April 19 2011, No.456
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■
         *** http://scousehouse.net/ ***        


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼寄稿:「日々の暮らしが変わる旅もある!」(10)
 ▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」 <No.194>
 ▼「たんぺれたろう日記」(5)
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
――――――――――――――――――――――――――――――――─ NLW □

久しぶりに、「たんぺれたろう日記」を書きました。連載第5回目で、まだまだ
全体の半分くらい、という感じでしょうか。いつものように長いレポートになっ
てますが…。
これからできるだけ毎週書いて行くようにします。どうぞお付き合いください。
この「たんぺれたろう日記」を書き終えたら、途中でストップしている
《International Beatle Week 2010》のレポート「利物浦日記2010」を再開さ
せるつもりです。

というわけで今週は、僕の原稿と、Anneさんの「日々の暮らしが変わる旅もあ
る!」、そしてミナコさんの「ゴールドフィッシュだより」と、3本が揃いまし
た。
Anneさんの旅行記は、今回はリヴァプールからアムステルダムへの移動です。
ひとり旅になった途端、思わぬアクシデントに遭遇し、それにがんばって自力で
対処するエピソードが綴られています。いつものAnneさんらしい旅になって、
編集作業をしながらなんだかうれしくなりました。

ミナコさんは、リヴァプールで行われている、日本を支援するイヴェントをレ
ポートしてくれました。こんなにも多くの人々が、いろんなアイデアを出し合っ
て、日本や日本人のために動いているという、その事実に感動してしまいます。

ミナコさんと夫のイアンさんが立ちあげた<Liverpool for Japan
( http://www.liverpoolforjapan.com/ )>の活動も、ほんとうに素晴らしいと
思います。単なるインフォメーションにとどまらず、人と人を結びつけたり、日
本への理解を深めるメディアとして、これからますます大きな意味を持つことに
なるでしょう。
…と、なんだか人ごとのように言っておりますが、僕も自分なりに何かしなく
ちゃ、がんばろう、と、このサイトを見るたびに励まされます。

● ● ●

【以下は先週と同じ内容の告知です】

僕の友人のアーティスト、魚部資子(うおべ もとこ)さんが個展を開きます。
4月18日(月)〜23日(土)の6日間、会場は東京・銀座の「ギャラリー椿
( http://www.gallery-tsubaki.jp/ )」です。

もとこさんは大のビートルズ・ファンで、ジョン・レノン・ファンです。ジョン
に関してはファンの域を完全に超えていると言っていいでしょう。そのせいか、
僕はいつも彼女の作品の中に、ジョン&ヨーコの「ラヴ&ピース」の思想を感じ
ます。
でももちろんそれだけではなくて、もとこさん自身の世界観や繊細なオプティミ
ズムが優しく表現されているんですよね。何より、オリジナルなところが素晴ら
しいです。
僕は遠くて行けそうにありませんが、お近くにお住まいで、興味を持たれた方は
ぜひご覧になってみてください。
(えーとここだけの話ですが、もとこさんはすっごい美人です)

魚部資子展の詳細はこちらから。
 http://www5.ocn.ne.jp/~mocohome/ 

                          ― Kaz(19/04/2011)


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▼寄稿:「日々の暮らしが変わる旅もある!」(10)
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「日々の暮らしが変わる旅もある!」 / Anne

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo456.html ≫ 

■第31話《また噴火なの?火山灰が!!!》■

今朝はいよいよジョンレノン空港からアムステルダムへ移動ですよ。
朝食ももう慣れたもの!
いつものテレビが一番見やすい席に腰かけて、いつものメニューで朝食タイム。
この席で初日にお医者さんと英語でお話をしましたね。
そんな思い出も連れて帰ることのできるダイニングです。

ふとテレビに目をやると何やらまた噴火の映像が映し出されている。
「やばい(;°°)!」
「心配していたことが本当に起きたの?」
「よりによってなにも私が移動する日じゃなくたってo(><)O O(><)o」
「これはやばい!」
ゆっくり朝食を頂いている場合じゃないです。

ニュースはもちろん英語。
「何を言っているの?」
理解できるはずもない私。
映像は噴火の様子と人のいない閑散とした空港。
その映像を見てると、私の耳に聞こえた単語は「remain」
たしか「取り残される」とか「〜のまま」とかだったような・・・
「えっ? 本当にヤバいかも(O.O;)(oo;)」

「ここは部屋にもどろう!」
「落ち着かなきゃρ(°o°)」

部屋に戻るとまずテレビを付けて、
スーツケースの整理をしながら聞き耳をたてます。
「聞き耳立てても分らないでしょ?」
「はい! 確かに(∩_∩;)」
でもこう言う時って何故かそうしちゃうんですよね。
そして頭の中は「どうしたらいいの? 何か方法はないの?」の繰り返し。

「取りあえず空港へ行ってみようかなあ」
「サポーターズクラブの方は今朝早くマンチェスター空港から帰国だよね!」
「もし、フライトがないようなら連絡をくれるはずだよ!」
「連絡がないってことは無事に飛び立ったこと?」

「もしかしたら早朝のフライトだから大丈夫だったの?」
「そうだよね。噴火はその後に起きたことかもしれないよね(/。\)」


■第32話《今日のフライトはどうなるの???》■

もし空港へ行ったとしても会話が出来ない私。
だから行っても何も出来ないよね。
「ホテルでニュースを確かめられないの?」
「英語だからそれも無理だよ!」

「あっ! そうだρ(°o°)!!!」
確か海外旅行保険に付帯サービスで『通訳』ってのがあった!
「保険証書・・・保険証書・・・」
「これだ(/゜ο゜)/」
証書には思った通り「通訳のサービス」をしてくれることが書かれてるよ!
でも、このサービスはどの時点でお願いしたらいいんだろう。
だって日本を出発前、噴火の影響でフライトのキャンセルが続いた時なんか、
コールセンターは全く電話が通じなかったじゃない(×。×)
だからこういう時って保険会社のコールセンターだって混んじゃっているんじゃ
ないの?

それにどこのコールセンターに電話をかけるんだろう。
「日本? それともイングランドにいるからロンドン?」
いざ利用しようとすると迷うことも多いなあ。

でも、これでめげちゃう私じゃないですよ! もう皆さんは御存じですよ
ね(`O’)♪
「まず、ロンドンへ電話してみよう!」
「そうだよ~(^◇^)/そうしたら携帯電話に『発信記録』が残るじゃない!」
「空港へ行ってからも電話をし易いよ!」
「我ながら素晴らしいアイデアd(-_^)good!!」
私ってアクシデント強くなってきたみたいだ!
ドキドキしながら電話番号を押します。
「大丈夫! ロンドンだけど日本語のはず!」
「もしもし・・・」
「日本語だ〜(((((*^o^*)♪」

ホッとしたところで今朝のニュースの話をします。
「あれ??? 保険会社の方は呑気に噴火のニュースを知らないよ!」
「がっかり((+_+))」
飛行機は飛んでいるんだから良かったけれど。
これから空港へ行って、そこでフライトがキャンセルになっていたら、
再び電話をするというお話をして電話を切りました。
「使えるよねえ(´-`)」
海外旅行保険って突然の病気や怪我をした時だけじゃないんだね。

でも、加入するときにちゃんと調べよう!
サービス内容は保険会社によって違うからね。

これで何とか落ち着いて空港へ向うことが出来ます。


■第33話《ジョンレノン空港発ですよ》■

ホテルをチェックアウトしてすぐタクシー乗り場へ。
だって空港からホテルまでのタクシー代は£14。
為替を考えたって、スーツケースを運ぶことを考えたって迷わずタクシーですよ。
今朝のニュースのことがあるのでちょっぴりドキドキしながら景色を眺めます。
今回もリヴァプールの空は最後まで青空でした。
車はどんどん郊外へ向かって、きれいな家が並んでいる。
試合は負けちゃいました(。 。 )
でもネットを通じて知り合った方とお会い出来ました(^_^ ) ( ^_^)
次回からはまた一つ楽しみが増えたリヴァプール。

今回はサポーターズクラブの方と一緒に観戦だったから、
アンフィールド周辺やシティセンター近くのパブや、
一人では出来ない経験もさせて頂きました。
次回からは一人旅でも、もう少しパブなんかを楽しめそうだね。

そんな思いを巡らせてるとタクシーは空港に到着です。とてもきれいな空港。
ジョンレノン空港の赤と青はやっぱりリヴァプールとエバートン?
確かビートルズの二枚組のCD! パッケージが赤と青だったのも、
この両チームの色だってことが何かに書かれてた記憶があるよ。


■第34話《さあ、アムステルダムへ!の前にこんどは?》■

KLMのカウンターを見つけてチェックイン。
同時にスーツケースを預けて簡単に終わり。
「あれ? やっぱり空港は閉鎖されてないみたいだね」
つまり「そのまま!」って「運行されている」って意味だったんだあ。
「主語が分らないって問題だW(`0`)W」
「こんな英語力ってのが一番問題かも(^◇^;)」

こんども色々あったけれどチェックインも終わって電光掲示板を頼りに階段を上
がります。
「ありました〜!」
写真で見たことのあるジョンレノンの銅像。
「有名なこの銅像はここにあるのね」
「似ているかなあ。ちょっと微妙(。_°)?」
メンバーの写真もあります。

そしてKLMは他の航空会社と反対方向で手荷物検査らしいですよ。
係員が誘導してくださいました。
「(;°°)わーっ! わっ!」
ここで初めて引っかかっちゃいました。
ボディチェックでは係員に全身チェックされることはしばしばあるんだけど、
手荷物を調べられるのは初めて!!!

女性の方が私の手荷物を開けて一つ一つバッグから出しています。
「ヤバー!」
「何かまずい物入れたっけ(゜゜;)?」
原因だったものを発見!
歯を磨いて、歯ブラシと歯磨きチューブを一緒にトラベルセットに入れっぱなし
でした。
朝食後、保険会社なんかに電話したりして慌ただしかったからね。
チューブは液体と同じ袋の方に入れておかなければならなかったのに!

こんな旅行用の小さな歯磨きチューブでもバッグに入ってたら見つかっちゃうん
だ!
このバッグの中身を映してるモニターは中々優秀だなあ(^。^;)
「感心感心! これなら機内も安心d(⌒o⌒)b」

そしてあとは搭乗を待つばかり。
ベンチ近くにはビートルズのメンバーの写真があるよ。
飛行機を眺めながらコーヒーも頂けるカフェもあってコンパクトできれいな空港
でした。
「次回もリヴァプールで観戦ならこの空港だな(* ̄0 ̄*)」
って心の中で決めましたよ!

そしていよいよアムステルダムに向かう飛行機に搭乗です。
来た時と同じ「City Hopper!!!」
可愛らしい機体です。

航空機はジョンレノン空港を離陸。
アムステルダムのスキポール空港に向かっています。
空はもちろん真っ青。眼下には海も太陽の光でキラキラしてます。
アムステルダムに近づくと小さな窓からは海の中にたくさんの風車が並んでる。
神様、私の旅がお天気に恵まれていることに感謝です( ^.^)( -.-)( _ _)

(つづく)

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo456.html ≫ 


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▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第194号 / Thank you Liverpool - Japan Fundraisers in Liverpool ―

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish194_photo.html ≫

こんにちは。
初夏のように爽やかで、20度にも手が届きそうな晴天の日々が多く、それだけで
気分の良い今日この頃です。この調子が8月終わりまで続いてくれたらどんなに
素晴らしいことかと思います。

今回は、リヴァプールで開催された東日本大震災チャリティイベントについてお
知らせします。
各オーガナイザーが、それぞれ趣向を凝らした内容で、日本のために時間と労力
とアイディアをイベントを開いてくれたことに、本当に感謝しています。

まずは、3月24日にリヴァプールのビジネス街にある<Lady of Mann Pub>にて
行われた、ロータリークラブ主催の「チップス&バティ」チャリティランチから。
ロータリークラブでは、一つの箱の中に家を失った人たちへの救援物資の詰まっ
た「シェルターボックス」を被災地に発送するためのチャリティ活動を行ってい
ます。

この日のイベントでは、日本を対象にして行われ、会場にはシェルターボックス
の実物も展示されていました。
工具、調理器具、ウォーターフィルター、毛布、避難所でプライバシーが守れる
と好評なテントのほか、子供達が遊べるようにクレヨンと塗り絵の本など、様々
な配慮がなされています。
中身はこのサイトからご覧になれます。
 http://www.shelterbox.org/about.php?page=9 

イベントのタイトルですが、当初「チップ&バティ」(フライドポテトをパンに
挟んだイギリスならではの謎のサンドイッチ)だと思い込んでいましたが、行っ
てみたら、チップスとサンドイッチは別々で、ほかにもおつまみがあり、ビュッ
フェスタイルで出されていました。参加料は一人10ポンド。この日だけで、合
計1600ポンド(約22万4000円)の寄付が集まったそうです。

ロータリークラブの日本支援の取り組みは、こちらのホームページから。
 http://www.rotary-ribi.org/districts/page.asp?PgID=196936&DistrictNo=1180 

♪ ♪ ♪

同じ日の夜、Liverpool John Moores Universityで日本語を学ぶ学生と日本人留
学生が中心となって開催したカラオケパーティーを訪れました。
スチューデントユニオンのパブには、本当に大勢の人々が集まって盛り上がり、
熱気が感じられました。

彼らの取り組みは継続的なもので、震災が起きた直後から募金活動を開始し、こ
のイベントのほかにも、チャリティ・プールトーナメントなども実施して、合計
で数千ポンドの寄付金を集めたと聞いています。そんな若者達の姿を見て、将来
は明るいと心強くなりました。

♪ ♪ ♪

4月5日には、Liverpool Hope Universityで、最近完成したばかりのCapstone
Theatreにて《Helping Hands Concert for Japan Tsunami Appeal》が開かれま
した。
同大学のインターナショナル・オフィスが企画したこのコンサートでは、インド
系のボリウッドダンス、イギリス伝統芸能のモリスダンス、スペイン生まれのズ
ンバ、そしてコンテンポラリーダンスなど、国際色豊かな様々ななパフォーマン
スが繰り広げられました。
特にモリスダンスは、私自身初めて観たのですが、棒やハンカチを振り回しなが
ら踊りまわるそのエネルギッシュさに驚嘆しました。

みんな日本のために踊ってくれているのだということに気づき、さらに感動しま
した。元気が湧いた夕べでした。

 http://www.hope.ac.uk/prospective/international-news/helping-hands 

♪ ♪ ♪

4月8日は、ボールド・ストリートの<Leaf on Bold Street>で、リヴァプール
のバンドが集まって行われた《Help Japan: Earthquake and Tsunami Appeal
Fundraiser Gig》に行ってきました。
このイベントがアナウンスされたのは、震災があって割と直後のことで、アク
ションの速さに感服しました。

女性ボーカル紅一点のバンド<Bird>、オルタナ系に東欧・スパニッシュなフレー
バーが加わった<Tone Puppets>、そしてヘッドライナーには、このイベントの発
起人となった<Minion TV>の3バンドが登場しました。

 Minion TV: http://www.miniontv.co.uk
 Tone Puppets: http://www.myspace.com/tonepuppets
 Bird: http://www.myspace.com/birdbird21

Minion TVは、インスト系でポストロックっぽくて、ちょっとアンビエントな感
じが特徴で、スーッと音の世界に入っていけるものがありました。
一般的にライブハウスは、ステージの周りには四方壁でふさがっているイメージ
がありますが、このLeaf on Bold Streetの上の階のステージの後ろには窓があ
り、そこから夜のボールド・ストリートがかすかに望めます。彼らの演奏中に背
後のスクリーンから、東京の夜景の映像が流れたとき、なんだか2つの場所がシ
ンクロしたような不思議な感覚を覚え、日本が恋しくなりました。

またチャリティ目的のラッフル(富くじ)も行われ、私達も地元の劇団<Lantern
Company>の舞台のペアチケットが当りました!

また、この日に買った缶バッジは、記念にほぼ毎日身に着けています。ありがと
う、Minion TV!

このライブの様子を捉えた地元フォトグラファーの写真が、こちらからご覧にな
れます。
 http://www.flickr.com/photos/miniontv/sets/72157626338562119/ 

♪ ♪ ♪

前回のゴールドフィッシュだよりでお伝えした<Liverpool for Japan>の活動で
すが、ゆっくりですが着実に広がりを見せています。
これを始めてから、本当にたくさんの新しい人々との出会いもあり、着実に点と
点が線となってつながりつつあることを実感しています。
また、今ちょうどさっき、地元の中華レストラン<Chung Ku Restaurant>のオー
ナーからは、スタッフ一堂を代表した激励のメッセージを頂きました。本当にあ
りがたいことです。

今すぐにやるかどうかは分からないといっていたイベントのオーガナイズでです
が、既にあちこちのイベント企画に頭を突っ込んでいます。
特に5月には複数の日本支援のためのチャリティイベントが予定されていますの
で、乞うご期待です。

5月2日(バンクホリデーマンデー)には、日本食レストラン<Etsu>が主催する
《Japan Fun Day》が、正午より行われます。グルメ、和太鼓、相撲、盆栽、ク
ラフト、音楽まで盛りだくさんです!
 http://www.liverpoolforjapan.com/?p=456 

5月12日(木)午後6時から8時まで、<Studio2 Parr Studios>にて《ART Aid
Auction》。リヴァプールが生んだ代表的アーティストの故エイドリアン・ヘン
リーや、脚本家のウィリー・ラッセルを始めとした作品がオークションにかけら
れます。
 http://www.liverpoolforjapan.com/?p=251 

同じ晩には、14日に開催される《Smiles For Japan》のプレイベントが、<3345
Parr Street>にて、ヘッドライナーにリヴァプールのミュージシャン、イアン・
マクナブを迎えて行われます。

そして5月14日(土)、<CUC (Contemporary Urban Centre)>にて開催される
《Smiles For Japan》では、リヴァプールおよび近郊に住む日本人住民と、リ
ヴァプールのクリエイティブコミュニティが一緒にイベント作りに取り組み、
ファミリーフレンドリーな昼のイベントと、ライブ中心の夜のイベントで構成さ
れる予定です。
この《Smiles For Japan》のイベントに関しては、次号でまた詳細をお知らせし
たいと思います。


【今週の告知】

リヴァプールで開催される春のイベントをお知らせします。

《Spring On The Waterfront》
キャンセルになった「リヴァプール・ボート・ショー」の代替イベントです。4
月29日から5月8日にかけて、アルバートドックやピアヘッドを含む、プリン
セスドックからリヴァプールマリーナまでのエリアで、トールシップ、レガッタ
(ヨットレース)、蒸気船ツアー、ウォータースポーツ、シャンティー、ジャズ、
ブラスバンドなどの音楽イベント、アートなど、海洋文化にまつわる催し物が披
露されます。
 http://www.liverpoolonthewaterfront.co.uk/spring/ 

4月29日といえば、イギリスでは言わずと知れたロイヤルウェディングの日で
す。
リヴァプールでも、ショッピングセンターのLiverpool ONE内シャヴァス・パー
クにて、ストリートエンターテインメントや音楽、映画の上映などが繰り広げら
れます。
 http://www.liverpool-one.com/website/royal-wedding-celebrations.aspx 

それではまた!

ミナコ・ジャクソン♪

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish194_photo.html ≫


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▼「たんぺれたろう日記」(5)
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「たんぺれたろう日記」5 / Kaz

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo456.html ≫

【1月28日(金)】

《タンペレ・ビートルズ・ハプニング2011》がいよいよスタートした。
トップバッターは、ヴェテラン・ミュージシャンのヤン・ブリッテン・オーウェ
ン。ブルーマーガレッツと僕がステージ裏に到着したとき、まさに佳境に入った
ところだった。
いや、この人の場合は最初から最後まで佳境かもしれない。ヤンさんの大きな体
から、目いっぱいのエナジーが放射されている。すごい熱演。僕は斜め後ろから
眺めていて、しかも距離も結構あったのだけれど、汗やつばがこっちまで飛んで
来るんじゃないかという気がして、思わず2歩くらい下がってしまった。

ブルーマーガレッツはというと、ヤンさんのステージにはまったく目もくれない。
いつものように円陣を組んで気合いを入れ、静かに集中している。

会場はほぼ満員のようだ。おそろしく広いので奥のほうはよく見えないけれど、
どのテーブル席にもまんべんなく人の姿が見える。ドリンクバーにも長い列。昨
日の時点で前売りチケットは600枚出ているということだったが、当日券の入場
者も相当入っているのだろう。

テーブルの最前列とステージの間にはダンススペースが広くとってある。詰めれ
ば5〜60人くらいは入りそうだが、今はまだ無人で、もちろん誰も踊っていない。
がらんとしている。ステージで奮闘しているヤンおじさんが少しだけかわいそう
に思えた。

「ダンススペースが埋まるのはステージの後半からになるだろう」
とユーハさんは言っていた。
「フィンランドの人はシャイなんだ。リヴァプールみたいに最初からノリノリっ
てことにはならない。でも、心配することはないよ。ブルーマーガレッツなら、
最後にはみんな立ちあがって踊ってくれる。絶対だいじょうぶだ」

なるほど。まあ、そういうものだろう。日本人だって同じようなものだ。だいた
いリヴァプールのオーディエンスのようなノリを期待しちゃいけないよな、とも
思う。あの人たちは並はずれてアンユージュアルなのだ。
とは言っても、こんなに大きな会場で静かに座って見つめられるのって、演奏す
る側にとっては結構プレッシャーである。
早く盛り上げられるようにがんばろう、とみんなで話し合った。

カメラマンの森田さんは、テーブル席の最前列にヴィデオカメラをセットした。
ステージとの距離がちょうどよくて、前には邪魔もない。撮影には最高のポジ
ションだ。ステージが進めばダンスをする人も出てくるだろうけど、小々の人数
なら問題ないだろう。かえって雰囲気がでていい映像になりそうだ。

8時半を少し回って、ヤンさんのステージが終わった。さあ、我々の出番だ。
ステージに上がって準備を始めるブルーマーガレッツ。僕はカメラのアングルを
チェックしながら客席の様子をうかがった。ステージの合間だから、ドリンクを
買いに行ったりトイレに行ったり、たくさんの人が動いている。でもよく見ると、
そればかりではないことがわかった。大勢の人が、前へ前へと、つまり我々のい
るステージの方へと移動しているのだ。

そう、目指すはダンススペースである。見る見るうちに、ステージの前は人で
いっぱいになってしまった。とても踊れるような余裕はない。いや、みんな、踊
りたいというよりは、ブルーマーガレッツを近くで見たくて集まってきたという
感じ。どの顔も嬉しそうだ。

今日このステージで演奏するのは、ブルーマーガレッツ以外では3組。トリに登
場する<オーヴァーチュアーズ>は別格だけれど、ほかの2組はといえば、先ほど
のヤンおじさんと<アーバン・クロウ>。言っちゃ悪いけどむさ苦しいおじさんば
かりだ。ブルーマーガレッツのヴィジュアルがひときわ輝いて見えるのは当然で
はある。可愛らしい女の子のビートルズ・バンドなんて、世界的に見てもかなり
珍しいのだ。そりゃあ誰だって近くで観たいだろうなあ、と思う。

森田さんは当然ながら固定アングルでの撮影を放棄した。これじゃあオーディエ
ンスの後ろ姿しか映らない。ヴィデオカメラを手に持って、移動しながらの撮影
に切り替える。でもこれももちろん森田さんの想定内だ。

8時40分。ブルーマーガレッツのフィンランドでのファースト・ステージがス
タートした。
オープニングは<From Me To You>。続いて<Please Please Me>。
普段とはかなり違う未体験のシチュエーションで、いくぶん緊張しているようで
はあるけれど、演奏は悪くない。ステージが進むにつれてバンドはまとまり、
オーディエンスのヴォルテージもどんどん上がって行った。みんながんがん一緒
に歌うし、曲が終わるとものすごい歓声と拍手である。
やれやれ、フィンランド人がシャイだなんて、いったい誰が言ったんだ?

3曲目からのセット・リストは以下のとおり。
<Any Time At All><Can't Buy Me Love><If I Fell><Ticket To Ride><Boys>
<Please Mr. Postman><Roll Over Beethoven><No Reply><She Loves You>
<Eight Days A Week><I Saw Her Standing There>。
そしてアンコールに<I Want To Hold Your Hand>。

本編のラスト・ナンバーは、本当は<I Saw Her Standing There>ではなく、
<I Want To Hold Your Hand>が演奏されるはずだった。
しかし勘違いしたムーミンが<I Saw Her Standing There>のカウントを入れ始
めてしまう。
「ワンッ、トゥー、スリー…」
(あれっ?)と戸惑った顔をするさとみさんとサムさん。
しかしムーミンが「フォー!」と叫んだ次の瞬間、全員が少しも遅れることなく
<I Saw Her Standing There>をスタートさせた。なんという適応力。なんという
反射神経。おそらくオーディエンスは誰も気がつかなかったに違いない。横で見
ていた僕は一瞬心臓が止まりそうになったけれど…。

イントロが終わり、♪She has just seventeen...とムーミンが歌いだしたとこ
ろで、サムさんとさとみさんが後ろを向く。ドラムのゆかさんと3人で、とびっ
きりの笑顔。「ムーミンたらまたやっちゃったね!」とでも言っているのだろう。

アクシデントへの瞬時の対応といい、そのあとのコミュニケーションといい、実
にブルーマーガレッツである。誰かがミスをしたら全員でカヴァーする。そして、
その状況を心から楽しんでいるのだ。このバンドはなんてバンドらしいんだ、と、
こっちまでうれしくなってしまった。

怪我の功名というかひょうたんから駒というか、彼女たちの演奏にはますますド
ライヴがかかり、600人だか800人だかの観衆をひとり残らず巻き込んでしまう
ような、強烈なグルーヴが生まれていた。
文句のつけようのない、最高のロックン・ロールだった。

(つづく)

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo456.html ≫


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▽スカウスハウス・ニュース
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国に関するものなら何でも歓迎です。
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*** 今週の「ゴールドフィッシュ」フォト ******

ミナコさん撮影による写真を掲載しています。ぜひご覧ください。
http://scousehouse.net/goldfish/goldfish194_photo.html 


*** 今週のフォト・アルバム ******

Anneさん提供による「日々の暮らしが変わる旅もある!」と、「たんぺれたろう
日記」に関連した写真を掲載しています。ぜひご覧ください!
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo456.html 


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