September 28 2010, No.432
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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▽フロム・エディター
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先日の「リヴァプール・エコー」に、「サム・リーチが危なかった」という
ニュースが掲載されました。
以下にざっと翻訳してみます(誤訳があったらすみません)。


ビートルズの最初のプロモーターであり、そのキャラクターが今もリヴァプール
市民に人気のサム・リーチが、あやうく命を落としかけるほどの肺炎の発作に見
舞われた。しかし今は快方に向かっており、関係者は胸をなでおろしている。

呼吸困難と人工関節手術による激痛により3週間も入院したサムは、今年の
<International Beatle Week>への出席をあきらめざるを得なかった。

しかし幸いにもサムはそれを乗り越え、今は新たな問題に頭を悩ませている――
お見舞いのメール1,200通に返事しなければならないのだ。

サム本人は関係者にこう語っている。
「まったく、最悪の組み合わせだったよ。人工関節の手術が原因で肺炎になって、
なにしろそれはむちゃくちゃ痛かったんだが、それに加えて酸素が吸えなくなっ
てしまったんだからな。今は自宅でぐんぐん回復しておるよ。すっかり気分もい
いしね」
「あのロイヤル・ホスピタルは、特に6Yの病棟は素晴らしかったよ。中でもわし
のケアをしてくれたマーティンとメアリーにはほんとうに世話になった」

― Beatles promoter Sam Leach is on the mend after life-threatening
      pneumonia - Sep 23 2010 by Dawn Collinson, Liverpool Echo ―


今年は「ビートルズ・コンヴェンション」の会場で見かけなかったので、「あ
れ? どうしたのかな〜」と思っていたところでした。
快方に向かっているということでひと安心ですが、昔からあまり健康そうには見
えないサムおじさん、あまり無理せずのんびりと長生きしてほしいです…できな
いか、性格的に。

そういえばなんですが、ビートルズの最初のマネージャー、アラン・ウィリアム
ズさんの姿も、コンヴェンション会場で見ることができませんでした。
でもこれはたまたま僕とタイミングが合わなかっただけ(なしにろ時間がなくて
合計でも30分くらいしか居られなかったので…)だったことが、数日後にわかり
ました。

「ビートル・ウィーク」が終わった後の水曜日に、偶然アラン本人に会うことが
できたのです。
今年2月に米寿を迎えたアランですけど、とっても元気そうでした。場所はジャ
カランダで、相変わらず赤い顔をして赤ワインを飲んでいました。
一緒にいたテキサスの女性と僕の、「私は10年くらい毎年コンヴェンションに来
てる」「僕もえーと、そんなもんかな」という会話を耳にして、
「ふん、わしなんか18年ずっとやでえ」
と、ふて腐れ気味にひと言。僕らは思わず吹き出してしまいました。あんたアラ
ン・ウィリアムズやん。

あ、そうそう、「日本にも行ってみたいんやけどなあ」とも言ってましたよ。実
現してほしいようなそうでないような…。

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お知らせ:<Beatle Week 2011>出場バンド募集中!
スカウス・ハウスでは、2011年の<インターナショナル・ビートル・ウィーク>に、
日本代表として出場するビートルズ・トリビュート・バンドを募集しています。
プロ・アマは問いません。出場を希望されるバンドは、info@scousehouse.net
までお問い合わせください(件名は「Beatle Weekバンドエントリー希望」とし、
メール本文には、バンド名と簡単なプロフィール、代表者のお名前・住所・電話
番号をご記入ください)。
お問い合わせをいただいてから2日以内に、Eメールで詳細をご案内いたします。

                          ― Kaz(28/09/2010)


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▼「利物浦日記2009」9
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「利物浦日記2009」9 / Kaz

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo432.html ≫

【8月29日(土)】

<Alma De Cuba>でのアスプレイズのギグのあと、特に示し合わせたわけではない
が、ブルーマーガレッツやそのファミリー&友人グループと一緒になって、宿へ
と歩いた。
ほとんど到着しかけたところで、「お腹が空いた」という声がちらほら。ちょう
どライム・ストリートの<Crown Pub>が目に入ったので、少し早いけれど夕食に
しようということになった。

このパブは店内が広く、フードメニューも充実している。2階に上がってテーブ
ルについて、みんなでメニューを見る。僕も眺めてみた。フィッシュ&チップス
でもいいし、パスタなんかもいいかも。どれにしよう…。
でも、ごはんを食べるのはやめて、ひとりで宿に戻ることにした。
スカウス・ハウスのお客さんが泊まる部屋の、窓のフレームがゆがんで閉まらな
くなっていて、その修理ができているかどうかが気になっていたからだ。

木曜日から毎日、寮のスタッフに修理してくれるように訴えているのだが、今日
の昼の時点でも直っていなかった。
今朝の話では、「修理の業者が順次直してくれることになっている。昨日間違え
て違う棟を作業していたから、今日はもう一度言っておくよ」ということだった
が…。

お客さんは今日の午後に到着した。今晩からこの寮に泊まる。
しかし窓が閉まらない状態では、夏とはいえこの寒いリヴァプールでは、とても
じゃないが寝られたもんじゃない。暖房はちょろっとしか利かないし、毛布だっ
てない。雨だって部屋に入ってくる。
僕と同じフラットで隣の部屋だから代わってあげることも考えたんだけど、僕の
部屋のベッドや洗面所はもう使ってしまっているので、それもできない。

寮について、建物の下から見上げると、やはりというか、窓は開いたままだった。
修理はできていないのだ。
もう6時を過ぎていて、スタッフのオフィスには鍵がかかっている。もちろん修
理業者の姿も見えない。明日は日曜日で明後日は祭日だから、修理をしてもらう
のはほとんど絶望的だろう。

しかしここであきらめるわけにはいかない。なんとかしなければ。

警備員のおじさんをつかまえて、現状を説明してみた。
おじさんはたいそう同情してくれて、まだひとりだけ残って仕事をしている寮の
スタッフに連絡を取ってくれた。
ほどなくして現れたそのスタッフは、30代前半くらいだろうか。見るからにたく
ましい体つきと、意志の強そうな顔をしている。あちこち駆けずり回っているら
しく汗だくだ。

彼は僕の説明を聞くと、
「そうか、悪かったね。今日の修理で使える部屋がいくつかできたから、移動し
てもらえるかもしれない。ええと、ひとりだけ移動させられればいいのかい? 
それとも4部屋全員?」
「僕と3人のグループだから、できたらフラットごと移動がいい」
「オーケー、ちょっと待ってくれ。探してみよう」

彼は手にした部屋のリストをひとつひとつチェックして行く。
「んん…ここだけだな。1つだけある。ただしマットレスがないかもしれない。
その場合はマットレスごと移動してもらうことになるけど」
「いいよいいよ。窓は壊れてないんだね?」
「壊れてない。でも今から見に行こう」

2人でそのフラットへ。
4つある部屋も、ラウンジも、窓はちゃんと閉まっていた。トイレは流れるし、
お湯も出る。1部屋のマットレスがついていなかったので、彼と一緒に僕の部屋
から運び込んだ。枕とシーツと掛け布団も。

「どうもありがとう。ほんと助かったよ。どうなるかと思ってたけど」
「いやほんと、申し訳ない。でも理解してほしいのは、この寮には2万人も入る
んだが、みんな使い方がかなり荒っぽい。ひどいもんだよ。ちゃんとした修理が
できるのはこの夏休みの間しかなくて、それだけでも難しいのに、Beatle Week
で何千人もここに泊まらせてしまう。だからどうしてもおっつかなくて、いろい
ろと問題がでてくるんだよ。俺たちもベストを尽くしてはいるんだが」
「オーケー、よくわかったよ。感謝してる。残業お疲れさま」
「そうか、ありがとう。やれやれ、俺もやっと帰れるよ」

お客さんに電話で連絡して、部屋が無事に使えるようになったことを伝えた。
3人グループは部屋のことを特に心配していたふうでもなく、アルバート・ドッ
クでお買い物中ということだった。
スカウス・ハウスの名誉リピーターであるYちゃんと、初参加となるAさん&Yさ
ん。
3人が帰ってくるのを待って、新しいフラットに案内した。

お客さんに寒い部屋で寝てもらうことにならなくてほんとうによかった。
かなり際どいところだったけれど、なんとかなるもんだ。でも、もしあのまま
Crownパブでご飯を食べていたら、こうはならなかったかもしれない。

やっとひと息ついたと思ったら、もう7時半を過ぎていた。
ゆっくりしている時間はない。9時からキャヴァーンでブルーマーガレッツの
ギグがあり、8時に彼女たちと寮の下で待ち合わせをしているのだ。

(つづく)

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