June 21 2011, No.464
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼寄稿:「日々の暮らしが変わる旅もある!」(18)
 ▽「たんぺれたろう日記」(10)
 ▼スカウスハウス・ニュース
 ▽今週のフォト


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▽フロム・エディター
――――――――――――――――――――――――――――――――─ NLW □

早いもので、《インターナショナル・ビートル・ウィーク》まで、あと2ヶ月と
ちょっととなりました。
先日、主催者から、出場バンドのギグ・スケジュールの最終版が届きました。
日本代表の3バンドは、4月にもらったリストほぼそのままで、わずかに、コン
ヴェンションの日のアデルフィ・ホテルで行われるギグの時間が少しずれる、と
いうマイナーな変更があっただけでした。

スケジュールに大きな変更はなかったんですけど、これとは別に、とんでもなく
大きな変更が、ありました。
主催者側の都合ではなく、こちらの都合です。
なんと、3つのバンドのうちの1つが、違うバンドに交代してしまったのです。

2年連続でエントリーしていた東京の女性ビートルズ・バンド<The Chelsea>が、
出場できなくなってしまいました。
メンバー4人のうちの2人が、震災の影響で夏の休暇が取れなくなったためです。
その連絡を受けたのは、5月の初めでした。エントリーをキャンセルするには遅
すぎるタイミングです。でも、正直言って僕はキャンセルするしかないなと思い
ました。だって、2人ではバンドになりません。

しかし残りの2人は、「どうしても、ぜったいに行きたい」「簡単にあきらめるの
はいや」「新しいメンバーを探しますからちょっとだけ待ってください」と宣言
し、すぐにメンバー探しに奔走しました。
その結果、2人を見つけることはできなかったけれど、志の高いマルチ・プレイ
ヤーとめぐり合いました。
3人でスタジオに入ってみると、想像どおりにメンバー同士の相性がいいこと、
そして、想像以上にいいバンド・サウンドを生み出せることがわかりました。

「リヴァプールにはこのバンドで行きたい」
「リヴァプール限定ではなく、その後もずっと続けたい」
「だから新しいバンドとしてエントリーしてください」

もちろん僕は「はい、わかりました」と答えました。
それだけでなく、責任を持って全力でサポートすることを約束しました。
これだけの心意気を見せられて、「3人じゃだめ」とか、「バンド名まで変えるの
はどうも」なんてとても言えません。主催者にも「ぜったいにいいバンドにする。
だいじょうぶだからこのバンドでエントリーしてください」とお願いしました。

この新しいバンドがチェルシーの代わりにリヴァプールに行きます。
結成されたばかりの、まだ一度もステージに立ったことのないバンドが、世界中
からハイレヴェルのミュージシャンが集結するフェスティヴァルに出場する。
普通ならどう考えてもあり得ない、無謀なチャレンジでしょう。
もちろん彼女たち自身も、そのことはじゅうぶん承知しています。
「日本代表」として恥ずかしいパフォーマンスは許されません。加えて、快くエ
ントリーを認めてくれた主催者のために、行けなくなったメンバーのために、そ
して、大災害に遭った日本や日本人にシンパシーを持って観に来てくれるオー
ディエンスのために、精一杯に死に物狂いに、もうこれ以上はできないというく
らいに努力して、本番のステージに臨もうとしています。

それがどれほどたいへんでプレッシャーのかかるものなのかは、ちょっと考えた
だけでも想像できます。例えは乱暴ですが、今から野球チームを作ってメジャー
リーグに挑みに行くようなもの、かもしれません。
でも、本人たちにはぜんぜん悲壮感はなくて、結構楽しそうなんですけどね。そ
こがいいところなんだけど。

そうそう、バンド名は、The Clover(クローバー)です。
3つの葉っぱの、幸せの象徴。
ちょっとベタなような気もしますけど、僕はけっこう気に入っています。
最高の幸せをつかめるよう、あと2ヶ月がんばろう!

● ● ●

International Beatle Week鑑賞パッケージ「スカウスハウス・ツアー2011」は、
まだまだ参加者を募集しています。
クローバーのほかには、ワールド・クラスの実力を持つ大阪のバンド<ビートラ
イブス>と、島根の個性的3ピース・バンド<ナウ・ヒア>が日本から出場します。
この夏、ぜひぜひリヴァプールでお会いしましょう!
http://scousehouse.net/beatleweek/scousetour2011.html 

● ● ●

アルバイトの募集です。
7月25日から28日までの4日間、京都の国際会議場で開かれる学会に、リヴァ
プールから医師団が出席します。
そのブースでのお手伝いをしていただけるかたを募集します。
簡単な日常会話程度の英語力が必要で、できれば学生さんがいいです。男女は問
いません。
info@scousehouse.net まで、お気軽にお問い合わせください(件名は「学会ア
ルバイト」としてください)。折り返し、詳細をご案内いたします。
リヴァプールが好きなかたのご応募をお待ちしています!

                          ― Kaz(21/06/2011)


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▼寄稿:「日々の暮らしが変わる旅もある!」(18)
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「日々の暮らしが変わる旅もある!」 / Anne

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo464.html ≫ 

■第58話《オランダの夜はクロケットとビール!》■

今日は広い公園を随分歩きまわりましたよね。こんな日はビールを飲んで休みた
い。
「あっ! いつも休む前はビールを飲んでいました(^v^")/」
オランダにはコロッケの自動販売機があったよね。ビールのお供には嬉しいコ
ロッケです。
「これ買って帰らなきゃ!」
スーパーのお惣菜だと冷たいけど、これなら温かいもの!

「ありました〜!」
小部屋がたくさんの販売機を見つけました。
「色々な種類があるよ」
これからも滞在中の夜に楽しめそうです。値段も1ユーロ前後。
「迷っっちゃう( '_)」
販売機の前で眺めていると、色々な方が買って行きます。
こんなにポピュラーなんですね。

「やっぱり温かいから人気なんだね〜!」
「ちょっと小腹が空いたらコロッケを買って食べるの?」
「オランダ人って身体が大きい訳だよ!」
女性の背丈が日本の男性の背丈位は十分あるんだもの。
「もうみんな背が高いd(゜ο゜)!」

まだ迷っている私! すると小部屋の後ろから手が見えて、新しいコロッケが補
充されてます。
「お〜! こういうことなんだ〜=(゜〇゜)=!」
後ろから補充されていたんですね。これは裏側で揚げていること?

「よし! これにしよう!」
小部屋には硬貨入れがあります。欲しいコロッケ用の硬貨入れに料金を入れたら
扉が開きます。
この購入の仕方。迷ってる間に現地の人の買い方を確認済み。
「もちろん今補充されたコロッケを購入o(^-^ )」
でも小部屋は保温されているので、どれを購入しても温かいんですけどね。

「さあ、冷めないうちに帰らなきゃ!」
ミュージアム広場前でトラムを降ります。
広場には建築物は見えていないんですけど、この広場の地下が大きなスーパー
マーケットになっているんです!
「どこ?」
始めはそう思って探しました。でも広場をそのままに、地下をお店にするなんて
素晴らしいアイディアですよね。

もちろんここで買うビールはハイネケン!
それにシーフードとサラダを選びました!
スーパーでの袋はもちろん有料ですよ。イングランドもそうでした。最近は日本
もそういうお店が増えていますよね。

ミュージアム広場向かいにはコンセルトヘボウ。その脇道を入ってすぐのところ
にホテルはあります。
とても環境がよくて、スーパーマーケットにもトラムの駅にもすぐで便利な場所
にあるんですよ。
予約する時に調べた通りのホテルでした。
ホテルでは一日公園を歩いて疲れた足をしっかり休めたい。
大きなダブルベッドは疲れた体を癒すのには十分過ぎるくらい。
かなり疲れた一日。でも充実した今日に感謝して眠りにつきますOo。。(_ _)


■第59話《モナちゃんにやっと出会えた日》■

二日目の朝!
今日も明るいダイニングで朝食。今朝はちょっと込み合っています。
空いた席を探していると、同じくひとり旅の女性に声をかけられました。
相席で朝食を頂くことにします。
こんなこともひとり旅の楽しみですよね。リヴァプールでの朝食を思い出しちゃ
います(*^_^*)

朝食を頂きながらお互いに情報交換。色々話しているうちに私がまだ二日目で、
観光したのがアンネフランクの家とキューケンコフ公園だけと知ると
「ヴィンセント・ファン・ゴッホ国立美術館」の入場券をくださいました!
「キャー! 嬉しいヽ(^○^)」

彼女は美術館に行きたくて入場券を買ったそうです。でもその後、博物館や美術
館めぐりが出来るパスポート「I amsterdam Card(アイ アムステルダムカード)」
を購入したそうです。
だからもちろん、そちらで入場出来ることになります。
このカードは時間内なら市内の美術館、博物館が何軒でも入場出来るカード。
美術館巡りが好きならお得なカードですよね。アムステルダムには有名な美術館
や博物館が本当にたくさんあるものね。
「きっと見応えありますよ!」

彼女はアンネフランクの家を訪ねるのはこれからだそうです。ネットで予約して
行くとすぐに入場出来ることを教えてあげましたよ。
そしてキューケンコフのお話やオランダ以外のヨーロッパの街のお話に夢中!
楽しく朝食の時間を過ごすことが出ちゃいましたo(^-^o)(o^-^)o
「一人旅って色々な方と会話が出来るチャンスがある」
そんなところも魅力なんですよね。

私の本日の予定は、鉄道に乗って北ホランド州にある「ザーンセ・スカンス」に
行くこと。
今日も晴天! 大きな川沿いにある風車を見るつもりなので、晴天であるってこ
とはとても大切。
昨日のキューケンコフ公園も今日のザーンセ・スカンスも屋外の観光です。お天
気の神様には本当に感謝の日々です!
「ありがとう(^人^)!」

さあ、そろそろお出かけの支度をしましょ!
2階の部屋に戻ろうとすると廊下のソファに薄茶色で丸くなってる子がいます!
「わぁ! モナちゃん(/^^)/!!!」
「何故名前知っているの?」
そう思われましたか?
偶然なんですけど、こちらのホテルの予約後、「トリップアドバイザー」の口コ
ミをチェックしていました。一番新しい英語の口コミに気になるものがあったん
です。

早速「エキサイト翻訳」を利用して内容の確認。
英語が苦手だってこれさえあればご覧の通りd(-_^)good!!
「ホテルにはモナちゃんって可愛い猫ちゃんがいるよ」って書かれていたんです。
「楽しみにしていたことの一つ!」
だから今まで姿を見なくてちょっとがっかりしてたんですよ。
「ホテルの猫ちゃんだからかな?」
まったく人見知りしないどころか撫でさせてくれる可愛い子。
思わず次の予定のことを忘れて、モナちゃんとの「はじめまして( ^.^)/!」を
楽しんじゃう私。


■第60話《オランダって言ったら風車》■

オランダに来たら見なくちゃ! って思うのはチューリップと風車。私にはそん
なイメージ。
チューリップはご存じの通り昨日たくさん観ました。
「風車も観なきゃ!」
アムステルダムから私が行けそうなところってことが大切です。
「風車が並ぶ風景に出会えるのはどこ?」
ガイドブックや旅行記を読んでいると見つけました!
「ザーンセ・スカンス」
「覚えるのがちょっと大変な地名だ(゜o゜;)」
アムステルダムから鉄道で15分程らしい。
「私にも行けそう! 近いですよね。」

そこはKoog Zaandijk駅下車。
「読めますか?」
「私には全く読めない文字へ('◇'、)/」
「この駅で降りて標識のある方に歩くとだいたい15分程で到着する」
ガイドブックにはそのように書かれています。
「駅からはちょっと距離があるなあ」
今までの旅だって地図を見せて尋ねて解決しているし、何とかなりそうな気もし
ます。
「なんとかなったらかこうしてお知らせ出来てますよ!」

早速、アムステルダム中央駅へ。自動販売機でアルファベットKを押します。
駅名を探して、往復切符を選んで購入。
ここで一番気を付けることは、アルクマール行きの「各駅停車」に乗車すること。
「各駅停車!」これを間違えたら最寄駅には停車しません。

駅の時刻表でホームを確認。空港行きと違ってローカル線だから探すのが大変で
した。
路線の数も多くて「アルクマール行き」を探すのにも一苦労しちゃいました。
ホームを確認したら電光掲示板もチェック。
でもミスがないようにオランダ人らしい女性に購入した切符を見せて列車を指さ
します。

彼女は首をかしげてます。
「よく分らないのかな?」
そして彼女が指さす方を見ると制服姿の男性が立ってるじゃないですか! 
「もしかして乗務員の方?」
「ダンキュウェル」
お礼を言ってこんどは制服姿の男性のところで同じように切符を見せてみます。
すると彼はホームの列車に乗車するように促してくれました。

「これなら安心ですよねd=(^o^)=b」
空いている座席に座っていると、やっぱり発車ベルがないまま動きだします。
落ち着いてると先ほどの男性が入ってきました!
切符をチェックしています。
「な〜んだあ、車掌さんだったんだあ!」
さっき列車を教えて頂いたばかりだから、ニコニコして切符にチェックを入れて
くれました。
ヨーロッパでは車内で切符の確認はよくあるなあ。
何回か他の国で経験しています。

座席はボックス型の4人掛け。私の前に掛けたのは恋人同士みたい。とても仲よ
さそう。こう言うときはあまりジロジロ見ないようにしないとね。
15分程で到着するはずなのでガイドブックと到着駅名とを睨めっこ!!!
何しろ読めない駅名。
「オランダ語を見るのって初めて!」
文字を一つ一つ確認。下車する場所を間違えたら大変。
アムステルダムを出発すると間もなくかなり田舎の風景になります。

「あっ! この次の駅だ!」
「どっち方面に歩いたらいいんだろう・・・」
「降りたらどこかに書いてあるんじゃない!」
なんて考えが頭の中を廻ってると、私の頭の中が見えちゃったみたいρ(°o°)ゝ

列車がホームに入り始めた頃!
前に座っている恋人同士の女性がにっこり笑顔で
「ここ!」
ナント!指でホームを指してくれたんです。
「あっち( ^^)ρ!」
降りたら向かう方角まで指で示してくれたんですよ!

そんな彼女の笑顔の行動にビックリ!
慌てて私もにっこり!
「ダンキュウェル」ってお礼を言って列車を降りました。
突然のことだったけれどオランダ語のお礼が言えましたよ!
「私も旅慣れてきたってことかも!」

列車を降りて彼女の示してくれた方向に歩き始めます。
「標識もありました!」
「なんてオランダの人って優しいの♪―(^O^ )」
尋ねた訳じゃないのに気が付いてくれる。
このローカル列車に乗った観光客が行こうとしているところに気が付いても、聞
かれてないのに自ら示してくれるって中々出来るものじゃないですよね。

そして言葉なんて分らなくたって、「ササッ!」と自然体で教えてくれる優しさ。
人に優しくすることが当たり前でなかったら出来る行為じゃないですよね。
もうオランダの人々の優しさには心を打たれちゃいます。観光で訪ねてる人に
とって嬉しい街ですね。
またまたこの国が大好きになっちゃいました!

初めてアムステルダムに来た日の違法タクシーや、ダム広場での大きな怪我人も
出たアクシデント。合法ってことで驚いた大麻や飾り窓の存在w(゜o゜)w
それらとのギャップはどんどん大きくなっちゃいます!

(つづく)

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo464.html ≫ 


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▽「たんぺれたろう日記」(10)
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「たんぺれたろう日記」10 / Kaz

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo464.html ≫

【1月29日(土)】

深夜からのジャム・セッションにそなえて、楽屋で少し休憩。
僕は気楽な立場でなんのプレッシャーもなく、労働もほとんどしていないので、
ユーハさんとワインを呑みながらリラックス…って、ずっとリラックスしてるな、
おれたち。

隣の部屋のブルーマーガレッツは静かである。ぐったりと横になっているのかも
しれない。
おととい長旅でタンペレ入りし、昨日は朝から観光、夜にギグ、深夜に打ち上げ。
ほとんど寝ずに今日は朝から買い物、夕方にギグ、トップバンド2つのライヴを
観て、もう日が変わりそうな今である。
いくらタフな彼女たちでも、疲れていないわけはない。全力投球した2つのギグ
の成功で、主催者への責任も果たしたといっていい。タンペレの街も、フェス
ティヴァルも、じゅうぶん堪能した。

でも、まだ終わりではない。
フェスティヴァルのフィナーレとして、招待されたバンドが共演する「ジャム・
セッション」が残っている。ジャム・セッションの前に、3曲単独で演奏するよ
うに、とも言われている。
なんとかがんばって、元気に乗り切ってほしい。こんな気楽なヨッパライに言わ
れたくないだろうけど…。

11時45分ごろにパーク・ホールに到着。
ブルーマーガレッツはみんな元気だ。リラックスした表情には、ほどよい緊張感
もちゃんと残っている。みんなTシャツ姿で、サムさんとさとみさんはブルー
マーガレッツのオリジナルTシャツ、ムーミンとゆかさんは《タンペレ・ビート
ルズ・ハプニング》のオリジナルTシャツだ。なかなかかわいい。
考えてみると、スーツ姿ではないブルーマーガレッツのステージを観るのは、こ
れが初めてかもしれない。

ステージでは、フィンランドのバンド<Jiri Nikkinen The Beatles Tribute
Band>が演奏している。通常のフル・サイズのギグで、このステージが終わると、
いよいよジャム・セッションのスタートとなる。
オーディエンスは相変わらず満員状態。遠くまでぎっしりである。テンションも
高い。もう深夜なんですけど…。

0時20分、ブルーマーガレッツのミニミニ・ライヴがスタート。演奏した3曲
は、<I Want To Hold Your Hand><I Saw Her Standing There><Twist & Shout>
だ。
僕はサムさんの<ツイスト&シャウト>が大好きなので、やっと観られてうれしい。
昨日も今日もセットリストには入っていなくて、ちょっと残念に思っていたのだ。
もうひとつのお気に入り、<Bad Boy>も聴きたかったなあ…。

その<ツイスト&シャウト>を演奏する前、つまりラスト・ソングの前に、ムーミ
ンがMCで、このフェスティヴァルの最高責任者にお礼を言った。
「次の曲はマルコに捧げます。マルコ、どこ? マルコォ〜!」
(客席の奥の方で手を挙げるマルコさん。オーディエンスから万雷の拍手)
「マルコ、私たちを呼んでくれてありがとう。キートス!」

えーと、自慢するわけではないが、これは僕の入れ知恵である。僕がムーミンに
言えといったのだ。
MC担当のムーミンには、ステージで使える気の利いたフレーズをたくさん教え
ておいたのだけど、いざ本番となるとテンパってしまって(ムーミンでもテンパ
るのだ)、まったく役に立たなかった。

でも、これだけは忘れずに、必ず言うように念を押した。ムーミンもちゃんとメ
モにしてステージに持って行った。
書き忘れていたが、2回目のギグのラストでは、ユーハさん対しても同じように
お礼を言った。これも僕のアイデアである。いや、繰り返すが、べつに自慢して
いるわけではない…ちょっとしてるか。

いちばんの功労者であるユーハさんと、フェスティヴァルのボスには、いくら感
謝してもしきれないとブルーマーガレッツのみんなが思っている。ステージの上
でお礼を言って、オーディエンスからの拍手を受け取ってもらうのが、その気持
ちを伝えるいちばんいい方法なのだ。

ブルーマーガレッツの3曲はあっという間に終わった。
オーディエンスからは「We Want More!」の大合唱。そりゃそうだろう、3曲で
納得しろというほうが無理である。
司会者が出て来て彼らをなだめる。
「これからアップル・ジャムが3曲演奏します。そのあとで、アップル・ジャム
とブルーマーガレッツが共演しますからね、楽しみにしてくださいね」

アップル・ジャムの3曲は、<It Won't Be Long><Please Mr Postman><I Wanna
Be Your Man>だった。
すべて、ドラマーのジョンがリード・ヴォーカルをとった。ステージの横で観て
いたのだが、やっぱりとんでもない迫力である。ドラムセットがかわいそうにな
るくらい、ぼっこんぼっこん、ばっしんばっしんに叩き倒している。あのシンバ
ル、使い物になるのかな。

<プリーズ・ミスター・ポストマン>はブルーマーガレッツの看板ナンバーでもあ
る。彼女たちのヴァージョンでは、まだほっぺの赤い可愛らしいお兄ちゃんが自
転車で手紙を運んできそうなイメージなのだが、アップル・ジャムの郵便配達人
はダンプカーにねじり鉢巻きで登場しそうである。それほどかけ離れている。
まったく、ワイルドにもほどがあるぞ…楽しいけど。

アップル・ジャムの3曲が終わると、ブルーマーガレッツがステージに上がった。
いよいよ、ジャム・セッションである。
いや、ジャム・セッションといっても、即興的に演奏するわけではない。あらか
じめ演奏するナンバーは決めてある。ただ、初対面のバンドがリハーサルも何も
なしにぶっつけ本番でやるという意味では、やはり即興的である。

先ほどのブルーマーガレッツのステージの前に、アップル・ジャムのジョンが
我々のところに来て、「ジャムはなに演る? 君たちの好きな曲でいいよ」と
言ってくれた。
そのときにサムさんが用意していたのは、<Day Tripper><The Night Before>
<Don't Let Me Down>という、なかなかシブい3曲。
ジョンにメモを見せて、じゃあってことで、<デイ・トリッパー>に決まった。そ
れで打ち合わせは終わり。15秒しかかからなかった。

ステージでのスタンバイはオーケー。
さあ、アップル・ジャム+ブルーマーガレッツでの<デイ・トリッパー>、行って
みよう!

(つづく)

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo464.html ≫


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▼スカウスハウス・ニュース
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国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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