July 05 2011, No.466
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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         *** http://scousehouse.net/ ***        


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼寄稿:「日々の暮らしが変わる旅もある!」(20)
 ▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」 <No.197>
 ▼スカウスハウス・ニュース
 ▽今週のフォト


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▽フロム・エディター
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今週のAnneさんの「日々の暮らしが変わる旅もある!」は、アムステルダムの
「猫博物館」を訪ねたエピソードです。
僕はこの博物館のことはまったく知らなかったのですが、Anneさんの旅行記と写
真で、すっかりファンになってしまいました。ぜひ行ってみたいです。

我が家にはネコが1匹います。
名前は「ラテ」で、オスで、5歳。毛の色はうすいベージュで、体重は5.9kgで、
右目がありません。片目です。でもかわいいです。
ちょうど5年前、ラテが我が家にやって来たときのことを、このNLWに書いてい
ます。
 http://scousehouse.net/magazine/magazine259.htm 

あれから5年も経ったなんて信じられない気持ちです。
右目は摘出手術をして、左目も完全には治らなかったのですが、そのハンディ
キャップを感じさせないくらいに元気いっぱいで、家族の一員として何不自由な
く暮らしています。かわいいです。
家事を手伝ってくれるわけでも、生活費を稼いでくれるわけでもありませんが、
それ以上の貢献をしてくれています。

この子のおかげで、どれほど家の中の空気がまるく、なごやかになっていること
か。
ただただ、生きてくれていること、そこにいてくれることが、毎日の生活の中で
どれほど大きな支えになっていることか。
ほんとうにありがたいです。本人はそんなつもりはまったくないんでしょうけど
ね。

…と書いて、どうしても考えてしまうのが、このたびの大震災のことです。
直接被災した動物はもちろん、避難所に連れて行けないために取り残された動物
たち、その中でも、鎖に繋がれたままだったり、家に閉じ込められたままだった
動物たち…。
どれほど過酷で悲惨な運命を辿ることになったのかは、少ないながらも報道され
ていますし、ある程度は想像することもできます。想像したくないですけど…。

被災地の外から細かい事情も知らずにあれこれ言うのは無責任だとは思いますが、
もう少し、家族の一員である動物たち、あるいは人間に寄り添って生きている動
物たちに、責任と優しさを持った対応をすることができなかったのだろうか…と
いうことを、つい考えてしまいます。

● ● ●

お詫びです。
ええと、先週号で、「できれば来週から、ずっとストップしております『利物浦
日記2010』を再開したいと思ってます」と書きました。
すみません、書けませんでした…。
来週は必ず!

                          ― Kaz(05/07/2011)


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▼寄稿:「日々の暮らしが変わる旅もある!」(20)
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「日々の暮らしが変わる旅もある!」 / Anne

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo466.html ≫ 

■第63話《猫博物館》■

運河沿いを歩いていると思わずうっとりしてしまいます。
「アムステルダムの街は本当に美しいなあ!」

運河、水、そこに架かる橋、そして緑。心の落ち着く街。とても優しい人々の暮
らす街。
特に静かな通りでは、そんな風に心が和みます。

水や緑の美しさに目を奪われそうな中、注意深く猫博物館の看板を探します。
ネットで調べたところによると本当に普通の住宅らしいです。
「小さな看板があるだけ!」
それも見逃してしまいそうな看板らしい。
昔、そのお宅には猫をとても愛してる方が暮らしていたそうです。
オーナーが猫をテーマに世界各国から収集した、さまざまな時代の作品が展示さ
れてるという猫博物館〜(=^ ^^ ^)
個人の方が収集したものなんですね。

そして現在、博物館には猫さんが4匹飼われているそうですよ。
この猫さんたちの可愛らしさはかなりみたい。
「博物館で美術品を見ることをつい忘れて、猫達と戯れてしまった!」
なんてネットの口コミにありました。
バルセロナのルームシェア先で「とらちゃん」と出会ったお話、読んでくださっ
た方もいらっしゃると思います。
あの旅の後、旅先で猫ちゃんに出会うことが楽しみの一つになってしまった私で
す。

「この道で良いのかなあ(o。o;)」
そんな心配が心によぎった頃です。
「歩いている猫の後姿」がデザインされた看板を見つけました。
「この絵は確かに猫の後姿だよねえ」
「だとするとこの家が博物館?」
それにしても本当に普通の家です。
でも出入り口らしいドアは閉じてます。中の様子も見ることは出来ません。
ネットやガイドブックで紹介されている外観とは似てるみたい。

少しの間「誰かお客さんが来ないかな(((.. )( ..)))」なんて辺りを見回してい
ました。でも、訪ねてくる様子もない。
「よし勇気をだそう<(`^´)>」
ドアノブに手をかけて引いてみます。
「ビクともしないよー!」
「あっ! ドアの横にはベルらしいのがあるよ!」
「これを押してみればいいんだよね!」
「そうだよ。看板が出てるんだからオープンしてるはず!」
もう一度勇気を振り絞ってドアベルを押してみました。
「リンリン」

シーン・・・
「ドキドキ(゜゜;)」
「あっ! 鍵をはずす音!」
ドアが開いてとても美しい女性が微笑んでいます。
そして私を満面の笑みで中に導いてくれました。
「あ〜! 良かったあ。」
「彼女に入場料を渡したらいいのね」
さあ、どんな博物館なのか楽しみですよ!

でも私ったら猫さん達の姿ばかり探してる。気になって仕方がない。
二階に上がると廊下には猫さん達の絵画やポスター。
その面白いポスターを楽しみつつも
「猫ちゃんはどこだろう (^_^ ) ( ^_^) 」


■第64話《博物館の猫さん達》■

廊下の美術品の脇には部屋に入るドア。確かに普通のお宅です。ドアを開けて部
屋の中に入ってみます。
「おー!」
猫さんの置物、猫さんの食器、猫さんの肖像画、猫さんの・・・etc.

「ヨーロッパにはこんなに古くから猫グッズがあったのね!」
「驚きですねー! これほどの猫グッズ!」
「きゃー! 日本の招き猫さんですよー!」
大きいもの、小さなものがずらっと並んでいます。ヨーロッパの博物館にこんな
にたくさんの招き猫たち。なんだか嬉しくなっちゃいますね。

窓の前にはちょっと怖いマネキン。これは猫の毛皮を着ているマネキンらしい。
毛皮でこんな衣装を作ってしまう文化もあったんだ。
日本も三味線は猫の皮を利用していたんですよね。そんな事実も思い出されます。
シャンデリアや古い調度品で囲まれた部屋。
これらの猫をかたどった調度品の数々には、猫が愛されていた様子をとても感じ
ることが出来ます。
彫刻や絵画やソファーなど、立派なものが多いことにもビックリ!
「そうなんです! 中に入ってみるととても大きなお屋敷なんです!」

「でもです! 私はまだここで飼われている本物の猫さんに出会ってな〜
い(×_×;)」
がっかりな気持ちのままふっとソファーに目を移すと何か丸くなって寝ています
よ!
「最初の猫さんに会えました!」
白をキャラメルと黒の毛色。
「この子は三毛猫さんみたいね」
「逃げちゃわないで!」
そっと近寄って手を差し伸べてみます。
「嬉しいo(^-^)o」
観光客の方々が出入りしている博物館の猫さんだけありますね。
初めて出会った私が撫でても堂々としています。
「しかも人懐っこい!」

あまりの可愛らしさに、そのまま撫で撫でタイム突入!
「オー! この子もゴロゴロ言ってるよ!」
この子の耳の端には切れ目。日本では野良猫さんの去勢や避妊済みの目印ですよ
ね。
「この目印って万国共通? この子も以前は野良猫さんだったのかもね」
こんなことを感じても、スタッフの方に尋ねることも出来ない私。
英会話が出来たら旅はもっと充実するのにね。
「たまには反省(_ _)(-.-)」
こんな時にはやっぱり言葉の壁に寂しさを感じてしまいます。
「でもね、皆さん(⌒^⌒)b猫さんたちとは言葉の壁はない!!!」
「撫でられて気持ちいい場所も共通みたい(^-^)」


■第65話《今度はどんな子かな?》■

このあとすぐに別の猫さんにも出会いました。今度はキジトラ柄の子です。
さっきの三毛猫さんとは別のソファーでゆったりお昼寝中。そっと近寄ると大き
な欠伸でお出迎え。
やっぱり慣れていて私が撫でても堂々とした態度は同じです。
この子には耳の端のカットはありませんね。この子は始めから飼い猫さんだった
のかな。
大人顔で大人対応をしてくれた猫さん達です。

スペインで出会った猫さんにも感じたんですけど、何だかヨーロッパで出会う猫
さんは大人顔が多い感じ。
「もしかして人間と同じかな?」
よく「日本人は若く見られる」って聞きますよね。
私も以前、ロサンゼルスでビールを注文したら未成年と間違えられた経験があり
ます。
「猫さんの顔も人間社会と共通してるってこと(=^-^=)?」

確か博物館には4匹の猫さんが飼われているんですよね。となるとあと2匹…も
う美術品じゃなくて猫さん探しになって来ちゃいましたよ!
「オー! こちらにいたよ〜!」
キジトラ柄の猫さんが立ち去った後、そのソファに別の子が来ました。
「またまた三毛猫さん。この子はさっきの子?」
でも白とキャラメルと黒のうち黒が強いからさっきの子とは別の三毛猫さんです
ね。
「この子も人懐っこい!」
横向きになって喉元やお腹をモフモフさせてくれます。
「あらっ? この子も耳端にカットの痕。」
野良さん出身かもですね。

「もう一匹いるはずなんだけどなあ(;°o°)」
結局ここで出会えた猫さんは3匹。みんなとても可愛くて人懐っこい!
「さすが! 観光客の方々が出入りしている博物館の猫さんたちだね」
「猫好きな方々のお相手は任せて=^_^=」って感じ。
早くホテルに帰って、モナちゃんをモフモフしたくなっちゃいまし
た〜(=^ ^^ ^)ヾ(^^ )

オランダに限らずヨーロッパではホテルやレストラン、トラムや鉄道でも動物た
ちを見かけます。
その子たちはケージやバッグに入れられていることがないですよね。
「お散歩の続き」って感じで駅のホームで電車を待っています。
リードだけでトラムに乗車してきたワンちゃんにも出会いましたよ。

ウィーンではカフェで休憩している時、近くの席で会話しているお客さんの足元
に動くものが!
視線を移すとワンちゃんが2匹大人しく眠っていました。
こんな光景をよく目にしますね。そんなときは何故かホッとしちゃいます。
日本では動物は乗り物に乗るときバッグの中ですね。
もちろん食料品店やレストラン、カフェには連れていけません。
少しずつ一緒に食事出来るところも出てきたところかな。

ヨーロッパに行くと、人々の暮らしの中に当たり前のように一緒に暮らす動物た
ち。その自然の姿に感動して、こんな光景が大好きになった私です。
好きなものはサッカーだけじゃなくなってきましたよ- 〜(=^ ^^ ^)へ (((○

(つづく)

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo466.html ≫ 


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▽特派員レポート:「ゴールドフィッシュだより」
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「ゴールドフィッシュだより」 / ミナコ・ジャクソン
          〜 Goldfish Liverpool Update / Minako Jackson 〜

 ― 第197号 / Everyman The Finale & Tickle the Ivories ―

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish197_photo.html ≫

こんにちは。
7月に入り、20度を超す夏らしい日々が続いています。
今月は、リヴァプールの街でも夏本番といわんばかりに新アトラクションのオー
プニングやイベントが待ち受けています。
今回号では、いきなりですが7月の告知からスタートしたいと思います。

♪ ♪ ♪

7月のイベントです。

7月8日から10日まで、リヴァプールの対岸・ウィラルのホイレイクでは、
第一回《ウィラル・フェスティヴァル・オブ・ファースツ(Wirral Festival of
Firsts)》が行われます。
元スキャフォルドのジョン・ゴーマンが発起人となって、ホイレイクのプロム
(海辺のプロムナード)に、アート、音楽、舞台、ポエトリーを盛り込んだイベ
ントです。
初めての試みで、どんな展開になるのか分かりませんが、楽しみです。
Wirral Festival of Firsts: http://www.festivaloffirsts.co.uk

7月10日はビートルズ・デー。
モップトップのかつらをかぶってチャリティ活動を、というこのイベントも
2008年以降毎年恒例となっています。
第4回目を迎える今年は、アルバートドックにて展開。ビートルズのトリビュー
トバンドのライブや、アルバートドックの各所を巡るビートルズ版宝探し、60's
をテーマにした仮装コンテストなどが開
催される予定です。詳細はこちらから。
Beatles Day 2011: http://www.beatlesday.tv/
Albert Dock: http://www.albertdock.com/

7月15日〜17日は、《ブラジリカ・フェスティバル(Brazilica Festival)》。
近年登場した<リヴァプール・カーニヴァル・カンパニー>主催のこのイベントも、
すっかりこの街に定着し、今年は3日間に渡ってカラフルで躍動感のあるカーニ
ヴァルや屋内外でのイベントが用意されています。

メインとなる16日の<カーニヴァル・デー>では、日中は午後12時からウィリア
ムソン・スクエアでライブやファミリーフレンドリーなアクティビティが行われ
ます。
音楽やダンスが鑑賞できるだけでなく、参加型のワークショップ各種が実施され
るほか、サッカーゾーン、ブラジル料理やラテン系料理のストールが並ぶマー
ケットプレイスが設置されます。

午後8時半からは、本イベントの目玉であるサンバカーニヴァルが行われます。
リヴァプール大学の敷地内からスタートし、ホープ・ストリート、ハードマン・
ストリート、ボールド・ストリートを下り、チャーチ・ストリートからウィリア
ムソン・スクエアのメインステー
ジまでのルートをサンバのビートとダンスのパレードが繰り広げられます。それ
でも物足りない大人向けには、夜10時からNationにてアフターパーティーが深
夜3時まで続きます。
Brazilica Festival: http://www.brazilicafestival.com

翌週の週末もまだまだカーニヴァルが続きます。
長年恒例行事となっている《ブルーハーハ(Brouhaha International Festival)》
のメインイベントが7月23日に開催。こちらもリヴァプール大学近くのマルベ
リー・ストリートから午後12時にスタートし、最終地点のプリンセス・パークま
で国際色豊かな様々なパフォーマー達が街を彩ります。
プリンセス・パークでは、ステージやストールが設置され、音楽、ダンス、パ
フォーマンスやクラフト、ゲームなどのアクティビティが夜7時まで行われます。
Brouhaha International: http://www.brouhaha.uk.com

7月22日から24日までの週末は、《リヴァプール・オン・ザ・ウォーターフロ
ント》の第二弾が開催されます。
ピアヘッドのロイヤル・ライヴァー・ビルディングの100周年を記念したこのイ
ベントのメインのアトラクションは、期間中毎晩10時15分から行われる《ザ・
マキュラ・スペクタキュラー(The Macula Spectacular)》と題した音と光のデ
ジタル・プロジェクションです。
マキュラが手掛けた過去の作品をネットで見てみましたが、凄いです。ライ
ヴァー・ビルディングをキャンヴァスにどんなショーが繰り広げられるのかが、
楽しみです。

期間中は、ライヴァー・ビルディング内で100周年を記念する展覧会も開催され
ます。
毎晩コンサートも行われ、初日の22日(金)はリヴァプールの女性ブルースシ
ンガー<コニー・ラッシュ>、23日(土)は<ロイヤル・フィルハーモニック・
オーケストラ>、24日(日)は、<シックス・トーイズ(6ix Toys)>というライ
ンアップになっています。

22日には、7月19日にオープンする<ミュージアム・オブ・リヴァプール>が夜
10時まで開放されます。
Museum of Liverpool: http://www.liverpoolmuseums.org.uk/mol/

オン・ザ・ウォーターフロントのプログラムはこちらから。
Liverpool on the Waterfront:
http://www.liverpoolonthewaterfront.co.uk/22-24-july/

7月30日と31日は夜10時から、《アズ・ザ・ワールド・ティップト(As the
World Tipped)》という気候変動をテーマにしたドラマティックな空中パフォー
マンスとビデオプロジェクションが、リヴァプール大聖堂の外壁を舞台に行われ
ます。
これはリヴァプールを拠点に活動する<ワイヤー・エアリアル・シアター>による
ものです。
屋外パフォーマンスが開始する前にも、大聖堂内でパフォーマンスが行われるほ
か、大聖堂の展望台のツアーが特別に夜9時まで実施されます。
詳細はこちらのホームページから。
http://www.astheworldtipped.com/
http://www.liverpoolonthewaterfront.co.uk/tipped/

7月にはもう一つ新名所の完成が予定されています。<フェスティヴァル・ガー
デンズ>です。
1984年にリヴァプール国際園芸博覧会が盛大に開催された後、長年放置されてい
たこの場所が修復および再開発され、7月下旬にオープン予定とのことです。
日本庭園をはじめとした<オリエンタル・ガーデン>も復活します。
Festival Gardens: http://www.festivalgardens.com/

<エコー>のホームページで、写真がご覧になれます。
http://www.liverpoolecho.co.uk/liverpool-news/local-news/2011/06/09/revealed-liverpool-s-newset-park-on-the-former-garden-festival-site-gallery-video-100252-28852119/

♪ ♪ ♪

エキサイティングなイベントが毎週末のように行われる7月ですが、第一週目の
7月2日には、地元の人々に惜しまれながらホープ・ストリートの<エヴリマン・
シアター>と<エヴリマン・ビストロ>が幕を閉じました。
既存の建物は改築され、2013年に新しく生まれ変わります。

チャペル、映画館だったこの建物は、1964年に劇場としてオープンし、デヴィッ
ド・モリッシー、ジョナサン・プライス、故ピート・ポスルスウェイトをはじめ
とした俳優を輩出し、アラン・ブリーズデールやウィリー・ラッセルといった脚
本家が腕を磨いた場所でもあります。
また<Ev>という愛称で40年間親しまれたビストロも、単なるお店という枠を超え
て、ミュージシャン、詩人、アーティスト達が集まって飲みながら語らったり、
ギグや展覧会を行ったりと文化的ハブであり続けました。リヴァプール・ポエッ
ツ(ロジャー・マッゴフ、エイドリアン・ヘンリー、ブライアン・パッテン)も
お馴染みの顔だったことで有名です。

フィナーレに向けて、6月中旬からグッド・バイ・イベントが立て続けに行われ
ていました。
そのなかで、私は6月18日の<デフ・スクール>のライブを観にいきました。
キャバレー仕立てで、ドラマティックな彼らのパフォーマンスを満喫しました。
<What A Way To End It All>は大合唱でした。

7月2日(土)のフィナーレでは、日中は劇場の舞台スペースや楽屋などが開放
され、天井からは人々のエヴリマンへの思い出が綴られた荷札が至るところに吊
るされていました。
来客者はヘッドフォンから流れるエヴリマンにまつわるストーリーや思い出を聞
きながら各部屋を回りました。

ビストロへは、夜はきっと満員で入れないだろうと察し、日中に行ってきました。
たくさんの人達がひっきりなしに出入りしていて、奥のサード・ルームでは
<シックスティーン・トンズ>が演奏していました。

会場でばったり会った友人知人は、エヴリマンのフィナーレ時期に入ってから、
ここで本当にたくさんの旧友達との再会を果たした、とか、エヴリマンは無く
なるわけではないと分かっていても、思い出の詰まった場所がなくなるのは、
やっぱり寂しくなる、とエモーショナルに語っていました。
40年間劇場やビストロに通い続けた人達と話しながら、新入りの自分との、感
情的価値の違いを実感しました。

夜はホープ・ストリートの一部を通行止めにして、午後10時から建物の前で
フィナーレのセレモニーがありました。
大勢の人達が詰めかけ、背の低い私には、ほとんど見えないほどでした(カメラ
でなんとか捉えて後で見ることができましたが)。
葬列マーチのバンドとゴシックな風貌の役者達が登場し、<センス・オブ・サウ
ンド>というコーラス・グループが観客に混ざってアカペラで『さよなら、ごき
げんよう』をしめやかに歌いました。

建物の上には 'everyman' という文字を模った花火が点火され、赤と黒の風船が
放たれました。
シザーリフトが上昇し、なにやら外壁にスプレーで何かを書いています。
シザーリフトが降下すると、'be back soon' という文字が見え、拍手が鳴り響
きました。

セレモニーの後、案の定ビストロには長蛇の列が出来ていました。
ホープ・ストリートは人がまばらになりながらも、長々と立ち話をしている人達
もあちこちで見受けられました。
エヴリマンと私の関係はたかだか10年ほどですが、そんな私でもこの晩に、し
ばらく会わなかった友達にばったり会えたりして、懐かしい話などをして過ごす
ことができました。
それぞれの人にそれぞれの思い出をくれた場所なんだなあ、と感慨深くなりまし
た。

2013年にまた人々が集う場所となる日を楽しみにしています。
Everyman and Playhouse:
http://www.everymanplayhouse.com/Content/Home/AboutUs/NewEveryman.aspx

♪ ♪ ♪

最後に、ショッピングセンターの<Liverpool ONE>で始まった、《ティクル・ジ・
アイヴォリーズ(Tickle the Ivories)》という、ピアノ・フェスティヴァルを
ちょこっと紹介して締めくくります。
これは、<オープン・カルチャー>主催のイベントで、Liverpool ONEの敷地内に
5台のピアノが設置され、ピアニストがバスキングをする、というものです。
7月1日のオープニングの晩には、サンバドラムとピアニストが演奏をしながら
各ピアノを周り、盛り上がりました。
このフェスティヴァルは9月4日まで続きます。
http://tickletheivories.org/

それではまた!

ミナコ・ジャクソン♪

 ≪ http://scousehouse.net/goldfish/goldfish197_photo.html ≫


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▼スカウスハウス・ニュース
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*** <Beatle Week 2011> ツアー参加者募集中! ******

毎年恒例、International Beatle Week鑑賞パッケージ「スカウスハウス・ツ
アー2011」の参加者を募集しています。
この夏、ぜひぜひリヴァプールでお会いしましょう!
http://scousehouse.net/beatleweek/scousetour2011.html 


*** ガイドツアー「ロンドン特別編」 ******

好評のビートルズ・ツアーに加えて、ロンドンでのウォークツアーを2コース、
実施しています。シャーロック・ホームズゆかりのスポットを案内する「ホーム
ズ・ツアー」と、ちょっと怖い「ロンドン・パブ・ツアー」。ディープなロンド
ン体験をぜひ!
http://scousehouse.net/beatles/guidetour_london2.html 


*** リヴァプール語学留学 ******

スカウス・ハウスは、リヴァプールへの語学留学をサポートしています。
公立のリヴァプール・コミュニティ・カレッジに加えて、今年より、私立の語学
スクールLILAとも提携しています。
長期でじっくり学べる学生の方にはコミュニティ・カレッジを、まとまった期間
を留学に充てられない社会人の方にはLILAをおすすめします。
スカウス・ハウスには、リヴァプール留学に関する専門知識や経験を持つスタッ
フが、日本とリヴァプールの両方に常駐しています。入学前はもちろん、入学後
のサポートについても安心してお任せください。
http://scousehouse.net/study/index3.htm 


*** ビートルズ・ガイドツアー ******

リヴァプール&ロンドンのビートルズゆかりの地を訪ねるガイドツアーをアレン
ジしています。ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧
ください。
http://scousehouse.net/beatles/guide_liverpool.htm
http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm 


*** 原稿募集中 ******

NLWでは、読者のみなさんからの投稿を募集しています。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは英
国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


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▽今週のフォト
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*** 今週のフォト・アルバム ******

連載「日々の暮らしが変わる旅もある!」に関連した写真を掲載しています。ぜ
ひご覧ください!
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo466.html 


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           *** 毎週火曜日発行 *** 


□■ 第466号 ■□

 ◆発行 SCOUSE HOUSE (スカウス・ハウス)
 ◇編集 山本 和雄&ミナコ・ジャクソン
 ◆Eメール info@scousehouse.net
 ◇ウェブサイト http://scousehouse.net/
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