January 26 2010, No.403
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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         *** http://scousehouse.net/ ***        


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼リヴァプール・ニュース <1月22日>
 ▽寄稿:「アロンソに会いたくて」(1)
 ▼寄稿:「Footballの旅」 <Vol.19>
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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3週連続の発行です。
昨年3月より基本的に隔週で発行しているこのNLW。「早いとこ週刊に戻したい
なあ」と思いつつ、なかなか踏み切れておりません。
隔週だと月にわずか2回の発行で、なんだかさみしい感じがするんですよね。そ
れと心配なのが、「うっかり発行するのを忘れてしまうんじゃないか?」という
こと。実は「はて、今週って発行する週だっけ…?」と自問自答することがよく
あるんです(かなりボケてます…)。

というわけで今後は、「掲載する原稿がある限りはできるだけ毎週」というスタ
ンスで発行して行きます。
しばらくは「ほぼ週刊」でのお届けになると思いますが、どうぞお付き合いくだ
さい。

● ● ●

今週は寄稿が2つあります。
まず、おなじみ下村えりさんの「Footballの旅」。19回目の今週は、先週アン
フィールドで行われた<Liverpool VS Tottenham>のマッチ・レヴューです。
リヴァプールの2010年初勝利となったこの試合、えりさんはどのように観たので
しょうか。いつもながらのディテイルにこだわったレポートをお楽しみください。

掲載順は逆になりますが、もうひとつの寄稿はAnneさんの「アロンソに会いたく
て」です。
Anneさんといえば…そうです、昨年のNLW No.374(2009年2月10日発行)から
No.386(2009年6月23日発行)まで、12回にわたって連載した旅行記「リヴァ
プールへ行きたい人! 集まれ!!!」ですよね。ご記憶のかたも多いことでしょ
う。

あのハラハラ、ドキドキ、ワクワク、ニコニコの旅から1年、Anneさんは今度は
なんとスペインへの一人旅を敢行されました。
常に前向きで、「人生は明るく楽しまなくっちゃ」という生き方のお手本にした
いようなAnneさん。お茶目なキャラクターと旺盛なチャレンジ精神は相変わら
ず…というか、ますますパワーアップしたんじゃないかというほどです。
今週から少しずつ、連載の形で紹介して行きます。ぜひお楽しみください!

                          ― Kaz(26/01/2010)

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▼リヴァプール・ニュース <2010年1月22日>
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*** 1月22日(金) ***************************************************

【ジョンとジョージの母校の悩み】
ジョン・レノンとジョージ・ハリスンの母校が、校庭のフェンスに「NO CAMERA」
のサインを掲げることにしたそうです。
ペニー・レーンの近くにあるダヴデイル・インファント&ジュニア・スクール
(幼稚園&小学校)には、毎日、たくさんのビートルズ・ファンが訪れます。当
然ながら、彼らの多くは、記念にと学校の写真を撮影します。

ダヴデイル小学校の校長、ニック・スミスは地元紙リヴァプール・エコーの取材
にこう話しています。
「子供たちが校庭で遊んでいるところを撮影されるのは困るんです。しかしなが
ら、それをツーリストに説明するのは非常に難しくなって来てましてね。なぜな
ら彼らの多くは海外から来ていて、言葉の壁があることが多いんですよ」
「そこで案内板を掲示することにしたんです。万国共通ですし、我々の代わりに
説明してくれますしね。ここではなく、子供のいない学校の正面側で写真を撮っ
てくださいということをね」
「個人的な理由や安全面での理由で、見ず知らずの人に勝手に写真を撮られるこ
とを嫌がる生徒は何人もいます」

学校側は、ビートルズ・ファンの訪問を歓迎しないという意味ではないこと、
ジョン・レノンの母校であることを誇りにしているということを強調しています。

 ≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo403.html ≫ 


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▽寄稿:「アロンソに会いたくて」(1)
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「アロンソに会いたくて」 / Anne

■第1話《新しいシーズンに期待だったのに》■

2009年5月、念願のリーグ優勝もあと一歩(^o^)
リヴァプールサポーターの皆さんヽ(^○^)!
08-09シーズンは興奮しましたよね。
「もう来シーズンは優勝しかない!」
「来シーズンに向けて優勝のために誰を獲得するんだろう・・・」
心躍る暑い夏がやって来ました。
プレミアリーグの日程表も発表されて、
「さあ、09-10シーズンはどの試合を生観戦に行こうヽ( ^^)〆」

「ええ(°◇°)~!!! アロンソがレアル・マドリー???」

「このショックは大きすぎる・・・~(>_<。)~」
「あ〜ん(×_×;)」
考えれば考える程(T.T )( T.T)

2008年、初めて一人で訪ねたアンフィールド。
「リヴァプールに行きたい人集まれ!!!」を読んでくださった方、思い出して
いただけましたが?
「お久しぶりです( ^^)/」
「英語が出来ない、海外へ個人旅行の経験もない、それでもリヴァプールへひと
り旅のAnneです(*^^)/。:*:°★,。:*:°☆」

リヴァプールサポーターになったきっかけは「シャビアロンソ」のリヴァプール
への移籍。
「彼に会いたい!」
その思いを一杯抱いてリヴァプールへ旅に出た2008年の11月。
そう! たった一人で(^▽^!!!

来シーズンだってアンフィールドへ行こう( ^o^)/
秋にしようか・・・それとも優勝パレードを観たいから来春???
前回のリヴァプール行きはあんなに不安で一杯だったはずの私が、もう、勇気と
自信で一人旅に行く気満々<(`^´)>
ウキウキのシーズンオフだったはずが・・・(;°°)


■第2話《もうひとつの理由》■

リヴァプールへの旅も終わる頃、ユーロスターでパリへ!
パリにはバレンシア在住の友人と会うために訪ねたこと。
あの時の観戦記でも書かせていただいてます。
その時、「きっとバレンシアに遊びに行くよ(*^.^*)」って約束してお別れ!

リヴァプール・・・アロンソ・・・(゜゜)(。。)
アロンソはレアル・マドリー・・・
スペイン・・・バレンシア・・・(゜゜)(。。)
私の頭の中は(。_゜) (。_゜) (。_゜)

ヒラメキましたヽ(∇⌒ヽ)(/⌒∇)/
リヴァプール→バルセロナ→バレンシア!!!
えっ? アロンソはレアル・マドリーだよ!!!
「大丈夫(^^)」「エル・クラシコがあるじゃない!」

こうして2009年8月は突然のアロンソの移籍ニュースを聞いたことで、私の生観
戦の予定は一時暗礁に乗り上げ・・・
でも、前向きな私ですd(-_^)
思いもよらない移籍ニュースに心が折れちゃったりはしません!
「初めてのスペイン旅行に一人で旅立つ」と言う、
「アロンソが移籍」の悲しいニュースがきっかけで、またまた素晴らしい経験へ
と一歩踏み出すことが出来ました(^-^)V


■第3話《リヴァプール→バルセロナ→バレンシア???》■    

さあ、スペイン旅行の準備を開始で〜す(^_^)
この旅では「エル・クラシコ」に合わせることが必須!
だって、スペインに行く大きな理由は友人の暮らすバレンシアを訪ねること。
バルセロナからなら近そう!
そしてアロンソの出場する試合観戦。
アロンソはレアル・マドリーに移籍だけど
せっかくのスペイン旅行だもの、観光してみたいのはバルセロナ!
是非、訪ねてみたいスペインのスタジアムはカンプ・ノウ。

大きな問題は、英語はもちろん出来ないけど、スペイン語なんて・・・(-_-;)
「Thank you.」の意味の「グラシアス」
それに「Hello!」の意味の「オラ!」しか知らないよ(* ̄0 ̄*)

「エル・クラシコ」のチケットって!!!
どうしたら手に入れられるの((;°°)???
私はアロンソに会いたいのが理由。
だけど、今年のFCバルセロナとレアル・マドリーは
イブラヒモビッチ、メッシ、アンリ、シャビ、イニエスタ、アウベス、プジョル
Cロナウド、カカ、ベンゼマ、カシージャス、ラウール、セルヒオラモス・・・

始まりましたよ! インターネットで検索、検索、検索\('_\)(/_,)/
リヴァプールへの旅の時にお世話になった旅行会社も訪ねてみました。

でも、気になってることが一つ('_' )
英語が出来ない私が一人、リヴァプールの旅を楽しめた大きな理由はスカウスハ
ウスさんとの出会い。
小さな不安にも色々答えて頂いたことはとても心強かったです。
肌理の細やかさには、旅行会社との違いを感じました〜!
大枠では旅行会社にお世話になったけれど、リヴァプールの街のこと、アン
フィールドのこと、頼りになったのはスカウスハウスさん('-'*)

そんな経験を元に、検索、検索、検索(。_。 ) ( 。_。)
サイトを探し続けました!

(つづく)


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▼寄稿:「Footballの旅」
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「Footballの旅」 / 下村 えり(Eri Shimomura)

 〜 Vol.19 Premiership
          - Liverpool VS Tottenham, 20 January 2010 〜

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo403.html ≫

【Introduction:前書き】
NLWをご覧の皆様、遅くなりましたが『明けましておめでとうございます』。
今年もスカウスハウス共々、「Footballの旅」を宜しくお願いいたします。

クリスマスからお正月に掛けて、イギリスは全国的に寒波に見舞われました。
リバプールもセフトンパークの池がすっかり凍り、4日から15日までしっかり雪
が覆い、冷凍庫での生活でした。
雪もはじめは珍しくもあり、美しくもありでよかaったのですが、時が経つにつ
れ、通常の様に身動きがとれない状態に困惑する日々となりました。
予期せぬ突然のゲストに戸惑うのは日本もイギリスも同じですかね(笑)。

さて、フットボールですが、年が明けてプレミアリーグも後半に突入しました。
予期せぬ雪の到来もあって、リーグを含め、多くの試合が延期になりました。今
日紹介する試合も、1月10日の予定が延期となったものです。
プレミアリーグの優勝圏内争いも今シーズンは賑やかな顔ぶれで、マダマダ様々
な可能性を残しています。これからの数ヶ月、カップゲームを含めて、目が離せ
ないシーズンになりそうです。

【2009-2010プレミアリーグ後半】
12月から1月にかけての時期は、プレミアリーグのチームにとって、大きな決断
を迫られる時期でもある。
8月に始まったシーズンも半分の5ヶ月が過ぎ、その結果と後半の見通しを踏ま
えて様々な処置が下されるわけだ。

最近起きた大きな出来事は、マンチェスター・シティのショッキングな監督解任
事件。まあ、ショッキングとは少し大げさかもしれないが、タイミング的に「今
やらなくても…」「結果を出したゲームの後にクビですか?」と問題視する意見
が巷に飛び交った。
Mark Hughesの行く先が危ういことはフットボールファンなら誰でも知っていたこ
とで、予想外の出来事ではなかったわけだが、自分に置き換えて考えると、少し
心が痛んだ。

Hughesが率いたシティは、リーグではトップ4射程圏内の6位、カーリング・
カップではアーセナルを破って準決勝に進出していた。決して恥ずべき成績では
ない。
やはりミリオネアをオーナーに持つからには、このようにいささか理不尽な仕打
ちも覚悟しなければならないのであろうか。
しかも後任Roberto Manciniの名前が発表されたのはHuge更迭の直後であった。ス
トーリーのシナリオはもうずっと前から出来上がっていたわけである。

危ないのはマン・シティに限ったことではあるまい。私の予想ではとっくの昔に
“オサラバ”になってもおかしくない監督の一人は、リバプールのRafa Benitez
である。未だに首が繋がってるのには幾らかの訳がありそうだ…。
表面的には、熱烈なファンのサポートや彼のリバプールFCに対する情熱や過去の
功績も評価して、ということであるが、実際は今彼を裁くと契約済みの4年間の
給料(2000万ポンド)を全額支払わなければならず、巨額の負債を抱えたリバ
プールには大きなネックになっている、ということらしい。

しかし、このまま結果を出さなければリングにタオルが投げ込まれるのも時間の
問題。現在リバプールFCのバックグランドでは、それらを天秤にかけてどちらを
取るべきか仁義無き戦い繰り広げられている…かもしれない。

監督だけに限ったことではない。選手の移籍マーケットも、1月末までオープン
になった。各チーム大手を振って選手の売買ができるわけだ。
まず一番に入ってきたニュースは、今日の対戦相手スパーズが、オランダのVan
Nistelrooyの獲得に動いているらしい、という話。マンUより追い出され(という
かファーガソンとそりが合わなかった)、2006年に世界のリアルマドリッドへと
移籍したもののスタメンからは外され、出場機会に恵まれていない。スパーズは
彼をローン契約でと考えているようだが、どうもVan Nistelrooyに興味を示すク
ラブはスパーズだけではなさそうだ。数日前にウエストハムを買い取ったアイス
ランドのオーナーSullivanとGoldの2人も狙っているという話もある。

どのクラブも、後半戦線をどう切り抜けていくかはこの時期の補強に大きくかか
わってくる。監督や経営陣の腕の見せどころというわけだ。

【今日の両チーム】
さて、話を今日の両チームに戻して、最近の彼らの道のりを簡単にたどってみた
い。
まずはホームのリバプールFC。シーズン開幕前は、悲願のリーグチャンピオンの
座も“今年はいけるかもしれない”という思いは、ファンだけではなく、一般の
フットボール・ファンにも共通の認識であった(私もその1人)。しかし、その
期待が裏切られるのにそんなに時間はかからなかった。それに加えてまさかのグ
ループステージでのヨーロッパCL敗退。

そんな彼らにとって、残された王冠はFAカップしかない。その3回戦が行われた
のは、先週のことだった。
相手はプレミアリーグの一つ下のリーグ、チャンピオンシップで現在降格ゾーン
を行ったりきたり(現在24チーム中20位)のレディングである。
プレミア上位のチームになると、格下相手となるFAカップの3回戦あたりでは、
スタープレイヤーを休ませて2軍の顔ぶれで戦うことも珍しくないのだが、リバ
プールはいつもどおりの主力体制で臨んだ。

しかし最初の試合は1−1のドロー。先手を取られた後、ジェラードのアシスト
にカイトが上手く合わせて同点に追いついたものの、後半は攻め込まれた。GKレ
イナの活躍がなければ勝ちを譲っていてもおかしくない試合だった。残念だが観
ていてプレミアリーグの余裕は全く感じられなかった。

そしてアンフィールドでの再試合。相手のオウンゴールにより1−0でリードし
て後半ロスタイムを迎えるも、終了間際に同点PKを決められて延長に。そして延
長後半に逆転を許し、1−2でまさかの敗退となった。

さらにその3日後に行われたリーグ戦・対ストークでも、後半ロスタイムに同点
とされて1−1のドローに終わってしまった。
年末から4試合連続で勝ち星がなく、不振を極めるリバプールである。

片や、スパーズは今年初試合となったFAカップを4−0でPeterboroughに勝ち、
4回戦に駒を進めたものの、4日前に行われたリーグ戦ではHullと0−0でのド
ローで終わった。
とはいうものの、スパーズとしては先シーズンのこの時期は降格ゾーンの真っ只
中、現在上位4位まで駆け上ってきたのだから、新監督Redknappの功績は見事な
ものだ。

この両チームの試合の歴史を辿ってみると面白いトリビアが。
1986年以降のリーグ戦において、ホームでのスパーズ戦22回のうち、リバプール
はたった1度しか試合を落としてない。その唯一となったアンフィールドでのス
パーズの3ポイントは1993年、あのTeddy Sheringhamが2点を決めて2−1で逃
げ切ったということだ。Sheringhamという選手は、どこのチームに行っても、印
象に残る素晴らしい足跡を残している選手だったとつくづく思う。

【Anfield:アンフィールド】
先週までの大雪に比べれば遥かに穏やかではあるが、さすがに夜は風の冷たさが
身にしみる。
当初は今年初試合として1月10日に組まれていたこの試合。積雪の為に延期にな
り、今日20日に行われることが発表になったのは1週間前のことだった。日曜日
の午後から平日の夜に変更という悪条件をものともせずにチケットはソールドア
ウト。観客4万2千人でびっしり埋まったアンフィールドは、冬の夜の寒さを感
じさせない。

今日の席はアンフィールドロード・スタンド。KOPとは反対側のゴール裏だ。席に
着くとスパーズの選手達がウォーミングアップを始めていた。
今日は残念なことにリバプール側はジェラードやトーレスも怪我で欠場、そして
スパーズサイドもレノンの姿が見えない。噂によるとレノンはグローイン(足の
付け根)の怪我で2〜3週間の離脱らしい。
リバプールはスタープレイヤーだけではなく、先週のFAカップ・レディング戦で
多くの怪我人を出し、今日の試合は数人を除いては2軍状態である。

選手達が入場、お互いにエールを送り、握手を交わす。

【Kick Off:試合開始】
おなじみの“You'll Never Walk Alone”の儀式が終わったアンフィールドに、
試合開始のホイッスルが響き渡った。

<前半>
リバプールのキックで試合が始まった。両チームともボールを数秒とキープする
ことができない。高く上がったボールがミッドフィールドを境に左右を行ったり
来たりの展開。

しかし、それから僅か数分後に試合が動いた。
開始6分、リバプールGK Reinaが蹴ったボールをKuytが上手く胸で受けてボール
を殺し、Aquilaniにパス。ドリブルで切り込んだAquilaniはペナルティーエリア
直前でディフェンダーに倒されるが、そのときボールは再びKuytがホールド、右
足を大きく振り抜いて放たれたシュートがスパーズゴールの左隅に突き刺さった。
1−0。幸先の良い豪快なゴールに、アンフィールドじゅうに歓声が響き渡った。

スパーズは同点に追いつこうと必死に前に出るが、GK Gomesからのボールを上手
く繋げることが出来ない。JenasとPalaciosのミッドフィールドコンビが今ひとつ
上手くかみ合わない。
今日のリバプールのディフェンスは固い守りで、ペナルティーエリアに進入して
きたボールはきっちりと跳ね返す。果たして最後までこの守りが通用するのだろ
うか。

34分にはミッドフィールドエリアで両チームの選手BaleとDegenが交錯。地面に
倒れこむ。タッチライン際ではRedknappとBenitezの監督同士も溜まったフラス
トレーションを吐き出していた。結果、スパーズのBaleがイエローカードの警告
を受けた。

前半は、リバプールが固いデフェンスで開始早々に挙げた先制点を守り切った。

<後半>
後半に入るや否やスパーズの勢いに火がついた。ハーフタイムにRedknapp監督か
ら喝を入れられたのだろうか、ブレイクを狙って、前へ出る。
48分、リバプールKyrgiakosからのバックパスをGK Reinaが上手く処理しきれず、
スパーズFW Defoeがボールを奪い取って無人のゴールへ向けてシュート。あっさ
りゴールが決まったかに見えたが、オフサイドフラッグが挙がって取り消された。
アウェイサポーターからあがった歓声も無駄となった。

それからもスパーズは攻撃の手を緩めず、Crouch、Defoeの前線コンビをターゲッ
トにボールを前へ前へと運ぶ。リバプールのディフェンス陣は揺さぶられながら
も、ゴーリーReinaの堅い守りでゴールは免れる。

60分台にスパーズは2人のサブを投入。
Corlukaに代わってHutton、そしてKranjcarが降りてKeaneが入った。Robbie
Keaneのお出ましにアンフィールドから暖かい拍手も聞こえてきた。

70分に入るとスパーズも焦りが見え始めた。
76分、スパーズHuttonのコーナーキック。ゴール前で待つCrouch目がけてボール
を蹴るが、リバプールDF CarragherのプレッシャーにCrouchはバランスを崩し倒
れる。すかさずCrouchはペナルティをアピールするが、審判は首を振って却下。

79〜80分には両チームで選手交代があった。
BenitezはAquilaniに代えてNgogを、Rieraに代えてRodriguezを送った。
RedknappはKingを下げてBassongを投入。

タイムアップは刻々と迫る。5分のロスタイムが発表されると、スタジアムに緊
張感が増す。

そして最後の最後にクライマックスがやってきた。
スパーズのペナルティーエリアでNgogがBassongのチャレンジを受けて倒れ、ホ
イッスルが鳴る。ペナルティー! 誰が見ても明らかなファールだった。

ペナルティーボックスに立つのは今日絶好調のKuyt。アンフィールドに新たな緊
張感が漂う中、Kuytは左ネット目掛けて強烈なキックを放つ。ボールは見事ネッ
トに収まった…が、レフリーの笛が鳴り、やり直しのゼスチャー。Kuytがボール
を蹴る前に他の選手達がラインから飛び出したという判定らしい。

しかし2度目のペナルティーでもKuytは落ち着いていた。今度は右コーナーへの
鋭いシュートが美しく決まった。2−0。 

【End:試合終了】
ロスタイムの追加点で勝敗の帰趨は決した。
スパーズはやはりミッドフィールドでのクリエイティビティーに乏しかったよう
に思う。Crouch、Defoeに送るボールは殆どがロングパスだった。ボールのコント
ロールも今日は上手く行かず、いつものスパーズの勢いが見られなかった。
逆にリバプールは、ディフェンス陣の貢献と巧みな試合コントロールによってス
パーズを封じ込めた。Gerrard、Torres抜きで見事なパフォーマンスだったと思う。

【監督インタビュー】
Liverpool:Rafa Benitez監督
『素晴らしいアンフィールドのファンのサポートでこの様なパフォーマンスがで
きたこと、勝利を得られたことはとても嬉しい。完全に我々がゲームをコント
ロールし、決定的チャンスも4、5回は作った。トップ4争いはまだまだ険しく
はあるが、これからもこのプレイを忘れずに勝ち進みたい』

Tottenham Hotspur:Harry Redknapp監督
『リバプールの素晴らしい動きに、我々としてはとてもやりにくいゲームだった。
怪我人が多くチームのシフトも難しかったとはいえ、いい所が出せないまま試合
が終わった。これから大きな試合を控えているので、今回から学び、次のゲーム
に備えたい』

Fin

≪マッチ・データ≫

 Premiership 09-10
 LIVERPOOL 2 - 0 TOTTENHAM HOTSPUR
 Anfield Stadium, Wednesday 20 January 2010 20:00
           
            リバプール          スパーズ
 ゴール          2               0
         (Kuyt 06,90Pen)      
 ターゲットショット    6               4
 コーナーキック      2               3
 ファウル         11                17
 オフサイド        2                4
 イエローカード      2                 3
 レッドカード       0               0
 ポゼッション       53.8%              46.2%
 
 Team Line-ups
 Liverpool: Reina, Kyrgiakos, Insua, Carragher, Degen(Darby 90), Skrtel,
       Aquilani(Ngog 79), Riera(Maxi 81), Mascherano, Lucas, Kuyt.
 Subs Not Used: Cavalieri, Spearing, Babel, Pacheco.
 Booked: Macherano, Leiva.
 Goals: Kuyt 06, 90(Pen).

 Tottenham: Gomes, Bale, Dawson, Corluka(Hutton 61), King(Bassong 81),
       Jenas, Palacios, Modric, Kranjcar(Keane 65), Crouch, Defoe.
 Subs Not Used: Alnwick, Rose, Pavlyuchenko, Giovani.
 Booked: Bale, Jenas, Palacios.

 Attendance(観客数): 42,016

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▽スカウスハウス・ニュース
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NLWでは、読者のみなさんからの投稿を募集しています。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは英
国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▼今週のフォト
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*** 今週のフォト・アルバム ******

寄稿「Footballの旅」で取り上げた<Liverpool VS Tottenham>の写真を掲載
します。撮影はもちろん下村えりさんです。ぜひご覧ください。
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo403.html 


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 ◇編集 山本 和雄
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