"という作品が展示されていたので、それがまた展示されないかなと期待し
ています。

International Slavery Museumの方は、今回Liverpoolに来る前に初めて名前を
聞いたのですが、2007年8月にオープンしたということで、前回僕が来たと
きにはまだ出来ていなかったのでした。
Liverpoolの歴史を語る上で奴隷というのは重要な出来事です。イギリスの繁栄
に奴隷貿易というシステムがあったということを忘れないために、どちらかとい
うと暗い歴史をこうやってオープンに展示しているのを見て、負の遺産もきちん
と残していこうというLiverpoolの街の決意を感じました。

Albert Dockの次は、The PhilharmonicでFish & Chipsのランチを食べてから、
Liverpool Anglican Cathedralに行きました。
こちらは以前少しだけ中を覗いたことがありましたが、今回は中の塔に上るのと、
音声ガイドツアーによる見学をしてきました。
塔に上れる時間の方が早い時間にクローズしてしまうので、先に塔の上に上るこ
とにしました。
塔の上に行くには、2つのエレベーターを乗り継いで、最後は階段を上ります。
Anglican Cathedralは、もともとがCity Centreから少し高い場所に建てられて
いて、さらに101メートルの高さの塔ですから、塔の上からは街が一望できま
す。係の人に塔から見える建物の解説をしてもらいましたが、北の方には
Liverpool FCのAnfieldスタジアムと、Everton FCのGoodison Parkスタジア
ムが、間にStanley Parkをはさんで、本当に隣り合って並んでいるように見え
ました。

音声ガイドツアーは、まず初めに10分間の短い映画を見て、その後音声ガイド
の入ったプレイヤーとヘッドフォンを渡されて、音声によるガイドを聞きながら
自分で歩くというものです。日本語の音声も入っていました。
それによると、このCathedralを設計したのは、Sir Giles Gilbert Scottとい
う人で、イギリスの赤い電話ボックスのデザインをした人でもあるそうです。
このCathedralはいかにも古そうな建築物に見えますが、実際には1978年に
完成したものです。しかし、建て始めたのは1904年なので、74年かけて建
てたということになります。
この桁外れのばかでかい建物を見ていると、「いっちょう何かでっかいことを
やってみよう」といったLiverpudlianの反骨精神が感じられます。

このCathedralは英国国教会ですが、Liverpoolにはもう一つ、今回は中には入
りませんでしたが、Catholicの教会Metropolitan Cathedralがあります。
こちらの教会はモダンなコンクリート造りの建物で、Anglican Cathedral
とは対照的に先進性を感じさせます。
そしてこの2つの特徴的な教会が、その名もHope Streetという通りの両端に並
んで建っているのを見ると、Liverpoolの文化の多様性、寛容性を現しているよ
うに見えます。この関係は、Liverpoolにある2つのFootball Clubの関係にも
当てはまるのではないかと思っています。

Anglican Cathedralの中をじっくり見たおかげで、外に出たときには辺りはすっ
かり真っ暗になってしまいましたので、この日の観光はここまでにしました。

(つづく)

 ≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo376.html ≫


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▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第151号 / ツウェスティバル−タイル−チョコレート ―

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish151_photo.html ≫

こんにちは。2月もあっという間に下旬となりました。
今年も《Liverpool Art Prize》の展覧会&授賞式の開催準備に追われ、バタバ
タしています。
場所は再び、Novas CUC にて、展覧会のプライベート・ヴューは3月12日、授
賞式は4月22日になります。

今回のファイナリスト6組も、絵画、写真からサイト・スペシフィックなインス
タレーションやビデオ作品など異なる手法の作家が勢揃いで楽しみです。
詳細はこちらから。
Liverpool Art Prize: http://www.liverpoolartprize.com

♪ ♪ ♪

ミクシーやフェイス・ブック、マイスペースなど近年様々なソーシャル・ネット
ワーキング・サーヴィス(SNS)が存在していますが、ツイッター(Twitter)は
最近ホットなSNSといえます。
「いまなにしてるの?」
という問いかけに対して、何てことはない、単に140文字以内で「つぶやき」を
アップするだけのものなのですが、これに対して他のユーザーが突っ込みを入れ
たりしながら、ゆるいコミュニケーションを図るというもの。
イギリスのコメディアンのStephen Fryなどはツイッター中毒の代表格として知
られていますが、その他にもオバマ大統領や、ブリトニー・スピアーズなど政治
家やセレブリティー、またはメディアや企業がマーケティングツールとして多く
活用しているようです。

2月ツウェルヴ日(12日)は、世界各国202都市でツイッター・ユーザーが集い、
チャリティー目的の大オフ会が開かれました。
リヴァプールでは<Leaf Cafe>にて行われ、80名ほどが集まりました。
普段、ユーザー名でやりとりしていた見知らぬ人たち同士が、初対面で挨拶をし
たりして不思議な光景で面白かったです。

チャリティーオークションとラッフルでは、ユーザーや地元の団体から寄付され
たアイテムが出品されました。
地元の写真家Pete CarrとPeter Goodbodyの作品や、フィルハーモニック・
ホールからコンサートチケット、ラディソン・ホテルの<Ark Spa Fitness>から
はスパ&ランチのペア招待券など。
そして私たちも家に眠っていた未使用のHolgaカメラを寄付。目玉アイテムとし
ては、Stephen Fryのサイン入りの本、そして本人使用済み&サイン付きの靴下
2組! 
熱い入札バトルが繰り広げられました。

オークションの前後に、さわやかでフォーキーな<Sparkwood & 21>、ファンクな
ビッグバンド+ヒップ・ホッピーなターン・テーブル・スクラッチの<6ix Toys>
が登場し、ライブを披露、こちらも楽しみました。
ラストの<The Lapis>は見られませんでした、残念。
Sparkwood & 21マイスペース: http://www.myspace.com/sparkwoodand21
6ix Toysマイスペース: http://www.myspace.com/6ixtoys

ツウェスティバルが支持したチャリティー団体<charity: water
( http://www.charitywater.org/ )>は、発展途上国で水に恵まれない人々の為
に、井戸を掘り、清潔で安全な水を提供するという非営利団体です。
ツウェスティヴァルがこの日に上げた収益は、現在報告のあったものだけで
250,000ドル。この寄付金で、エチオピア、ウガンダ、インドで行われている55
のプロジェクトで、17,000人もの人々にきれいな水を提供できるそうです。リ
ヴァプールからは、合計507ポンドが寄付されました。

世界同時開催されたこのツウェスティバル、ひとつの目的のために人々が集まり、
楽しみながら、収益を上げて世の中を良くしていくというのは素晴らしいコンセ
プトです。
短期間でここまでオーガナイズできたのは、これもSNSが成せる業なんですね。
恒例のイベントになるといいですね。
Liverpool Twestival: http://liverpool.twestival.com/

ちなみに、会場となったLeaf Cafeはイチオシのカフェです。場所は、Cains醸
造所の真向かいのElevator Buildingのグランドフロアー。
ホームメードのカフェメニューと幅広いセレクションのお茶が自慢で、定期的に
ティー・ティスティング、プディング・クラブが開催され、夜には、音楽やその
他イベントが行われています。
Leaf Cafe: http://www.thisisleaf.co.uk
(住所:27 Parliament Street, Liverpool. L8 5RN)

♪ ♪ ♪

2月13日。前回ご紹介したセント・ジョージズ・ホールのタイル床が披露され
てから、何と15000人目の来客者がこの日にやってくるというので行ってきまし
た。
短期間にもかかわらず、すごい数の動員数です。
15000人目をマークしたのは、Victoria McNultyさん(写真左)で、初めてのセ
ント・ジョージズ・ホール訪問だったそうですが、突然のお祝いに驚いていた様
子でした。

私たちも一緒に、普段は立ち入ることのできないミントン・タイルの床に通され、
Victoriaさんとそのお友達のLauraさんの記念撮影。
その後、自分への記念に、こっそりタイルを踏んでる写真もちゃっかり撮ってきま
した!

次のミントンタイルの床のお披露目は、ビートルウィークの時期になるかも? 
という噂です。
St George's Hall: http://www.stgeorgeshall.eu 

♪ ♪ ♪

2月14日はバレンタイン・デー。
何かバレンタインらしいことということで思い立った行き先は、シティセンター
に昨年末にオープンしたばかりのチョコラティエ&チョコレート・カフェ<The
Chocolate Cellar>。
場所は、Liverpool Oneから程近いHanover Streetにあります。
様々な賞も受賞している実力チョコの数々が並んでいます。板チョコやトリュフ
から、ハイヒール形やゴージャスなケーキ状のチョコレートなど、まさにアー
ト・オブ・チョコレート。
ミルク・チョコやダーク・チョコのほかにも、黒胡椒やクミンなどのスパイス、
薔薇などをミックスしたフレイバー・チョコレートなど、ショップ・オーナーの
Balaさんの常に飽くない探究心と創造性いっぱいです。

ショップでは、座ってチョコレートやケーキ、そしてホット・チョコレートが頂
けます。
お土産用にも、ショッピングの後にお茶をするにも最適な新スポットです!

 < The Chocolate Cellar >
  Liverpool: Hanover Galleries
  11-13 Hanover Street, Liverpool L1
  電話: 0151 200 2202
  営業時間:日−水 11.00〜18.00、木−土 11.00〜20.00
  ホームページ: http://www.thechocolatecellar.co.uk

♪ ♪ ♪

【今週の告知】
ジョンとヨーコのベッド・イン・イベントから40周年を記念し、なにやら3月
19日にアルバートドックのレストラン<What's Cooking?>にてイベントが行われ
るようです。。。?? 
詳しくは、こちらから。 http://www.fab4peace.com

それではまた再来週!

ミナコ・ジャクソン♪

≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish151_photo.html ≫


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スカウス・ハウスは、リヴァプールへの語学留学をサポートしています。
公立のリヴァプール・コミュニティ・カレッジに加えて、今年より、私立の語学
スクールLILAとも提携しています。
長期でじっくり学べる学生の方にはコミュニティ・カレッジを、まとまった期間
を留学に充てられない社会人の方にはLILAをおすすめします。
スカウス・ハウスには、リヴァプール留学に関する専門知識や経験を持つスタッ
フが、日本とリヴァプールの両方に常駐しています。入学前はもちろん、入学後
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ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧ください。
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NLWでは、読者のみなさんからの投稿を募集しています。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは英
国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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*** 今週の「ゴールドフィッシュ」フォト ******

今週も、特派員ミナコさんから素晴らしい写真が届いています。
ウェブサイトの「NLW ゴールドフィッシュだより」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish151_photo.html


*** 今週のフォト・アルバム ******

今週の「NLW フォト・アルバム」ページには、鹿志村克さんによる「Homecoming
for Liverpool 08」の写真を掲載しています。ぜひご覧ください!
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo376.html 


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□■ 第376号 ■□

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