February 08 2011, No.447
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」 <No.190>
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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フィンランドに行ってきました!
前号でお伝えしたとおり、女性ビートルズ・トリビュート・バンド<ザ・ブルー
マーガレッツ>の公演に同行したのです。
何もかもすべてがうまく行って、素晴らしいツアーになりました。

冬の北欧ですから、寒いのが当然ですよね。
出発前の天気予報では、最高気温がマイナス11℃とかになっていて、想像した
だけで凍りつきそうだったのですが、実際に行ってみると…あらあら不思議、日
中はマイナス2℃〜プラス2℃というあたたかさでした。夜の冷え込みもほとん
どなくて、普通に出歩いてもぜんぜん平気なのです。僕らの滞在中はずっとそん
な感じでした。

「酷寒に耐えられるかなあ…どきどき」という気分でフィンランド入りしたので、
なんだか拍子抜けではありました。
フィンランドの天気の神様が、わざわざ我々のために手心を加えてくれたのかも
しれません。とすれば文句を言ったら罰があたりそうですが、でも、せっかくだ
からマイナス10℃とか20℃を体験してみたかったなあ…。果たして耐えられた
のかと問われればちょと自信はありませんが。

ブルーマーガレッツは、フィンランド第2の都市・タンペレで行われた<Tampere
Beatles Happening>フェスティヴァルに招待されて出場しました。
主催者からの熱烈なアプローチに応えてのエントリーです。ウケないはずはない
とは思ってたのですが、想像以上の大旋風となりました。会場にいるあらゆる人
が、彼女たちのファンになってしまったんじゃないかと感じたほどです。リヴァ
プールでも超人気者になったけれど、タンペレでも同じ光景が繰り返されて、僕
も誇らしい気持ちになりました。

とはいっても、ブルーマーガレッツはメインアクトではありません。
彼女たちのほかには、スーパー級のバンドが2つ招待されていました。英国の
<オーヴァーチュアーズ>とアメリカの<アップル・ジャム>。どちらもまぎれもな
く世界トップ・レヴェルです。冷静にステージだけ観ると、まったく問題になら
ないくらいに差があります。
実際、ブルーマーガレッツのあとにオーヴァーチュアーズが登場したとき、「う
わーすごいや。こりゃあダメだな…」と圧倒されてしまいました。
ブルーマーガレッツには悪いけれど、オトナとコドモ、プロとアマチュア、先生
と生徒ほどのギャップがあったのです。

でも、でも、でも、です。
不思議なことに、全体的にはちゃんと勝負になっているのです。オーディエンス
に伝わるエモーションは、同じくらいか、ひょっとしたらそれ以上のときもある
かも、と思いました。
加えて、庶民的な親しみやすさと、若い女性ならではの健気さが、多くのファン
の心をがっちりとつかんだのでしょう。ステージの後は次から次へと、彼女たち
に会いに来る人が後を絶ちませんでした。「君たちがベスト・バンドだよ!」と
声を掛けてくれる人のなんと多かったことか。たとえリップ・サーヴィスだとし
ても、うれしいものですよね。

そうそう。信じられない、というか、おそれ多いことに、オーヴァーチュアーズ
もアップル・ジャムも、どちらもブルーマーガレッツを大絶賛、すっかりファン
になってしまったこともうれしいハプニングでした。
なんとステージでの共演も実現してしまって、そのときは彼女たちよりも彼らの
ほうが何倍も楽しそうだったんですから、ほんとうにたいしたものです。
がんばったね、ブルーマーガレッツ。

僕はといえば、行くまではすっかり観光気分、ただ一緒にいてのんびり遊んでい
ればいいんだなと思っていたのが大間違いで、スケジュール管理から通訳からス
テージでの撮影からなにから、いっぱいいっぱい「仕事」をすることになってし
まいました。
まるでリヴァプールの<ビートル・ウィーク>そのままの日々になってしまったわ
けですが、これがまた楽しくて楽しくて、忙しいながらもめいっぱい充実した3
日間でした。連日朝方にホテルに帰るというハードさだったのに、疲れなんてぜ
んぜん感じなかったほどです。寝不足にはなったけど。

ブルーマーガレッツと現地コーディネーターのユーハさん、<タンペレ・ビート
ルズ・ハプニング>の関係者のみなさん、オーディエンスのみなさん、そして美
しくてあたたかいタンペレの街に、心から感謝します。
どうもありがとう!

                          ― Kaz(08/02/2011)


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▼特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第190号 / David Jacques, Museum of Liverpool, CNY 2011 ―

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish190_photo.html ≫

こんにちは。
2月に入り、まだまだ肌寒く、風の強い日が多いリヴァプールですが、どこかし
ら春の空気が感じられるようになりました。

今月から、2011年リヴァプール・シティ・オブ・ラディカルズが本格的に開始し
ました。街中にも、リヴァプールで各分野で活躍したラディカルな人物のバナー
があちこちで見られます。

<The Ragged Trousered Philanthropists>の著者で社会主義者のロバート・ト
レッセル没後100周年の記念行事が2月3日に市内数ヶ所で行われました。

その一日前の2月2日には、リヴァプール出身の社会派アーティスト、デヴィッ
ド・ジェイクスによるトレッセルへのトリビュートで、屋外に掲げられた23
メートルx6.5メートルの巨大なバナー(横断幕)作品、<The Great Money
Trick>が87−95デイル・ストリートでお披露目となりました。
これは、トレッセルの小説のなかの同名の章題から引用されたもので、この章で
はワーキングクラスの主人公フランク・オーウェンが例え話を交えながら、資本
主義のシステムがどのように労働者階級を搾取しているかを同僚に解説する場面
が描写されています。
この作品では、百年以上経った今なおこのシステムが続いていることを示してい
ます。

横断幕のインスタレーションから程近くにあるウォーカー美術館でもデヴィッ
ド・ジェイクスの作品のオリジナルが間近で見られます。
デヴィッドは、昨年のリヴァプール・アート・プライズで大賞を受賞し、その副
賞としてウォーカー美術館での展示が約束され、今回実現に至りました。

同じくバナーシリーズで、こちらは1911年のリヴァプールで繰り広げられた交
通ストライキのテーマに関連した作品、<The Irlam House Bequest>です。
古いもので16世紀にまでさかのぼる様々な労働組合のプロテスト用のリーフレッ
トのレプリカに、デヴィッドの手描きのレタリングやドローイングが施された作
品には、架空のストーリーが添えられています。
ブートル地区にあるアーラム・ハウスという高層住宅の一室で、破壊的活動を支
持する横断幕工房が発見され、残された多数の横断幕のデザインに秘められた謎
を、博物館の修復保存部門の研究員が解き明かしていくというものです。

デヴィッド・ジェイクスは、この秋にもブルーコートで行われるシティ・オブ・
ラディカルズに関連したグループ展にも参加予定で、今年最もホットなアーティ
ストです。

この展覧会は、4月3日まで続きます。入場無料。

<ウォーカー美術館(Walker Art Gallery)>
 住所: William Brown Street, Liverpool L3 8EL
 電話: 0151 478 4199
 ホームページ:
  http://www.liverpoolmuseums.org.uk/events/displayevent.aspx?eventID=4222&venue=2

 デヴィッド・ジェイクス(David Jacques): http://davidjacques.co.uk/

この展覧会もシティ・オブ・ラディカルズのプログラムの一環となっています。
シティ・オブ・ラディカルズ、ホームページ(工事中):
http://www.cityofradicals.co.uk/

2011年シティ・オブ・ラディカルズのイベント情報はこちらから:
http://www.larc.uk.com/news/liverpool-city-of-radicals-

♪ ♪ ♪

ピアヘッドに建設中のミュージアム・オブ・リヴァプールに、久しぶりに中を覗
きに行ってきました。
まだ骨組みだった状態から3年(ゴールドフィッシュ116号
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish116_photo.html )、そして昨年の夢
のようなディナーパーティー《A Night At the Museum》(ゴールドフィッシュ
172号 http://scousehouse.net/goldfish/goldfish172_photo.html )からほぼ
1年経ち、現在ミュージアムでは展示品の設置作業が急ピッチで進められていま
す。
今回は、ヘルメットと黄色の安全ジャケットを着用して、裏玄関から入ってス
タートしました。

<The Great Port>と呼ばれるセクションでは、ほんの小さな入り江からスタート
したリヴァプールが、入り江から世界でも屈指の貿易港に発展するまでを辿り、
初期の運河建設や鉄道、港湾技術、産業革命などに関する展示となります。
「ドッカーズ・アンブレラ」と呼ばれて親しまれた高架鉄道リヴァプール・オー
バーヘッド・レイルウェイの車両がすでに設置されていました。

同じ階には、6歳以下の子供向けのセクション<Little Liverpool>があります。
そして<Global City>という、リヴァプールと海外の都市とのリンク、特に大英
帝国時代のリヴァプールの役割についての展示となります。
その他、192席のシアターが設置されます。

階段を上がると、高架鉄道が間近に見られます。それ以外は、まだ何もなかった
ので、イメージが湧きにくかったのですが、このフロアにはリヴァプールの歴史
を探る<History Detectives Gallery>と<City Soldiers Gallery>となります。

最上階のアルバートドック側のスペースは、<Wonderous Place>という、リヴァ
プールで活躍した詩人、小説家、ミュージシャン、パフォーマー、アーティスト、
コメディアン、スポーツ選手などをフィーチャーしたエリアです。
もちろんビートルズのメモラビリアが展示されるスペースもあり、またジョン・
レノンとポール・マッカートニーが初めて出会ったセント・ピーターズ・チャー
チのチャーチホールの舞台が設置される部屋は、映像コーナーとなります。
フットボールのエリアにも映像コーナーが造られ、その他、エヴァトンFCが誕
生し、その後リヴァプールFCが設立されたという歴史舞台となったサンドン・
パブが復元されます。

スリー・グレイシスの見える大きな窓のあるスペースが、<People's Republic>
と呼ばれるセクションで、ここではリヴァプールの市民の生活や社会、政治に
フォーカスを当てます。
昔ながらの家屋が再現されるエリアや、メトロポリタン大聖堂の当初の模型まで
が見られました。

また<Skylight Gallery>には、アーティストのベン・ジョンソンの描いたシ
ティースケープや、マイク・マッカートニーの写真が展示されることになってい
ます。

今年の秋ごろにオープンと噂がささやかれていたこのミュージアムですが、今年
の7月にオープンという公式発表がありました。二段階に分けてのオープンとな
り、7月には75%が、そして残りは今年末に完成予定とのことです。
本当に楽しみです! 

詳細は、こちらのホームページから。

ミュージアム・オブ・リヴァプール: http://www.liverpoolmuseums.org.uk/mol/

♪ ♪ ♪

新年快樂!
今年の春節(旧正月)の元旦は、日本の節分と重なりましたが、リヴァプールで
の旧正月のお祭りは、2月6日(日)に行われました。
雨こそ降りませんでしたが、かなりの強風のなかでの開催となりました。
例年よりも見物客はちょっと少ない感じもしましたが、力強い太鼓の音と、カラ
フルなドラゴンやライオン、ユニコーンが舞って賑わいました。

ウサギ年が皆さんにとって飛躍の年となりますように。

♪ ♪ ♪

【今週の告知】
その1;
2月11日(金)から13日(日)まで、C.U.C.(Contemporary Urban Centre)
にて、《シュレシホールド・フェスティバル(Threshold Festival)》が開催され
ます。
一つ屋根の下、3日間、12のステージで、200以上のアクト、160バンド・
ミュージシャン・DJ、アート、フォトグラフィー、パフォーマンス、映画、ダン
ス、ファッション、食べ物などでてんこ盛りになる模様です。
http://thresholdfestival.co.uk/

その2;
2月14日から3月20日まで、《リヴァプール・ディスカバーズ(Liverpool
Discovers)》と題して、リヴァプール、ウィラル、セント・へレンズの街に、パ
ブリックアートが出現し、それぞれの街の謎を解き明かします。
リヴァプール市内には、10のテーマに関わる立体作品が点在します。なかでも、
Liverpool ONEのヒルトンホテル前の街灯が、なんとジュークボックスに変身す
るとのことで、楽しみです!
また、ホワイトチャペルおよびウィリアム・ブラウン・ストリートの街灯には、
22名のリヴァプール・グレイツ(偉人)の肖像画が飾られます。
http://www.liverpooldiscovers.co.uk/

それではまた!

ミナコ・ジャクソン♪

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish190_photo.html ≫


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レコード・コレクターのみなさん、お待たせしました!
ウェブサイトの「英国盤レコード」通販ページを更新しました。
オーダーをいただけるとうれしいです!
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*** Beatle Week 2008 紹介ページ ******

ウェブサイトに、2008年の<ビートル・ウィーク/スカウスハウス・ツアー>の
紹介ページを作りました。今は2011年ですが…遅くなってすみません。
これを機に、メールマガジン連載作品のアーカイヴ化を進めて行きます。お楽し
みに!
http://scousehouse.net/beatleweek/scousetour2008.html


*** スタジアムへ行こう! ******

リヴァプールでのフットボール観戦をご希望の方は、ぜひお任せください!
フットボール・ファンのためのプライヴェート・ツアーもご用意しています。
詳細は、ウェブサイトの「スタジアムへ行こう!」ページをご覧ください。
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*** 新ガイドツアー「ロンドン特別編」スタート ******

好評のビートルズ・ツアーに加えて、ロンドンでのウォークツアーを2コース、
新しくスタートさせました。シャーロック・ホームズゆかりのスポットを案内す
る「ホームズ・ツアー」と、ちょっと怖い「ロンドン・パブ・ツアー」です。
ディープなロンドン体験をぜひ!
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スカウス・ハウスは、リヴァプールへの語学留学をサポートしています。
公立のリヴァプール・コミュニティ・カレッジに加えて、今年より、私立の語学
スクールLILAとも提携しています。
長期でじっくり学べる学生の方にはコミュニティ・カレッジを、まとまった期間
を留学に充てられない社会人の方にはLILAをおすすめします。
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フが、日本とリヴァプールの両方に常駐しています。入学前はもちろん、入学後
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NLWでは、読者のみなさんからの投稿を募集しています。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは英
国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▼今週のフォト
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*** 今週の「ゴールドフィッシュ」フォト ******

ミナコさん撮影による写真を掲載しています。ぜひご覧ください。
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*** 今週のフォト・アルバム ******

フィンランド<タンペレ・ビートルズ・ハプニング>フェスティヴァルでのブルー
マーガレッツの写真を掲載しています。
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