April 13 2010, No.414
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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 ▽フロム・エディター
 ▼「利物浦日記2009」2
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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今週はミナコさんの「ゴールドフィッシュだより」を掲載する予定だったのです
が、事情によりお休みさせていただきます。
ほかに寄稿もないので、先週号と同じく「利物浦日記2009」だけのお届けとなり
ました。ちょっとさびしいですね、すみません。

たまにですが、「利物浦日記」の読み方を訊かれることがあります。「あれなん
て読むんですか?」と。
「利物浦」びはですね、特に何か気の利いた意味があるわけではないんです。た
だ単に「リヴァプール」のチャイニーズ表記というだけなんですよ。
ですからこのエッセイのタイトルは、「りばぷーるにっき」と読んでいただけば
いいです。はい。

でもずっと前にも書いたことがあるんですけど、個人的にはこれ、「りばのうら
にっき」と呼んでいます。
なんとなくしっくりきませんか? 和風だし、愛嬌もあるし。
まあどっちでもいいんですけどね。

「利物浦日記2009」は、昨年の<インターナショナル・ビートル・ウィーク>のレ
ポートです。
簡単なメモと写真をたよりに、すっかりうすれてしまった記憶を呼び覚ましなが
らなんとか書いております。
でも、どうでもいいようなディテールが多いわりには肝心のイヴェントの話が少
ないんですよね。レポートというよりはどっちかという個人的な備忘録に近いよ
うな…これからがんばります。

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                          ― Kaz(13/04/2010)


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▼「利物浦日記2009」2
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「利物浦日記2009」2 / Kaz

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo414.html ≫

【8月27日(木)】

快晴。
毎年泊まるB&Bをチェックアウトして、シティ・センターのアデルフィ・ホテル
へ。<ビートル・ウィーク>のメイン会場だ。
主催者のレイさん、イアン、ヴィッキーに会って、バンドやお客さんのパッケー
ジや宿泊所のキーを受け取る。

今年は、バンドとお客さんのほとんど全員がアデルフィの隣にある<グランド・
セントラル・ユナイト>(以下GCU)に泊まる。なんと2万人を収容できる巨大な
学生寮だ。
シャワーとトイレつきのワンルーム4部屋がひとつのフラットを構成し、それぞ
れのフラットには共同のダイニングルームがある。ダイニングルームには台所と
冷蔵庫と電子レンジのほかにカウンターやソファセットもあって、気心の知れた
小グループで宿泊するにはホテルよりも使い勝手がいい。本館1階には共同のラ
ンドリーもあるし、敷地内にコンビニもある。
リヴァプール・ライム・ストリート駅とアデルフィ・ホテルにはさまれたロケー
ションということもあわせると、まさに理想的な宿泊所といえるだろう。

ただし、そう何もかもいいことづくしというわけにはいかない。
部屋は狭いし、シャワーは固定で使いづらい。建物全体が安普請な作りのうえに
常時ワイルドな学生たちに痛めつけられているせいで、築6年にして早くもかな
りの部分にガタが来ている。これまでの経験でもちょこちょこと不具合があって、
解決に苦労したことがある。今年はどうだろうか…。

バンド&お客さんのフラットをひととおりチェック。ひとつのフラットのフロン
ト・ドアの金具が緩んでいて、それがひっかかってドアが開きにくくなっていた
ので、早速寮のスタッフに修理を依頼した。

さらに、あとで気がついたことだが、僕のところを含めた2つのフラットではボ
イラーのスイッチがオフになっていた。それはつまりお湯が出ないということで、
夜になって素っ裸になってシャワーの蛇口をひねって初めて気がついた。
日本の熱帯夜ならまだしも、この寒いリヴァプールで水のシャワーなんて自殺行
為に等しい。ほんとうに心臓が止まるかと思った。もちろん翌日にスイッチを入
れてもらった。

そしてもう1つ、これも僕のフラットの話なのだが、2つの部屋とダイニング
ルームの窓が、フレームが歪んでいるために開きっぱなしになっていた。どう
やっても閉められない。土曜日に到着するお客さんの部屋なのだが、このままで
は寒くてとても寝られたものではない。
この問題についてはかなり苦労することになった。木・金・土と寮のスタッフに
連日繰り返しクレームを続けたが、修理業者の手違いもあって、結局窓枠を直し
てもらうことができなかったのだ。

そうして迎えた土曜日の夕方、レセプションもクローズしてしまってもう駄目か
と絶望しそうになりながら、警備員をつかまえて事情を話してみた。
警備員は誰かに連絡を取り、やがてクラッシュのジョー・ストラマーみたいな雰
囲気の寮のスタッフがやって来た。彼はちょうど帰宅する寸前のところだったそ
うだが、いやな顔ひとつせず、僕のために必死で空いているフラットを探してく
れた。地獄に仏というか、今日修理が済んだばかりのフラットがひとつだけあっ
たので、ジョー・ストラマーと僕とでそのフラットにマットレスとシーツを運ん
だ。新しい部屋には用意されてなかったからだ。

というわけで、なんとかぎりぎりのことろで、お客さんに吹きさらしの部屋で寝
てもらう事態は避けられた。ほんとうに危ないところだった。もうこりごりだ。

その親切で優秀なジョー・ストラマーに聞いた話だが、この寮はメンテナンスが
まったく追いついていないのだそうだ。マナーの悪い学生によるダメージがあま
りにもひどい、ということだ。言われてみれば、窓枠があんなにゆがむなんてこ
とは、普通に使っていたらまずあり得ない。
「普通の日の晩に来てみるといい。ここはカオスだぜ。あっちこっちで叫び声や
ら大音響の音楽やらが響いてる。頭がおかしくなるよ」
とジョー・ストラマー。

普段はほとんどフルハウス状態なので、まとまったメンテナンス期間は年度替り
の夏休みしかない。つまり8月に集中して行う必要があるわけだが、追い込みと
なる最終週を<ビートル・ウィーク>に提供しているために、なかなか思うように
行かない。というわけできちんとしたメンテナンス作業が完了しないまま新年度
の学生を迎えて、その場しのぎのメンテナンスを繰り返すことになる。それが何
年も続いているので、スタッフとしても半分お手上げ状態のようだ。
なるほど、そりゃあたいへんだろうなあと少し同情してしまった。

木曜日に話を戻そう。

11時。
<ビートル・ウィーク>にあわせて毎年開催されるレコード・フェアへ。今年の会
場はマリオット・ホテルだ。
レコード盤を見て回るのは楽しい。何時間いても飽きない。
スカウスハウスの通販用と自分のコレクション用に何枚か購入した。

14時。
スーパーマーケットの<テスコ>で買い物。
2リットルの水のボトルを5本、4ロール入りのトイレットペーパーを5パック、
それから紙コップや紙皿、プラスティックのフォーク&ナイフのパーティー・
パックを買って、GCUまで持って帰る。もちろん全部僕が使うわけではなくて、バ
ンド&お客さんが泊まる各フラットに配るものだ。
バンドのみなさんには、例年ならビールをパックで買って各冷蔵庫に入れておく
のだが、ちょっとこれ以上は持てないし、買出しに何度も往復する元気も時間も
ない。悪いけど今年は勘弁してもらうことにした。ごめんね。

15時20分。
一番乗りのお客さん2名を迎えにライム・ストリート駅へ。
1人はひとり旅の女性N.Tさんで、とても海外旅行中とは思えないような小さい荷
物しか持っていないので驚いた。
もう1人はプロフェッショナルのカメラマンY.Mさん。対照的に巨大なバッグを2
つ抱えての登場で、こっちにもびっくりした。撮影の機材がたくさん入っていて
ものすごく重いはずだが、Y.Mさん自身はまったく平気そう。「これぐらいは軽い
軽い。ぜんぜんたいしたことないですよ」とまったく気にしていない。あとで聞
くと、あわせて40kg以上もあるそうだ。

まずY.MさんをGCUに案内し、それからN.Tさんをアデルフィ・ホテルに案内。チェ
ックインを手伝う。
その後はY.Mさんにリヴァプールの街を簡単にガイドして、ライム・ストリート駅
へ。
17時発・マンチェスター空港行きの鉄道に乗った。

19時半。
<アスプレイズ>と<ブルーマーガレッツ>、そして彼らのファミリー&フレンズを
乗せた飛行機は、ほぼ定刻どおりに到着。
手配しておいた大型コーチとの連携もうまく行って(マンチェスター空港のター
ミナル3はなぜか車の待機スペースがなく、いつも苦労するのだ)、全員がス
ムーズに乗り込んでリヴァプールへ。みんな元気そうだ。
1名をアデルフィへ、その他全員をGCUに案内し、21時50分に再集合して街に繰り
出す。

まずはおすすめのフィッシュ&チップス店<ロブスター・ポット>で腹ごしらえ。
この店のスタッフの若いにいちゃん&おねえちゃんがとても愛想がよくて、すぐ
に仲良しになってしまった。にいちゃんのほうはガールフレンドが日本人で、来
年日本に行く予定があるそうだ。これからの数日間、仕事がない日は我々のギグ
を絶対に観に行くと約束してくれた。

その後はキャヴァーンで少しライヴを観て、早めに宿に戻った。といっても0時
はまわっていたけれど。

さて、これで準備はオッケー。明日からいよいよ本番だ!


(つづく)

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