April 14 2009, No.381
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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         *** http://scousehouse.net/ ***        


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼寄稿:「リヴァプールへ行きたい人! 集まれ!!!」(7)
 ▽「利物浦日記2008」(6)
 ▼スカウスハウス・ニュース
 ▽今週のフォト


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▽フロム・エディター
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久しぶりに「利物浦日記」の続きを書きました。
連載とは恥ずかしくてとても呼べないような掲載頻度になっておりますね…すみ
ません。
この日記は<インターナショナル・ビートル・ウィーク>のレポートです。
今回の分でやっと土曜日が終わり、このあといよいよメイン・イヴェントが続く
日・月曜日の様子をお届けします。
隔週発行になったことですし、今後はできるだけ毎号、「利物浦日記」を書いて
行きたいと思っています。
(でもあまり期待しないでくださいね…)

● ● ●

その<ビートル・ウィーク>ですが、今年もスカウスハウスでは、鑑賞ツアーを企
画しています(正確に言うと「ツアー」ではなくて、リヴァプール集合&解散の
現地パッケージです)。
先日ウェブサイトで詳細を発表しました!
 http://scousehouse.net/beatleweek/scousetour2009.html 

このところ毎年恒例となってますが、今年も「日本代表」のビートルズ・バンド
をフェスティヴァルにエントリーしています。なんと今年は2バンドです!
まず、2年連続での出場となる<アスプレイズ>。
去年は初出場ながら一大旋風を巻き起こしました。並みいるメジャー・バンドを
差し置いての大活躍。2008年最大のインパクトだったと思います。

その実績を主催者に評価されて、今年はなんとなんと、30万人が集まる<マ
シュー・ストリート・フェスティヴァル>の、“ビートルズ・ステージ”で演奏す
ることになりました。
このステージは野外に特設される6つのステージのひとつで、世界を代表する
ビートルズ・バンドが登場します。7もしくは8バンドしかこのステージに立つ
ことはできません。

ブッキングを担当した僕が言うのもなんですが、本当に信じられないような快挙
です。
数万人のオーディエンスを前にアスプレイズがどんなパフォーマンスをやっての
けるのか、今からワクワクしています。と同時に、ドキドキしています。

アスプレイズはまた、日曜日に行われる<ビートルズ・コンヴェンション>でも重
要なステージを担当します。
“ビートルズの全13枚のアルバム・フル演奏”という1つのバンドが1枚のア
ルバムをまるごと演奏する企画があり、そのうちの《Help!》を演奏することに
なっているのです。
世界的なバンドとマニアックなファンが終結する<コンヴェンション>ですから、
こちらもたいへんな栄誉です。

この2つの超メジャー・ステージを含めて、アスプレイズには6本のギグが予定
されています。

そしてもうひとつのバンドは、珍しい女性だけのビートルズ・バンド、<ブルー
マーガレッツ>です。
なんと結成は2008年。できたてほやほやです。
とはいっても、4人ともそれまでは別のバンドで活躍していたそうで、実力は大
したものです。まったく心配ありません。
ブルーマーガレッツには、日本のバンドとしては初となる、伝説のクラブ<ブ
ルー・エンジェル>をはじめ、7本のギグが予定されています。すっごく楽しみ
です!

今年の<ビートル・ウィーク>は、8月27日から9月1日まで開催されます。
未体験の方はもちろん、経験済みの方もぜひぜひ、リヴァプールでご一緒しま
しょう!

                          ― Kaz(14/04/2009)


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▼寄稿:「リヴァプールへ行きたい人! 集まれ!!!」(7)
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「リヴァプールへ行きたい人! 集まれ!!!」 / Anne

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo381.html ≫ 

■第23話《初めてのアンフィールドは青空の下》■

おじさんが教えてくれたように17番のバスに乗れるバス亭を探して、
無事に乗車です。
ティケットを見せたら簡単でした(^o^)b
乗車すると目の前にリヴァプールFCのマフラーした日本人の男の子2名が座っ
てる。
嬉しくて話しかけちゃいました~!
彼らはリヴァプールファンの大学生。
何だか人懐っこくなっちゃってるなあ、日本人にだけね(*^.^*)

「わぁ!」
ロンドンに到着した日と同じように青空で迎えてくれたアンフィールド!!!
ロンドンでエミレーツスタジアムとスタンフォードブリッジを見てきたけど、全
く違う雰囲気。
住宅街に突然姿を現すスタジアム! でも、圧倒することもなく、古い町並みの
中に静かに佇んでるって感じ。
早速写真撮影で~すo(^_-)O
大学生の二人も一緒だったから、
自分の姿もアンフィールドと一緒に写真に収めて頂いてラッキーだったかも!

青空をバックに静かに佇むアンフィールド。
私の今回の冒険の旅を応援してくれたり、心配してくれてる友人たちに送ろうか
な。
携帯電話でも撮影しておくことにしま~す。
それに「私が晴れ女ってことも証明できるチャンス(^O^")!」なんてね。

そして気になるオフィシャルショップへ行かなきゃ。
ここで大学生の男の子たちとはお別れしてゆっくりショッピングに集中。
「すご~い!!!」
ほしくなっちゃうものばかり!!!
迷っちゃってちっとも買えないf(^^;)
この際、家族へのお土産だって、リヴァプールFCグッズにしちゃおう!
「きれいな色のマフラー!」
このマフラーをしたら母だってリヴァプールFCのサポーターだね。
楽しくてなかなかお店を離れられないよ~o(><)O

でも、ミュージアムだって行ってみなきゃいけない。
あの『イスタンブールの奇跡』の優勝カップを見たい~!!!
「そうだ!!!」
オフィシャルショップはシティセンターにもあるからミュージアムに行こう。

隣のカウンターでティケットを買って二階へ。
小さな入口を入ると、そこには私の知らないリヴァプールFCの歴史があるはず。
スカパー解説者の方がよくリヴァプールFCの歴史の話をしてるよね。
「ブランド」って表現で話してたから、すごいんだろうなあ(゜O゜)。
「わあっ('〇';) たくさんのトロフィ!!!」
知らないことばかりだけど、その歴史の重さを感じて溜息ばかりの私。
「ちょっと勿体ないかも・・・」
せっかく目の前にたくさんのトロフィーが並べられてても、
その時代のフットボールの歴史を知らない私(;-o-)

出口に近づくと見たかったチャンピオンズリーグのカップがありました!
これだけはその素晴らしさがわかるよ!
あんなにガッカリしたり、喜んで興奮した試合だもの。
ジェラードがキスしてたカップ!!!
「あの瞬間をまた味わいたいなあ~」
ビッグイヤーを目の前に、かなりエキサイティングしちゃってます(o ̄∇ ̄o)

「さあさあ、落ち着いて・・・」
お昼も近いしバスでシティセンターに戻って港の方でも観光してみようよ。
「ん?」
やっぱり腰が少し辛いかも・・・


■第24話《今日はお散歩日和だから》■

ライムストリート駅に戻って、構内のショップで今日の昼食は「パイ」で~す。
「美味しそう」って思いながら横眼で見てた念願のパイ。
みんな美味しそうで迷ってしまったけれど、
ソーセージのパイとフライドポテトにしました。
これからホテルでゆっくり昼食にしま~す。

さっき撮影したアンフィールドの写真を友人たちにメールで送ったり、
買い物したグッズを並べて眺めたり、少しベッドで体を楽にさせたり。
こうして休憩したり、
お土産を部屋に置いて、またお出かけ出来るって楽チンですよね(^◇^)

午後からはアルバートドックに行ってみることにしました。
だって、空は青空、風もなくて穏やかで温かい日。
港の方へお出かけするには、嬉しいお天気です。
そして気になるのが鳥たちの鳴き声。
「カモメなんでしょうか?」
「カモってことにしちゃいます(^_-;)」
朝もカモメの鳴き声で目覚めて、やっぱり港町って思いださせてくれちゃう。

慣れてきた地図を片手にアルバートドック方面にぶらぶら。
15~20分ほど歩いていると港らしい風景が見えてきました~!
「マージー川?」
広い通りを横断すると黄色いおかしな船???
「イエローダックマリン号?!」
そして煉瓦の倉庫群・・・

まずはマージー川へ行こう。
穏やかでお散歩日和。
ベンチで川を眺めてる人たち、散歩してる人たち。
遠くに見える船や鳴きながら戯れてるカモメ。
こんな風景の中に立っていると
「あ~あ! なんて幸せなんだろう( ^o^)」
なんて、
教会に行かない私でも神様に感謝しちゃいます(^人^)

暫くボーッと景色を楽しんで、そしてアルバートドックへ。
とても静か・・・ゆっくりお店を覗いて行こう。

あるある(⌒-⌒) リヴァプールFC関連商品。
オフィシャルショップでは無かった楽しいグッズについつい笑っちゃいます。

イングランドの旅も慣れてきてちょっぴり余裕?
「余裕」が出来る頃ってちょっと注意が必要ですね。
「みなさん、気をつけましょうね。慣れてきた頃は(^_-)---☆」
あ~あ(-。-;)、私は後で反省することに・・・

リヴァプールFCグッズの並んでるお店の中を覗くと、
ジェラードとトーレスの背番号の栓抜きを見つけました!!!
私、栓抜き見て思いついちゃったんです!
実は夜のビール。
缶ビールだと1缶ずつ買える銘柄は一種類くらいしかないんです。
普通は6缶ずつのセット販売。
だから毎晩、同じビールでした。
瓶ビールだといろいろなビールが一本ずつ買えるんですよね。
「せっかくだから、見たことのないビールも試してみたいな~(*^¬^*)」
って思ってたから、栓抜きを見つけた時
「これってホテルで使える!!!」
ってヒラメキました。
ジェラードとトーレスどちらかって選べなくて結局、両方共ゲット!!!

ちょっぴり余裕の私はレジでカード決済しながら、
首に巻いたマッチマフラーをおじさんに自慢げに見せて、
「明日、試合の観戦に行くの~」
なんて話しかけてみました。
進歩です\(^_^)/
おじさんも、そんな私に食べていたクッキーを「どう?」って分けてくれて、
「きゃ! ありがとう」って、
私もお返しに日本からのお土産の「黒蜜きなこチョコ」をおじさんにプレゼン
ト!
「バ~イ!」ってお店を後に心はウキウキ!!!
コミュニケーションをとれるって、ちょっぴり嬉しい!

さあ、あまり遅くなるとイングランドの陽が暮れるのは早いし、そろそろ、シ
ティセンターの方へ戻ることにしましょ。
でも、同じ道じゃつまらないよね。
地図の見方も理解出来てきてるし、別の道を戻ってみよう!
こういうのってお散歩のとき楽しいよね。

帰りに「セント・ジョンズ・マーケット」で今夜の夕食購入。
今日はラムのカレー。
久々のお米だ~。
「少なくして!」ってお願いしてみたはずだけど、伝わってなかったのかなあ。
やっぱり量の多さにはげんなり(>o<"")


■第25話《腰痛の原因はあの日だった!》■

それにしても腰が辛い。
夜、ベッドの上で枕を使って腰を伸ばしたりしてストレッチ。
普段は長距離を歩くのって平気なんだけどなあ。
ギックリ腰とかの経験だってないし~。
ストレッチしながらひたすら考える私。どうしちゃったんだろう・・・
まだ、リヴァプールの試合を観戦してないし、
ちょっぴり心配になってきちゃいました。

「そうだよ!!! ロンドンからリヴァプールへの移動の日に違いないです」
ヒラメキました!!(;`O´)o/

アールズコート駅でディストリクトラインに乗車。
空港から到着の時はピカデリーラインだったからリフトがあって改札まで直行
だったけれど、
ディストリクトラインは浅いから階段だった。
もちろんスーツケースを持っての移動です。
そして、ヴィクトリアステーション下車。
外に出る時も階段。
エレベーターはあったかも・・・
だけど出口がいくつもあって迷ったくらいだから気がつかず・・・(;-_-)

それから、コーチに乗車の時です。そう、自分でスーツケースをバスに積むので
す。
しかも自分の胸の高さくらいです。だから積むのは苦労したなあ。
リヴァプール到着!
バスからスーツケースを降ろすのももちろん自力でです。

これだよね(-_-、)
そう言えば、ロンドン到着初日に食事した友人の話。
彼女には、当日ベビーシッターに預けてる小さな女の子がいる。
「ロンドンの街にはほとんど買い物には来ない」って言ってた。
理由?
「地下鉄の駅は階段しかないところが多いし、
デパートも・・・
『ロンドン三越』でもエレベーターがないよ!」
この会話の時は自分に降りかかるなんて思わなかった。
ベビーカーで買い物する彼女の話だったんだもの(T_T)

古い建物が並ぶ街並みが美しいヨーロッパ。
だからこそ歴史を感じられるのがヨーロッパの旅なんだもの。
設備を求めすぎたらいけないですよね。
だから今は明日のために、今夜はストレッチ、ストレッチ・・・旅はまだ続きま
す。


■第26話《いよいよ今日は「試合」》■

お待たせしました!!!
やっと試合当日の朝です。今朝もカモメが鳴いてます。
外は青空とはいかなくても穏やかな日です。ホント! 恵まれてるなあ。
またまた、神様、ありがとう(^人^)

今朝はスカウスハウスさんにお願いしてあったチャンピオンズリーグのティケッ
トを現地の方に届けていただく日なんです。
ホテルのロビーで待ち合わせは9時30分。
ロビーに降りて行くとお待たせしていました。
初めて拝見するチャンピオンズリーグのティケット!!!
ティケットを手にして「これで今夜、夢が叶う(*^-^*)ゞでへへ!」
ここまでの旅のすべてはこの試合を観戦するためだったよね~!!!
改めて今ここにいる理由や、
今日までのちょっぴり危なっかしい一人旅の日々を振り返っちゃう。
まだ観戦前なのに、ちょっぴり胸が熱くなってきてしまいました(>_<。)

ティケットを届けてくれた方はとても明るくて優しい女性で、暫しの楽しい会話。
彼女の「何か困ったら遠慮しないで連絡してくださいね!」って残してくださっ
た言葉が、まさか自分のなかで蘇り、繰り返されるなんて!!!
この時はまだ知らない幸せ一杯な私でした~。

試合は夜19時45分のキックオフ。
それまで、今日は大聖堂の方に行ってみようかな。
地図を見ながらまだ歩いたことのない方に行ってみます。

落ち着いた街並みを地図を頼りに歩き続けて20分位かな。
ラジオシティタワーのある辺りとは全く異なった静かな町並み。
「あれ?」
リヴァプール大聖堂に向かっていたつもりなのに目の前にはチャイニーズアーチ。
いつのまにかちょっぴり道を逸れちゃったかなあ(?_?)
町並みが途切れちゃってる。

もう一度地図を確認して、軌道修正です。
こんどはきれいな住宅が並んでる通り。
その住宅のはずれまで来ると見えてきた~!!! 
「w(゜o゜)w おおー! 大きな大聖堂!!」
写真で見たのと同じだ。
ちょっと遠かったけれど来て良かった( ^_^)

ちょうど1年前にウィーンで大聖堂を見学したけど、
ヨーロッパの大聖堂と言ってもこんなに違うんですねえ。
木々の中に落ち着いて温かみのある建造物。
今日は外観だけだけど、きっと次回はゆっくり訪ねて来るからね。
今回の観光はうわべだけの観光になっちゃっててごめんね。

次はメトロポリタン大聖堂に向かってみよ~。
道を進むと真正面に銀色のちょっぴりユニークな建物。
メトロポリタン大聖堂ってすぐにわかりました!

「あっ、こんにちは~('-'*)♪!」
アンフィールドに向かうバスで出会った学生さん達です。
ここも外せない観光スポットだもの。
やっぱり回る場所は同じですよね。

そろそろシティセンターの方に戻りましょ。大切な場所がまだでした。
マシューストリートとキャラガー選手のカフェに行かなきゃ。
本当はインフォメーションセンターのすぐ近くだったのに今朝まで知らなかった
んですよ。
今朝、ティケットを受け取った時、教えていただきました。
「な~んだ~、こんなに近かったんだ!」
リヴァプールだよ! ビートルズだよ! マシューストリートは外せな
いヽ(´▽`)/!

インフォメーションセンターの前の通りを入るとキャラガー選手の「カフェス
ポーツイングランド」。
本当にすぐ近くだ。きれいなお店で液晶テレビが壁に一杯!
窓には23番のポロシャツを着たマネキンさん。
スカウスハウスさんにお願いしてるアテンドの方と明日はここで食事の予定だ。
「何だか楽しみ~o(^o^)o!」
今日はお店の写真撮影だけでガマン、ガマン・・・

そして曲がるとマシューストリート。ビートルズだ~!!!
私は子供の頃、日本人がカバーしてた曲を聞いたのが初めてだったけど、
リヴァプールFCに興味がなかった頃はリヴァプールと言えば???
「ビートルズ」だったよね。
ビートルズショップ・・・
キャヴァーンクラブもすぐに見っけ!!!
通りはアトレチコのサポーターもいるいる。
当たり前かあ(^▽^) みんな、スペインからやってきたんだもの。
アトレティコのサポーターだって「この通り」は見ておきたいよね。

お腹も空いてきたしそろそろ戻ることにしよう。
ホテルの方へ歩けばどうしてもオフィシャルショップの前を通らなきゃ(T^T) 
寄らないなんて無理です!!!
またまた、オフィシャルショップ。またまたお買い物。
レジに並んで、お財布からクレジットカード。慣れたもんですねえ。

「ないw(☆o◎)w」
お財布にしまってあったクレジットカードが!!!
別の場所かも・・・こっちもない( ̄□ ̄;)!!
「どうしよう・・・もうすぐ私の支払の番だ(;_;、)」
冷静な顔してなきゃ、変に思われちゃったらまずい!
別のカードでこの場を凌ごう。
「落ち着こう、落ち着こう、落ち着こう・・・何処で失くしたんだろう。。。」

(つづく)

 ≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo381.html ≫


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▽「利物浦日記2008」6
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「利物浦日記2008」6 / Kaz

【8月23日(土)】

17時<キャヴァーン・バック>、そして19時<キャヴァーン・フロント>。
アスプレイズにとって正念場ともいえる、2本連続のギグが始まった。

この2本は、全7本のギグの中での最重要ポイントだった。
昨日の昼のファースト・ステージを「半分リハーサルのように」使ってもらった
のは、今日のこの2本のためだ。
バンドには事前に、「とにかくこの2本に照準を合わせて全力投球を」とリクエ
ストしていた。
それはこういうことだ。

フェスティヴァルが佳境を迎える日・月曜日にたくさんのオーディエンスを呼ぶ
ためには、土曜日のステージが大事になる。初出場で知名度も実績もない、アス
プレイズのようなバンドにとっては、なおさらだ。
もっと遅い時間の方が盛り上がるが、時間帯は決して悪くない。フロント、バッ
クあわせて200~300人くらいは集まるはずだ。キャヴァーンでのこの2本でオー
ディエンスのハートをつかむことができれば、明日からのギグにはリピーターが
わんさか押し寄せて、大盛況になる。必ずそうなる。その時点でアスプレイズの
成功は約束されたも同然である。

しかしもちろん、その逆のパターンもじゅうぶんにあり得る。
2つのステージは同時進行なので、もう1つのステージで演奏しているバンドの
方が魅力的なら、オーディエンスはアスプレイズに見切りをつけて、向こうに流
れて行ってしまう。
もしそういうことになってしまったら…明日からのギグは一見さんばかりの、あ
まり盛り上がらないものになるかもしれない。
このフェスティヴァルには素晴らしいバンドが山ほど集結している。つまらない
演奏を何度も観に来るオーディエンスはいない。

昨日は引き分けでオッケーだった。でも、今日のダブル・ヘッダーは絶対に2つ
とも獲らなければならない。全力で勝ちに行こう。
オーディエンスには、「アスプレイズは1回観たからもういいや」とは言わせな
い。何がなんでもノックアウトして、「次のギグはいつ、どこであるんだ?」と
言わせてやろうじゃないか。

● ● ●

そして結果は大成功だった。
どちらのライヴも、演奏が進めば進むほどオーディエンスが増えて行き、最後に
はほぼ満員の状態になった。大歓声と大きな拍手を浴びながら、笑顔で2つのス
テージを締めくくることができた。
お客さんの密着度や熱狂度はまだまだマックスとは言えないけれど、土曜日であ
ることや、時間帯や天候(夕方からは雨模様だった)を考えれば、これ以上を望
むのは欲張りというものだ。

アスプレイズは期待通りの、いや、期待以上に、気合の入った素晴らしいパ
フォーマンスを見せてくれた。
2本目の<キャヴァーン・フロント>では、余裕や貫禄すら感じさせるほどだった。
もう彼らは<ビートル・ウィーク>の新人バンドではない。
もちろん彼らの特徴であるファニーなトークも、爆笑を誘っていた。客を楽しま
せながら、彼ら自身も楽しんでいるようだった。
4人のキャラクターは見事なくらいにバラバラなのに、グループとしてのまとま
りは抜群で、オーディエンスを自然に巻き込むようなグルーヴがある。<Eight
Days A Week>や<Don't Let Me Down>での大合唱はちょっと感動的だった。

アスプレイズも僕も、「やるべきことはやった」という充実感を胸に、キャ
ヴァーンの階段を上った。もう雨はやんでいた。
明日からのステージはどんなものになるのだろう。
今日のオーディエンスたちに再び会えるだろうか…いや、きっと会えるはずだ!

● ● ●

朝にサッカー・チケットを渡したUさん母娘は、約束通りアスプレイズを観に来
てくれていた。
試合はどうでした、と尋ねると、サッカーのことはぜんぜんわからないと言って
いたお母さんの方が、興奮を抑えきれない様子で教えてくれた。
「もう蹴っても蹴っても蹴っても入らなくて1点負けててああもうどうしよーっ
てところでね、あの人が決めたの!」
「キャラガーです」と娘さん。
「それでね、もう引き分けだわ、ああもうどうしよーってところで、最後の最後
に今度はあの人が決めたのよ!!」
「ジェラードです」と再び娘さん。

キャラとスティーヴィーのゴールが見られて、しかもロスタイムでの逆転勝ちだ
なんて、レッズ・ファンにとっては一生ものの観戦体験になったことだろう。
僕も観たかったなあ…。

Uさん母娘も含めて、ツアー・メンバー全員でヴィクトリア・ストリートの<シャ
ングリラ>へ。
毎年利用するチャイニーズ・レストランだ。6月のポールのコンサートのときに
も来たので、マネージャーは僕のことを覚えていてくれた。
前にも書いたと思うけど、この広東料理のレストランは、ロケーションがとても
よくて料理も実に美味しい。そのうえ、スタッフがみんな信じられないくらいフ
レンドリーなのだ。
サーヴィスの概念が違うのか、だいたいチャイニーズ・レストランではスタッフ
は無愛想なところが多い。リヴァプールには、少し離れたところにヨーロッパ最
古と言われる中華街があるけれど、わざわざそこまで行く必要はない。シティ・
センターに素晴らしいチャイニーズ・レストランが何軒もあるのだ。

● ● ●

夕食のあとは、マスターやカンちゃんと<ロイヤル・コート・シアター>でのコン
サートへ。
スウェーデンの素晴らしいバンド<ペパーランド>だ。
5人組みのバンド、プラス、4人の女性によるストリングス。美しい演奏で最後
まで観ていたかったが、僕だけ途中で退席した。

マスターとカンちゃんはこんな会話をしていたそうだ。
「あれ、カズさんもう帰るんだ」
「さすがに疲れてるんだろうねー」

はい、疲れてます。
疲れてるけれども、まだ休めないのですよ。
もう11時だけど、まだ仕事が残っている…。

仕事というのは洗濯。
なおちゃんに頼んで、アスプレイズのステージ衣装を持って帰ってもらっていた。
それを宿のコインランドリーへ。何しろ1ステージ演奏しただけで汗でびしょび
しょ、2ステージもそれで通せばちょっとそばに寄りたくないような状態になる
のだ。洗濯をしないわけには行かない。

しかし洗濯には当然ながら時間がかかる。洗うのに30分、乾燥に40分くらい。
乾燥を待つ間を利用してアデルフィへ。このホテルのバーやパブ4ヵ所で、朝の
4時ごろまでライヴが行われている。
僕が行った時にはちょうど、女性だけのビートルズ・バンド<キャヴァーン・キ
トゥンズ>が演奏していた。なかなかパワフルなステージだった。
午前1時半からはアメリカの<インスタント・カーマ>、2時半からはスウェーデ
ンの<ロックス・オフ>といった超メジャー・バンドが登場することになっている
が、残念ながらそこまで付き合う体力も気力も残っていない。もんのすごく盛り
上がるのは確実なんだけど…。

おとなしく宿に帰って、アスプレイズの衣装や下着を畳んで、シャワーを浴びて
寝た。それでも1時をとっくに過ぎていた。

(つづく)

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo381.html ≫


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アー2009」の詳細をウェブサイトにアップしました。
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フが、日本とリヴァプールの両方に常駐しています。入学前はもちろん、入学後
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ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧ください。
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旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは英
国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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*** 今週のフォト・アルバム ******

今週の「NLW フォト・アルバム」ページには、Anneさんに提供していただいた
「リヴァプールへ行きたい人! 集まれ!!!」関連写真と、「利物浦日記」関連
写真を掲載しています。ぜひご覧ください!
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