July 07 2009, No.387
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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         *** http://scousehouse.net/ ***        


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼寄稿:「夢をかなえて― Anfield再訪の旅」1
 ▽ゴールドフィッシュだより <No.159>
 ▼「利物浦日記2008」8
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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先日、8月のリヴァプールへのフライトを予約しました。
「イギリスへのフライト」じゃなくて「リヴァプールへのフライト」です。こう
書くことができるのが嬉しいです。

今年の3月、KLMオランダ航空は、<アムステルダム⇔リヴァプール>便をスター
トしました。
日本からアムステルダムへは、成田と関空からのフライトがすでにあります。と
いうことはつまり、KLMを利用すれば、リヴァプール・ジョン・レノン空港を窓
口に、英国への入出国ができるのです(これまではロンドンかマンチェスターし
か選択肢がありませんでした)。

空港からリヴァプール市内のアクセスも、これまではやや不便な感がありました
が、ちょうど2ヶ月前から新しいエアポート・コーチ・サーヴィスがスタートし
て、かなり楽ちんになっているようです。
マンチェスター空港からマンチェスター市内のアクセスだってそんなに便利なわ
けではないですしね。

もう10年以上も毎年リヴァプールを訪れているのですが、僕はまだジョン・レ
ノン空港を乗客として使ったことがありません。今回がまさに初めての体験です。
空からリヴァプールを眺めるのは、どんな気分になるのでしょうか。今からとて
も楽しみです。

あ、気になる航空料金ですけど、8月の繁忙期だというのに関空からだと15万
円程度、成田からだともっと安いようです。円高や原油価格の低下で、ほとんど
10年ぶりと言っていいくらいのリーズナブルな価格になっています。

僕がリヴァプールへ行くのは、8月の<インターナショナル・ビートル・ウィー
ク>のためです。
スカウス・ハウスではこのフェスティヴァルの鑑賞パッケージを企画して参加者
を募集しているのですが、今のところ定員にはまだ余裕があります…というか、
ぜんぜん足りません。
このフェスティヴァルの時期のリヴァプールというのは、これでもかというほど
のイヴェント三昧、朝から深夜までのお祭り騒ぎとなります。気候もいいですし、
普段の何倍も楽しめること請け合いです。プレミアリーグも開幕してますしね。
ぜひ多くのみなさんに体験していただきたいです。

● ● ●

今週から、新しい連載「夢をかなえて ― Anfield再訪の旅」をスタートします。
リヴァプール・サポーターズ・クラブ日本支部メンバーのステラさんに寄稿して
いただく旅行記です。
第1回の今週は、旅に出るまでのことを、役に立つインフォメーションつきでま
とめていただきました。

いつも思うんですけど、旅というものは、何かを求めて外に飛び出していく行為
であると同時に、自分自身と向き合う行為でもあるんですよね。
ラッキーなこともあるけれど、予想外のハプニングやアクシデントもセットに
なってくっついてくるのが旅というものです。それにどう対処し、どう消化(あ
るいは昇華)するか。
自分自身の考え方や生き方がリアルに問われるからこそ、自分自身を再発見する
ことにもなるのではないでしょうか。

先週まで掲載したAnneさんの旅行記でも、そういうことを考えさせられました。
ステラさんは、この旅を通じて何を感じ、どんなことを考えたのでしょう。これ
からの原稿がとても楽しみです。

● ● ●

しばらく前より隔週刊でお届けしているNLWですが、そろそろ週刊に戻したいと
考えています。
次号No.388は、もしかすると来週・7月14日に発行・配信するかもしれません。
…と書いて今気がついたのですが、今日は七夕ですね。リンゴさんの誕生日だ!

                          ― Kaz(07/07/2009)


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▼寄稿:「夢をかなえて― Anfield再訪の旅」(1)
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「夢をかなえて ― Anfield再訪の旅」 / ステラ

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo387.html ≫ 

皆さん、こんにちは!
私は、リバプール・サポーターズクラブ日本支部のメンバーで、ステラと申しま
す。
今年の5月、スカウス・ハウスのKazさんのお力を借りて、プレミアリーグ最終
節のLiverpool対 Tottenham Hotspur戦をAnfieldで観戦することが出来ました。
今回、そのときの観戦レポートを、メールマガジンに寄稿させていただくことに
なりました。しばらくの間、ヨロシクお付き合いくださいね。

【再びAnfieldへ】
Anfieldでの観戦は、私の数年来の夢でした。
初めてAnfieldを訪れたのは2005年5月。久しぶりの海外旅行、初めての
Liverpool滞在ということもあって、何だか無我夢中で過ごしたような気がしま
す。
旅を終えて戻ってから、あれもこれもしたかったと思うコトが湧いてきました。
次に行く時こそは…と思ったのですが、現実には『次』はそうそう巡ってこない
ものです。1年、2年と経過するうちに、日常生活に追われて、次第にAnfield
は遠ざかってしまいました。

しかし! 2008-2009シーズン、Liverpool FCはアッと驚く躍進を遂げました!
4月の時点で、Man Unitedとのリーグ優勝争いに生き残っていたのです!
ひょっとしたら最終節、優勝パレードが見られるかも知れない…こんなチャンス
を逃したら、一生悔やむことになる…!

いてもたってもいられなくなった私は、職場の先輩を拝み倒し、各方面に根回し
をして、5月の4週目に1週間のお休みを確保しました。
その後も豚インフルエンザに行く手を阻まれ、親からは大目玉をくらったのです
が、私の決意は揺るぎませんでした。
なぜなら、『今、この時』を逃したら、『次』はいつになるか分からないからです。
来シーズン、来々シーズンもあるさ、と思うでしょう。でも、その時に果たして
自分が動けるかどうか? 回りの事情が許すかどうか? 大好きな選手が残って
いるかどうか?
わからないですよね??

私は、このチャンスを逃したくない、4年ぶりの夢を叶えたいと必死でした。そ
して、その夢の実現のために、スカウス・ハウスのKazさんを始め、さまざまな
方が手を貸して下さいました。
みなさんにも、それぞれの夢があると思います。ぜひ、その夢を叶える勇気を
持って欲しいと思います。
私の経験が、これからAnfieldに足を運びたい! と思っているリバプールファ
ンの方の参考になればと思い、観戦レポートを含めた旅のあらましを綴っていき
たいと思います。

【全体のプランを練る】
今回は、国外はおろか、旅行に出るのも4年ぶりということもあって、つい欲が
出てしまいました。どうせなら、日本では出来ないことをやろうと思ったのです。
まず、前回行きそびれたスタジアムツアーは外せないし、キャラガーやアッガー
のお店もチェックしたい。あわよくばMelwoodにも行ってみたい!
でも、せっかくだから、リバプール以外のエリアも回ってみたい。どうしたもの
か…?

そんな時、同じサポーター仲間のtamaさんから、コッツウォルズ地方の素晴ら
しさについて、たっぷり聴かせてもらう機会がありました。
プロのカメラウーマンのtamaさんは、去年と一昨年の夏にコッツウォルズを訪
れ、その時撮影した美しい自然の風景と旅日記をmixiで紹介しています。
William Morris がイングランドで最も美しい村と形容したBibury、そのMorris
がデザインしたインテリアで飾られ、今はミュージアムとなっているKelmscot
Manor、あるいはガイドブックにも出ていない静かな村、澄んだ小川やフットパ
スなど…。

写真を見せてもらいながら、やっぱり行くならここしかない! と思いました。
Englandでしかお目にかかれない風景があると思ったのです。
また、以前にもコッツウォルズを訪ねたことはあるのですが、日帰りのバスツ
アーだったため、個々の村をゆっくり回る時間はなく、Biburyなどは素通りに
近かったのです。
車は運転できないので自由には動けないけど、1か所か2か所なら、電車とタク
シーを使って行けないものか…? と、冒険心が疼きました。

それからというもの、パソコンに向かう時間のあるときは、コッツウォルズのサ
イトや英国のNational Rail、ホテルのブッキングサイトなどと睨めっこして、
あーでもない、こーでもないと考えるようになりました。
限られた日程で、交通の便の良くない地方を回って、リバプールにも行かなきゃ
ならない…! ふと気づくと、夜中の1時過ぎなんてこともザラ! 仕事以外で
こんなにアタマを使ったのは初めてです! 

計画段階で早くも挫けそうになり、思わず自分のブログでグチをこぼしたところ、
今度はサポ仲間の○―さんから、強力なアシストが飛んできました!
ご存知の方も多いと思いますが、○―さんは『織って・踊って・蹴って』という
リバプール愛溢れる楽しいブログを運営されています。イングランドに住んでい
たこともあり、豊富な旅行経験から、色々と参考意見をもらいました。さらに、
○─さんのダンナ様まで、電車で回るときの情報や地図などを提供してください
ました。
今回のちょっと無謀な一人旅が無事に終わったのも、こうしたサポーター仲間の
バックアップに支えられたからなのです。

そして言うまでもなく、試合を見ることが出来たのは、スカウス・ハウスの山本
さんとミナコ・ジャクソンさんのお蔭です! ただでさえプレミアリーグの人気
が過熱しているうえに、一時は優勝も射程圏内だったLiverpoolです。さぞかし
厳しい争奪戦だったと思いますが、シッカリとチケットを抑えていただきました。
お二人にはいくら感謝してもしきれないくらいです。

さて、旅の日程はこんな感じになりました。
 第1日(火)ANA#201便にて成田発、同日ロンドン・Heathrow着
  2日(水)電車とタクシーを利用してコッツウオルズへ移動、Bibury泊
  3日(木)Bibury周辺を散策した後、タクシーと電車でロンドンへ移動
  4日(金)Liverpoolへ移動、スタジアムツアーへ
  5日(土)フリー(できればMelwood訪問)
  6日(日)リーグ最終戦観戦。
  8日(月)Liverpoolにて、Speke Hall見学。夕方ロンドンへ移動
  9日(火)午前中はWallace Collection見学。夜ANA#202にてロンド
       ン発、成田へ 

前半は、移動また移動の慌ただしいスケジュールになりました。これは、どうし
ても観たかったKelmscot Manorの開館日が水曜日のみだったこと、スタジアム
ツアーの予約が金曜日しか取れなかったことで、必然的に枠が決まってしまった
ためです(スタジアムツアーは混むみたいなので、早めに予約することをお勧め
します)。

後で、この強行スケジュールに泣かされることになるのですが、計画の段階では
舞い上がっていたのでしょう。
いつもはもっと慎重なんですが、何とかなるさ~と能天気に構えてしまったので
す!

また、前半のコッツウォルズにアタマを使い過ぎて、Liverpoolのプランがおざ
なりになってしまいました。
以前から、週末のLiverpoolのホテルは取りにくそう…と思っていたのですが、
案の定、便利で手頃なホテルは早くから満杯、肝心の土曜日の宿泊先が見つかり
ません。
そこで、tamaさんが以前利用したことのあるB & Bに問い合わせたところ、空室
アリとの返事でした。この『The Anfield B&B』はなんと、Anfieldスタジアムの
裏手、ヒルズボロの記念碑から歩いて2分ほどの所にあるという、LFCファンに
はうってつけのゲストハウスなのです。考えるのに疲れていた私は、Liverpool
での宿泊先をここに決めました。

Liverpoolへの移動は、飛行機、バスなどの方法もありますが、私は時間と費用
の節約を考えて、Virgin Trainを早めに予約しました。
変更不可の指定席ですが、往復で£56でした。電車の場合、ブリットレイル・
パスを購入する手もあります。HISなどの日本の代理店で手配することが出来ま
す。

また、航空会社をANAにしたのは、ロンドンを起点にしたかったことと、帰りの
便が19時台なので、最終日を有効活用できるためです。
これから行く方は、ご自分のペースと体力を考えて、しっかり計画を練ってくだ
さいね。そして、くれぐれも欲張りすぎないよう気をつけて…!

(つづく)

 ≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo387.html ≫


【お役立ちリンク】

○Anfieldスタジアムツアーの予約
 http://www.liverpoolfc.tv/club/tour.htm?ncid=museum_spbox_02032009 

○電車の予約サイト
 HIS(欧州鉄道旅行)
  http://www.railohshu.jp/rail/passresult.php
 First Great Western (Cotswolds方面)
  http://www.firstgreatwestern.co.uk/Default.aspx 
 National Rail(Journey Plannerで最適ルートの検索が出来る)
  http://www.nationalrail.co.uk/ 
 Virgin Trains(Liverpool方面)
  http://www.virgintrains.co.uk/default.aspx 

○ホテルの予約サイト(日本語で予約可能!)
 UK Hotel Booking
  http://www.uk-hotel-booking.com/index.html 
 Skygate
  http://www.skygate.co.jp/hotel_list/hotel_list_LON.html 

○コッツウォルズの観光案内サイト
 http://www.cotswolds.info/ 

○Kelmscott Manorのサイト
 http://www.kelmscottmanor.org.uk/ 

○Bibury Court Hotel
 http://www.biburycourt.co.uk/ 

ホテル紹介サイト
○リバプールのホテル
 http://www.laterooms.com/en/p1011/k16294936_liverpool-hotels.aspx 

○リバプールのガイド
 http://www.visitliverpool.com/site/accommodation 

○The Anfield B&B
 http://www.anfieldguesthouse.co.uk/ 

○Liverpool Speke Hallのサイト
 http://www.nationaltrust.org.uk/main/w-vh/w-visits/w-findaplace/w-spekehall/ 

●tamaさんの旅行記(mixi内)
 http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1093808104&owner_id=4406749&org_id=1091217018 

●○─さんのブログ『織って・踊って・蹴って』
 http://maruyokomaruwo.blog46.fc2.com/


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▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          ~ Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson ~

 ― 第159号 / The Lakes - iSSHO taiko drummers - AMERICANA ―

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish159_photo.html ≫

こんにちは。
今年は、イギリス気象庁が「バーベキュー・サマー」を予報していましたが、ま
さにそれに相応しい日が続いた2週間でした。
一週目は最高な青空と汗ばむほどの日差しに恵まれる中、湖水地方に行ってきま
した。
私にとっては初めての湖水地方だったのですが、「雨が多い」とか、「天候の変動
が激しい」という定説を覆すような気候で、旅をすっかり満喫することができま
した。

湖のほとりのボウネス近くに宿をとり、初日は近辺を散歩しました。
正直なところ、鉄道駅付近やボウネスは商業化された観光地で、少々がっかりし
ましたが、少し離れると湖畔の美しい眺めや自然が楽しめます。

2日目はボートに乗って対岸のフェリーハウスへ、そしてそこからバスでビアト
リクス・ポターの住んでいたヒルトップへ。
ピーターラビットなど一連の著書の挿絵そのままのコテージの佇まいやガーデン
が見られます。
ヒルトップから小さなビレッジのホークスヘッド行きのバスを乗り損ねてしまい
ましたが、歩いて正解でした。
途中、木々や羊や湖を歩くペースで眺めるとやっぱり違います。また、牛が湖を
渡って大移動する風景を目にしたときは感動しました。

ホークスヘッドからバスに乗って彫刻の森、グライズデイル・フォーレストに向
かい、自然の中に隠れた動物や楽器などの彫刻を見つけながら歩き、楽しい森林
浴となりました。
私たちは一時間のお手軽コースで、20個の彫刻が見られますが、森全体には80
個あるそうなので、次回はフルコースを歩いてみたいです。

3日目にはオープントップ・バスに乗って、ワーズワースの眠る教会とジン
ジャーブレッドで有名なグラスミアへ。
野原や背景に連なる山々がどこまでも広がるオープンな眺めが気に入りました。
お茶がてら入ったレストランJumble Roomを見つけたのは大当たり。絵画やオブ
ジェがいい感じに飾られていて、なにより妙に落ち着く空間でしたので、せっか
くだったので、お昼もそこで食べてきました。

その後、ウィンダミア湖北端のウォーターヘッドでアヒルをみながらまったりし
て、アンブルサイドへ。
アンブルサイドには、橋に架かるように建てられた、「ブリッジハウス」があり
ます。
この家の下には、川が流れていて不思議な風景でした。

この日の晩は、アンブルサイドのZeffirellisというレストランで、ピムズ(イ
ギリスの夏ならではのドリンク)を飲み、ピザとデザート「Eternal Summer
Pudding(永遠の夏プディング)」を食して締めくくりました。

4日目。帰りの電車に乗る前に、ボウネス近くの見晴らしの良い丘、ポストノッ
トへ。
道があるようには見えないような細い小道を上がっていくと、湖が見下ろすこと
ができます。
ホテル、レストランやショップで溢れかえったボウネスですが、ナショナル・ト
ラスト(環境保全団体)がこうした自然や美しい景観を保護していて、本当にあ
りがたいことです。

文豪やアーティスト、詩人などがこぞって多大なインスピレーションを受けた風
景が、今後もそのまま受け継がれていってほしいと思いました。

交通:
 様々なルートがありますが、乗り換えが少なくて楽なのが、リヴァプール・ラ
 イムストリート駅からプレストンで乗り換え、ウィンダミア下車の鉄道で、所
 要時間2時間強。マンチェスター空港駅からウィンダミアまで直通も出ていま
 す。
 National Rail Enquiries(鉄道の詳細): http://www.nationalrail.co.uk/
 湖水地方日本語サイト: http://www.kosuichihou.com 

♪ ♪ ♪

7月1日(水)の夕べ、セント・ルークス・チャーチ(爆弾の落ちた教会)へ、
グラスゴー出身のiSSHO taiko drummersのライブ・パフォーマンスを観にいきま
した。
草が青々と生えた、また違った表情のセント・ルークスで、くつろいだ夕暮れど
きを過ごしました。

和太鼓ときいていたので、和風な衣装で肉体派なドラミングを披露するのかと思
いきや、フルートやギター、ヒーター(?)に和太鼓のビートを絡めた繊細なポ
スト・ロックを思わせるサウンド。

ドラムはすべて手作りだそうです。
また、バンド名の "iSSHO" の由来は、「いっしょ」か「いっしょー」か? と
リーダーのShane Connollyに訊いてみたところ、「'Together'の意味だよ。
でも'life long'っていうのもいいね」
と笑いました。

iSSHO taiko drummers: http://www.myspace.com/isshodrummers

♪ ♪

7月4日(土)は、アメリカ独立記念日。
そもそも1776年にアメリカがイギリスに対して独立宣言を公布した日ですから、
追い出された側のイギリス人がお祭り騒ぎをするのはどうなんだろう? という
細かいことはそっちのけで、この日はリヴァプールでも「アメリカン」をテーマ
にしたマーケットや音楽イベントが開催されました。

中でも良かったイベントは、Static Galleryにて、シンガーCandie Payneが
オーガナイズした《AMERICANA》。
赤と青のアイシングのかかったカップケーキやホットドックや、ジュレップ(ミ
ント、バーボン、砂糖、水をミックスしたアメリカ南部のドリンク)が用意され、
カウンターでは、CandieとZutonsのサックス奏者のAbiが自ら接客していてお
客さんも大喜び。

この日は、Zutonsのメンバー、Danny Roberts (of the 16 tonnes)、The Loose
Moose String Band、The Nashville Liverpool Underground Medicine Showの
3アクトがアコースティックセットを演奏。
私はラストのThe Nashville Liverpool Underground Medicine Showを目当てに
観にいきました。

The Nashville Liverpool Underground Medicine Showについて。
元The La'sメンバーのMike Badgerが、今年米国テキサス州オースティンで行
われたSXSW (South By South West) に出演した際に、ナッシュビル出身のシン
ガーソング・ライターEmily GraceとMatthewと出会って意気投合、Mike Badger
の英国ツアーに彼らも参加することになりました。バンドの息もピッタリです。

サウンドは、カントリー&ウェスタン。リヴァプールには珍しく、やや湿気を帯
びた夏の日に似合っていました。そして、幸せな気分にさせてくれる音楽でした。

The Nashville Liverpool Underground Medicine Showは、7月17日(金)に
Zutons, Coralの前身バンドともいえるTramp Attackとともに再びStaticにて
ライブを行います。こちらも楽しみです。

The Nashville Liverpool Underground Medicine Show:
  http://www.myspace.com/nashvilleliverpool

Mike Badgerですが、日本の音楽雑誌「クッキーシーン」の最新号に、「特集:
ザ・ラーズ」として、彼のロング・インタビューが掲載されています。
リヴァプールの音楽シーンから、The La'sのいきさつまで語っています。
必読です!
クッキーシーン: http://www.bls-act.co.jp/magazine/show/2037

♪ ♪ ♪

今週のYe Crackeです。
パブ内の奥の部屋が、ちょっとしたギャラリー・コーナーとなったことはお伝え
していませんでしたね。地元のアーティストの作品が飾られています。
今後も定期的に作品が入れ替わる予定です。この夏は、屋外が最高です。確実に
Ye Cracke率が上昇しています。
ビア・ガーデンには、真っ赤な薔薇が壁いっぱいに咲き乱れています。いい季節
です。

それではまた再来週!

ミナコ・ジャクソン♪

≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish159_photo.html ≫


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▼「利物浦日記2008」8
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「利物浦日記2008」8 / Kaz

【8月24日(日)】

キャヴァーン・パブでの演奏終了。5時のアデルフィ・ホテルでのギグには3時
間ある。
ステージ衣装を着替えたアスプレイズと一緒に、我々の宿泊所である学生寮に移
動。アデルフィは隣だから、出番ぎりぎりまでゆっくりしてもらうことができる。

寮のラウンジにはキッチンがついていて、電子レンジもある。バーガーキングの
テイクアウェイやカップ麺やお菓子などを食べながら、バンドと友人たちはすっ
かりリラックス・モードになっていた。

僕は1人で早めにアデルフィへ。そう、今日は<ビートルズ・コンヴェンション>
なのだ。年に1度のビートルズ祭り。少しでも長くお祭り気分を味わいたい。
会場は相変わらず大勢の人でにぎわっていた。野球のダイヤモンドがすっぽりと
入りそうなほどの巨大なラウンジでは、ディーラーズ・マーケットが開催されて
いる。例年よりはディーラーの数は少なめのようだが、それでもビートルズ・
グッズで埋め尽くされている景色は圧倒的で、自然にワクワクしてしまう。

奥のボールルームではゲスト・スピーカーへのインタヴューが行われている。
今年招かれたゲストは、ビートルズの伝記「シャウト!」の著者フィリップ・
ノーマン、ビートルズの映画3本に出演した俳優ヴィクター・スピネッティ、研
究家でブロードキャスターのスペンサー・リー、バッドフィンガーのジョーイ・
モーランド、ビートルズの公式写真家だったボブ・ウィタカーなど。
もちろん例年通り、ビートルズの初代マネージャー、アラン・ウィリアムズも会
場に姿を見せた。同じくコンヴェンションの顔であるジョンの妹、ジュリア・ベ
アードは、今年は出席していない。なんでも、初めてのお孫さんが生まれるとこ
ろなんだそうだ。残念だけど、そういう事情なら仕方がないなあ。

アデルフィ・ホテルでも5ヶ所の会場でアツいギグが繰り広げられているが、今
日は<マシュー・ストリート・フェスティヴァル>が開幕し、6つの野外特設ス
テージでライヴ・コンサートが行われている。
そのうちのひとつ、チャペル・ストリートのステージでは、マージービートのオ
リジナルのバンドたちが次々に登場する。

僕の大好きなマージービーツが4時で、その後は泣く子も黙るアンダーテイカー
ズだ。マージービーツの前はサーチャーズで、サーチャーズの2つ前はフォーモ
ストだ。きっと盛り上がるだろうなあ…。
観に行きたいのはやまやまだけれど、アスプレイズのギグをほったらかして行く
わけにもいかない。う~ん残念…。

…なんてことを考えていると、コンヴェンション会場で<アクト・ナチュラリー・
プロダクションズ>(以下ANP)のボス、ジョンに会った。
「やあカズ、昨日はありがとう。アスプレイズは5時からだろ? しっかりフィ
ルムに撮らせてもらうよ」
「うん、ありがとう。期待に添えるようなパフォーマンスだといいんだけどね」
「だいじょうぶさ。楽しみにしてるよ」
「うん、よろしく~。バンドにも伝えておくよ」

ジョンがアスプレイズのステージを観るのは、これが初めてのはずだ。当然、ギ
グを撮影するのも初めてということになる。
彼らが持っているカメラは1台だけのようだし、アスプレイズだけでなく他にも
たくさんのバンドを収録することになっている。ということは、アスプレイズの
演奏をANPが撮影するのは、これが最初で最後になるかもしれない。
演奏の出来によっては、昨日のストロベリー・フィールドでの収録分ともどもボ
ツになってしまう可能性だってある。

でも、今のアスプレイズなら心配することはないだろう。コンディションもいい
し、時間帯も悪くない。オーディエンスに恵まれれば、これまでで最高のステー
ジを見せてくれるはずだ。きっと。

4時半になった。さあ、アスプレイズを迎えに行こう。

(つづく)

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo387.html ≫


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国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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*** 今週の「ゴールドフィッシュ」フォト ******

今週は、アメリカの独立記念日にちなんだイヴェント《AMERICANA》、和太鼓を
使ったiSSHO taiko drummersのライブ、そして気持ち良さそうな夏のYe Cracke
の写真を掲載しています。
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*** 今週のフォト・アルバム ******

「利物浦日記2008」に関連した写真を掲載しています。
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 ◇編集 山本 和雄&ミナコ・ジャクソン
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