July 26 2011, No.469
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  リヴァプール・ニュース / News of the Liverpool World   
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 ▽フロム・エディター
 ▼寄稿:「日々の暮らしが変わる旅もある!」(23)
 ▽スカウスハウス・ニュース
 ▼今週のフォト


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▽フロム・エディター
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昨日・月曜日から、「国際血栓止血学会」が行われている京都国際会館に通って
います。
世界79カ国、およそ7000名の関係者が集まるというおそろしく大規模な国際会
議で、参加者の多さもすごいですが、その9割近くが海外からの出席というのも
かなり珍しいそうです。
開催はこの月曜日から木曜日までの4日間。今日でちょうど半分が終わったとこ
ろです。

この国際会議のテーマは、「心筋梗塞、脳血栓等の血栓症、更に血友病のような
出血性疾患の病態、診断、予防、治療などについて発表、討論、研究する学会」
ということです。
言うまでもないことですが、僕はお医者さんではないですし、医療関係の仕事に
従事しているわけでもなく、薬品や医療器具のメーカーにも直接の関係はありま
せん。

ではなぜ参加することになったかといえば…はいそうです、リヴァプールがらみ
なのです。
リヴァプールは来年・2012年にこの会議を開催することになっていて、今年の
エキシビション・ホールには、リヴァプールをPRするためのブースが設置され
ています。
今年の1月だったか2月だったか、来日するプロフェッサーからリヴァプールの
知人を介して「協力してほしい」というコンタクトを受けました。何気なくミナ
コさんに相談してみると、なんとその教授の奥さまとはとても親しくしていて、
教授とももちろんお友達とのこと。“It's a small world!”ですね。
そういう縁ですから、僕は喜んでお手伝いをさせていただくことにしました。期
間中は毎日、そのブースに常駐してリヴァプールの宣伝に努めています。

…といっても、そんなにたいしたことをしているわけではないんです。
さいわいリヴァプールにはたくさんのアピールポイントがあります。歴史、世界
遺産、文化、スポーツ……。
その中でも人目を惹きやすいのは、やはりフットボールとビートルズといえるで
しょう。
というわけで、プロフェッサーは中心選手の直筆サインが入ったリヴァプール
FCのユニフォームを調達し、僕はビートルズ・ナンバーをてんこ盛りにした
iPodとスピーカーを用意して持って行きました。

その目論見はまんまとヒットして、連日、実にたくさんの人々がリヴァプールの
ブースを訪れてくれます。
ヨーロッパ、アジア、中近東、アメリカ、南米、オセアニア、そしてアフリカ。
ほんとうに世界中の人々と直に接することになりました。
もちろん会話は英語です。こちらの英会話能力は恥ずかしいくらいにつたなくて
申し訳ないのですが、それでも、ビートルズやLFCをネタにいろんな国の人とお
話ができるのは楽しいです。

2日目の今日は、朝から僕ひとりで店番というかブース番をしました。
チェコ共和国から来たドクターたちから「リヴァプールで活躍したチェコの選手
はだーれだ?」という質問をされたり(スミチェルとベルガーだ!)、マンU
ファンから苦笑交じりに冷やかされたり、2005年のトヨタ・カップの記者会見
でリヴァプールFCの先週の通訳を務めたという日本人男性に声をかけられたり
して、まったく退屈しませんでした。

そしてあらためて感じたのが、ビートルズの世界的なポピュラリティです。
ブースの前を、笑顔で通り過ぎる人のなんと多いことか。曲にあわせて踊ったり、
歌ったりする人も珍しくありません。
わざわざ僕のところに寄って来て、「ビートルズはいいね。大好き!」と言って
くれる人も何人もいました。
日本のドクターからは、「来年はビートルズのために行くってみんな言ってるよ」
との言葉。医薬品メーカーに勤める某ビートルズ・バンドのメンバーの「ドク
ターにはビートルズ・ファンが多い」というアドヴァイスは、まさにそのとおり
なんだなあと実感しました。

そして気がついたのは、ブースで座っている僕の態度が、前を通りかかる人の反
応にわりとストレートに影響を与える、ということです。
曲に合わせて歌ったり首を振ったりしていると(どちらもごく控えめにやってる
つもりですが)、「いいねえあんた、ここでずっとビートルズ聴いていられるなん
て。幸せだね!」という声がかかります。
逆に、「ああヒマだなあ…」なんて感じでぼんやりしていると、「おまえ、日がな
ビートルズでうんざりしてるだろ?」なんてツッコミを入れられたりするのです。

面白いなあ、と思いました。
でも考えてみると、それはたしかにそうですよね。僕だって、誰かのハッピーな
様子を見れば気分は良くなるし、ブスッとした顔を見たら「なんだよこのヒト…」
なんて思ってしまいます。そしてそれは、連鎖反応的にそのまま自分に返って来
たりするんですよね。

いつもいつもハッピーでいることは簡単なことではないけれど、まわりのために
も、自分のためにも、できるだけハッピーなフィーリングをキープするよう心が
けよう、とあらためて思いました。
子供よりもコドモな性格の僕にとってはなかなか難しいことなんですけどね…で
きるかな??

                          ― Kaz(26/07/2011)


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▼寄稿:「日々の暮らしが変わる旅もある!」(23)
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「日々の暮らしが変わる旅もある!」 / Anne

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■第74話《地下鉄でアムステルダムアレナへ》■

初めて来たこの駅は、地下鉄という感じがしないくらい大きな駅です。行き先が
違う電車が何本か出てます。
「これは間違わないようにしないと(^o^)!」
地下鉄はトラムと同じOV-chipkaartで乗車出来るから簡単!
構内に入ろうとすると改札が二種類。
「何か書いてあるぞ!」
どうもOV-chipkaart用の改札と違うチケット用もあるみたい。チケットによっ
て通る改札が違うんだね。
間違えないように慎重に通過。
行き先を確認してホームへ上がりましょ。
このホームに止まる電車も途中で別の目的地へ行っちゃう地下鉄が走ってるから
要注意ですねσ(^◇^;)

「お〜! 地下鉄がホームに入って来たよ!」
「乗車する地下鉄は『54Gein』のはずだよね。」
「入ってきたのは53番だ!」
「目的地が違う。これじゃないね!」
電光掲示板で確認すると次が『54Gein』行きらしい。
「次のだ!」
ホームに入って来た電車の行先を確認して早速乗車です。
でも心配なことがもう一つあるんですよね。
アムステルダムアレナは2つの駅の真ん中辺り。
「最寄駅が2つって! 私はどちらの駅で下車したらいいの(゜゜;)?」

スタジアムツアーの申し込みはメインゲート。
メインゲートに行くにはどちらの駅が便利なのか分らないんですよ。
「どうしよう・・・」
「手前の駅? それともその次の駅ヾ(>y<;)?」
考えていたら前の方にスタジアムの屋根が見えてきちゃいました。
「ヤバい!」
「もう決めなきゃ!」
「どうしよう! 最初の駅に到着しちゃうよ〜(O.O;)(oo;)」

「そうだ!!(^。^)b」
意を決して目の前に座る女性に声をかけることにしましょ。
だからってまともに英会話が出来る力はないことをご存じですよね。
「アムルテルダムアレナ?」
語尾を上げたらなんとなく「あれがスタジアムですよね」なんてニュアンスが伝
わるはず。
「イエス!」
前に座ってる女性はにっこり優しそうに答えてくださいました。
「やっぱりね(*^-^*)ゞ伝わったね!」

「良かった! ホッヽ(~o~ ;」
そこでアムステルダムアレナの図を見て頂きます。
メインゲートを指で示して
「どちらの駅?」
自分の意思なんてそんな感じて聞いたら伝わるんですよね。
すぐに彼女は地図上の駅を指して「こちらの駅」って教えてくれましたよ。
「やりました!」
これで目的の駅も分ってひと安心。
スタジアムって大きいから、試合を観戦する時のシートの場所とかでも駅が違っ
たりしますよね。
間違えたらスタジアムを半周以上回らないといけないのは辛い。
最寄駅と言っても大きなスタジアムでは複数あったりします。
バルセロナへ行ったとき、カンプノウなんて地図で確認すると最寄駅が3つあっ
たもの。
 

■第75話《アムステルダムアレナに来ちゃったよ!》■

駅に到着! 割と大きな駅です。もう構内からスタジアムへの方角が示されてる
よ。
それを確認しながら改札を出るとスタジアムの屋根がドーンと目に飛び込みます。
迷いようがありませんね。
お天気は相変わらず曇ったり、ポツポツしてきたり晴れたり。ダッチウェザーそ
のものです。
スタジアムゲートまでの道には、カラフルな建物が目を楽しませてくれます。本
当にオランダらしい感じ。
オランダって、家具やキッチン用品や雑貨でも、色鮮やかで可愛らしいデザイン
のものが多いですよね。
「あっ! そういえば代表チームのユニフォームもオレンジ色だ-!( ^_^)/」

スタジアムに沿って歩くとメインゲートはすぐに分りました。残念なことにもう
リーグ戦は終了。
だからスタジアムツアーのお客さんとオフィシャルショップのお客さんだけ。閑
散としたスタジアムです。
オープンしてるのはここだけだから目立ってたんですけどね。
「でもツアーのお客さんは結構いるなあ」
「やっぱりアヤックスって人気があるんだね」

「よし! ツアーを申し込まなきゃ(`´)/」
またまたドキドキしながらカウンターへ向かいます。
片言英語でツアーをお願い!
「伝わったかな・・・」
「大丈夫ヽ(´-`)/」
カウンターの女性が一番早いツアーの時間を書いてくださいましたよ。
そして、入口方向を指してくれます。振り返るとそこでツアー開始を待ってる方
がいます。
「そこに集合ね」
勝手に納得しちゃいました。
「言葉が分からないって想像力が大切だものね!」
集合時間までは隣接しているオフィシャルショップを覗きましょ!
「さあ、そろそろ集合時間ですヽ(^。^)丿」

スタート時間になると担当のスタッフの方がいらっしゃいました。
最初に「英語の分る人」と「オランダ語の分る人」の確認をしているようです。
「どっちも分らないけど・・・」
「日本人は私だけなのね!」
「まあ控えめに付いていくことにしましょ!」
「アンフィールドのツアーだって何のお話をしてくれてるか分からないで付いて
いったもの!」

近代的な階段やエレベーターで上の方へ上がっていきます。
まだ新しそうで綺麗! 赤が際立ったキュートなデザインのスタジアムですね。
「白い壁に赤い柱がとても可愛いい(*^^)//。:*:°'」
あちこちに目を奪われちゃいます。
「ツアーはピッチから始まるのね〜!」

すでにシーズンが終わったピッチには敷物が敷かれて工事中です。
どうもシーズンオフはコンサートが予定されてるらしい。
イングランドもウェンブリースタジアムなんかはコンサート会場になってますよ
ね。
「あっ! 日本もスタジアムでコンサートってあるよね(^O^")」

まずピッチ上では記念撮影。カラフルな観客席に書かれた絵をバックにピッチで
写真を撮影してくれます。
5万1000人程収容できる、開閉式屋根を備えたドーム型のスタジアムです。
誰も座っていない観客席もオランダらしく明るい色彩の可愛い絵が描かれていま
すね。

この大きなスタジアムのピッチに立った感動を伝えたくてまた日本の友人に写
メール。
ガイドの方はかなりの時間を費やして丁寧な説明をしっかりしてくれているみた
い。
「まあ、何も分からないんだけどね」
「いいんですよ! ここに自分がいることが大切だもん<(`^´)>」


■第76話《アムステルダムアレナの中を次々と・・・》■

ピッチでの記念撮影が終わると、今度はメインスタジアム側のVIP席? …とて
もきれいな通路から繋がってる席だから多分VIPだね。

「インタビューに答える部屋だ!」
希望者は選手側に座ってマイクに向かっているよ! インタビューに答えている
選手気分だね。
そして他の人はその姿を写真撮影。本当の選手じゃないけれど、ガイドさんがこ
の楽しい雰囲気を作り出してくれてます。

「バーもあるよ(^◇^)」
「ここは放送席だね〜!」
次々とガイドさんの案内で回りますよ。

スタジアム内にはとても素晴らしいレストランもあるよ!
私が歩いている通路から吹き抜けの下を見るとテーブルと椅子が並んでいます。
テーブルクロスはスタジアムの柱のように赤くて綺麗。そして高級感が溢れた雰
囲気です。

その通路の先の方に何だかガラスのトンネルのようなものが見えてますよ!
「ガラス張りの円形の中はエスカレーターだ☆(゜ο゜))」
ガラス張りだから下にアヤックスの練習場も見えてきます。
「このスタジアムって楽しい!」
「宇宙ステーションみたいだねー!」
エスカレーターをどんどんどんどん上って、ずっと高い所からピッチを見下しま
す。
こうして広いスタジアム内をただただガイドさんの後を付いて歩いていると!
「お〜ヾ(°°)! スタートのカウンターのあった場所の反対側から出てきたよ」

とても丁寧なツアーでした。戻ってくると、最初にピッチ上で撮影した写真も出
来上がっていました。
もちろん別料金ですけどね。
ひとり旅って自分が映る機会が少ないから嬉しいですよね。
写真代を支払って受け取ったら、もう一つのお楽しみ、オフィシャルショップで
お買い物。
「やっぱりサッカーグッズって欲しくなっちゃう!」
「アヤックスも好きなの?」
「ズラタンがいた頃のヤングアヤックスって楽しかったよね!」
サポーターじゃないけど、たくさんの魅力のあるヨーロッパの名門クラブ!
ついつい夢中になっちゃうのは許してね(^人^)

(つづく)

≪ http://scousehouse.net/magazine/nlw_photo469.html ≫ 


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ぜひご覧ください!
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