July 19 2011, No.468
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NLW ■
         *** http://scousehouse.net/ ***        


□■ INDEX ■□

 ▽フロム・エディター
 ▼寄稿:「日々の暮らしが変わる旅もある!」(22)
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
▽フロム・エディター
――――――――――――――――――――――――――――――――─ NLW □

先週の木曜日、義父が亡くなりました。
結婚して22年、ずっと近所に住んでいるので、僕にとっては自分の親よりもは
るかに身近な存在でした。

といっても、ウマが合うとか心から理解し合えるというような間柄ではなかった
んですよね。
一緒にお酒を呑むとなぜか必ず侃々諤々の議論になってしまうので、この10年
くらいは妻の実家でのお酒は控えめにしたり、長居をしないようにしていました。
仲が悪かったわけではもちろんないんだけど。

お互いにリスペクトを忘れず…というか遠慮を忘れず、いつも少しずつ譲り合っ
ているような関係だったように思います。でも、それでとてもうまく行っていた
のです。少なくとも僕はそう思ってました。特にうちに子供が生まれてからは。

でも、お通夜や告別式が終わってひと息ついてみると、「それでよかったのかな
あ…」と、つい考えることになってしまいました。
「もっと一緒にお酒を呑みたかったなあ」「もっともっと侃々諤々の議論をした
かったなあ」という気持ちが、夏の日のシャボン玉のように次々に浮かんでくる
のです。
勝手なものですね、まったく。

おとうさん、いい息子でなくてごめんなさい。長い間ありがとうございました。

                          ― Kaz(19/07/2011)


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
▼寄稿:「日々の暮らしが変わる旅もある!」(22)
――――――――――――――――――――――――――――――――― NLW □

「日々の暮らしが変わる旅もある!」 / Anne

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo468.html ≫ 

■第70話《同じ色のセーターの女性》■

5月7日。アムステルダムに来て3日目です。丸一日観光出来る最後の日。時の
経つのは早いですね。明日の夕方のフライトで帰国です。

今日はアムステルダムアレナとハイネケンエクスペリエンスを訪ねる予定。
何も予約はしていないのであくまでも予定ですけど。

今朝はオランダに来て初めて「ダッチウェザー」といわれるお天気(°.°
昨日までは、オランダ在住のホテルのご家族さえ驚くような晴天続きでした。
この日の曇り空こそが「ダッチウェザー」とご主人が教えてくださいました。

これからの予定は両方とも室内です。
つまりお天気も予定通りですね。オランダに来てダッチウェザーを経験出来ない
方が寂しいものね。

ダイニングではご主人にオランダのお話を色々して頂きました。
そんな会話の中で、私が猫ちゃんの名前を「モナちゃん」って知っていると、ご
主人は凄く驚いてましたよ(°o°)ゝ
「トリップドバイザーの口コミ」に書かれていたことをお話すると、ネットの情
報力に感心したり、また驚いたりのご主人でした。
「そうですよね_(^^;)ゞ」
ホテルの飼い猫の名前まで日本から来た私が知っているなんて!
冷静に考えてみると凄い情報力ですよね('〇';)
その情報力に私はいつも助けられているのですけれど!

昨日、ゴッホ美術館のチケットをくださった方ともダイニングで遭遇。
お互い一人旅なので、今朝も席をご一緒させて頂いてお礼を言います。
すると彼女はとても困ってる様子。
ご自宅から「お母様が危篤」の連絡が入ったとのことです。
ちょうど携帯電話を手に焦っている様子でした。帰国をするためのフライトの予
約をしようとロンドンのANAに電話をしているところだそうです。
海外旅行中のご家族の大変な出来事(;°°)!
「自分自身のこと以外に家族のことで急な帰国を余儀なくされる!」
考えたことは正直ありませんでした。

彼女は全日空を利用しての旅。ANAのロンドン支店に電話。
オランダとイギリスは一時間の時差。だからロンドンのオフィスはまだオープン
時間ではありません。繋がらない状態に焦っていらっしゃいました!
日本のオフィスは営業時間が終わっています。
「時差って何かあった時に大変なんだ(;-_-)!」

相手が営業時間外だったら何にも出来ません。気持ちだけが焦りますよね。
家族が元気でいてくれることにも感謝です(。^_^。)

やがて彼女はANAの営業時間を待つため、一旦、部屋に戻って行かれました。
私も食事が終わり、一人、ダイニングでゆっくりコーヒーを頂いています。

すると女性が一人でダイニングに入ってきました。
こちらのホテルでは初めて見かける方です。
「昨日の夜、到着したばかりなのかな(°σ °)」
彼女は手に「地球の歩き方」を持っています。
つまり観光旅行だよね。それなのにとても寂しそうで辛そうな表情。
「何だかその表情が気になるなあ」
偶然にも彼女は私と同じ色のセーターを着ているので尚更です。
エメラルドグリーンのセーター。
そんなにお揃いになる色ではないので同じだったことに縁を感じてしまいます。
「旅行ですか?」
思わず声をかけずにはいられませんでした。


■第71話《出会い》■

もちろん日本語だから声をかけられたんです。
日本人が経営していることで、日本人の宿泊客が多いホテル。やっぱり何かと心
強いですよね。

声をかけてみると、彼女はとても悲しそうに頷きました。
別のテーブルにコーヒーとパンを置きかけた彼女は、ちょっと考えて私と同じ
テーブルに来てくれたんです。
私はもう朝食は終わっています。けれど急ぐ必要はありません。
「こんな時も個人旅行だから会話が出来ますね。」
「出発時間は予約さえしてなければ自由だもの( ̄^ ̄)」

彼女のお名前は「リサさん」。
お互いに自己紹介後にお話をしてくださいました。
彼女はやはり昨夜遅くこのホテルに来たらしいとのこと。
突然パリからアムステルダムへのフライト。
こちらのホテルが夜遅くの到着で一晩だけ宿泊が出来たとのこと。
「どうしたの?」
そのお話を伺っただけでとても心配になってきました!
彼女は世界一周旅行の最中らしいです。目的は世界の照明を見て歩くこと。お仕
事が照明関係ってこと。
何だかこのお話だけでとてもカッコいい( ^.^)

その彼女がパリのユースホステルに滞在中に事件が起こったそうです。
なんと盗難に遭われちゃったw(゜o゜)w
しかもユースホステルのセキュリティボックスで(°◇°)~!!!
「置きっぱなしにしてたわけじゃないんですよ!」
「防ぎようがないですよね!」 
「セキュリティボックスで盗難なんて!」
「何を信じたらいいのか分からない(゜_゜;)」

「盗まれたものは現金!」
大使館にすぐに連絡したけれど、何もして頂けなかったと。
多分、パスポートが無事だったからかな。
フランスって移民がとても多いんですよね。パリのユースホステルの従業員も移
民の人だったらしい。
彼女にしたら、
「セキュリティボックスで盗難なんて! もしかしたら従業員?」
人間不信状態だそうです。

すぐに自宅に国際電話! 旅費を送金してもらわないと旅が続けられない…。
お母様に事情を話して送金をお願い! でもお母様は海外送金の仕方がよく分か
らない!
そんなことが原因でちょっと言い争いになってしまったことも辛かったみたいで
す。

「そんな大切なお話だったなんて!」
アムステルダムのホテルで初めて出会った女性から突然伺うことになった私。
「セーターの色が同じだし、これはきっと偶然じゃないはず!」
「私にも彼女を勇気づけることが出来るはず!」
言葉が出来なくて頼りない私! だからこそ一人旅に出て来てるからには、危機
管理の準備には細心の注意を払っています。
「色々な場合の対応を調べて来ていますよ(^_-)!」
「カードを無くした経験だってあるし!」
ずっと読んでくださってる方は覚えてらっしゃいますか?
「リヴァプールでのカード紛失事件!」


■第72話《危機管理のためにすること》■

彼女はカードもパスポートも無事だったから、その日の内にパリが恐くてアムス
テルダムに逃げてきちゃった。
大使館に連絡はしたものの、警察には届けてないらしいです。
そのお話で気になることがありました。
「パスポートやカードは盗んだら足が付きやすい」
「でもパスポートやカードはスキャンして偽造を作る可能性がある」
そんな犯罪の情報を読んだ経験があったような気がします。

そのお話を彼女にして、すぐに日本のカード会社に連絡することを勧めました。
使われてる形跡があったら保険を適用出来るようにお願いしなければならないで
すね。
パスポートもスキャンされていたら怖いです(-_-;)
大使館等にそのお話をしてどう対処したら良いか指示を仰ぐことをお勧めしまし
た。
今までの経験と、言葉が出来ない分安全のために色々調べたことがお役に立てそ
う!
少なくとも彼女は少し落ち着いてくれたみたいです。

彼女は一人で世界一周の旅! 英語も出来て旅慣れてるんです。
だからこそあまり危機管理の準備の必要が今までなかったんですね。
私は言葉も出来ないし、何かあったら自分の頭で解決させなくちゃならない。
そんな私は情報の収集が必須ってことなんです。

「少し彼女に笑顔が戻ったみたいo(^^o)」
ちょっぴりホッとしました。
それに彼女は猫さんが大好きとのこと。早速猫博物館のお話をしちゃいました。
彼女もモナちゃんにはご対面済みで、モナちゃんのお話でも盛り上がりました。
今日、彼女はアムステルダムで、ずっと気になっていた照明を見に行く予定だそ
うです。
私はアムステルダムアレナを訪ねる予定にしてます。
加えて彼女は今夜の宿泊場所を探さなければならないですね。
「現地で今夜の宿泊先を探すなんて(゜o゜;」

ダイニングもそろそろ閉まる時間。
メールアドレスを交換して、お互いの今日のスケジュールに取り掛かることにし
ました(^_^)/


■第73話《オランダ=ダッチ!!!》■

いよいよ地下鉄でアムステルダムアレナに向かいます。
オランダって「ダッチ」って表現が多いですよね。
「ダッチウェザー」だけじゃなくて、「KLMダッチエアライン」(正式名じゃない
ですけど)、オランダのコーヒーを「ダッチコーヒー」そしてオランダ人を
「ダッチマン」…。
「あっ! これはあまり良い言葉ではないらしいから使わない方がいいかも」
でもリヴァプールのカイトが「ダッチマン」って表現されてたりしますよね。

「ダッチウェザー」と言うのはくるくると目まぐるしく変わる天候のこと。
オランダの天候の特徴らしいですよ。晴れ、曇り、雨と空模様が次々変わる。
モータースポーツも大好きな私。オランダのサーキットでのレースを観戦してい
ると、コーナーによってお天気が違ってたりして、ライダーとってはとてもレー
スが難しいんですよね。

今、頭上が灰色の雲で雨が降っていても、雲はすぐに途切れて青空が見えて、す
ぐに日差しが差し込む。
雨も「ザーッ!」って強く降ってくるようなものじゃなくて、ポツポツとか、
霧雨っぽいとか、傘は必要ない感じの雨。

当然気温も変化しやすいですね。
着るものは脱着しやすくしたり、折りたたみの傘を持って出かけることが必要か
な!
今日はいつもの中央駅とは反対方向にトラムで向かって地下鉄に乗り換えますよ。
今ままでとは違う景色と言うのはまた楽しみです。

いつもとは反対側の停留所からトラムに乗車。また路線図を眺めながら、降りる
駅を間違わないように付き合わせ。
文字が読めないというのは駅名が頭に入らないという点はちょっと大変。
反対方向ということは、郊外に向かっているから雰囲気は寂しい感じです。今ま
でみたアムステルダムの街とは違って一人で歩くのはちょっと心配な雰囲気です。
もちろん、実際はどうか分らないけれど(゜□゜)

暫くすると、トラムは目的の地下鉄の駅前に到着。
地下鉄と言っても、私が乗車する駅はもう地上を走っています。
アムステルダム中央駅から出ている地下鉄。でも中央駅から乗車だと少し戻るこ
とになるので、トラムで行き先により近い駅を目指すことにしたんです。

(つづく)

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo468.html ≫ 


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
▽スカウスハウス・ニュース
――――――――――――――――――――――――――――――――─ NLW □

*** <Beatle Week 2011> ツアー参加者募集中! ******

毎年恒例、International Beatle Week鑑賞パッケージ「スカウスハウス・ツ
アー2011」の参加者を募集しています。
この夏、ぜひぜひリヴァプールでお会いしましょう!
http://scousehouse.net/beatleweek/scousetour2011.html 


*** ガイドツアー「ロンドン特別編」 ******

好評のビートルズ・ツアーに加えて、ロンドンでのウォークツアーを2コース、
実施しています。シャーロック・ホームズゆかりのスポットを案内する「ホーム
ズ・ツアー」と、ちょっと怖い「ロンドン・パブ・ツアー」。ディープなロンド
ン体験をぜひ!
http://scousehouse.net/beatles/guidetour_london2.html 


*** リヴァプール語学留学 ******

スカウス・ハウスは、リヴァプールへの語学留学をサポートしています。
公立のリヴァプール・コミュニティ・カレッジに加えて、今年より、私立の語学
スクールLILAとも提携しています。
長期でじっくり学べる学生の方にはコミュニティ・カレッジを、まとまった期間
を留学に充てられない社会人の方にはLILAをおすすめします。
スカウス・ハウスには、リヴァプール留学に関する専門知識や経験を持つスタッ
フが、日本とリヴァプールの両方に常駐しています。入学前はもちろん、入学後
のサポートについても安心してお任せください。
http://scousehouse.net/study/index3.htm 


*** ビートルズ・ガイドツアー ******

リヴァプール&ロンドンのビートルズゆかりの地を訪ねるガイドツアーをアレン
ジしています。ツアーの詳細は、ウェブサイトの「ガイドツアー」ページをご覧
ください。
http://scousehouse.net/beatles/guide_liverpool.htm
http://scousehouse.net/beatles/guide_london.htm 


*** 原稿募集中 ******

NLWでは、読者のみなさんからの投稿を募集しています。
旅行記、レポート、研究、エッセイ、写真などなど、リヴァプール、あるいは英
国に関するものなら何でも歓迎です。
お気軽にお寄せください。楽しい作品をお待ちしています。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
▼今週のフォト
――――――――――――――――――――――――――――――――─ NLW □

*** 今週のフォト・アルバム ******

連載「日々の暮らしが変わる旅もある!」に関連した写真を掲載しています。
ぜひご覧ください!
http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo468.html 


■ NLW ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
           *** 毎週火曜日発行 *** 


□■ 第468号 ■□

 ◆発行 SCOUSE HOUSE (スカウス・ハウス)
 ◇編集 山本 和雄
 ◆Eメール info@scousehouse.net
 ◇ウェブサイト http://scousehouse.net/
 ◆お問い合わせフォーム http://scousehouse.net/liverpool/form.html

 ご意見・ご感想・ご質問など、お気軽にお聞かせください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

このメールマガジンは、以下の配信サーヴィスを利用して発行しています。配信
の解除やメールアドレスの変更は、それぞれのウェブサイトからどうぞ。

◆まぐまぐ
 http://www.mag2.com/m/0000065878.htm
◇めろんぱん
 http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=000917
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
無断での転載を禁じます。  Copyright(C) 2001-2011 Scouse House