November 23 2010, No.438
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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         *** http://scousehouse.net/ ***        


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」 <No.186>
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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リヴァプール大学の敷地内にあるVictoria & Albert Galleryでは、《Astrid
Kirchherr Retrospective》と題された写真展が現在開催されています。
これは、ドイツ滞在中の(デビュー前の)ビートルズに多大な影響を与えた女性
カメラマン、アストリット・キルヒヘルさんの回顧展です。ビートルズの写真は
もちろん、当時のスターたちやリヴァプール一般市民の姿、そしてご自身のプラ
イヴェートな写真や書簡が多数展示されています。
僕がリヴァプール滞在中の今年8月24日、その写真展のプライヴェート・
ヴューが行われたのでミナコさんたちと行ってきました。

会場にはたくさんの人々が駆け付け、ごった返しています。セレモニーが始まり、
アストリットが紹介されて壇上に立ち、挨拶をしました(あっという間に終わっ
てしまい、カメラを構えようとしたら終わってしまいました。残念)。
ビートルズの関係者や、リヴァプールのビートルズ業界および音楽業界に属する
人たちの姿も多数見ることができました。著名人では、アップルのレコーディン
グ・アーティストだったジャッキー・ロマックス、エコー&ザ・バニーメンのイ
アン・マクナブ、ジョン&スチュとフラット暮らしをしていたロッド・マーレー
などが、熱心にアストリットの写真に見入っていました。

アストリットには、1960年にハンブルグで撮った有名なビートルズの写真のシ
リーズがありますが、そのほとんどにいくつもの別テイクがあることには驚きま
した。ほんのちょっとずつ、例えばギターを持つジョンの手の位置が数センチず
れていたりするのです。まるで間違い探しのクイズみたいに。
見慣れたと思っている写真でもあらためてじっくり見るといろんな発見があるも
のですね。

会場には、マイク・マッカートニーさんの姿もありました。
マイクさんとすっかり顔なじみのミナコさんに紹介してもらって、僕も初めて会
うことができました。
わざわざ言うまでもないと思いますがマイクはポール・マッカートニーの弟です。
また、主に1960年代に活躍した音楽と文学とお笑いのグループ<スキャッフォル
ド>のメンバーでもありました。僕はスキャッフォルドが大大大好きで、「いつか
マイクに会いたい」という願いが、今回やっと叶うことになりました。実は今ま
で何度かチャンスはあったんですが、どれもがタイミングが悪く、実現しなかっ
たのです。

マイクさんはビートルズのイヴェントにはまず登場しないのですが(そういえば
今年のBeatle Week、リヴァプール大聖堂でのコンサートでは、企画の初期段階
ではゲストとして名前が挙がっていたのですが、きっと本人の了承がとれなかっ
たんでしょう。最終的には名前は消えていました)、アート関係のイヴェントに
はよく来るそうです。その関係でミナコさんはしょっちゅう会ってて珍しくも
何ともない様子でしたが、僕はさすがに冷静ではいられず、かなり舞い上がって
しまいました。感激しました。

「日本に行ったことは?」と訊いたら、「いや、行ったことないんだよ。行きた
いとは思ってるんだけど」と答えたあと、「うちの兄貴は行ったけどね。あのと
き空港でスーツケース開けなきゃよかったのにねえ」とひと言。
1980年の1月にソロ(ウィングス)として初来日したポールは、成田空港に着
いてすぐにマリファナ所持で逮捕されてしまったのですが、そのことを言ってい
るんですね。
もちろんみんな大爆笑。自虐的な、というか、身内の恥ずかしいネタで笑いをと
るのはさすがでした。

個人的には、今夏のリヴァプールでのいちばんの収穫かもしれません。
また会えたらいいなあと思います。次はどんなジョークが聴けるのかな。

                          ― Kaz(23/11/2010)


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▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第186号 / Long Night & Christmas Switch On 2010 ―

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish186_photo.html ≫

こんにちは。
11月も後半に入り、暴風で枯葉も一掃され、気温も最高気温が10度を超える日
がほとんどなく、すっかり冬です。

9月に始まったリヴァプール・バイエニアルもあと一週間で閉幕となります。
街はクリスマスとバトンタッチし、デパートでのクリスマス商戦が本格化しただ
けでなく、週末になるとアート・クラフト・マーケットなどもあちこちで見られ
るようになりました。

今週はまずは11月18日に行われた《Long Night》から。
近年恒例となった秋の夜長のカルチャーイベントですが、なんと今年は90もの
参加イベントがありました。
寒さが厳しく、午後4時でも薄暗いこの頃、ついつい夕方は家に閉じこもってし
まいがちですが、こんな風に街に繰り出して、各会場やストリートで待ち受けて
いる楽しいアクティビティーやハプニングやを見て周ると、気分も高揚して温か
くなった気持ちになれます。

この日私たちはまず、Bombed Out Churchの愛称で知られるSt Luke's Churchに
寄り、リヴァプール生まれのアーティストTony Phillipsが夏のあいだこの場所
で制作した<Temple to the Sacred Automobile>、そしてCarolyn Shepherdの
<Survival>と名づけられた炭でできたオブジェ、それを囲むように展示された
Fab Collectiveの写真展を鑑賞。まさにトワイライトとカラフルな照明が不思議
なムードを演出していました。

その後、地元のアーティスト集団やアトリエグループが共同運営しているThe
Cooperativeのギャラリーへ向いました。場所はRenshaw StreetのRapidのペン
キショップ跡地で、バイエニアル期間中、異なるアーティストたちが週変わりで
展覧会を開催しています。

この週は<SoundNetwork Hackspace>で、去年バイエニアルがブートル地区の運河
沿いで行ったコミュニティーイベントで使われたスワンボートを買い取り、
「ハッキング」してデジタルアートのインスタレーションとして変身させました。
ノートパソコンで絵を描くと、その模様が白鳥の本体に映し出され、クチバシに
取り付けられた金属のフックに触れるとランダムなサウンドを発します。またペ
ダルを漕ぐと目が光り、インタラクティブで面白い作品でした。
SoundNetwork: http://soundnetwork.org.uk/

ブートルからギャラリーまで運搬されるまでのドキュメンタリー(?)映像がこ
ちらから見られます。
http://blip.tv/file/4390655

道を渡って、元マージービートのオフィスだったスペースを現在アーティストが
ショップとして運営する、Octopiへ。まだディスプレイの準備をしている最中
だったのですが、お店に入るとマジシャンがカードやお札を使ったトリックで楽
しませてくれました。

Long Nightのハイライトの一つ、《Sound Relay》が行われました。
これはリヴァプールのレジェンド的バンドa.P.A.t.T.とEnsemble 10/10が率い
るその名の通り、音のリレーで、Philharmonic Hallからスタートし、音楽を演
奏しながらFACT、Bluecoatに立ち寄り、終着点Tate Liverpoolまで向うという
もの。
Sound Relayのメンバーがホールのロビーの四方八方に散らばり歩きながら難解
な即興音楽を繰り広げました。

通常通りロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニック・オーケストラのコン
サートが行われていたので、ロビーで開演を待っているあいだのクラッシック
ファンのリアクションも少し楽しませてもらいました。
異なる位置から聞こえてくる音ですが、決まった楽譜やメロディーがないにもか
かわらず、互いの音をチューニングしながら奏でているからか、心地よいサラウ
ンド体験でした。
a.P.A.t.T.: http://www.apatt.com/

Philharmonic Hallを出て、Hardman Streetを下り、FACTまで一緒に歩いてさよ
ならしました。
その後、シティーセンターから少し離れた、Cainsの醸造所の向かいにある
Arena Studio & Galleryへ。
ここでは、アトリエのメンバーがなんとチッピー(フィッシュ&チップショッ
プ)風のイベント、《Take Away Art》が行われていました。
6畳くらいの小さなギャラリースペースには、ダンボールで作られたチッピーの
カウンターが置かれ、アーティストの作品が2ポンドでお持ち帰りできるという
もの。しかも作品には発泡スチロールでできたチップスも付いています。
この面白いアイディアとお手軽さで、ひっきりなしに「お客さん」が訪れ、どん
どんソールドアウトに近づいていました。
Arena Studios & Gallery: http://www.arenastudiosgallery.com/

そこからA Foundationに向かう途中に、Under The Mudバスを発見。
《Under The Mud》は、リヴァプールの映画製作会社のHurricane Filmsがプロ
の俳優と映画経験ゼロの若者を巻き込み、ガーストンおよびスピーク地域で撮影
した、ドタバタ、ドキドキハラハラ、でも心温まるファミリーが綴る「リヴァ
プール・フェアリーテイル」です。
ハリウッド・フィルム・フェスティバルにも出展され、英国全国紙ガーディアン
でもなかなか良いレビューが書かれました。
バス会社Stagecoachの好意でUnder The Mudバスが今でも街中を走っており、
このLong Nightでは、3345Parr Streetでの上映会&シティーセンターのバス
ツアーを行っていました。
Under The Mud: http://www.underthemud.com/

夜10時ごろ、私たちの最終目的地A Foundationに到着。盛り上がるにはまだ
ちょっと時間が早かったようですが、ギャラリーにはバイエニアル期間中、展覧
会&パフォーマンスを行っている阿部幸子さんがいて、リヴァプール・バイエニ
アルのCEOのLewis Biggsに、「紙切ってみますか?」とアプローチし、突如
カット・ペーパーズのワークショップ状態に。
その後私や旦那もトライしてみましたが、難しい! 真っ直ぐ細く切るのも難し
いですが、それ以上に紙のもち方が非常に難しかったです。

A Foundationを出ると、映写機を搭載した移動型プロジェクションプロジェクト
Reverse The Waveのチームが、A Foudationのシャッターに映像を映し出してい
ました。
Reverse The Wave: http://reversethewave.blogspot.com/

私たちが帰る頃には摂氏5度程度の寒い夜でしたが、楽しいLong Nightとなり
ました。

Long Night 2010: http://www.culture.org.uk/articles/show/371?type=News

私たちが周れなかった会場の様子は、Mark McNulty大先生のフォトブログでもご
覧になれます!
http://www.mcnulty.co.uk/2010/a-long-night/

♪ ♪ ♪

同じく11月18日、シティセンターではこちらも恒例のクリスマス・ライト・ス
イッチ・オンが行われました。
リヴァプールの目抜き通りChurch Streetは、コスチュームに身を纏ったブラス
バンドや、雪の女王、ランタンでできたオオカミや紙芝居などのパフォーマンス
で彩られていました。
そしてスクリスマスツリーの前で、雪の女王とリヴァプール市長や市議会リー
ダーと子供達が集まり、街じゅうのクリスマス・イルミネーションがオンになり
ました。
辺りはパッと明るくなり、人工雪が舞い、キラキラとしたシティーセンターに大
変身しました。

今年もクリスマス間近の12月16日までの毎週木曜日、シティセンターではクリ
スマス・キャロルやブラスバンドに加えてストリートシアターが展開されます。
《Christmas animation programme》と題したこの一連のイベントは、街に華や
かさと躍動感と笑顔をもたらすこと間違いなしです!

Christmas Animation Programme:
http://www.visitliverpool.com/site/whats-on/search/city-centre-animation-pro
gramme-p251621

♪ ♪ ♪

【今週の告知】
11月27日(土)St.Georges Hallにて、去年大盛況だった《Winter Arts
Markets》が行われます。120ものストールが出店予定です。10時から5時まで。
入場料:1ポンド。
http://www.culture.org.uk/articles/show/381?type=News

12月9日は、ジョンレノンの命日。Echo Arenaでは、没後30年追悼コンサート
《John Lennon Remembered》が開かれます。
出演ラインアップは、ジョンの最初バンドThe Quarrymen、ハンブルグ時代のメ
ンバーで<My Bonnie>のボーカリストTony Sheridan、アートスクール時代の同
級生でマージービート紙編集長Bill Harry、ビートルズのプレス・オフィサー
で元アップル社のCEOだったTony Bramwell、Badfingerのギタリストで
《Imagine》のレコーディングにも参加したJoey Molland、ニューヨーク時代の
ジョンのレコーディングを数多く手掛けたエンジニアDennis Ferrante、舞台
《John Lennon - In My Life》でジョン役を演じるリヴァプール出身の俳優
Mark McGannなどが登場します。
詳細はこちらから。
John Lennon Remembered:
http://www.echoarena.com/whats_on/lennon_remembered.asp

それでは!

ミナコ・ジャクソン♪

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish186_photo.html ≫


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▽スカウスハウス・ニュース
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*** Beatle Week 2011:出場バンド募集について ******
2011年の<インターナショナル・ビートル・ウィーク>出場バンドの募集は終了
しました。


*** スタジアムへ行こう! ******

リヴァプールでのフットボール観戦をご希望の方は、ぜひお任せください!
フットボール・ファンのためのプライヴェート・ツアーもご用意しています。
詳細は、ウェブサイトの「スタジアムへ行こう!」ページをご覧ください。
http://scousehouse.net/football/stadium2010-11.html 


*** 新ガイドツアー「ロンドン特別編」スタート ******

好評のビートルズ・ツアーに加えて、ロンドンでのウォークツアーを2コース、
新しくスタートさせました。シャーロック・ホームズゆかりのスポットを案内す
る「ホームズ・ツアー」と、ちょっと怖い「ロンドン・パブ・ツアー」です。
ディープなロンドン体験をぜひ!
http://scousehouse.net/beatles/guidetour_london2.html 


*** リヴァプール語学留学 ******

スカウス・ハウスは、リヴァプールへの語学留学をサポートしています。
公立のリヴァプール・コミュニティ・カレッジに加えて、今年より、私立の語学
スクールLILAとも提携しています。
長期でじっくり学べる学生の方にはコミュニティ・カレッジを、まとまった期間
を留学に充てられない社会人の方にはLILAをおすすめします。
スカウス・ハウスには、リヴァプール留学に関する専門知識や経験を持つスタッ
フが、日本とリヴァプールの両方に常駐しています。入学前はもちろん、入学後
のサポートについても安心してお任せください。
http://scousehouse.net/study/index3.htm 


*** ビートルズ・ガイドツアー ******

リヴァプール&ロンドンのビートルズゆかりの地を訪ねるガイドツアーをアレン
ジしています。ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧
ください。
http://scousehouse.net/beatles/guide_liverpool.htm 
http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm 


*** 原稿募集中 ******

NLWでは、読者のみなさんからの投稿を募集しています。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは英
国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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*** 今週の「ゴールドフィッシュ」フォト ******

ミナコさん撮影による素敵な写真をたくさんたくさん掲載しています。ぜひご覧
ください。
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish186_photo.html


*** 今週のフォト・アルバム ******

Victoria & Albert Galleryでの《Astrid Kirchherr Retrospective》プライ
ヴェート・ヴューの写真を掲載しています。
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo438.html 


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