July 27 2010, No.425
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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 ▽フロム・エディター
 ▼寄稿:「リアルエールのすすめ」(9)
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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今週は、下村えりさんの「リアルエールのすすめ」の第9回をお届けします。
先々週に第8回を掲載したので2週ぶりとなりますが、実はこの原稿&写真は10
日以上前にもらっておりました。つまり、本来なら、というか僕がちゃっちゃと
仕事をしていれば、先週号に掲載できていたはずなのです。そのために本文で話
題の時期がずれてしまう部分ができてしまいました。えりさん、どうもすみませ
ん。

今回のビア・フェスティヴァルはなんと、フットボール・スタジアムが会場です。
ピッチに入って寝転びながらビールが飲めるというわけではありませんが、とて
もユニークな会場設定ですね。

そういえばなのですが、イングランド・プレミアリーグの試合では、売店でビー
ルは売っているものの、それをスタンドの自分の席で飲むことはできません。ス
タンド裏で全部飲み干してからでないとスタンドへの通路を通してもらえないの
です。

僕は最初に観戦に行ったときにそのことを知らず、ビールとつまみを持ち込もう
としてセキュリティのスタッフに注意されてしまいました。
へえ〜そうなんだ、と思って見渡すと、周りはビールのカップを持ったサポー
ターがひしめいています。みんなそこで飲んで景気をつけてから自分の席につく
んですね。なるほど。

キックオフの時間も迫っていたので、僕もそこでぐいっとイッキ飲みをして、ス
タンドの中に入りました。
パイント(約568ml)のイッキ飲みはちょっとツラかったですが、飲み干すとな
んとなく気合いが入ったような気がしたのが、自分でも面白かったです。

                          ― Kaz(27/07/2010)


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▼寄稿:「リアルエールのすすめ」
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「リアルエールのすすめ」9 / 下村 えり (Eri Shimomura)

“Stockport Beer Festival 2010”
  03-05 Jun 10 (Thur-Sat) at Edgeley Park in Stockport

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo425.html ≫ 

【まえがき】
皆様こんにちは。
ワールドカップ、そしてウインブルドンも終わり、ホッと一息入れたい今日この
頃ですが、スコットランドの果てでは今年の全英オープンゴルフが始まっていま
す。
選手達の服装からも想像がつくように、真夏というのに、涼しいは通り越して結
構寒そう。どんよりとした曇り空、風も強そうで、グリーンも日本やアメリカと
は対照的に自然体管理による凸凹コンディション。ゴルファー泣かせの厳しい大
会になりそうです。しかしながら日本の若手・石川遼選手が頑張っている様子で
嬉しく思います。楽しみですね。
(※編注:この原稿は7月18日に書かれたものです)

さて、先々週号に引き続いての『リアルエールのすすめ』。今回は、先月
Stockport County Football Clubで行われたビール祭りをレポートしたいと思い
ます。どうぞお付き合い下さい。

【Edgeley Park】
噂は聞いてはいたものの、なかなか機会を作れず、これまで足を運ぶことができ
なかった<ストックポート・ビア・フェスティバル>。
このビール祭りのいちばんの特徴は、会場のEdgeley Parkがフットボールのスタ
ジアムだということ。私も含めて、ビール好きのフットボール・ファンにとって
はなんとも魅力的なロケーションである。

Stockportは、Liverpoolから東へ電車でおよそ1時間20分。Manchester
Piccadillyで乗り換えて7分ほどだ。Edgeley Parkへは、駅から徒歩でゆっくり
歩いても10分くらい。下町っぽい商店街をくぐり抜けると、住宅街の中にある典
型的なイギリスのフットボールスタジアムにたどり着く。

ついでと言ってはなんだが、このEdgeley Parkについて少しだけ触れてみたい。
なんとここのスタジアムはStockport County FCだけではなく、地元のラグビー
ユニオンに所属するSale Sharksというチームと共同のホーム・スタジアムらし
い。
Liverpoolから東は実にラグビーの盛んな地域でもあり、多くの人がフットボー
ルと同じくらいラグビーファンでもあるのだ。
10,852人収容のこのスタジアムの建造は1902年。100年以上の歴史を持っている。
現在はマンチェスターの州が管理しているようだ。
1883年に誕生したStockport County FCは、ホームカラーはEvertonブルーに近い
青。現在プレミアリーグの3つ下のディビジョンリーグ2に位置し、ここ最近は
リーグ1への昇格と降格を繰り返しているようだ。

【Stockport Beer Festival】
話を『Footballの旅』から『リアルエールのすすめ』に戻したい(笑)。
Stockport Beer Festivalは今年で24回目を迎えるが、聞くところによると、地
元支援もあってかここ2年で20%も入場者数が伸びたそうだ。もちろん主催は
CAMRA(Campaign for Real Ale)で、ほとんどがボランティアの人たちによっ
て運営、オーガナイズされている。

中に入いると、可愛らしいアニメタッチの服装(ミニスカート)で待ち構えてた
お姉さんがパンフレットを勧めてきた。どうやら今回は無料ではなく、1ポンド
(約150円)を払って、それがローカルのチャリティー団体に寄付されるとのこ
とである。
グラスも1ポンドで、終了後にグラスを戻せばお金も戻るが、そのままお持ち帰
りも可能である。
肝心の入場料は、金曜の夜が一番お高く4ポンド、土・日は2ポンドとなってい
て、CAMRAのメンバーであれば会員証を提示すればなんと無料!

しかもこのビア・フェスティバルには面白いおまけがついている。土曜夜のセッ
ションで毎年コスチューム・コンペが設けられているのだ。いかにも西洋のフェ
スタ…近代版の仮面武道会で盛り上がるのだろう。
ちなみに今年のテーマは“Angels & Devils”だそうだ。ということは、マン
チェスター・ユナイテッドのサポーターたちは「レッド・デビルズ」の愛称のご
とく、赤い悪魔の姿で登場するんだろうか…? 幸か不幸か、私が訪れたのは土
曜日の午後であったので、それは確認できなかった。

【Beer, Beer, Beer】
70種類から100種類のビールが揃った今回のStockport Beer祭りだが、他にもフ
レッシュなりんごや梨から出来たサイダーも出品されていた。
日によってバリエーションはあるものの、ローカル色の強いこのビール祭りでは、
マンチェスターはもちろんのこと、ヨークシャー、ランカシャー、ダービー
シャー、そして我らがマージーサイドと、イギリス北部の顔ぶれがずらりと並ん
でいる。

では、私がこの日味わったビールを紹介しよう(評価は5点満点)。

Lemon Blossom (3.7%)
 醸造会社:Hormbeam
 場所:Great Manchester
 種類:Bitter
 感想:最初はどうしてもファンシーな名前からピック、そしてアルコール度の
    低めのものから挑戦。地元マンチェスターのビタービールであるが、な
    んと説明を読むと日本の北海道空知郡富良野町で出来たホップSorachi
    hopと、Mount Hood hopと言ってアロマとスパイスの効いたホップを掛
    け合わせて作られた、とある。後味に微かにシトラス感が残り、とても
    爽やか! 最初っから、大当たり〜♪
 評価:4.5

Malt Mountain Mild (3.6%)
 醸造会社:Hormbeam
 場所:Great Manchester
 種類:Mild
 感想:続いても同じビール会社で地元のマイルド。スムーズな喉越しとバー
    リー(大麦)のフレーバーでとても飲みやすい。こちらもエントリー
    ビールに最適!
 評価:4.5

Midnight Bell (4.8%)
 醸造会社:Leeds
 場所:Yorkshire
 種類:Dark Mild
 感想:Award Wining エールの一つ。チョコレートモルトをフルに生かした、
    複雑で筋の通った個性派マイルド。
 評価:4.0

Oracle (4.0%)
 醸造会社:Salopian
 場所:Shropshire
 種類:Bitter
 感想:Straw(麦わら)みたいな色でホップの利いた…とパンフレットにある
    が、今ひとつホップのシャープさが喉に伝わって来ない。少し甘口。
    ちょっと残念。
 評価:2.5
 
Guerilla Stout (4.9%)
 醸造会社:Blue Monkey
 場所:Derbyshire
 種類:Stout/Porter
 感想:またもや金賞受賞作。パンフを見ると『革命のスタウト』と記されてい
    る。様々なモルトが少し強めの苦味によりバランスを保って、口の中で
    踊る感じがする。
 評価:3.5

Evolution (4.3%)
 醸造会社:Blue Monkey
 場所:Derbyshire
 種類:Bitter
 感想:ゴールド色のペールエール。フルーティーでホップの利いたアロマビー
    ル。残念なことに、暑さのせいか少し味が変化し始めていた。
 評価:3.0

以上、今回私が試したビール合計6種類である。
ここ数日、夏到来を思わせる日差しの強い日が続いたこともあり、生きたビール
をクーラージャケット無しで上手く管理するのは難しいことだろう。残念ながら
いくつかのビールは味が変化し始めていた。

イギリスのように涼しい夏の国では、ビールの管理がしやすい反面、突然の気温
の変化に対応しきれないこともある。ボランティアでまかなっている事情もあり、
ローカルの小さなビール祭りですべてのビールにクーラージャケットを用意する
のは、経済的にも難しいことかもしれない。

ともあれ、眩しすぎるお天道様の下、地元のビールあれこれを、広々としたサッ
カー場で味わえるとは…。
それだけでちょっとハッピーな気分になれた、そんな土曜の午後だった。


(Fin)

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo425.html ≫


●「リアルエールのすすめ」バックナンバー●

 【リアルエールのすすめ 1】
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 【リアルエールのすすめ 2】
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