March 08 2011, No.451
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼寄稿:「日々の暮らしが変わる旅もある!」(6)
 ▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」 <No.192>
 ▼「たんぺれたろう日記」(4)
 ▽NLW通販
 ▼スカウスハウス・ニュース
 ▽今週のフォト


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▽フロム・エディター
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このあいだの日曜日、佐野元春さんの30周年アニバーサリー・ツアー『All
Flowers In Time』ファイナル 大阪公演に行ってきました。
記念のコンサートのため、「たくさんのゲストが登場して選曲もオールタイム・
ヒッツ的なものになる」ということが事前にアナウンスされていて、「そういう
のってどうかなー、ゲストも知らないヒトばっかりだし」と、あまり素直じゃな
い僕はちょっぴり首をかしげながら大阪城ホールに足を運んだのですが、いやこ
れがもう、さわやかで楽しくてあたたかくて、でも音楽的なクォリティは高く、
懐古趣味など微塵もない、ビリっとエッジの立った素晴らしいライヴでした。

出てくるゲストの誰もが素晴らしいミュージシャンだったのにもびっくりでした。
特に、スガシカオさん、山口洋さん、それからLOVE PSYCHEDELICOには、日本に
もいいアーティストがいるんだなあと、自分の無知を棚に上げて無邪気に感心し
てしまいました。

そしてミュージシャンでないゲストがひとり。野茂英雄さん。ステージの端に
立って、原稿もなしに、僕は佐野さんのロックな生き方が好きです。流れに逆
らっているとき、佐野さんの歌がいつも支えになったし、これからもそうです、
という意味の感動的なスピーチを披露してくれました。確かに、日本の野球界で
いちばん「流れに逆らった」のがノモさんですよね。この夜最大のサプライズで
した。

そして佐野さん。以前のような、飛ぶわ跳ねるわ走るわ滑るわの運動会のような
ステージはもう期待できないんだなあと思うとちょっとさびしいけれど、今回ひ
さしぶりにスライディングを見ることができて、思わず「イエーイ!」と歓声を
あげてしまいました。赤いストラトをかかえてカッコよくシャーっと。練習した
のかな。

僕が初めて佐野さんのステージを体験したのは1989年で、それからずっとだから
かれこれもう20年以上も観てきているわけですが、考えてみると、ひとつひと
つのコンサート・ツアーをわりとよく憶えているんですよね。それはたぶん、そ
れぞれに固有の意味やテーマがあるからで、つまりは彼のレコーディング作品同
様、一度も同じことを繰り返していない、ということになると思います。その記
憶の中では、その時々の自分の状況もセットになっていて、なんというか、人生
のブックマークみたいなもの…なのかな。よくわかりませんが、佐野さんと同時
代を生きて来られたこと、それがこれからも続くことを素直に感謝したいです。

Beat Goes On!

● ● ●

お知らせです!

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【その2:NLW発行について】
事情により、来週のメールマガジン発行はお休みとさせていただきます。
次号・NLW No.452は、3月22日の発行&配信です。ご了承ください。

                          ― Kaz(08/03/2011)


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▼寄稿:「日々の暮らしが変わる旅もある!」(6)
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「日々の暮らしが変わる旅もある!」 / Anne

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo451.html ≫ 

■第19話《夕食はスペイン料理で乾杯!》■

今回の旅は、サポーターズクラブの方々もリヴァプールに滞在しています。
観戦以外は別行動なのですが、夕食は一緒と決めているそうです。
私以外のみなさんは、英会話はもちろん、リヴァプールにも幾度か観戦に来てい
て、とても頼りになります。

リヴァプールを訪ねるといつも夕食を頂くというスペイン料理のレストランに行
くことになりました(^-^)
「わあ、楽しみ!」
ひとり旅って夕食にレストランに入ることってないもの。
言葉の不安もあるけれど、
「レストランで一人の夕食って寂しそうに見えるかも!」
って思うからですヾ(´▽`;)ゝ

クラブの方の後をついて、レストランへ向かいます。
ちょっぴり駅から離れていて、流石にリヴァプールの街をよくしっているって感
じ。
隠れ家みたいなところにそのレストランはあったんですよ!
私なんか迷子になったら帰れそうにない場所だあ。

お店はちょっぴり暗め。
「お〜お! スペインを感じさせる内装ヽ(^。^)丿」
食事を頂きながら、クラブの方々から興味深いお話が一杯!
私がファンになる以前のリヴァプールFCのお話です。
「そんなことがあったんだあ?」
「えっ? そう言うことだったの?」
まだファンになって浅い私にとっては聞きたかった内容ばかりです。
こんな機会も嬉しいですね。

楽しい会話と美味しいスペイン料理とワイン(*^¬^*)
たっぷり頂いたその後は?
「もちろんパブですよね(^_-)-☆」
どこのパブもお客さんで溢れてるw(゜o゜)w!
週末のパブってお店の外までお客さんで溢れるほどの人気にビックリ!

そこは慣れているクラブの方々。
奥へ奥へ入って行くと席を見つけてここからはビールです。
みんな大きなグラスで飲んでる! 飲んでる(*^¬^*)うぃー!
とても賑やかで、みんなの笑顔(^O^)! 笑顔(^O^)!
会話を楽しんでいます!


■第20話《今日はいよいよ試合当日》■

昨夜はほろ酔い気分でホテルに戻りました。パブから戻った後はあまり覚えてな
い(^。^;)

さあ、いよいよ試合当日です!
試合は昼間の開催だから早目にスタジアムに行くらしいです。
今回はクラブの方々にお任せ状態の私。
慣れているサポーターの方々は、試合までをどんな風に過ごすのかな?
これからまた一人で来るつもりの私にはとても知っておきたいことなんです
よ(^0^)

ホテルのロビーで待ち合わせてスタジアムに向かいます。
キックオフは午後1時30分!

バス停にはまだ人がまばらって思っていたら、
「わあ〜!」
次第にサポーターらしい人たちが集まってきましたよ!
「ナント! 」
バスが到着する頃には乗りきれないほどですヽ(°_°>)

今回は何から何まで教えて頂ける環境。バスの運賃だってドライバーさんにコイ
ンで支払います!(^-^)
初めての時は「一日乗り放題のチケット」を買っちゃっていました!
バスに乗車するって凄く不安だったんだもの。
「これからはそんな必要もないぞ( ̄^ ̄)」
そして私ともう一人の女性は何とか乗車したけれど、クラブの会長さんと代表の
方の姿は見えません。
到着までバスの中をキョロキョロ(゜゜)(。。)(゜゜)(。。)
お二人は毎年のようにリヴァプールに来ているし、
私は一人じゃなかったから心強かったですけどね!

アンフィールドに到着してバスを降車。会長さんと代表さんを探したけれどやっ
ぱり姿はないよ。
「はぐれちゃった!!!」
もう一人の女性と顔を見合わせていると、お二人はタクシーで到着!
「こんなことなら4人でタクシーに乗ったら良かったね」って笑っちゃいました。


■第21話《試合前の過ごし方》■

アンフィールド観戦に慣れたサポーターさん達はどうやって過ごすのか。
とても知りたいですよね。
クラブの方は、まずはスタジアムのお向かいにある狭いお家に入りました。
狭くて、グッズが並べられている。
スタジアムにオフィシャルショップもあるし、
「ここって何だろう?」

オフィシャルショップとは違い、サポーターの運営らしいですよ!
中にはヒルズボロの悲劇の被害者の方への募金箱なんかがあります。
サポーターの方々の温かさはやっぱり素晴らしいですよね。
やっぱり「世界一!」って言われるリヴァプールのサポーター。
優しさに溢れています(*^^*ゞ
少しですけれど、私も一サポーターとして寄付をさせて頂きました!
以前よりもちょっぴりサポーターとしての自覚を感じた瞬間でした(*^.^*)

そして皆さんとスタジアムに沿って散策。アンフィールドロードを歩きます。
バス通り程の賑わいはないけれど、屋台のようなお店が出店していたり、
アウェイチームのサポーターの入口もありましたよ(^O^)/
今回はチェルシー戦です。
入口には「WELCOME CHELSEA FANS」
「わあっ! やっぱりリヴァプールねえヽ(´▽`)/ アウェイサポーターにだっ
て優しい!」

そしてもちろんシャンクリー門へ! たくさんの方が手を合わせています。
アンフィールドを訪れたら忘れてはいけない場所ですね。
今でもこうしてたくさんの花束が供えられている。
「決して忘れてはならない!」
「風化させてはならない!」
そんな思いを改めて抱きました(`、´)
人々は何かがある度にそう言って訴えます。それでも忘れられてしまう過去の悲
劇はたくさんあります。
ここはこうして今も美しい花で一杯。
リヴァプールの人々の思いを感じることが出来ます。
言葉はたとえ通じなくても伝わるはず!
私もそっと手を合わせました( -.-)


■第22話《いよいよスタジアムへ》■

「さあ、待ちに待った試合!」
の前のパブです(^O^)/C□☆□D\(^_^ )
「すみません(^_-;)」
期待させてしまいました! でも、私が行きたかったところなんですよ。
アンフィールドの周りにあるパブ!
一人で訪ねて来た時には入る勇気もなかったパブ!
今回は凄く楽しみにしていたことの一つです!

クラブの方の後をついて中に入ると
「凄い(゜O゜)!」
人がぎっしりです! 歩く隙間なんてありません! 小さな私なんか周りが見え
ません!
壁も天井もユニホームやフラッグで一杯!貼られてないのは窓だけ???
ユニホームを着たサポーター達が大きなジョッキでゴクゴクとビールを飲んでい
ます!
もう楽しそうに笑顔が一杯!
会話もはずんで、パブの中は大きな声が飛び交っています!
でもやっぱりみんなビールを飲んでま〜す(^O^)/C□☆□D\(^_^ )

結局私ったらカウンターまで辿り着けず・・・( ̄□ ̄;)!!
でも、このパブの雰囲気を味わえたから希望は叶いました!

そしてお酒も少し入ったところでスタジアムですね。
今回、サポーターズクラブに割り当てられたチケットはKOPとメインスタンド側
のサイドライン。
もちろんサポーターなら希望の席はKOP!
それが当たり前なのでしょうけれど、私は試合が見やすいのと、写真がゆっくり
撮れる方が良いのでサイドラインを希望。

一人、キャンセルがあったのでサイドラインに2名分の席がありました。
何だかゆったり出来ちゃう感じで申し訳ないみたい。
クラブの方々はもちろんKOPで観戦。
ここで一時お別れして私はメインスタンドの入口の方へ向かいます。
さあ、試合の時間が迫っていますよ〜~(^◇^)/

(つづく)

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo451.html ≫ 


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▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第192号 / Nam June Paik at Tate Liverpool & FACT ―

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish192_photo.html ≫

こんにちは。
長かった1月に比べて、2月はあっという間に過ぎていきました。
まだまだ10℃を割る日々が続いていますが、徐々に日照時間も延びて、過ごしや
すい季節になりつつあります。

会期は残すところ一週間となってしまいましたが、昨年12月17日から開催中の
大型展覧会《ナム・ジュン・パイク展》についてお伝えします。
ナム・ジュン・パイクは、20世紀に活躍したヴィデオ・アートおよびメディア・
アートにおけるパイオニア的存在で、21世紀のヴィジョンを見通す鋭い先見性を
持った韓国人前衛アーティストです。
テクノロジーを駆使した作品がトレードマークとなっていますが、作曲や音楽か
らキャリアをスタートし、パフォーマンス、絵画、立体作品など、多岐におよん
でその奇才ぶりを発揮し、常に時代の先端を走り続けたまさに「マルチメディ
ア」なアーティストです。

詳細な経歴については、Wikipediaをご参考下さい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ナム・ジュン・パイク 

この展覧会は、ナム・ジュン・パイク没後初の大回顧展で、しかもイギリスでの
展覧会は1988年以来とのことで、英国初公開の作品がほとんどです。
ナム・ジュン・パイクの音楽、美学、哲学、スピリチュアリティ、実験的、革新
的なアプローチにスポットライトを当て、初期のパフォーマンス映像や楽譜、写
真、禅、テレビ作品、ロボットの彫刻や、大型ビデオ・インスタレーションまで、
90点ものライフワークがリヴァプールに集結し、テート・リヴァプールとFACT
の二ヶ所で同時開催されています。

ビデオアート、アートとテクノロジー、そしてコミュニケーションのネットワー
クがごく一般的なものとなっている現代ですが、どの作品にも、今見ても視覚、
聴覚、感性をビリビリと刺激するものがあります。リアルタイムだったら、本当
にぶっ飛びものだったに違いありません。

テート・リヴァプールのグラウンドフロアのスペースで目に入るのが、52個のテ
レビと3つのチャンネルが交錯する大型インスタレーションの1994年の「イン
ターネット・ドリーム」、そして1984年に東京の草月会館でフルクサス運動を共
にしたヨーゼフ・ボイスとの共演パフォーマンス『2台のピアノのためのパ
フォーマンス(コヨーテ)』の映像、また12台の小型テレビとカラフルなネオン
が光る1991年の『マーキュリー」などが鑑賞できます。

4階のスペースでは、以下のようにカテゴリー分けされています。
ルーム1:ポスト・ミュージック
ルーム2:フラクサス、パフォーマンス、パティシペーション
ルーム3:マニュピレーション&メディテーション
ルーム4:オペラ・セクストロニク
ルーム5:ボイス・ヴォイス
ルーム6:エレクトロニック・ネイチャー
ルーム7:ロボット・ファミリー

ナムジュンパイクは、朝鮮戦争の戦禍を逃れ香港、そして東京へと移住し、東京
大学で美学・美術史を専攻し卒業した後、ドイツのミュンヘン大学で20世紀音
楽を学びます。
その後、ケルンの電子音楽スタジオで勤務した頃から実験音楽やパフォーマンス
活動を開始し、前衛芸術集団フルクサスに参加します。

1963年にドイツヴッパータールのパルナス画廊で行った初の個展『音楽の展覧
会―エレクトロニック・テレビジョン』では、テレビモニターを使った世界初の
ビデオ作品を発表。日本に戻り、技術者の阿部修也と共に「ロボットK-456」を
制作し、その後も「ビデオシンセサイザー」などで制作活動を共にします。

この時期の代表的な作品として、磁石で画像を操作する1965年の「マグネット
TV」、12台のテレビモニターとシンセサイザーの積まれたインスタレーション
「ビデオシンセサイザー」、テレビの前に座る仏をビデオカメラで映した「TV
仏陀」など7点が見られます。

ニューヨークへ渡り、女性チェリストのシャーロット・モーマンとのパフォーマ
ンス『ロボット・オペラ』を披露し、その後もコラボレーションは続きます。
小型モニターのブラをつけてチェロを演奏するシャーロット・モーマンの映像の
流れる「TVチェロ」や、数々のパフォーマンス映像が展示されています。

一旦足を踏み入れるとなかなか出られないほど印象的なのが、「TVガーデン」。
120本もの植物と60台のテレビモニターから延々とループでビデオ作品が流れて
います。ガーデンから抜け出すと、ビデオ作品の前で魚が泳いでいる「TVフィッ
シュ」。ちなみに、魚の健康衛生は、動物愛護協会から安全だと承認済みだそう
です。

その奥には、テレビモニターで組み立てられたロボット達がいます。ナム・ジュ
ン・パイクは、1985年からロボットという無機質なメディアムで、非常に人間的
な「家族」を制作しました。祖父母、両親、伯父・伯母、赤ちゃんといった典型
的な韓国人家族構成のこのシリーズのなかから、ここでは古風なテレビとラジオ
などで造られた伯父さんと伯母さん、1986年の「アンクル・アンド・アント」
が見られます。

一方FACTでは、入口を入ってすぐのところに、1973年作のヴィデオ作品、「グ
ローバル・グルーヴ」が流れており、グラウンドフロアのギャラリー1では、
1998年の「レーザーコーン」が再現され、円錐型の傘の下に寝転んで、色とりど
りのレーザーが飛び交い織り成す様々なパターンが刺激的なインスタレーション
があります。そして上の階のギャラリー2には、3つのセクションに分かれ、複
数のヴィデオ作品が上映されています。ここには、ニューヨークとパリを繋いだ
革新的な衛生中継番組、1984年の「グットモーニング・ミスター・オーウェル」、
そして1986年にニューヨーク、東京、ソウルを結んだ「バイ・バイ・キップリ
ング」も含まれています。

尽きない創造性とテクノロジー、古今東西の価値観と人間味が入り混じったナ
ム・ジュン・パイク回顧展は、3月13日まで。

<Tate Liverpool>
 住所:Albert Dock, Liverpool L3 4BB
 電話:0151 702 7400
 入場料:大人5ポンド、各種割引4ポンド。
 ウェブサイト: http://www.tate.org.uk/liverpool/exhibitions/namjunepaik/

<FACT>
 住所: FACT, 88 Wood Street, Liverpool, L1 4DQ
 電話: 0151 707 4444
 入場無料
 ウェブサイト: http://www.fact.co.uk/whats-on/nam-june-paik?listing_id=1421
 ※会期中毎日、夕方になると、FACTからテートを繋ぐ800mの緑色のレーザー
  光線が見られます。

ナム・ジュン・パイク展 詳細:
http://www.tate.org.uk/liverpool/exhibitions/namjunepaik/default.shtm

ナム・ジュン・パイク展トレーラー:
http://www.youtube.com/watch?v=5i6rxy-x618

♪ ♪ ♪

【今週の告知】
4月末に大々的なイベントとして予定されていた《インターナショナル・ボー
ト・ショー》が急遽キャンセルとなりました。これに代わって、《スプリング・
オン・ザ・ウォーターフロント》と名称を変更し、4月29日から5月8日までの
期間、プリンセス・ドックからピアヘッド、アルバートドック、そしてリヴァ
プール・マリーナのウォーターフロント一帯では、海洋にまつわるイベントが企
画される模様です。詳細が入り次第またお知らせします。

それではまた!

ミナコ・ジャクソン♪

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish192_photo.html ≫


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▼「たんぺれたろう日記」(4)
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「たんぺれたろう日記」4 / Kaz

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo451.html ≫

【1月28日(金)】

ランチを終えてタンペレ・ホールを出たのは1時半。
夕方まではフェスティヴァル関係の予定はない。では今のうちにということで、
森田さん撮影によるブルーマーガレッツのフォト・セッションが始まった。
まずはホールの入口横、雪がきれいに積もったアプローチで、4人が順番にダッ
シュ。寝そべってビデオカメラを構える森田さんの上をジャンプして通り過ぎる。

次は大通りの街路樹を使ってのスチール撮影。さらにホールの玄関前で撮影をし
ているところで、通りかかったご夫婦に「君たちブルーマーガレッツだよね!」
と声をかけられる。
なんと、わざわざイギリスからブルーマーガレッツを観に来てくれたとのこと。
リヴァプールの<ビートル・ウィーク>で彼女たちのファンになってくれたのだそ
うだ。メンバー全員が大感激。僕もびっくりした。

その後、ホテルの近所の交差点で《アビー・ロード》ふうの横断シーンをビデオ
撮影し、バス停でスチール撮影、さらにホテル横の小さな通り沿いにあるレンガ
造りの建物の前でハンブルグふうのシーンをビデオ&スチール撮影した。

つくづく思ったのだけれど、プロのフォトグラファーというのは、絵になるロ
ケーションを見つけ出すのが抜群にうまい。いや、「見つけ出す」というよりは
「作り出す」というほうが正確である。なんてことのないありふれた小道や街路
樹や建物が、アングルやポーズや動きのつけかたによって、一瞬にして絶妙な小
道具・大道具に変身してしまう。
おそらく、森田さんの頭の中にはイメージのストックが無数にあるのだろう。イ
ンスピレーションを使って、頭の中のイメージと目の前にある風景とモデルを結
びつけ、それを絶妙にブレンドして、森田さん印の作品が生み出されるのだ。
腕のいいシェフが、冷蔵庫のありあわせの材料を元に家庭の台所で高級料理を
作ってしまうような、そんな感じ。あ、いや、いや、ブルーマーガレッツがあり
あわせの材料みたいだと言っているわけではなくて……また失言。

フォト・セッションはおよそ1時間半ほどかけて終了。もう3時近い。
その後メンバーと僕はスーパーマーケットで買い物をし、ホテルに戻って休憩を
とった。

5時半にホテルのロビーに集合。
ヘルシンキの<Helsingin Sanomat>という新聞社の取材を受けるためだ。なんで
もフィンランドで最大の発行部数を誇る全国紙なのだそう。取材の手配をしたの
はもちろんユーハさん。
まずカメラマンが到着。若くて長髪でスマートで人懐っこいお兄ちゃんだ。めが
ねをかけて、くりっとした目がかわいい。そしてよくしゃべる。
続いてジャーナリストが到着。こちらはかなり大柄で長髪ひげ面、めがねと帽子
のおじさん。やさしい目とネコ柄のジャケットが印象的だ。そしてやっぱり、こ
の人もよくしゃべる。

ブルーマーガレッツは6時半からサウンドチェックの予定があるので、ゆっくり
とインタヴューを受ける時間がない。とりあえず今日は写真撮影だけ行い、イン
タヴューは明日にしてもらうことになった。

まずホテルの部屋で撮影。楽器を持ってポーズをつけたり歌ったり。そのまま部
屋の中を歩いたり。カメラマンはにこやかに注文をつけながら、その間、ずっと、
ずう〜〜〜っとシャッターを切っている。発する言葉と連写音がリズムを生み、
いい雰囲気で撮影は進んだ。
さらにホテルの横の通りに出て、レンガ造りの建物の前で《アビー・ロード》ふ
うのウォーク・シーンを撮影。それを見て、「やっぱりみんな同じようなこと考
えるんだなあ」と苦笑する森田さん。カメラマンはその間もひっきりなしに
シャッターを押す。わずか15分ほどのセッションだったが、何千枚も撮ったん
じゃないかという気がした。おそらく実際に使われるのは1枚か2枚なんだろう
けれど。

6時半。サウンドチェック。
我々が到着したときは、ステージではJan Britten Owenさんがリハーサルをし
ていた。曲が終わるとこちらに来て挨拶。リヴァプールでも見たことがあるが、
ちょっと1本キレてるようなハイパーぶりは相変わらずだ。「明日のステージで
ジョイントしよう! いいだろ? ね? ね?」と、しきりにブルーマーガレッ
ツを誘っている。はいはい、明日ね、あした。それよりヤンさん、早くステージ
降りてもらえるかな? 

気を取り直して、ブルーマーガレッツのサウンドチェック。
ステージが広いのでメンバー同士の距離がいつもより遠く、少しやりにくそう。
でも、PAのスタッフと一緒に徐々にサウンドを作り上げて行く。僕や森田さんも、
彼女たちの指示を受けて客席を移動して音のバランスや大きさを確かめる。もち
ろんサウンドはPAのスタッフが調整しているのだが、彼女たちは決して他人任
せにせず、自分たちの納得の行く音を追求しようとしているのだ。

音が決まると、何曲かを通しでリハーサル。僕と森田さんは撮影のためのアング
ルをチェック。森田さんが正面から撮影するので、僕はリヴァプールのときと同
様に、ステージの上から撮影することにした。ドラムのゆかさんの後ろに回れる
といいのだが、残念ながらスペースがない。4人全員の姿を後方からフレームに
収めるのは無理かもしれない。

途中でタンペレ・タローのステージ・マネージャーが挨拶に来た。どこかで見た
ことあるおじさんだなあと思ったら、ビートル・ウィークにも来ているフィンラ
ンドのバンド<Urban Crow>のメンバーだった。今日のステージでは司会もすると
いう。なんだかよくわからない。

7時半にサウンドチェック終了。ドレッシングルームで軽食をとりながらしばし
休憩。
ブルーマーガレッツには、2つの楽屋が用意されていた。
ひとつは、着替えたり簡単なリハーサルができるような大きめの部屋。もうひと
つはその隣の小部屋で、ソファが並んでいてリラックスできるようになっている。
ドリンクや軽食がたくさん置いてあるのがうれしい。水やコーヒー、紅茶だけで
なく、ビールや赤白のワインもある。やっほう! サンドウィッチやクッキーも
あるぞ。素晴らしい!
ブルーマーガレッツが着替えている間に、ユーハさんが白ワインを開けて、2人
で乾杯した。いや、ライヴはこれからだから乾杯にはまだ早いんだけど…でも美
味しい。

8時すぎ。
ステージ衣装がばっちり決まったブルーマーガレッツと、2人の「ヨッポ」が、
楽屋を出てパーク・ホールへ向かう。森田さんはというと、撮影場所の確保のた
めに、すでに会場でスタンバイしている…さすがプロだ。

さあ、いよいよ本番だ!

(つづく)

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ミナコさん撮影による写真を掲載しています。ぜひご覧ください。
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新連載「日々の暮らしが変わる旅もある!」と「たんぺれたろう日記」に関連し
た写真を掲載しています。
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 ◇編集 山本 和雄&ミナコ・ジャクソン
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