May 11 2010, No.417
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■
         *** http://scousehouse.net/ ***        


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」 <No.176>
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
▽フロム・エディター
――――――――――――――――――――――――――――――――─ NLW □

ゴールデン・ウィークが終わりました。
仕事的にはぜんぜん忙しくなかったのですが、家庭的にはそうも行かず、特に遊
びに出歩いたというわけでもないのに毎日なんやかやあって、せわしない毎日で
した。
そのせいで、先週はNLWの発行をお休みさせていただきました。すみません。
年明け以来がんばって続けてきた毎週発行がついにストップしてしまって、当事
者の僕が言うのもヘンですが、とても残念です。

連続記録が止まったといえば、鉄人・金本選手ですね。1492試合連続フルイニン
グ出場だなんて、あらためて考えるととんでもない記録です。僕はタイガース・
ファンというわけではないのですが、金本選手は好きです。ブルーウェーヴ…
じゃなかった、バファローズの田口選手はもっと好きです。

ええと、話がそれてしまいました。NLWはいちおう週刊ですが、これからも時々は
お休みになることもあるかと思います。どうぞご了承ください。

2週間ぶりの発行にもかかわらず、今週はミナコさんの「ゴールドフィッシュだ
より」のみの掲載です。ごめんなさい。
ミナコさんも相変わらずフル回転で忙しい毎日を送っています。特派員レポート
は基本的に隔週掲載なのですが、都合によっては掲載週がずれることもあります。
こちらもご了承くださいね。

今週の「フォト・アルバム」ページには、これまでついつい掲載するチャンスが
なかった、リヴァプールFCのマッチ・フォトを掲載しておきます。
撮影はおなじみのスー・ミルバーンさん。2009年12月に行われたチャンピオンズ・
リーグのグループリーグ最終節<LFC vs Fiorentina>のドキュメントです。迫力
満点のすばらしい写真をぜひご覧ください。
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo417.html 

今季は、リヴァプールFCにとっては不本意、というか散々なシーズンでした。こ
んなに何もかもがうまく行かないことってあるんだろうかと不思議になるくらい
です。
クラブも、ファンも、そしてもちろん選手も、みんながベストを尽くした結果で
すから、しゃあないですよね。謙虚に、でも胸を張って受け入れましょう。

来季はきっと復活してくれるはず。
リヴァプール・ファンのみなさん、これまで以上にサポートしましょう!

                          ― Kaz(11/05/2010)


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
――――――――――――――――――――――――――――――――― NLW □

「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第176号 /
Liverpool To Liverpool - Anfield Giants - Mersey Sound Wave ―

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish176_photo.html ≫

こんにちは。
5月に入り日照時間も伸びて、夜9時ごろになってもまだ薄明るい日が続いてい
ます。
春も本番で、木々の緑も一段と色濃くなり、あちこちで花も咲いてのどかな風景
が見られます。

その一方、人間界では総選挙が行われ、誰もが徹夜で票の行方を見守った末、結
果的には絶対多数政党が不在の「ハング・パーラメント」となり、まさに宙ぶら
りん状態です。いったいこの国はこの先どうなるのかがとっても不安です。。。

♪ ♪ ♪

気を取り直して、今回号ではリヴァプールの街に深く根ざしたパブリックアート
やオブジェを紹介します。

まずは、リヴァプールへの玄関口であるリヴァプール・ライム・ストリート駅の
ガラスや敷石に刻まれた新しいパブリックアートから。
これは、若手アーティストSimon FaithfullによるLiverpool To Liverpoolと題
した作品で、英国のリヴァプールからカナダのリヴァプールまでの旅の途中で描
かれた181ものスケッチが基になっています。

2008年の9月に英国のリヴァプールを出発したSimon Faithfullは、当初リヴァ
プールからコンテナ船に乗る予定でしたが、事情により鉄道でロンドンを経由し
てベルギーのアントワープまで移動。そこからコンテナ船に乗ってカナダのモン
トリオールまで渡り、鉄道やバスを乗り継いでカナダはノヴァ・スコティア州の
リヴァプールまで、1ヶ月かけてたどり着きました。

世界にリヴァプールという地名をもつ場所は少なくとも12ヶ所はあるらしいので
すが、英国のリヴァプールと同じく大西洋貿易ルート上にあることから、カナダ
のノヴァ・スコティア州のリヴァプールを目的地に選んだそうです。
ここは英国のリヴァプールよりもずっと小さな町ですが、マージーという名の川
があり、かつては造船業で栄え、ミュージシャンを輩出したという様々な共通点
があります。

カナダのリヴァプール出身のカントリーウェスタンのミュージシャンHank Snow
の生い立ちと、北アメリカから英国リヴァプールまでの初航海を綴った、1849年
Herman Melvilleによる著書「レッド・バーン」のストーリーをシンクロさせな
がら、Simon Faithfullは旅の途中いまや時代遅れな携帯端末パームを使って毎
日6枚のペースでスケッチを描き上げました。
そこには英国リヴァプールの街の様子、ユーストン駅、アントワープ、航海中の
様子、モントリオール、そしてカナダのリヴァプールの情景が描かれ、それぞれ
の地名とその地点の座標地が添えられています。

カナダのリヴァプールに到着した暁には、英国のリヴァプールから持ってきた電
話帳をひっぱり出し、ランダムに181名の住所を選んで、「あなたもここにいら
れればよかったのに」とのメッセージをしたためてポストカードを送ったそうで
す。
英国のリヴァプールでそれを受け取った人の反応が興味深いところです。

ローテクなパームで描かれたピクセルの荒いドローイングは、最新技術を駆使し
て敷石やガラスに吹きつけられ、リヴァプールの土地に降り立つ人々が最初に目
にするパーマネントなパブリックアートとなりました。

Liverpool Biennial:
http://www.biennial.com/content/LiverpoolBiennial2008/SimonFaithfulLiverpooltoLiverpool/Overview.aspx
Simon Faithfull: http://www.simonfaithfull.org/

♪ ♪ ♪

場所は変わって、アンフィールド。
地域再開発が進むこの地区では、人々が立ち退きに遭い、住宅が次々と取り壊さ
れては更地になっています。
取り壊しを待つ空き家の窓には金属板が打ちつけられ、顧みる人もいない寂しい
風景が広がっていました。
そんな真っ暗なある通りの空き家に、巨人の子供たちが出現しました!

これは仕掛け人であるLiverpool Biennialが中心となり、アーティストや建築家
をアンフィールドおよびブレックフィールド地区に送り込み、地元に住む11歳か
ら17歳までのニート(教育、労働、職業訓練のいずれも受けていない若者)の
ティーンエイジャーを巻きこんだコミュニティープロジェクト《On The Street》
の一環で行われたものです。
希望や将来の見えない子供達が、クリエイティブなプロセスを通じて地域に目を
向けることで、自分達の住環境を見つめ直し、コミュニティーとの繋がりを強化
し、この地域の将来をいかに良くしていくかを積極的に考えてもらうことを目的
にした、3年がかりのプロジェクトです。

今回の大型プロジェクションは、ニューヨークはブルックリン出身のアーティス
トEd Purverが地元の子供達を主役にして撮影した映像を空き家の中から窓に映
しだしたもので、4月16日から27日まで行われました。
ジャイアントサイズの子供達が空き家を遊び場に楽しそうにジャンプしたり、窓
から外を覗いたり、家の中に植物が伸びていく様子が見られ、あまりの見事さに
思わず見入ってしまいました。

暫く眺めていると、地元の家族連れがやって来て、見ている子供達も大喜びでし
た。5歳くらいの小さな男の子が巨人に向って「家の中にいないで、降りてきな
よ!」と話しかけると、そのお母さんが「あの子達は本物じゃないのよ」と言い
聞かせている光景が微笑ましかったです。
このプロジェクトでボランティアをしているというお父さんや巡回して警備に当
たっていた警察官も、この地域にポジティブで明るいエネルギーをもたらしてい
るこのプロジェクトを誇りに思うと語っていました。

今後も、まだまだエキサイティングで創造性豊かなプロジェクトが待っていると
のことで、非常に楽しみです。

On the Street - Anfield Giants by Ed Purver
 Liverpool Biennial:
http://www.biennial.com/content/LiverpoolBiennial2008/OntheStreet/Overview.aspx
 Video: http://vimeo.com/11162004
 Ed Purver: http://www.edpurver.com/

♪ ♪ ♪

ピア・ヘッドのフェリーターミナル1階にあるビートルズストーリーのスペース
に、マージーサウンドのギターの波が押し寄せました!
これはマージービート50周年を記念したモニュメントです。
《Mersey~Sound~Wave - A Tribute To Mersey Sound: 50 Years On》と題された
このオブジェは、マージービートにゆかりのあるミュージシャンや世界中から寄
せられた100本のギターが、地元のミュージシャンでアーティストのBill Hartの
手で一つのビッグウェイヴとなりました。

中には、期間限定で特別に貸し出された貴重なギターも見られました。
1999年にPaul McCartneyが使用したホフナーバイオリンベース、Arctic Monkeys
のリードシンガーでギタリストのAlex Turnerの白いフェンダー、その他Travis、
Embrace、Statud Quoのギターも波の一部となっています。

ビッグウェイヴの傍らには、小さなギターの模型でつくられた小波もポイントが
高かったです!
この展示は5月7日まで行われました。

Mersey Sound Wave: http://www.merseysoundwave.com/
Blog: http://merseysoundwave.wordpress.com/

♪ ♪ ♪

【今週の予告】
その1:Light Night
リヴァプール市内の文化施設が夜遅くまでオープンし、さまざまなイベントが開
催された《Long Night》の成功を受けて、夏バージョンの《Light Night》が5
月14日(金)に行われます。
Light Night: http://www.lightnight.co.uk/liverpool/index.php
リヴァプール版: http://www.culture.org.uk/articles/show/204?type=News

本来なら私も各会場をはしごしたいところなのですが、今回はイベントをひとつ
オーガナイズする立場にいるので、この晩はおそらくLiverpool ONEにいます。
その名も<Liverpool Art Prize Special Preview Event in Liverpool ONE>。
過去2年間と今年のLiverpool Art Prizeの受賞者および受賞者をハイライトし
た展示がショッピングセンターLiverpool ONEのストリートに登場します。
http://www.liverpoolartprize.com/index.php/news-mainmenu-43/105-l-one-preview

その2:Liverpool Sound City
毎年恒例になっている《Liverpool Sound City》は、5月19日から22日まで。
Liverpool Sound City: http://www.liverpoolsoundcity.co.uk/index.html

その3:Picasso: Peace and Freedom
巨匠ピカソの政治および平和運動に焦点を当てた大型展覧会です。5月21日から
8月30日まで、Tate Liverpoolにて開催されます。
Tate Liverpool: http://www.tate.org.uk/liverpool/exhibitions/Picasso/default.shtm

それではまた次回!

ミナコ・ジャクソン♪

≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish176_photo.html ≫


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
▽スカウスハウス・ニュース
――――――――――――――――――――――――――――――――─ NLW □

*** <Beatle Week 2010> ツアー参加者募集中! ******

毎年恒例、International Beatle Week鑑賞パッケージ「スカウスハウス・ツ
アー2010」の参加者を募集しています。
この夏、ぜひぜひリヴァプールでお会いしましょう!
http://scousehouse.net/beatleweek/scousetour2010.html


*** LFCグッズ通販:On Sale Now!! ******

LFCグッズの通販です。
オーダーをいただけるとうれしいです!
http://scousehouse.net/shop/lfcgoods2010_01.html


*** 新ガイドツアー「ロンドン特別編」スタート ******

好評のビートルズ・ツアーに加えて、ロンドンでのウォークツアーを2コース、
新しくスタートさせました。シャーロック・ホームズゆかりのスポットを案内す
る「ホームズ・ツアー」と、ちょっと怖い「ロンドン・パブ・ツアー」です。
ディープなロンドン体験をぜひ!
http://scousehouse.net/beatles/guidetour_london2.html 


*** リヴァプール語学留学 ******

スカウス・ハウスは、リヴァプールへの語学留学をサポートしています。
公立のリヴァプール・コミュニティ・カレッジに加えて、今年より、私立の語学
スクールLILAとも提携しています。
長期でじっくり学べる学生の方にはコミュニティ・カレッジを、まとまった期間
を留学に充てられない社会人の方にはLILAをおすすめします。
スカウス・ハウスには、リヴァプール留学に関する専門知識や経験を持つスタッ
フが、日本とリヴァプールの両方に常駐しています。入学前はもちろん、入学後
のサポートについても安心してお任せください。
http://scousehouse.net/study/index3.htm 


*** ビートルズ・ガイドツアー ******

リヴァプール&ロンドンのビートルズゆかりの地を訪ねるガイドツアーをアレン
ジしています。ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧
ください。
http://scousehouse.net/beatles/guide_liverpool.htm 
http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm 


*** 原稿募集中 ******

NLWでは、読者のみなさんからの投稿を募集しています。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは英
国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
▼今週のフォト
――――――――――――――――――――――――――――――――─ NLW □

*** 今週の「ゴールドフィッシュ」フォト ******

ミナコさん撮影による素敵な写真をたくさん掲載しています。ぜひご覧ください。
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish176_photo.html


*** 今週のフォト・アルバム ******

スー・ミルバーンさん撮影のチャンピオンズ・リーグ<LFC vs Fiorentina>の写
真を掲載しています。ぜひご覧ください。
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo417.html 


■ NLW ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
           *** 毎週火曜日発行 *** 


□■ 第417号 ■□

 ◆発行 SCOUSE HOUSE (スカウス・ハウス)
 ◇編集 山本 和雄&ミナコ・ジャクソン
 ◆Eメール info@scousehouse.net
 ◇ウェブサイト http://scousehouse.net/
 ◆お問い合わせフォーム http://scousehouse.net/liverpool/form.html

 ご意見・ご感想・ご質問など、お気軽にお聞かせください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

このメールマガジンは、以下の配信サーヴィスを利用して発行しています。配信
の解除やメールアドレスの変更は、それぞれのウェブサイトからどうぞ。

◆まぐまぐ
 http://www.mag2.com/m/0000065878.htm
◇めろんぱん
 http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=000917
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
無断での転載を禁じます。  Copyright(C) 2001-2010 Scouse House