February 15 2011, No.448
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼寄稿:「日々の暮らしが変わる旅もある!」(3)
 ▽「たんぺれたろう日記」(1)
 ▼NLW通販
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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今週から、新連載「たんぺれたろう日記」をスタートさせます。
ブルーマーガレッツのフィンランド遠征の同行記です。先週のこの欄で感想を書
きましたよね。あれで終わりにするつもりだったのですが、あまりにも楽しく充
実したツアーで、伝えたいエピソードがいっぱいあるので、詳しいレポートにし
てみることにしたのです。しばらくお付き合いください。
記憶の新しいうちにざざっと書いて、ぱぱっとお伝えしますね!

今年の初めから連載している「利物浦日記2010」はしばらくお休みにします。
「たんぺれたろう日記」が終了次第、再開させますね。楽しみにしてくださって
いるみなさん、ごめんなさい!

                          ― Kaz(15/02/2011)


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▼寄稿:「日々の暮らしが変わる旅もある!」(3)
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「日々の暮らしが変わる旅もある!」 / Anne

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo448.html ≫ 

■第8話《火山が噴火って???》■

季節も暖かくなり始めて旅行の日も近づいてきました。
飛行機の座席もネットで押さえたし、いつものリモアのスーツケースも予約完了。
前回からレンタルするスーツケースの色は同じ色に決めました!
だって、ロストバッゲージの時用の写真を使い回し出来るでしょ!
撮影し直す必要がないってこと(^Q^)/

「あれ? 観戦チケットの準備をしてないよ!」
今回はサポーターズクラブの観戦ツアーと言うことで、チケットはクラブで手配
して頂けることになっています。
ツアーといってもこうして航空券、ホテルの予約は自分の可能な日程でするんで
すけどね。
リヴァプールを訪ね慣れているサポーターズクラブの方たちと一緒の観戦は楽し
みです。

まだまだ随分先のことと思っていた半年という月日もいつしか過ぎて、いよいよ
出発まで1ヶ月を切りました。
出発の為の準備も整ってきた2010年4月16日のことです。
アイスランド南部で火山の噴火のニュース。

「ふ〜ん!('〜' )」
最初はその程度の反応だった私。
でもそのうちにニュースでは
「空港の閉鎖!」
航空機の故障を防ぐため「フライトが中止!!!」

「まあ、まだ出発までには半月あるしね(^◇^;)」
でも中々終わらない火山の噴火。
だんだんニュースが気になりだして、ついにKLMオランダ航空のホームページも
チェック!
なのに肝心の噴火に関する新しい情報は英語のサイト!
不安でどんどん余裕がなくなって来ちゃっています(-。-;)

予約したホテルは、宿泊日の4日前までキャンセル料は無料ってのは心強いです
ね。

「まだ、大丈夫だよ! 焦るな・・・焦るな( ̄□ ̄;)!!」
自分に言い聞かせている日々です。

一緒に観戦するサポーターズクラブの方々からの連絡はありません。
みなさん出発までお仕事が忙しいんでしょうね。

KLMのコールセンターに電話してみよう!
お昼休みを利用してコールセンターにかけてみました。

「ずっと話し中! 通じない・・・(°°;))。。」

「そうだよね〜。すでに移動出来なくて足止めされちゃってたり、私以上に困っ
てる人はたくさんいるはずだよ(゜゜;)\(--;)」


■第9話《インターネットチェックインしちゃった!》■

皆さんもご存じのように、何とかゴールデンウィーク前までにはフライトも通常
運行になりました。

「(;^_^Aふう〜!」

さあ、今日は出発の日。
09−10シーズン開幕の時から観戦を決めていた試合。
だから本当に待ち遠しかった出発の日です。

フライトはKLM。成田13時30分発アムステルダム行き。
初めてネットでチェックインなんてこともしてみました。
今回はゴールデンウィーク中の出発。よくニュースになりますよね。成田空港の
出発ロビーに長く旅行者が並ぶピーク時の映像。
「あんな光景の中で並びたくない(+。+)」
「よし! 自宅でチェックインをしてから成田に行こう!」

よく分らないまま、とにかく指示に従ってページを進んでいきます。
そしてページをプリントアウト!
「空港へ行ったらなんとかなるでしょ! だって、まだ日本なんだもの(^◇^;)」

いつものようにリムジンで成田空港へ到着。航空会社のカウンターには人の列。
今回は機械でチェックインしなくて良いはずだよね。
「どうしたらいいんだろう・・・(゜-゜)」
チェックインを印刷した用紙を手にキョロキョロ。
するとKLMのスタッフの方が気が付いて指示してくれました。

「わあ!!! 誰も並んでない!!!」
そうなんですよ〜! チェックインしていくとスーツケースを預けるカウンター
も他の列。
並ぶ必要がない!
何だかちょっと「旅慣れている」って感じ<(`^´)>
ゴールデンウィークだと言うのにとってもスムーズ。
「嬉しいわあ!!!」

こうして旅を重ねるごとに新しいことを覚えていきます。
「『自分で準備をする』それは経験出来ることも多いんです( ̄^ ̄)!」


■第10話《やっぱりハイネケンだよね!》■

さあ、ブルーの翼の航空機に搭乗して、いよいよ離陸。
今回のフライト中の楽しみは2つ!(^O^)y

一つ目は離陸してすぐに配られますよ!
「当り!!!」
オランダの航空会社だもの。
「きっとハイネケンが飲める!」って期待していました。
前回のエールフランスではシャンパンでしたよね。
「お〜! 思った通りハイネケン!!!」
「さあ、旅が始まるよ〜! 乾杯(^O^)/C□☆□D\(^_^ )」

そして二つ目は機内食!!!
「私ってやっぱり色気より食い気(^_^。))?」
「アジア発着便の特別食が用意されている」ってホームページには書かれていた
よ。
「日本発着便はもちろん日本食だよね。」
それもホテルオークラ・アムステルダムの和食レストラン『山里』の総料理長が
考案したメニュー。
「本格的な日本食らしい!('〜' )/」

機内食ってあまり期待出来ないよね。今回はそんな訳で凄い期待!
何しろKLMって欧州系航空会社として初めて日本人客室乗務員を搭乗させた航空
会社らしいし!
何だか日本への便が大切にされている感じがして嬉しくなっちゃいました。

客室乗務員の方が食事を運んできましたよ。
和食か洋食か聞かれます。もちろん迷わずに選択。
「和食をお願いしま〜す!!!」
テーブルに置かれた食事を見ると、
「わあ! 本当に見た目もきれいな和食弁当!」
でも、頂く前に喜ぶのは禁物。まずは頂いてみないと・・・

ご飯はゆかりがかかっていたり、薄味の肉じゃがやアナゴときゅうりの酢の物
だったり、
「本格的な和食だ〜ρ(*^_^*)ρ」
まだ往路の機内なのにすでにこんなに喜んじゃっている私!
食後のおやすみタイムにはアイスクリームなんかも頂いちゃいました。
「大満足(*^.^*)」
食事は期待以上。だって海外で頂く日本食って
「これって日本食じゃないじゃん!」って驚くようなものに出会ったりするもの
ね。

そんなKLMにもかなり残念なことが・・・
個別のモニターが無くて退屈(〜O〜)
「早く新型の航空機にしてくださいね。KLMさん!!!」


■第11話《続いて楽しみなスキポール空港》■

アムステルダム・スキポール空港に到着まぢかになって来ましたよ。
第2話の《ずっと気になってたあのことも実現?》で書かせて戴いたように、
「とても使い勝手の良いハブ空港」として評価が高いスキポール。
英語が出来ない私にとって、乗り継ぎがあるのってとても心配なんですよね。
「広い空港でターミナル移動とかあったらどうしよう・・」
「迷っちゃいそうだよ〜(゜-゜)」
パリのシャルルドゴール空港では、ただただ表示に従って歩いて到着。
自分がどう移動しているのかなんて分らないまま歩いていたよ!

無事にスキポール空港に到着!
飛行機を降りて乗り継ぎゲートの確認。
さあ表示通りに進みましょ!
到着、出発、乗り継ぎが同じターミナル。
ゲートを出てラウンジを移動。初めてでも凄く簡単\(o ̄∇ ̄o)/
移動し易くてすぐに乗り継ぎのゲートに到着しちゃった!
時間が余り過ぎちゃったけど、空港内がとても単純で分り易い。
「だから心配しないで!」
初めてでもウロウロ出来ちゃいます。
到着も出発も同じだから、帰国するときなんかもう慣れた空港って感じだね!

「わあ! SUSHI BAR」って書いてある。
近づくと日本人の板前さんが握ってるよ!
マグロのにぎり寿司。アサヒスーパードライ。醤油はヤマサ。日本茶もある!
「食べてみた〜い(*^¬^*)」
「いやいや、まだ成田を12時間前に飛び立って来たばかりだよ(^^;;」
ここのお寿司は帰国する日までお預けってことにしましょうね。
「帰国が待ち遠しい!」
あらヾ(´▽`;)ゝ?もう帰りの楽しみが出来ちゃいました。

(つづく)

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▽「たんぺれたろう日記」(1)
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「たんぺれたろう日記」1 / Kaz

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【1月27日(木)】

2011年1月27日、午後5時。
我々ブルーマーガレッツ一行は、ヘルシンキからタンペレへ向かうチャーターバ
スの中にいる。
東京からヘルシンキに着いて、バスに乗り込んだのは1時間前。そのときはまだ
空は明るかったが、ほんのわずかの夕暮れを挟んで、今やすっかり夜である。
高速道路の両サイドに見えるのは、針葉樹の林と、だだっぴろい農場、そしてそ
の中に点在する一軒家だ。すべてが雪で覆われていて、青白く浮かび上がるその
景色がとても美しい。
フィンランドといえばサンタクロースの国。サンタさんは季節外れで無理として
も、林の隙間からトナカイさんの姿が見られるかもと期待したが、残念ながらそ
の気配すらない。きっとみんなもうお家に帰ってしまったのだろう。

コーディネーターのユーハさんの説明がひととおり終わり、さっきまではしゃい
でいたメンバーたちもさすがに疲れたらしく、それぞれの席で静かに休んでいる。
同行カメラマンの森田さんも、まわしていたヴィデオレコーダーをたたんでバッ
グにしまった。誰も聞いてくれる人がいなくなったので、僕もくだらない冗談を
言うのをやめた。ちょっと退屈。通路を挟んだ向こう側に座っている通訳のミル
カさんも同じく退屈そうだ。せっかくだから話しかけようかと思ったが、彼女の
あまりの美しさに気後れしてしまって、それもできない。駄目だなあ、おれ。
仕方がないので、窓外の変わり映えのしない景色をぼんやり眺めて過ごすことに
した。タンペレにはあと1時間くらいかかるという。

なぜ我々はフィンランドのタンペレを目指しているのか。
そのいきさつは、メールマガジン「リヴァプール・ニュース(NLW)」の第437号、
「フロム・エディター」の項に詳しく書いた。
少し長いけれど、ここに引用しておこう。


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タンペレに行くことになりました。
タンペレ、地名です。「Tampere」と綴ります。ピンとこないかたも多いかもしれ
ませんね。僕もまったく知りませんでした。

フィンランド第2の都市で、レーニン博物館やムーミン博物館が有名なんだそう
です。地図で見ると、大きな2つの湖に挟まれるという変わった地形をしていて、
携帯電話で有名なノキア社のあるノキアはすぐ隣です。
首都のヘルシンキからは170kmの距離で、そのヘルシンキには、日本から飛行機
でおよそ10時間です。

ムーミンの国、フィンランド共和国についても少し書いておきましょう。
北ヨーロッパにあり、スカンジナビア半島と大陸をつなぐような形をしていて、
東はロシア、西はスウェーデンに接しています。
国の教育水準は高く、洗練されたデザインの国として世界的に有名です。氷河で
削られてできた湖が無数にあり、北部のラップランドではオーロラを観ることが
できるそうです。リヴァプールFCのサポーターにとっては、ヤリ・リトマネン
やサミ・ヒーピアの母国としておなじみですね。

ではなぜ、僕がタンペレに行くことになったのか。
答えはブルーマーガレッツです。
このNLWでもすっかりおなじみ、関東で活動する女性4人のビートルズ・バンド
ですが、昨年<インターナショナル・ビートル・ウィーク>に出場したことがきっ
かけとなって、来年1月にタンペレで行われるビートルズ・フェスティヴァルに
招待されたのです。
招待ですから、もちろん旅費と滞在費は向こう持ちです。すごいですよね。

で、彼女たちとしては、バンドの4人だけでは不安だし何かと世話をしてくれる
人が必要、ということで、僕にお声がかかったというわけです。

「カズさんに一緒に行ってもらえるとうれしいなあ。旅費と滞在費は出してもら
えるんですけど」
「へえー、面白そうだねえ。いいよいいよー」
「でもギャラは出ないんですけど…いいですかね?」
「え…? まあいいかあ」
「わーいやったー!」

とまあ、ほとんど何も考えずに2つ返事で引き受けてしまいました。可愛らしい
女性4人に面と向かって頼まれたらしょうがないですよね。ちょうどビールも飲
んで気持ちよくなってたし。

今年の夏のリヴァプールには、タンペレのフェスティヴァルの主催者がブルー
マーガレッツを観に来ていました。
ライヴのあとでミーティングを設け、あらためて正式なオファーをもらい、出場
を約束しました。帰国してからはメールのやりとりで打ち合わせを続けています。
そう、主催者とのコンタクトは、ぜんぶ僕がやっています。もう、乗りかかった
船です。

フェスティヴァルの名前は《Tampere Beatles Happening》。2011年1月28日
(金)と29日(土)の2日間にわたって、「タンペレ・ホール」で開催されます。
スカンジナビア最大のコンヴェンション&コンサート・ホールだそうです。

フェスティヴァルの内容としては、世界のトップ・バンドを招待してのコンサー
ト、フリー・マーケット、シンポジウムなどが予定されているのですが、招待さ
れたバンドというのがすごいです。英国の<オーヴァーチュアーズ>と米国の<アッ
プル・ジャム>がエントリーされていて、もうこの2バンドを観るためだけでも
価値があるんじゃないかと僕なんかは思ってしまいます。ブルーマーガレッツ、
ごめんね。
そのほかにもいろんなバンドが登場するそうで、もしかしたらお隣スウェーデン
のスーパーバンド<ペパーランド>も観られるんじゃないかな…と密かに期待して
います。

タンペレ・ホールのウェブサイト… http://www.tampere-talo.fi/en/
タンペレ・ビートルズ・ハプニングのウェブサイト… http://www.beatles.fi/

1月のタンペレの気温はマイナス20度だそうです…。
いったいどんな寒さなんでしょうか、想像すらつきませんが、個人的にはそれも
楽しみのひとつです(夏でも長袖を着るくらい寒がりのくせに)。

                          ― Kaz(16/11/2010)
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リヴァプールでタンペレの関係者に会ったのは、5ヶ月も前のことだ。あのとき
はずっと先のことのように思えて、現実感はまったくなかった。いや、現実感が
ないのは、ヘルシンキに着いてタンペレに向かっている今だって、ほとんど同じ
ようなものだ。時間は確実に流れ、物事は移り変わり、自分もその一部であるこ
とは確かなのだが、意識や精神がうまく対応できていないのだ。
なんでおれ、フィンランドにいるんだろう? なにをすればいいんだろう?

我々のフィンランド滞在は3泊4日。夜の到着&昼過ぎの出発なので、正味の滞
在は2日半ということになる。
ブルーマーガレッツにとっては、リヴァプール以外では初の海外遠征だ。
ほとんど未知の国、未知の世界でのパフォーマンス。できればオーディエンスを
熱狂させ、フェスティヴァルを成功させる一助になりたいし、少なくとも、「ブ
ルーマーガレッツを呼んでよかった」と主催者に言ってもらえるような結果を残
したい。だって、我々一行のフライト&滞在費には、単純に見積もっても100万
円はかかっているはずなのだ。

100万円。収支のバランス計算がどうなってるのかは知らないけど、普通に考え
て、簡単にぽんと出せる金額でないことは確かだ。世界的なビッグネームである
オーヴァーチュアーズやアップル・ジャムはともかく、アマチュアのブルーマー
ガレッツにこれだけの経費をかけるのは、無謀とまでは言わないけど、主催者に
とって大きな賭けには違いあるまい。

彼らの期待に応えたい。これだけのコストとリスクをかける価値があったとい
うことを証明したい。いや、なんとしても証明しなければ…。
僕は演奏する立場ではない。ならば、チームの一員として彼女たちを精一杯サ
ポートしよう。いいパフォーマンスをしてもらえるようにベストを尽くそう。

静かなバスの中でそんなことをつらつら考えているうちに、ようやく現実感が湧
いてきた。
同時に、使命感というか、自分のなかでじわじわと仕事モードが生まれつつある
のを感じる。そうだ、夏のリヴァプールのように、ギグをメインに据えてスケ
ジュールを管理し、通訳や雑用もろもろをぜんぶ引き受ければいいんだ。コー
ディネーターのユーハさんとの連携も、僕が間に入るほうがスムーズに流れるは
ずだ。そうだそうだそうだ!

なんだか少しワクワクしてきた。
もうすぐタンペレに着く。
ブルーマーガレッツ、がんばろうね!

(つづく)

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