August 17 2010, No.428
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■ *** http://scousehouse.net/ *** □■ INDEX ■□ ▽フロム・エディター ▼「利物浦日記2009」8 ▽スカウスハウス・ニュース ▼今週のフォト ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ▽フロム・エディター ――――――――――――――――――――――――――――――――─ NLW □ いよいよ来週、<インターナショナル・ビートル・ウィーク>が開幕します。 スカウス・ハウスとしては年間で最大のイヴェントで、この半年ほどず〜〜っと 準備を進めてきたわけですが、それでもまだまだやらなければならないことがた くさんあって、ちょっと慌てています。 いつもいつもこの調子で、ギリギリになるまで…いや、とうとう最後まで、と言 うべきか、準備が万端整ってフェスティヴァルに臨めたためしがないんですよね、 情けないことに。 でも、そのへんはリヴァプールの人たちとおんなじかもしれません。だってです ね、あと1週間となったこの時期にやること山積み、慌てふためいているという のは僕だけじゃなくて、フェスティヴァルの主催者もそうなんですから…やれや れです。 とにかく、あと1週間で開幕です。 ブッキングした3つのバンドのライヴが無事に成功することと、ツアーに参加し てくださったみなさんに、安全で楽しく過ごしていただけるよう、ベストを尽く したいです。 ● ● ● 《お休みのお知らせ》 <インターナショナル・ビートル・ウィーク>フェスティヴァルのため、スカウ ス・ハウスは、8月22日(日)〜9月5日(日)までの15日間をお休みとさせて いただきます。お休み期間にはお問い合わせなどには対応できません。ご不便や ご迷惑をお掛けしますが、どうかご了承ください。 このメールマガジン「リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World」も、2週間お休みをいただきます。 次号(第429号)は、9月7日の発行・配信予定です。 しばらくのご無沙汰になりますが、みなさんお元気で! ― Kaz(17/08/2010) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ▼「利物浦日記2009」8 ――――――――――――――――――――――――――――――――― NLW □ 「利物浦日記2009」8 / Kaz ≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo428.html ≫ 【8月29日(土)】 ロイヤル・コート・シアターでのサウンドチェックを終えたアスプレイズは、そ の足でシール・ストリートの<Alma De Cuba>へ。 古い教会(St Peter's Churchという名前だ)を改装したこのレストラン・バー は、モダンで斬新なデザインと美味しいラテン・フードが評判で、リヴァプール でもトップ・クラスの人気スポットだ。今年初めて<ビートル・ウィーク>で使わ れることになった。 会場に入った瞬間、豪華さと荘厳さにあふれた、まるで映画のセットのような素 晴らしくフォトジェニックなステージに、思わず「へえ〜、すごいなあ〜」と見 とれてしまった。 しかしそれもつかの間だった。 誰かが僕の腕をぐいっとつかんで、 「おーい、セキュリティ! こいつチケット持ってないぞ!!」 と叫んだのだ。 びっくりしてその小柄な禿げ頭のおじさんをよく見ると、ああなんだ、CCTのダ イレクター、デイヴさんじゃあないか…やれやれ。 「はっはっは、カズ、びっくりした? はっはっは。まあ楽しんでくれ」 と、ぎゅっと握手をしながらデイヴさん。 まったくもうこのおっさんは…。いつもこの調子でからかわれるんだよなあ。ま あ悪い気はしないんだけど、一瞬ドキッとしてしまった自分がちょっと悔しい。 楽屋に入る。 ステージの袖には、MCのニールが座っていた。キャヴァーンの専属DJで、前の利 物浦日記にも書いたけど、MCとしては間違いなくこのフェスティヴァルのナン バー・ワンだ。 去年のアスプレイズは一度もニールにMCをしてもらう機会がなくて、それだけが 心残りだったのだが、今年は2ステージめにして早くも実現した。個人的にとて もうれしい。 ただこのニール、僕が引率したバンドのギグでは、必ずといっていいほど最後に 僕をステージにひっぱり出してオーディエンスに紹介する。もちろん僕がお願い しているわけではなくて、頼むからやめてくれといつも言ってるんだけど…。 5時20分、予定より5分遅れでアスプレイズのギグがスタートした。 このステージでは、レニーさんはアコースティック・ギターのギブソンJ160Eで 登場。その1本だけで30分のステージを通してしまった。当然、選曲もそれにあ わせたものになっているのだが、それが意表をつきながらも絶妙で、また会場の 幻想的な雰囲気によく溶け込んでいた。普段あまりライヴで取り上げられないよ うな曲が並んでいるのに、まったく違和感がなくて、ぐいぐい引き込まれる。 しかも、明日のビッグステージとなるアデルフィでのアルバム《Help!》全曲演 奏のリハーサルまで同時に済ませてしまったのだから、さすがというほかない。 演奏された曲は、こんな感じだ。 <No Reply><I'll Follow The Sun><I Need You><Another Girl><Norwegian Wood><I'll Cry Instead><Honey Don't><Can't Buy Me Love><I Don't Want To Spoil The Party><Help!> アンコール:<I Feel Fine><Eight Days A Week> 途中、ユウキのベースの弦が切れるという珍しいアクシデントに見舞われたが、 バンドは演奏をストップすることなく、そのままステージをやり遂げてしまっ た。 ここはどこで、西暦何年の何月で、何のために行われているのか…。そういう形 而下での現実を忘れてしまいそうになるくらいに、パフォーマーとサウンドと オーディエンスがひとつになって同じ夢を共有することができたライヴ・コン サートだったように思う。 あとであんちゃんが言っていたのだが、このライヴこそが、2009年のビートル・ ウィークでのアスプレイズに生命を与えてくれたのだという。 リヴァプール入りしてから体調は最悪で、思うように気合いも入らず、バンドと しても不本意な演奏しかできない状態だったのが、このステージで演奏している 間に気力も体力も完全に復活して、これ以降バンドとしてのアンサンブルも完璧 になったのだそうだ。 不思議なこともあるものだ。教会のマリア様から特別なパワーを授かったのかも しれない…。 演奏が終わっても、満場のオーディエンスからの拍手はいっこうに鳴り止まない。 誰もがアスプレイズの大ファンになってしまった。僕を含めて。実に実に、素晴 らしいパフォーマンスだった。 しかし、その余韻に浸っている暇はなかった。 バンドがオーディエンスに手を振って後ろを向いた瞬間、MCのニールが、僕を呼 んだのだ。 ドラムセットの横で写真を撮っていた僕は、オーディエンスから丸見えの状態。 全員の注目を浴びながら逃げるわけにも行かず、仕方なくステージの前へ。 いつものように、ニールは嬉しそうに僕を紹介する。こいつはカズで、このフェ スティヴァルに毎年、日本から素晴らしいバンドを連れてきてくれる張本人 で……。 僕は一言も言葉を発することもできず、ただ、ニヤニヤと照れ笑い。時々手をひ らひらと振る。 ニールがあおるせいで、オーディエンスは僕にもたくさん拍手をしてくれた。 正直なところうれしい気持ちもないわけではないけど、やっぱり恥ずかしいな あ…。 (つづく) ≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo428.html ≫ ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ▽スカウスハウス・ニュース ――――――――――――――――――――――――――――――――─ NLW □ *** お休みのお知らせ ****** <インターナショナル・ビートル・ウィーク>フェスティヴァルのため、スカウ ス・ハウスは、8月22日(日)〜9月5日(日)までの15日間をお休みとさせて いただきます。お休み期間にはお問い合わせなどには対応できません。ご不便や ご迷惑をお掛けしますが、どうかご了承ください。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ▼今週のフォト ――――――――――――――――――――――――――――――――─ NLW □ *** 今週のフォト・アルバム ****** 「利物浦日記2009」に関連した写真を掲載しています。ぜひご覧ください。 http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo428.html ■ NLW ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ *** 毎週火曜日発行 *** □■ 第428号 ■□ ◆発行 SCOUSE HOUSE (スカウス・ハウス) ◇編集 山本 和雄 ◆Eメール info@scousehouse.net ◇ウェブサイト http://scousehouse.net/ ◆お問い合わせフォーム http://scousehouse.net/liverpool/form.html ご意見・ご感想・ご質問など、お気軽にお聞かせください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ このメールマガジンは、以下の配信サーヴィスを利用して発行しています。配信 の解除やメールアドレスの変更は、それぞれのウェブサイトからどうぞ。 ◆まぐまぐ http://www.mag2.com/m/0000065878.htm ◇めろんぱん http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=000917 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 無断での転載を禁じます。 Copyright(C) 2001-2010 Scouse House |